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ウッドが苦手? ならば「アイアン型ユーティリティー」を試す価値アリ!

オグさんです。

今回は「アイアン型ユーティリティー(以下ユーティリティーはUTと表記)」についてです。皆さんは、UTと聞くとおそらくフェアウェイウッドを小さくしたようなウッド型を思い浮かべると思いますが、UTにはウッド型とアイアン型の2タイプあります。フェアウェイウッドとアイアンの間の距離を打ち分けるクラブということで同じ「UT」というジャンルに分類されている両タイプ、実は成り立ちがまったく違うんです。

クラブメーカー各社のラインアップもウッド型UTのほうが多く、アイアン型UTは徐々に増えてきているといった状況。双方の特徴を把握せずに”同じUT”として使っていると、スコアに大きな影響を及ぼしている可能性も!? 今回は、アイアン型UTのメリット・デメリットを、ウッド型との比較なども交えてお話したいと思います。とくに“UTといえばウッド型”と思っているゴルファーの方には必見です!

普通のウッド型UTと比べると少数派ですが、以前よりは増えてきました

普通のウッド型UTと比べると少数派ですが、アイアン型のUTは以前よりも増えてきました

ウッド型とアイアン型を同ロフトで比較

さっそく、ピンのG400シリーズを例に、ウッド型UTとアイアン型UTを比べていきましょう。同社は、かなり早いうちからアイアン型の原型となるようなUTを世に出しており、現在でもウッド型・アイアン型、両方のUTをラインアップしています。比較するのは現行型であるG400ハイブリッド(ウッド型)とG400クロスオーバー(アイアン型)。どちらもロフトは22度です。

ピンのウッド型UTである「G400ハイブリッド」(右)とアイアン型UTの「G400クロスオーバー」です。どちらもUTに分類されはしますが、形状を含めてまったく違うクラブです

ウッド型のほうがやや長く、飛距離も出やすい

まずは、長さの比較から。同じロフトでもウッド型のほうが長めに設計されています。これはこのG400シリーズにかぎったことではなく、どのメーカーでも同じロフトで比べてみるとウッド型のほうが長いことがほとんどです。これは、それぞれのクラブの成り立ちの違いからきています。

ウッド型UTは、ウッドとアイアンのいいところを掛け合わせたようなクラブ。形状こそ似ていますがウッドよりもやや短く、ヘッドの奥行きが狭められています。飛距離やボールの上がりやすさはウッドに劣りますが、ミート率や操作性にすぐれています。

おなじみのウッド型UT。アイアン型と比べるとヘッドの奥行きがあるため重心が深く作りやすく、ボールが上がりやすいというメリットがあります

対するアイアン型のUTは、ボールの上がりにくさや飛距離差が出にくいロングアイアンの代わりとして誕生したクラブ。形状はアイアンを踏襲しつつ、重心を深く低く設計するためにソール幅を広くしたり、キャビティ形状やヘッド内部を空洞にしたりしています。アイアンの操作性を残しつつ高さを出しやすくなっているので、ロングアイアンと比べて飛距離が出やすく、ミスにも強くなっています。

まとめると、ウッド型UTはウッドとアイアンの間を埋めるクラブ、アイアン型UTはロングアイアンの代わりとなるクラブということになります。ロフトが同じでもアイアン型のほうが短くなるぶん、同じゴルファーが打てばウッド型のほうが飛距離は出やすくなります。また重心位置もウッド型のほうが低く深い場合が多いので、ボールの上がりやすさもウッド型のほうがすぐれる傾向にあります。

ウッド型とアイアン型を同じロフトで比べると、ほとんどの場合、ウッド型のほうが長く設計されています。ピンの場合でも、わずかですがウッド型のほうが長くなっていますね(左がウッド型UT)

ウッドが苦手な理由は「FP値」にある

フェアウェイウッドが苦手な方は比較的多いと認識していますが、そんな人はウッドとアイアンの間を埋めるクラブであるウッド型UTもうまく打てないケースが多いですね。苦手な原因は、クラブ長が長めということもありますが、FP(フェースプログレッションの略・この値が大きいほど、シャフト軸線よりもフェース面がボール側にある)値が関係しています。簡単にいうと”出っ歯なクラブ”というわけです。

