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"今より入る"パターの探し方#3 ショットに近い「L字」はやさしい

皆さんこんにちは。“パターにとりつかれた男”オグさんです。

さて今回は、最近めっきりラインアップが減ってしまった「L字」パターについてお話ししたいと思います。「L字」パターとは、ヘッドが“L”の形状に似ていることからそう呼ばれるパターのこと。現存する「L字」は昔ながらの形状もありますが、ヘッドに奥行きを持たせた「L字マレット」が主流といってよいでしょう。

フェース側から見るとアルファベットのLの形(実際は反転しておりますが)なのでL字パターと呼ばれます

フェース側から見ると英語のLの形(実際は反転しておりますが)なのでL字パターと呼ばれます

L字パターにはヘッドの奥行きが少ないノーマルなL字タイプ(左)と、奥行きを持たせたL字マレット(右)があります。最近のメーカーのラインアップは、L字マレットタイプのほうが多くなっています

L字パターはスイングするクラブと似ている

「センターシャフト」のパターは、スイングするクラブとシャフトの刺さっている位置が大きく違うと前回の記事「合えば最強センターシャフト」で説明しました。この「L字」パターはスイングするクラブと同じヒール側にネックがあり、形状もよく似ています。

スイングするクラブと同じ形状をしているのもL字パターの特徴です

スイングするクラブと同じ形状をしているのもL字パターの特徴です

「センターシャフト」がポピュラーな存在になれない理由の1つに「スイングするクラブとかけ離れている」という点を挙げました。そういう意味では「L字」パターはスイングするクラブと一番近い存在です。ですが「L字」パターも「センターシャフト」と同じようにポピュラーな存在にはなれていません。それがなぜなのか、ゆっくり説明していきますね。

スイングするクラブに近い「L字」パターは、ヘッドを宙に浮かして平らな面に置いたとき、フェースが横を向き、ヘッドのトゥ側が大きく下に垂れるトゥバランスになります。これはアイアンなどスイングするクラブも同じで、同じぐらいの振り幅で振ってみると振り心地がとてもよく似ています。

スイングするクラブには重心距離があるため、テークバックではフェースが開こうとする動きが発生し、切り返しからフィニッシュまではフェースが閉じようとする動きが発生します。その動きと重さによる遠心力を利用してボールを目標に飛ばすのです

ヘッドの特性としては、トゥ側に重さがあるためテークバック時にはフェースが開く方向に、ダウンからフォローにかけてはフェースが閉じる方向に動こうとします。これはシャフト軸線から重さの中心である重心が離れていることで起こるのですが、「L字」はパターの中で重心が一番遠い、つまり重心距離が長いのでこの動きが顕著なんです。この重心距離の長さが、アイアンをはじめとする「スイングするクラブ」と近いため、振り心地も近いものになるのです。

L字パターの一番の特徴はこの重心距離の長さ。この重心距離の長さがスイングするクラブに近いので振り心地も似たものになるのです

L字パターを振るとこのヘッドの動きがスイングするクラブととてもよく似ています。ほかのパターでもこの動きは発生しているのですが、形が似ていて重心距離もスイングするクラブに近いL字が、ショットに一番近いフィーリングになります

L字はアークタイプのゴルファーに合う

ほかのクラブと振り心地が近いなら、ミスも減らせそうだし結果が出せそうな気がしますよね。でもそれならば上級者やプロにもっと「L字」を愛用するゴルファーがいてもいいはずですよね。ですが実際はプロでさえ「L字」を愛用するのはごくわずか。プロ全員に直接聞いたわけではありませんので理由は推測になりますが、ほかのパターに比べて“結果が出しづらい”からなのでしょう。

プロは、結果(スコア)が第一です。一般ゴルファーが経験できないような高速グリーンで1打でも少なくプレーしなければならない方々にとっては、「L字」はシビアなパターなのだと思います。繊細なタッチが要求されるツアーの高速グリーンにおいて、フェースを開閉させて打つL字パターは、敏感すぎるのでしょう。グリーンが速くなればなるほど、自分の感覚を少しぼやかしてくれる(ある程度パター任せで打てる)鈍感なモデルを多くのプロは好むのだと思います。

ではL字パターが一般ゴルファーにとってもほかのパターより難しいかと問われると、私はNOと答えます。その特性に合ったゴルファーが使えばとてもやさしいパターになるはずです。

では「L字」が合うゴルファーとはどんなゴルファーか? 条件としてはストロークタイプがアークタイプであること。ヘッド自体が開閉する力を持っているため、ストレート軌道には振りにくく、余計な動きを必要としてしまいます。

フェースが開閉するのがL字の自然な動き。ストロークするとヘッドが自然とそう動こうとします

フェースが開閉するのがL字の自然な動き。ストロークするとヘッドが自然とそう動こうとします

目標に正確に打ち出そうとして無理に真っすぐストロークしようとする方がいますが、ストレートの軌道が自分に合っていない場合、それは逆効果です。気持ちよくヘッドを動かせる動きでストロークしたほうがスムーズにヘッドが動きますし、そのストロークに合わせたタイプのヘッドを使うことでよりミスを減らし、目標に打ち出しやすくなる。それがパッティングです。

ある程度基本の形は守る必要がありますが、前傾角度など個々のゴルファーで気持ちよく構えられるところは違います。無理に打ち方を修正するのではなく、自分が気持ちよく再現性の高いストロークができるパターを選ぶことが大切です。

