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FP山崎俊輔のマネーリテラシー向上委員会

お年玉はマネー教育の絶好のチャンス! 子どものムダづかいをとめてはダメ

小中学生がもらえるお年玉の平均額は24,000円

お年玉というのは、お正月休みの子どもの大きな楽しみのひとつでしょう。2018年に株式会社バンダイが小中学生900人を対象にお年玉に関する意識調査を行いました。「お正月に楽しかった・うれしかったイベント」を尋ねたところ、1位は「お年玉をもらったこと」でした。それだけ、子どもにとって大事なイベントなんですね。

そして、両親や祖父母、親戚のおじさんなどからもらうお年玉は子どもにとって大きな臨時収入です。先ほどのバンダイの調査では、小中学生の平均額は24,424円。小学生の平均は21,382円、中学生の平均は30,507円となりました。

おこづかいの何か月分、あるいは1年分以上の金額になることもあり、アレを買いたいコレも買いたいと、子どもの鼻息は荒くなります。今年も新年早々、家電量販店などに駆け込む子どもにつきあわされた親御さんもいるのではないでしょうか。

子どものもらったお年玉をどう使わせるかは難しい問題です。しかし考えようによっては、お年玉は絶好の金銭教育のチャンスにもなるのです。
今回はちょっとテーマを変えて、「お年玉を通じた金銭教育」について考えてみたいと思います。

子どもには大きな臨時収入。お金との付き合い方を学べる好機

子どものお年玉は、私たち大人にとってのボーナスと重なる部分があります。毎月の給与(子どもにとってはおこづかい)と異なり、まとまったお金を手に入れることで、買い物の選択肢が大きく広がる、という点が共通しているのです。

いっぽうで落とし穴もあります。ボーナスが高額の収入であるがゆえに「臨時収入」的感覚を持ってしまい、ムダづかいをしてしまうこともあるでしょう。日常生活に毎月の給与は消えていくので、ボーナスをストレス解消とばかりにパパッと使ってしまったものの後悔する、というパターンです。

この落とし穴はお年玉にもあてはまります。しかし、だからと言って、親が全額を取り上げてしまい、子どもの銀行口座に入金してしまうのは適切な方法とは言えません。せっかく年に1回の貴重な機会なのに、子ども自身がお金について主体的に考え、使う機会を奪ってしまうからです。
落とし穴を避けるのではなく、どうすれば「賢く使わせる」方向に導けるか、考えてみましょう。

子どもにお年玉を「賢く使わせる」ために必要な4ステップ

具体的には以下の4つのステップを踏んで考えることをおすすめします。
(1)買いたいものをリストアップしてみる(欲しいものを見える化する)
(2)リストアップしたものから、買いたい商品の優先順位をつけてみる(自分なりのニーズの整理をする)
(3)優先順位をもとに買うものをしぼりこみ、価格調査をしてみる(安いところで買う)
(4)全額は使い切らないようにする(残りの額は貯金する)
といったプロセスを子どもと一緒に考える時間を持てれば、子どものムダづかいはぐっと減ることでしょう。いただいたお金は有限ですから、優先順位をつけることで「我慢」も覚えることができます。

失敗が子どもの糧に。ムダづかいをとめたくなっても、親は我慢

ただ上記のステップを踏んでも、親から見て「なんで、そんなものにお金を使うの?」というムダづかいをしようとすることもあるでしょう。たとえば、子どもが夢中になっているスマホゲームのガチャ(1回数百円程度の抽選でゲーム上の景品を得られる課金システム)に5,000円を突っ込もうとする場面を見たら、親としては「やめて」と思うのが本音でしょう。

しかしここが我慢のしどころです。「お金の失敗」を経験させるのも、大事な金銭教育です。
私たちだって、似合うと確信して大金を払った服が、結果として数回着ないで終わってしまうような「お金の失敗」をしては、無理とムダのないお金の使い方を覚えてきたはずです。

最初からいきなり「それはダメ」と取り上げていては、子どもが失敗をするチャンスを失うことになります。

もし、ガチャを回し続けても結果が出ないうえに、おじいちゃんやおばあちゃんからもらったお年玉の大部分を数十分でなくしてしまったら、その手痛い教訓は子どもの心に深く刻まれます。目当てのものが手に入らず、むなしさのみが残ったという経験は決してムダにはならないはずです。

もちろん、ムダづかいをして自分に怒っていたり、放心していたりする子どもをそっとフォローして慰め、なぜそんな失敗したのかについて考えさせるきっかけを作るのは親の役目です。親自身が若いころに経験した、衝動買いなどの失敗談を話してあげるのもいいかもしれません。

ひとりで買い物に行かせる経験が、子どもの成長につながる

わが家の子どもは未就学児なので、「おじいちゃんからもらったお年玉でトミカを買う!」と言う男の子をトイザらスに連れていきましたが、中高生くらいになってくると、親と買い物を一緒にしてくれなくなるでしょう。

ひとりで出かけて(あるいは友人と)、ショッピングモールや家電量販店で買い物をさせる、と言うのもお金の教育になります。

ゲームソフトのように買いたい商品が決まっているのではなく、「上着を1枚、スカートを1枚」のように具体的な商品、金額が定まっていない場合などもあります。いつまでも親が一緒に選んで決めるのではなく、予算とにらめっこしながら、商品を選ぶこともお金の使い方を学ぶ重要なステップになります。

最終的な決断を自分でして、大きな金額の支払いをする、というのはちょっとドキドキする経験でしょうが、しっかり買い物を終えてくれば子どもの成長になります。

帰宅したら、「頑張ったね。買ってきたものをみせて?」というようにねぎらいながら、買い物の内容を確認してみてください。もしかしたら、当初「買いたい」と言っていたものとは違う商品を買ってくるかもしれませんし、親から見て「この買い物は失敗じゃない」と思うかもしれませんが、あまりうるさく言わず、広い心で見守りたいものです。

毎月のおこづかいについては、少額の買い物になるためある程度コントロールしやすいのですが、お年玉のように金額が大きく選択肢も広がるときこそ、親子のコミュニケーションが非常に大切になってきます。
ぜひ「お年玉の使い方」を親子で考えて、実践してみてください。

山崎俊輔

山崎俊輔

フィナンシャル・ウィズダム代表。FPとして、現役世代のお金と幸せのバランスについてユニークな視点でアドバイスする。連載多数。アニメもゲームも愛するオタクで、マンガの蔵書は約4,000冊。

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