出っ歯なクラブはフェースが前面にせり出しているので、ダウンブロー傾向が強い人や、ボールを右足寄りに置きたい人にとっては、インパクトのタイミングが思ったより早くなってしまうのでミスになりやすいんです。

そういう方にとっては、アイアン型UTはとてもよいクラブとなります。多くのモデルがアイアンの形状を踏襲しており、FP値が低く出っ歯にはなっていないので、アイアンと同じように打ちやすく、ダウンブロー傾向が強い方でも打ちやすくなっています。

ウッド型UTやフェアウェイウッドはFP値が大きい(出っ歯の具合が多い)のでアイアンと同じようなイメージで振るとヘッドが最下点を迎える前にボールに届いてしまい、トップやチョロのミスが起きやすいといえます。しかしアイアン型UTはアイアンとほぼ同じ、FP値の低い形状(出っ歯ではない)をしているのでアイアンと同じようにダウンブロー気味で打ってもインパクトタイミングが合いやすいのです

この出っ歯具合の違いによって、それぞれの性能を生かしやすいボール位置、アドレスも少し変わってきます。出っ歯であるウッド型は、ヘッドが最下点に降りたときにインパクトしたほうが芯でとらえやすくヘッドの性能を生かしやすいため、やや左足寄りにボールを置き、滑りやすい幅広いソールを生かすためにもあまりハンドファーストにはしないほうがよいでしょう。

対するアイアン型UTは、ヘッドが最下点になる直前あたりが芯でとらえやすい構造。ウッド型に比べてボールを半分程度右足にセットし、少しだけハンドファーストに構えたほうが軽いダウンブローにとらえやすくなります。

写真上がウッド型UTの構えのイメージです。シャフトはほぼ垂直で、ボールは真ん中よりやや左足寄り。ヘッドとシャフトが体の中心でその左にボールをセットするといったイメージがいいと思います。写真下はアイアン型UTの構えのイメージ。ややダウンブローでとらえたいのでボールは体の中心。ヘッドがそのすぐ左側にあるイメージがいいでしょう。「手はボールの真上」を意識すると軽いハンドファーストを作りやすくなります

ソール幅の広いウッド型のほうがやさしい

冒頭にも少し触れましたが、ウッド型とアイアン型は”ソール幅”に大きな差があります。ウッド型はウッドに似た形状ですのでソール幅が広く、少々ダフっても滑ってくれます。ソール幅が広いメリットはほかにもあります。余剰重量をウェイトなどでヘッド後方側に配分しやすいため、ボールが上がりやすく、また芯を外したときのヘッドのブレを抑えやすい設計が可能です。対するアイアン型も、可能なかぎり広くはしていますが、ヘッド形状のベースがソールの狭いアイアンであるため、ウッド型と比べるとかなり狭く見えますね。重心もソールにウェイトなどを付けて低くはできますが、奥行きがないため深くするには限界があります。

滑りのいい幅広ソールや、重心を深く低くできるウッド型のほうが設計自由度が高いのですが、構造上出っ歯になりやすいのでその性能を生かせない方が多いのです。アイアン型のヘッドも今では十分やさしくなってきているので、ぜひ試してもらいたいですね

ウッド型とアイアン型では打ち方のイメージが違う

前述のアドレスの形からつながる話ですが、ウッド型UTとアイアン型UTでは、スイングのイメージも異なります。ウッド型は、大きめのFP値、広いソールや重心の低さ深さを生かすために、ちょうどヘッドが最下点を通過する当たりでインパクトしたいところ。なのでヘッドが振り子のように動くイメージになります。対するアイアンは、ヘッドの最下点直前にややダウンブローでインパクトを迎えたいので、少しだけボールを押すようなイメージが欲しいですね。ウッドが苦手でアイアンが得意な方は自然とこういったインパクトになっているはずなので、アイアン型UTでは普通にスイングするだけでいい弾道が打てると思います。

ウッド型UTのインパクトイメージ。ヘッドが振り子のように動く感じで打つといいでしょう

ウッド型UTのインパクトイメージ。ヘッドが振り子のように動く感じで打つといいでしょう

アイアン型UTは、ボールを押すようなイメージを持つとうまく打てると思います

アイアン型UTは、ボールを押すようなイメージを持つとうまく打てると思います

シャフトはカーボン? それともスチール?

