今回は、1年間着回せる半袖Tシャツをセレクト!
本企画「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する連載企画。第13回は、「ショートスリーブスクエアロゴジャカードティー」をピックアップした。
本作は、ニット素材を使用した着心地のよいトップス。適度なカジュアルテイストも魅力で、ランニングやトレーニング、アウトドアアクティビィティからライフスタイルまで、さまざまなシーンで活躍してくれる1着だ。
「ショートスリーブスクエアロゴジャカードティー(S/S Square Logo Jacquard Tee)」(商品型番:NT81908)
ザ・ノース・フェイスは、世界屈指のアウトドアブランドであり、世界中のアウトドアアスリートから高い支持を獲得することに成功している。いっぽうで、機能美と呼ぶべき完成されたデザインにより、街で着用するユーザーも少なくなく、現在の日本のファッションシーンで最も人気の高いブランドのひとつとなっているのはご存じの通りだ。
アメリカのカジュアルシーンでは、素材に綿100%を使用し、洗練されたプリントデザインを配したTシャツもポピュラーだが、個人的にはスポーツシーンとカジュアルシーンの両方で着用できるタイプをもっぱらセレクトしてきた。
今回紹介する「ショートスリーブスクエアロゴジャカードティー」も、「コーデュラ ナイロン」とコットンの混紡素材を使用しており、天然素材ならではの風合いを保ちながら、耐摩耗性を高めている。肌が触れる面にはポリエステル糸を使用しており、汗をかいても肌離れがよく、衣服内部を快適に保つ。身頃は丸胴成型によりサイドに縫い目がないので、肌への干渉が軽減されるため、クライミングを始めとしたあらゆるアクティビティのダイナミックな動きにもスムーズに対応してくれるという。
織られているのではなく編まれている素材「コーデュラ ジャガード ニット」を採用。素材構成は、綿38%、ポリエステル36%、「コーデュラ ナイロン」26%だ。着た瞬間にニット素材特有の着心地のよさを体感できた。「THE NORTH FACE」のロゴも、プリントではなく編まれている
背面には、製品名の一部にもなったスクエアロゴが大きく編み込まれている
実際に着用してみると、まず感じるのはニット素材ならではの生地の柔軟性とフィット感のよさだ。
2020年1月に本連載で紹介した長袖トップスの「ロングスリーブフライトエンジニアードジップアップ」にも着心地は似るが、「ショートスリーブスクエアロゴジャカードティー」の素材構成が綿38%、ポリエステル36%、「コーデュラ ナイロン」26%なのに対し、「ロングスリーブフライトエンジニアードジップアップ」はポリエステル53%、ナイロン25%、ポリプロピレン22%で、どちらかと言うと後者のほうがよりやわらかい肌触り。前者は綿と「コーデュラ ナイロン」を混紡しているため、柔軟性にプラスして摩擦に対する耐久性も高そうだ。
もちろん、コットンを使用したことで、より一層カジュアルな雰囲気に仕上がっているのも注目すべき点だ。ルルレモンの「メタル ベント テック」やナイキの「Dri-FIT KNIT」のシリーズも、編まれた素材を使用しているという共通点を持つが、綿と「コーデュラ ナイロン」を混紡している点はこの2製品との大きな違いと言える。
本製品を着て、3度のラン(6km/12km/6km)を行った。
適度なフィット感で、腕振りもしやすく快適な着心地。春の気温であれば発汗量もそれほど多くないので、走行中も終了時もまったく不快感はなかった。また日常生活でも着用したが、適度にカジュアルなデザインなので、自然と街に溶け込んでくれる。もう少し暖かくなったらコットンショーツやカットオフデニムあたりとコーディネートするのも悪くないかと思う。この快適な着心地は外出自粛が要請される今、自宅でくつろぐ際にもピッタリだ。どちらかと言うとスリムなシルエットなので、お腹周りが気になるユーザーはワンサイズアップしてもいいだろう。2度洗濯したが、素材に最も多く使用しているのが綿だとは思えないほど、乾くのが速かったのもうれしいポイントだ。
ネックタグは薄手の合成樹脂製。着心地を損なわない
裾の内側には、「THE NORTH FACE」の文字が編まれている。これは、ナイキやルルレモンのニット素材ウェアでは、この部分にアスリートへのメッセージが編み込まれているように、ニット素材のスポーツウェアにおいてポピュラーな手法だ
以上のように、「ショートスリーブスクエアロゴジャカードティー」は、さまざまなアクティビティに使用できるだけでなく、ライフスタイルシーンでも活躍してくれるマルチパーパスな半袖トップスだった。月並みな言い方だが、1着あると本当に便利な存在。
酷暑の中でのランニングにおいて、同社で言えば「ショートスリーブフラッシュドライ3Dクルー」や「ショートスリーブエンデューロクルー」のような、より吸汗速乾性能にすぐれたアイテムを着用したほうがいいが、それ以外のシーズンは本製品でもアクティビティ中は快適なはず。また、その適度なカジュアルテイストにより、ボタンダウンシャツやネルシャツのインナーとしても活躍してくれそうなので、その活躍時期は1年中と言えそう。現行のザ・ノース・フェイスの半袖トップスにおいて屈指の汎用性を誇るアイテムだと思う。そう考えると、6,600円(税込)は決して高くない。
ちなみに、筆者が購入したカラーは「UN(アーバンネイビー)」という昨シーズンのカラー。現在メンズでは「K(ブラック)」「Z(ミックスグレー)」「BA(バンブーイエロー)」「FE(ファーグリーン)」の4色が展開されている。
現在販売中のラインアップ。上段左が「K(ブラック)」で右が「Z(ミックスグレー)」。下段左が「BA(バンブーイエロー)」で右が「FE(ファーグリーン)」
ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。