いまや高画質テレビの代名詞ともなっている4K有機ELテレビ。最新のテレビはネット動画機能やゲーム機能が充実していることもあり、おうち時間の中でもテレビの前で過ごす時間が増えているこの冬は、自分へのご褒美に思い切って大画面の4K有機ELテレビを購入してみようかなと思っている人もいるはずだ。ただ、大画面の4K有機ELテレビは液晶テレビに比べて価格がまだ高く、なかなか購入に踏み切れないという人も中にはいるだろう。
そんな人にぜひ注目していただきたいのが、東芝テレビ4K有機ELレグザ「X8900K」シリーズだ。最新設計の高画質映像処理エンジン「レグザエンジン ZR1」を搭載し、これまで培ってきたレグザならではの高画質化技術や、使い勝手のよい録画機能と、新搭載のAndroid TVによる強力なネット連携機能を高次元で融合。しかも、価格は従来モデルからかなり抑えられており、購入しやすいのがポイントだ。テレビ視聴やテレビ番組の録画はもちろん、ネット動画もゲームも高画質・高音質で思う存分楽しめる、この冬大注目のモデルを詳しく解説していこう。
「X8900K」シリーズは、「レグザ」ブランドとして初めてAndroid TVプラットフォームを採用し、有機ELテレビならではの高画質と、今どきのテレビに求められる使いやすいネット動画機能を融合した、有機ELテレビのハイコストパフォーマンスとして展開されているシリーズだ。
レグザといえば、薄型テレビの黎明期から他社に先駆けて独自開発の映像処理エンジンを駆使したテレビの高画質化にこだわり続けているブランドだ。なかでも、地デジ放送の高画質化にはかなり力を入れており、2020年には、クラウド上に保存されている画質チューニング用データと連携して高画質化を行う「クラウドAI高画質テクノロジー」を業界に先駆けて導入するなど、今なお独自のアプローチでテレビの高画質化に磨きをかけている。
もちろん、Android TVを採用して生まれ変わった「X8900K」シリーズでも、“地デジがキレイ”というレグザシリーズのDNAはしっかりと受け継がれている。映像処理エンジンには、Android TVプラットフォームに合わせて新たに開発された「レグザエンジン ZR I」を搭載。非常にパワフルな映像処理エンジンとなっており、先述した「クラウドAI高画質テクノロジー」はもちろんのこと、健康的で自然な質感の人肌を再現する最新の高画質化機能「ナチュラル美肌トーン」や、絵柄に応じて適切な復元処理を実施し、4K放送本来の美しさを再現する「4Kビューティ」、地デジ放送のノイズを低減し、映像を高精細に再現する「地デジAIビューティZR I」、ネット動画サービスそれぞれの特性に合わせて高画質化する「ネット動画ビューティZRT」など、レグザブランドが誇る数々の高画質化機能を余すことなく搭載。地デジだけでなく、4K放送やネット動画もより美しく楽しめるのだ。
「X8900K」シリーズに搭載されている新開発の映像処理エンジン「レグザエンジン ZR I」。非常にパワフルな処理能力を持ち、これまでのレグザシリーズの開発で培ってきた数々の高画質化機能を余すことなく利用できる
2021年モデルから搭載された最新の高画質化機能「ナチュラル美肌トーン」。従来の美肌補正で行っていた白飛びや黒つぶれに対するガンマ軸補正や、超解像技術を使った精細感補正に加え、緑被りや赤みがかるなど、記憶色から外れたカラーシフトに対して適正な色補正を行うことで、より健康的で自然な人肌を再現できるようになっている
地デジで用いられている映像方式「MPEG2」で発生しやすいブロックノイズや動きぼけを抑えつつ、高精細にアップコンバートしてくれる「地デジAIビューティZRT」。クラウド上に保存されている、ジャンルや番組ごとの画質チューニング用データを用いて高画質化する「クラウドAI高画質テクノロジー」とも連携しており、2K解像度の地デジ放送を4Kネイティブ並みの高画質で楽しめる
インターネットの動画配信サービスごとの特性に合わせて高画質化処理を施し、ネット動画を高コントラスト・高精細に楽しめる「ネット動画ビューティZRT」。上記の「ナチュラル美肌トーン」も同時に働き、ネット動画でも自然な人肌の色を再現できるのもポイントだ