アイアン型UTは(ウッド型のUTも、ですが……)純正シャフトとしてカーボンシャフトとスチールシャフト、両方をラインアップしているケースも少なくありません。この2つの違いは主に重量です。

カーボンシャフトのほうが軽量で同じフレックスでもしなりがやや大きくなっており、大まかな差をつけるとすれば、カーボンは飛距離重視で高さも出しやすい、スチールは安定性重視で曲がりづらいという特徴があります。選び方のヒントは、番手にもよりますが、それぞれのシャフト重量を確認し、使っているアイアンのシャフトより10~20g軽いモデルを選びましょう。

同じヘッドでスチールシャフト、カーボンシャフト両方をラインアップしている場合が多いです。シャフトの特性の違いはありますが、アイアンのシャフトより少し軽めを選ぶと振り心地に差が生まれにくくなるので、ミスを減らしやすくなります

アイアン型UT、組み合わせのヒント

ウッド全般が苦手な方に向けてアイアン型UTがいいという話をしてきましたが、もちろんウッド型UTを打てる人にもアイアン型UTはメリットがあります。ウッド型と比べてライナー性の強い弾道が打ちやすく、ロングアイアンより高弾道で距離も出しやすい。アベレージゴルファーは打ちたい距離に合わせてミートしやすいほうを、上級者は自分がどの距離をどんな弾道で打っていきたいかで、どちらのタイプのUTを入れるか選ぶとよいと思います。

ウッド型UTが苦手なゴルファーは、飛距離を稼ぐための5番ウッドを1本入れ、その下に打ちたい飛距離に応じて2本のアイアン型UTを。さらに、5番アイアンあたりの最も長いアイアンを抜いて、球が上がりやすいアイアン型をもう1本入れてもいいでしょう。

ウッド型UTに苦手意識がないゴルファーは、3番、5番とFWを入れてその下にウッド型UT、そのウッド型UTとアイアンの一番飛ぶ番手の間の距離に合わせてアイアン型UTを入れるとバランスがよくなります。

ちなみに、UTセッティングの上級テクニックとして、複数の番手のウッド型、アイアン型を用意しておき、ラウンドするコースのPAR3や想定されるPAR5の2打目の距離などに合わせてUTの組み合わせを変える方法があります。これはスイングを変えずに距離や弾道をクラブで打ち分けることによって、ミスを最小限に抑えるのが狙いです。

プレーするコースの距離に合わせていくつかのUTの組み合わせを持っておくのもいいですね

プレーするコースの距離に合わせていくつかのUTの組み合わせを持っておくのもいいですね

。_/2018年のアイアン型UT6モデルの試打開始!。_/

アイアン型UTはウッドが苦手な方、もしくはアイアンが得意な方が使うと威力を発揮するクラブ。自分の苦手な部分を補うのもよし、得意なジャンルを生かすのもよし。万人におすすめできるクラブとはいえませんが、使うといい結果が得られるゴルファーは多いと思います。今回は、2018年現在最新のアイアン型UT6モデルを打ち比べてみました。

■試打1:G400クロスオーバー(ピン)

ウッド型のような、アイアン型UT

アイアン型UTとしては、非常にボールの高さが出て飛距離も出しやすいモデルです。そのうえ直進性が高い弾道が打ちやすく、狙った方向にとても打ちやすくなっています。半面、操作性はあまりなく、ウッド型UTのような性能を持つアイアン型UTといった印象です。アイアンでいうグースネックになっていてボールのつかまりもよく、打点のミスにもかなり強い仕上がりです。

試打クラブは22度のカーボンシャフト

試打クラブは22度のカーボンシャフト

■試打2:HI877(フォーティーン)

