本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。第27 回は、メリノウールをポリエステルに混紡した素材を用いたトップス「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー」をピックアップした。滑らかな肌触りで着心地がよく、ウールの持つ独特の風合いのよさやナチュラル感を持ち合わせた1着だ。
「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー(S/S FLASHDRY Merino Crew)」(品番:NT32087)の「トルマリンブルー」。写真は背中側。公式サイト価格は、5,280円(税込)
運動時や日常生活において、かいた汗を素早く吸収し、乾燥させる吸汗速乾性にすぐれたスポーツアパレルは、日本においても当たり前の存在となった。
その多くは、素材にポリエステルを100%使用しているが、着心地や見た目の雰囲気を考慮して、綿との混紡素材を採用するモデルもチラホラ見かけ始めた。最近では、ウール、それも肌触りがよく、除湿性などにすぐれたメリノウールとの混紡素材のプロダクトも、各ブランドからリリースされるようになった。
今回紹介する「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー」は、吸汗速乾性にすぐれるポリエステルと、保温性や吸湿性などの特徴を持つメリノウールのハイブリッド素材を使用したショートスリーブTシャツ。不快な静電気の発生を抑える静電ケア設計で、背面に配置したビッグロゴがデザインのアクセントとなっている。
フロントは、左胸に小さいサイズで「THE NORTH FACE」のロゴをプリント
背面は、「THE NORTH FACE」のスクエアロゴが大きく入れられている
実際に着てみた!
実際に着てみると、メリノウールならではのやわらかい肌触りをすぐに感じられた。この感覚は、メリノウール100%を使用したアイスブレーカーの「200 オアシス ショートスリーブ クルー」やパタゴニアの「キャプリーン・クール・メリノ・グラフィック・シャツ」でも感じたが、ポリエステルなどの化学繊維では得られない快適な着心地がうれしい。
メリノウールの含有量は、先述のアイスブレーカーのモデルが100%、パタゴニアのモデルが65%なのに対し、「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー」は15%。かなり少なく感じるが、実際に着用するとメリノウール独自の肌触りをしっかりと感じられた。
ランニングの時にも使用したが、汗が乾く際の汗冷えが少ないことも、メリノウール使用モデルのメリットのひとつで、このアイテムでもその特徴はしっかりと確保されている。激しく発汗するような際には、本連載でも紹介した「ショートスリーブフライトハイパーベントクルー」(https://kakakumag.com/sports/?id=16758)のような吸汗速乾性の高いプロダクトを選ぶべきだが、軽いランやハイキング、キャンプのようなアクティビティには、このモデルでも十分に対応してくれる。
普段着として着用した際には、快適な着心地にプラスして、ポリエステルの素材比率が高いため、耐久性が高いのは大きなメリット。メリノウールの含有量の多い製品と比較すると、バックパックを背負った時に毛玉ができにくい気がする。
また、羊毛を使用した衣類で気になるのは、洗濯などのメンテナンス。ウールのセーターを水洗いすると縮んでしまい、サイズが小さくなってしまうことがあるのは一般的にも知られているが、このアイテムは洗濯ネットを使用すれば水洗い可能。洗濯機の使用も問題ない。洗濯ラベルには、中性洗剤(「アクロン」や「エマール」が有名)の使用が指示されているが、洗濯ネットを使用すれば、一般的な洗濯洗剤でも問題ないと思う。実際に、一般的な洗剤で3回普段どおりに洗ったが、やわらかな風合いが失われることはなかった。
「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー」は、ポリエステルが85%、メリノウールを15%の混紡素材を使用。洗濯ネットを使用すれば、洗濯機でも洗えるので、メリノウールを使用するアパレルを初めて着るユーザーにもピッタリだ
以上のように、ザ・ノース・フェイスの「ショートスリーブフラッシュドライメリノクルー」は、カジュアルシーンからランニングを始めとしたさまざまなアクティビティにも対応する汎用性の高い1着であることが理解できた。
洗濯などのメンテナンスも簡単で、どちらかというと毛玉もできにくいので、メリノウール使用アパレルを初めて着るというユーザーにもおすすめだ。5,280円(税込)という価格は半袖トップスとしては決して安くないが、その汎用性を考慮すると納得できるレベル。アクティブに活動する時に使用できる、着心地のよい夏のトップスの購入を考えているなら、ぜひとも候補に入れてほしい1着だ。
ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間50分50秒。