パーカーはワードローブに欠かせない定番アイテムですが、首元に施された紐のあしらいまで気を配っている人は意外と少ないでしょう。必ずしも結ぶ必要はありませんが、アレンジ次第でいろいろな表情を楽しめるので、生かさない手はありません。また、ちょっとしたアクセサリーのような役割も果たしてくれるので、スタイリングの洒落度アップにも有効です。この機会にパーカーの紐のアレンジを覚えて、ワンランク上のパーカースタイルを手に入れましょう!
パーカーの紐の結び方をアレンジすれば、一枚でいろんな表情が楽しめます
左から「蝶々結び」、「ワンループ結び」、「ダブルロール結び」
パーカーの紐のアレンジはおしゃれなアクセントになるだけでなく、結ぶことでじゃまにならないなどの機能的な面もあります。ここではスタイリストの小林知典さんが実用的な3つの結び方を教えてくれました。
スタイリスト/小林知典さん
雑誌や広告、Webなどの幅広いフィールドで活躍中。カジュアルからビジネスまであらゆるファッションへの造詣が深く、Tシャツのたたみ方をはじめとする“ハウツー”モノも得意
メンズは仕上がりにややラフさがあったほうが好印象
そもそもパーカーはラフなアイテムなので、紐を左右対称にきちんと結びすぎると魅力が半減してしまうことも。また、「蝶々結び」などはあまりに左右対称に結ぶとかわいらしい印象を与えてしまいます。男性の場合は、どんな結び方でもあえて左右非対称にして仕上げすぎないのがポイント。そうすることで男らしいワイルドなムードを醸し出せます。
定番の蝶々結びはループ(輪っか)の大きさを左右非対称にするとラフさを演出できます
まずはパーカーの紐のアレンジにおいて、定番である「蝶々結び」からレクチャー。男性の中にはこの結び方が苦手な人もいますが、それはまったく問題ありません。というのも、パーカーの場合、左右のループや紐の長さが少し非対称のほうがラフに仕上がるからです。ただ、あまりにも左右の長さが違うと、逆にだらしないイメージを与えてしまうのでほどほどに……。
パーカーの紐を交差させて、片方の紐を逆側の紐に1回巻きつけます。次に両側を引いて、蝶々結びの準備をしましょう。
パーカーの紐は交差させる前に、ある程度左右の長さを揃えておきましょう
片方の紐をループにしてつまみ、もう片方の紐をそのループにかぶせるように上から巻きつけていきます。
【手順1】で作った結び目とループの間に、上から巻きつけた紐を通します。正面から見て左側から引き出して蝶々結びに。最後に全体の形を整えたら完成です。
ワンループ結び」は、忙しいときもパッと結べて、ラフに仕上がります
「蝶々結び」よりもアレンジが簡単で、もっとラフな結び方が好みという人は、その両方を叶えられる「ワンループ結び」がおすすめ。複雑な手順がないので 、慣れれば5秒ほどで完成します。こちらもあえて仕上がりすぎないようにセットすると、ラフさをさらに高められます。
2本の紐をまとめて、写真から見て右側に2つに折りましょう。このとき、折りたたむ位置は紐の中央部分辺りを目安に。
ラフな印象に仕上げるなら、紐の長さはある程度だけ揃えておけばOK
紐先を裏側に通し、右側に出してループを作っていきます。ちなみにループの中に人さし指を入れておくと、最後の手順がスムーズです。
紐先側の根本辺りをつかみ、ループへ通します。紐の先端はループを通りきらないように残しながら、結び目をキュッと締めて、新たなループを作ります。最後に全体を整えたら完成!
結び目を下から上に引き上げながら紐を通すと、結び目をきつめに締められます
見た目が個性的な「ダブルロール結び」は、意外にも手順は簡単
パーカーの紐をクルクルとまとめるように仕上げる「ダブルロール結び」は、首元で個性を演出するのに打ってつけ。「片方ずつ結ぶので紐がじゃまになるのでは?」と思うかもしれませんが、コンパクトにセットできるのでその心配は無用。複雑なように見えて結び方はシンプルなので、パーカーの紐のアレンジに初めて挑戦する人でも実践しやすいはずです。
はじめに片方の紐を折りたたんでループを作っていきます。その際に紐先は内側にセットするのがポイント。
続いて紐先を後ろに持っていき、先ほど作ったループの上にクルクルと2回巻きつけます。このとき、2回目の巻きつけをする位置は1回目の巻きつけ位置より下側になるようにします。
ループの上部を押さえながら、もう片方の手で巻きつけると簡単です
紐先をループの表側から裏側へと通し、最後に紐先をゆっくり下へ引っ張ります。もう片方も同様に結んだら、ダブルロール結びはフィニッシュ!
紐先を引っ張るときに2回巻きつけた部分も同時に下ろしていくと、結び目を紐先にセットできます
もっと簡単にラフさをさらに演出したい。そんな要望を叶えるべく、引き続きスタイリストの小林さんにテクニックを教えてもらいました。上の3つの結び方よりかなり楽に仕上げられるので、ものぐさな人にもおすすめです。
ひと結びするだけも、首元がこなれた印象に変わります
パーカーの紐のアレンジでいちばん簡単なのが、こちらの結び方。写真を見てわかるとおり、紐を交差させてひと結びするだけ。ただ、きちんと結んでしまうとアレンジの途中のように見えてしまうので、あえてゆるく仕上げるのがポイントです。それだけでも首元に表情が生まれ、こなれ感を演出することができますよ。
紐を抜くのは少々勇気が必要ですが、最大限に抜け感が出せます!
どんなに簡単でも紐を結ぶのが面倒だったり、結んでもやっぱり紐がじゃまと感じたりするのならば、思い切って紐を抜いてしまうアレンジもアリ。そうすることで首元がすっきり仕上がり、紐があるときとは一線を画す抜け感を醸し出せます。もちろん、紐は再び通せますが、少し手間がかかるのでご注意を。
●写真/坂下丈洋(BYTHEWAY)