とてもやさしいロングアイアン

「バナナ」の愛称を持つ、非常につかまりのいいモデル。ウッドが苦手、ロングアイアンの飛距離差が出ない、などにお悩みの方に強くおすすめしたいですね。ボールの高さが出しやすく、多少のラフからでもヌケは良好です。すごく飛ぶというわけではありませんが、適度なスピンが入って長い距離でもグリーンを直接狙っていけます。とてもやさしいロングアイアンといった仕上がりに感じました。

試打クラブは24度のカーボンシャフト

試打クラブは24度のカーボンシャフト

■試打3:Z U65ユーティリティー(スリクソン)

アイアンが得意なアスリートに!

アイアンが得意なアスリートゴルファーにぜひとも使ってもらいたい1本。操作性がよく、振り味、打ち味はアスリート向けのロングアイアンとほぼ差がありません。それでいて打ち出し角が高く、ボールの操作もかなりしやすいです。打点のミスにも強く、テクニックがあれば、打点を変えてスピンをある程度操ることも可能です。もう少し注目されてもよいモデルだと打ってみて感じましたね。

試打クラブは23度のカーボンシャフト

試打クラブは23度のカーボンシャフト

■試打4:MP FLI-HI ユーティリティー(ミズノ)

操作性が高く上級者向け

こちらもアスリート向けのアイアン型UT。というかこのモデルはかなりの上級者向けといっていいでしょう。というのも、ヘッドはUTとは思えないほど小ぶりで、構えた印象はちょっとやさしめのロングアイアンといった感じ。操作性は今回試打した中で一番高く、ラフからのヌケも文句なしです。弾道の高さはそれなりでつかまりはかなり抑えてあります。ヘッドスピードはドライバーで42m/s以上は欲しいところです。

試打クラブは24度のスチールシャフト

試打クラブは24度のスチールシャフト

■試打5:On The Screw I.C.E ユーティリティー(ムジーク)

はじきの強いチタンボディ

直進性の高さと打点のミスに非常に強いモデルです。アイアン型UTでは珍しく、フェースも含めたヘッド素材にチタンを採用。強いはじき感があり、距離が出しやすいですね。高さもしっかり出てつかまりもよく、アベレージゴルファーが安定して飛ばせる仕様になっています。直進性が高いぶん、操作性はそれなりです。

試打クラブは24度のカーボンシャフト

試打クラブは24度のカーボンシャフト

■試打6:HBIユーティリティ(マスダゴルフ)

割と打ち手を選ばないアイアン型UT

基本はアスリートに向けた、強い弾道が打ちやすいモデル。適度なつかまりを持っており、ボールをコントロールしやすいです。「基本は」と書いたのは、意外とミスに強く、少々芯を外してもそこそこ飛んでくれるので、それほどヘッドスピードがなくても安定してボールを運ぶことができるから。アスリートにとってとても使いやすいクラブですが、ウッドが苦手なアベレージゴルファーが使っても十分活躍してくれそうです。

試打クラブは21度のカーボンシャフト

試打クラブは21度のカーボンシャフト

アイアン型UT・試打まとめ

6本を打ち比べて、改めてアイアン型UTは進化しているなという印象を持ちました。昔は、アスリートのためのモデルが多かったのですが、アベレージゴルファーが使っても十分使いこなせるモデルも増えてきており、腕前に限らず用途に合わせて選べるラインアップが揃ってきたのはイチゴルファーとしてうれしいですね。

ちなみに私はクラブセッティングにアイアン型UTを1本組み込んでいます。具体的には、ドライバー、3W、ウッド型UT19度、アイアン型UT21度、4I〜という構成。飛距離は、ウッド型UTが高めの球で200ヤード前後、アイアン型UTがやや中弾道で190ヤード前後を想定しています。それらの距離を打ちたいときは風やコースのレイアウト、ライに応じて、高い弾道のウッド型UT、風に強い中弾道のアイアン型UTを使い分けています。弾道の異なるクラブが近い距離にあるとスイングを変えずに打ち分けられるので、ゴルフがシンプルになるのでどちらも重宝しています〜♪

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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