また、「X8900K」シリーズでは、視聴環境の照明の色や明るさに合わせて画質を自動で最適化してくれる「おまかせAIピクチャー」が「おまかせAIピクチャーZR I」に進化した点も見逃せない。部屋の照明の色にあわせて色温度を調整する機能がより最適化されるとともに、夜の視聴環境では睡眠に影響があると言われるブルーライトを従来よりも最大20%抑制してくれるという。夜、リラックスしながらテレビを楽しんでいるという人は多いと思うが、「X8900K」シリーズなら夜間のテレビ視聴がより快適になるはずだ。
視聴中のコンテンツ種類とリアルタイム検出した視聴環境の明るさや色温度から、最適な画質に自動調整してくれる「おまかせAIピクチャーZRT」。夜間に浴びると影響があるといわれるブルーライトを抑制し、テレビ視聴をより快適にしてくれる
さらに、「X8900K」シリーズの高画質を語るうえで、もうひとつ外せないのが、搭載する有機ELパネルだろう。自発光デバイスの有機ELは、素子の発光を止めることで漆黒の黒を再現できるのが液晶パネルと比べたときの最大の特徴だが、引き締まった黒を再現するために、画面表面が光沢感のあるグレア加工になっているものが多い。画質面では有利なグレア加工だが、半面、画面への映り込みが増えるのが難点。せっかく大画面テレビで映画などを楽しんでいたのに、画面が暗くなったとたん、自分の顔や部屋の様子がパネルに映り込んでしまって興ざめしてしまったという経験のある人も多いことだろう。
「X8900K」シリーズでは、そんな課題を解決するために、同社の有機ELテレビとして初めて、反射率を低くして映り込みを抑えた、ハーフグレア仕様の低反射有機ELパネルを採用した。日本のリビングは、欧米の住宅に比べて照明がかなり明るいため、大画面テレビになればなるほど映り込みに対してシビアになることが多いのだが、「X8900K」シリーズなら明るいリビングに設置しても、映り込みがさほど気にならないのだ。
また、自発光デバイスの有機EL素子を用いた有機ELテレビは、バックライトにLED光源を用いた液晶テレビに比べて画面のピーク輝度が低く、照明が明るいリビングでは画面が暗く感じることが多いのだが、「X8900K」シリーズの55V型モデルと65V型モデルには、自社開発・専用設計の高放熱インナープレートを採用。放熱性能を高め、有機ELパネルの持つ輝度性能を極限まで引き出すことで、明るく色鮮やかな映像を楽しめるようになっている。
「X8900K」シリーズでは、同社の有機ELテレビとして初めてハーフグレア仕様の低反射有機ELパネルを採用し、気になる画面への映り込みを抑制している。また、55V型モデルと65V型モデルには、自社開発・専用設計の高放熱インナープレートを採用。有機ELパネルの輝度性能を高め、明るく高コントラストな映像を実現している
低反射有機ELパネルと高放熱インナープレートのおかげで、明るいリビングでも有機ELテレビならではの高コントラストな映像を楽しめる65V型「65X8900K」は、リビングに置いて見る大画面テレビとして有力な候補となるだろう
大画面テレビに限らず、テレビ放送やゲームを大迫力で楽しむために欠かせない存在が、“音”だ。特に大画面テレビでは、画面サイズに負けないパワフルなサウンドを出せるかどうかで、コンテンツへの没入感が大きく変わってくる。薄型テレビは、その構造上、奥行きが取りにくく、スピーカーユニットの容積を確保するのが難しい。そのうえ、最近では薄型パネルの特徴を生かしたスタイリッシュなデザインを優先させるために、できるだけコンパクトなスピーカーユニットを画面下にまとめて配置してユーザーの目に触れないようにしているモデルが多く、買った後に“思ったよりも音が貧弱だった”ということが往々にしてあるのだが、その点、「X8900K」シリーズはかなりこだわって作り込まれているので安心だ。
バックライトが不要な4K有機ELテレビということもあり、基本的に「X8900K」シリーズもスタイリッシュな薄型デザインを生かして画面下部にスピーカーユニットを配置した構造にはなっているのだが、大きく違うのがスピーカーシステムの構成だ。ダブルフルレンジスピーカーとクリアツイーター、ダブルパッシブラジエーターを密閉型スピーカーボックスに収めて左右それぞれに配置し、実用最大出力合計値72Wのマルチアンプで駆動させる「重低音立体音響システムXP」というかなりパワフルなものが搭載されているのだ。