ショットのようにパターを打てるのがL字の最大のメリット。パターに苦手意識がある方は、ショットとできるだけ区別をつけずに打てるL字は救世主になるかもしれませんよ

ちょっと脱線しましたので話を戻しましょう。「L字」が合うゴルファーの条件としてアークタイプであることを挙げました。個人的にですが、条件としてはこれだけだと思っています。ヘッドが開閉する力が強いので、始動からテークバックまで、切り返しからインパクト、フォローまでのリズムさえ一定にしておけば、リズムの速い遅いは関係ありません。

人気のピン型とはフェース開閉の大きさが異なる

ちなみに愛用者の多いピン型との違いは、ヘッドの開閉する度合いとミスヒットへの許容性。L字はピン型に比べ重心距離がおおむね長く、フェースがより大きく開閉します。フェース開閉の大きさの違いは、ストロークのアークの大きさが合っていればさほど結果に影響はありませんが、ストロークがストレートタイプの人が使うととても使いづらく感じるでしょう。

対して適度な開閉のピン型は、ストレートタイプでも強いアークタイプでも対応できるという特性を持っています。これが、ピン型が腕前問わず愛される大きな理由の1つでしょう。

L字とピン型では、フェース開閉の大きさに関係する”重心角”の大きさが異なります

L字とピン型では、フェース開閉の大きさに関係する”重心角”の大きさが異なります

ミスへの許容性についてですが、これはどちらがすぐれているということではなく、構造上の違いによって結果が変わるということです。どういうことかといいますと、ヒール側にネックがあるL字は、ネックを支点にヘッドがターンしているのでトゥ側でのミスヒットとヒール側でのミスヒットで結果が変わります。具体的にはトゥ側のほうが大きいエネルギーを持っているので、ミスする場所によって転がりが変わりやすいということ。

対して、重い部分がトゥとヒールに配置されネックもやや芯寄りにあるピン型は、同じようにヘッドはターンしていますが、開閉するパワーがL字よりも小さいため、トゥ側とヒール側のエネルギーの差が小さく、どちらに外してもミスヒット時のばらつきが少なくて済みます。こう書くと、なんだL字のほうがやっぱり難しいじゃないかと感じる方もいると思いますが、確かにピン型と比べると結果がばらつきやすいのは事実です。

ですが、ヘッド自体が開閉するエネルギーを持っているので意外とトゥ側のミスは転がりが変わりにくく、さらに重心距離の長い特性を活用すると、あえてヒール側で打つことで勢いを抑えた球を打てるなど、状況に応じた対応がしやすいのがL字の長所といえます。

重心角が大きいL字は、テークバックでフェースが開こうとする動きが大きく、切り返しからフィニッシュまで閉じようとする動きが大きくなります

対するピン型は、L字に比べ重心角が小さいためフェースの開閉する力が小さいので、ストロークタイプがストレート、アークどちらでも使えます

トゥ側にミスヒットしてもヘッドの開閉するエネルギーがあるので意外と転がりの差は少ないです

トゥ側にミスヒットしてもヘッドの開閉するエネルギーがあるので、芯で打ったときとの転がりの差は意外と少ないんです

意図的にヒールで打って勢いを殺すことも。これは下りのラインなどで使えるテクニック

意図的にヒールで打って勢いを殺すことも。これは下りのラインなどで使えるテクニック

何より、ショットとのつながりがよいため、プレーの流れを断ちにくい。一般的に難しいといわれるのは、ヘッドに開閉する力があるため、合わないタイプで打とうとすると抵抗を感じるからだと私は思っています。

決して難しくないですよ「L字」は。実は、初心者にパッティングを詳しく教える前に「L字」を渡すといい結果が出ることが多いんです。ショットとの区別がなく、前傾も浅めに構えることが多いですから。アークタイプの人は、ぜひ一度「L字」を試してもらいたいですね。

L字のおすすめパター5モデル

数は多くありませんが、各メーカーからL字パターが発売されていますので、オススメできる5モデルをピックアップしました。フェースを開閉させてパットを打つ人なら一度は試してほしいモデルばかりです。

■おすすめL字パター-1■
オデッセイ オー・ワークス#9

フランジのあるL字マレットにカラーリングの工夫でスクエアに構えやすくしたモデル。L字マレットの形状をしているがそれほど重心は浅くないので操作性にすぐれています。

■おすすめL字パター-2■
ピン・SIGMA G TESS

■おすすめL字パター-3■
ピン・SIGMA G SHEA H

どちらのモデルもインサートに工夫を凝らした打点のミスに強いモデル。TESSは伝統的なL字の形状を踏襲し、SHEA HはTESSのネック形状からブレードの流れまでを同じ形にしながらもフランジを大きくとり、安心感と構えやすさを持っています。

■おすすめL字パター-4■
スコッティ・キャメロン セレクト 16 ニューポート 3

トゥ・ヒール側に重さを配置したL字マレット。フェース素材にアルミニウムを採用し、しっかりした打感と柔らかさを両立させ、繊細なタッチを可能にしたモデルです。

■おすすめL字パター-5■
プロギア・シルバーブレード HV-02

上記のほかのパターに比べ、総重量を重く設定したシリーズのL字マレット。ゆったりとしたリズムで打つ方が使うと安定したストロークがしやすい仕上がりです。

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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