もちろん、ただ単に6基のスピーカーユニットでパワフルな出力を実現しているだけでなく、独自のサウンドプロセッサー「レグザ サウンドプロセスVIR」で音声信号を高精度に処理し、スピーカーユニットに音が流れる前段階のクオリティを引き上げたり、「高遮断クロスオーバーフィルター」でスピーカーユニットから出る不要な音の被りを低減させ、スピーカーユニット同士の音のつながりを改善させるなど、高音質再生のためのさまざまなノウハウを投入。スタイリッシュな薄型デザインからは想像できない、パワフルな低音から伸びやかでクリアな高域まで、しっかりと体感できるサウンドを実現しているのだ。
また、大画面テレビの場合、画面下部に設置されるアンダースピーカーだけでは、画面の表示位置に対して音が聴こえてくる位置が低くなりがちで、映像と音の一体感に欠けることが多いのだが、「X8900K」シリーズでは独自の音像補正技術を用いて画面の位置まで音をしっかりと持ち上げることで音像定位を改善。前後左右に加え、高さ方向のサラウンド表現も可能にする立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」にも対応し、テレビのスピーカーだけで、音に包まれるような没入感の高いサウンドが楽しめるようになっている。
ダブルパッシブラジエーターを組み合わせたダブルフルレンジスピーカー、クリアツイーターなどを含む計6基のスピーカーユニットを実用最大出力合計値72Wのマルチアンプで駆動する「重低音立体音響システムXP」。立体音響技術「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」にも対応しており、テレビのスピーカーだけで本格的なサウンドを楽しめる
しかも、「X8900K」シリーズでは、この「重低音立体音響システムXP」が55V型モデルや65V型モデルだけでなく、コンパクトな48V型にも搭載されているのだ。一般的にここまで本格的なスピーカーシステムを搭載するのは大型モデルのみということが多いのだが、画面サイズを問わずにこの本格的なサウンドを楽しめるというのは、「X8900K」シリーズの大きな強みと言えるだろう。
レグザといえば、映像マニアもうなる多機能さもウリのひとつ。なかでも、好きな時に見たいテレビ番組を自由に楽しめる、独自の「タイムシフトマシン」などの録画・視聴機能には根強いファンも多い。価格を抑えた「X8900K」シリーズは、「タイムシフトマシン」こそ非搭載となっているが、もちろんUSB HDDを接続しての録画機能には対応。しかも、ネットと連携した強力な「おまかせ録画」機能が用意されているのが特徴だ。
キーワードを使った一般的な自動録画機能は、番組表情報に該当のキーワードが含まれている場合に自動で録画するという仕組みだが、「X8900K」シリーズの「おまかせ録画」は、インターネットを通してクラウドと連携することで、番組のジャンルや出演するタレントはもちろんのこと、「話題の番組」や「深夜に見たいバラエティ」、「大人向けアニメ」など、さまざまなカテゴリーに分かれた独自の「みるコレ パック」を活用できるのが大きな特徴。160,000件以上にも及ぶ膨大な「みるコレ パック」の中から、お気に入りのカテゴリーを選択し、「おまかせ録画」に設定しておくだけで、より精度の高い自動録画が行えるというわけだ。また、嵐やNEWSといった一般キーワードを用いたタレントも人物IDを使うことにより、より精度の高い録画が可能となっている。
ユーザーがよく見る番組をAIが深層学習で解析して「みるコレ パック」として提案してくれる新機能「みるコレAI」も搭載されており、膨大な数の「みるコレ パック」の中からお気に入りのものを探すのが面倒という人でも簡単に使える点もうれしいところ。地デジだけでなく4K放送も録画対象にできるので、録り逃ししやすいバラエティや音楽特番などが多く編成されている年末年始や番組改編期に大活躍してくれるはずだ。
また、録画番組の視聴についても、録画番組を、おすすめ順やジャンル、タレントごとにサムネイルで表示し、ネット動画で作品を選ぶような感覚で探せる「おすすめ番組」機能、リモコンから呼び出せるシーンリストを使い、気になるシーンに簡単にアクセスできる「シーン/出演者」機能、録画番組を自動でチャプター分割してくれる「Wマジックチャプター」など便利で使い勝手のよい機能を多数搭載。おまかせ録画した膨大な録画番組を効率よく視聴できるというのも、レグザシリーズならではの特徴と言えるだろう。
おまかせ録画や通常録画で録画した番組を、おすすめの番組やジャンル、タレントごとにサムネイルで表示してくれる「おすすめ番組」機能。ネット動画で作品を探すような感覚で簡単に探せるので、見たいものが決まっていない時に重宝する
録画番組の再生中に呼び出せる「シーン/出演者」機能。ネットと連携した細かなシーンごとのチャプターリストを使い、4~5時間にわたる音楽番組の中からお目当てのアーティストだけをチェックするなど、気になるシーンに簡単にアクセスできる
さらに、機能性という点では、Android TVプラットフォームを採用したことで、テレビ放送だけでなく“ネット動画”にも強くなった点が見逃せない。アプリを自由に追加してカスタマイズできるなど、Android TVならではの高い拡張性はもちろんだが、リモコンの「ABEMA」「Hulu」「U-NEXT」「YouTube」「Prime Video」のダイレクトボタンや、お気に入りの動画配信サービスなどを登録できる「My.Choice」ボタンで、よく見る動画配信サービスにボタンひとつで素早くアクセスできるのが便利。テレビでもネット動画を快適に楽しむことができる。
「X8900K」シリーズのリモコンには、「ABEMA」「Hulu」「U-NEXT」「YouTube」「Prime Video」のダイレクトボタンに加え、お気に入りの動画配信サービスなどを登録できる「My.Choice」ボタンも搭載。よく見る動画配信サービスにボタンひとつで素早くアクセスできるのが便利だ
また、レグザは、“ゲームと言えばレグザ”と言われるくらい、ゲーム向けの機能が充実しているのも特徴だが、「X8900K」シリーズではこのゲーミング機能がかなり強化されている。4K有機ELレグザとして初めてHDMI 2.1の4K/120p、VRRをサポートしたほか、ゲーム機やゲームの種類に合わせて自動的に最適な画質に調整する「オートゲームアジャスト」の搭載、ゲーム専用の高画質処理、4K有機ELレグザで最も遅延が少ない0.83msの低遅延表示などを実現。ゲーミング性能だけで言えば、4K有機ELレグザのフラッグシップモデル「X9400S」シリーズを上回るスペックとなっている。低反射有機ELパネルで映り込みも少なく、ゲームを思う存分楽しむテレビとしても大いに魅力的な製品と言えそうだ。
「レグザX8900K」シリーズは、地デジもネット動画も高画質・高音質で楽しめ、Android TVの採用により、インターネットとの親和性がさらに高まった。また、AIを活用した賢い録画機能で撮り逃し対策も万全で、HDMI 2.1の4K/120p対応など、最新ゲーム機への対応もばっちりと、イマドキの大画面テレビに求められる機能をほぼすべて網羅したオールラウンドモデルとなっている。
画面サイズも、寝室や子供部屋にも起きやすい48V型に加え、リビングに設置する大画面テレビとしてもうってつけな55V型・65V型という3サイズ展開で、設置場所に応じて選べるのもありがたい。特に55V型モデルと65Vモデル型は、低反射有機ELパネルと高放熱インナープレートのおかげで、画面の映り込みや暗さという有機ELテレビの弱点をしっかりとカバーし、明るいリビングにも設置できる大画面4K有機ELテレビとしてかなり完成度が高い。
これだけのスペックを備えながら、4K有機ELテレビとしてかなり手ごろな価格なのもうれしいところだ。なかでも高コスパなのが65V型。2021年12月3日時点の価格.com最安価格では約24万円と、65V型の4K有機ELテレビとしてはかなり買いやすい価格を実現している。しかも現在、レグザブランド15周年を記念した最大10万円のキャッシュバックキャンペーンも実施されており、うまく活用すればさらにお得に手に入れることが可能だ。大画面の4K有機ELテレビを導入してみたいが、価格面などでなかなか踏み切れなかった人も、「レグザX8900K」シリーズなら思い切って導入できるだろう。この冬、大画面4K有機ELテレビの購入を検討している人にとって、「レグザX8900K」は最有力候補のひとつになるはずだ。
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