新製品レポート
「陸王」のシューフィッターのモデルになった職人が開発協力!

シリアスランナー向けシューズ「NB HANZO V2」で走ってみた!

ニューバランスは、現代の名工であり、同社専属アドバイザーでもある三村仁司氏主宰の「M.Lab(ミムラボ)」と共同開発したハイエンドのランニングシューズ「NB HANZO V2」を、2018年12月14日に発売する。公式オンラインストアでは、本日11月16日から先行予約の受付を開始した。

フルマラソン2時間半切りを目指すエリートランナー向けの「S」タイプと、フルマラソン3時間前後のシリアスランナー向けの「R」タイプがラインアップされる。価格は「S」が15,000円で、「R」が14,500円(いずれも税別)。

もともと先行予約を行っていたが、早々に規定数に達したため終了していた。今回、再受付がスタートした

もともと先行予約を行っていたが、早々に規定数に達したため終了していた。今回、再受付がスタートした

左が、三村仁司氏。2018年1月1日より、主宰の「ミムラボ」がニューバランスとグローバル・パートナーシップ契約を締結し、三村氏自身はニューバランスの専属アドバイザーに就任した。右は、2018年夏にニューバランス ジャパンとアスリート契約を締結した神野(かみの)大地選手。青山学院大学時代に数々の駅伝で区間新記録を樹立し、現在ではコニカミノルタに進んでプロランナーとして活躍中

全方向すべてに三村氏の繊細なこだわりが詰め込まれている

「NB HANZO V2」の最大の魅力は、新しいラスト(木型)だ。

ニューバランスが3Dスキャンを用いて計測したデータをもとに作り上げたラストと、「ミムラボ」が過去数十年かけて何十万人というランナーの足型を計測したデータを組み合わせ、新しいラストが製作された。

そのおかげで、「NB HANZO V2」は、甲周りやアーチ部など、中足部のフィット性が向上。また、爪先部の巻き上げが調整されており、指をしっかりと使ってスピードにのれる、地面を蹴れる設計に仕上がっている。さらに、アキレス腱周辺をゆるやかなラウンド形状にすることで、足当たりを軽減したほか、立体的なアーチ部により、走行安定性とフィット性が向上している。

ニューバランスの持つ足のデータと、「ミムラボ」の持つ日本人ランナーの足のデータ(写真)を分析し、日本人ランナーのための最新のラストを開発。アーチ部分などのフィット感が大幅に向上することで、安定した走行をもたらす

ミッドソールの素材も、前モデル「NB HANZO」から大きく変更が加えられた。

従来はクッション性素材と反発性素材を組み合わせた2層構造で形成されていたが、今回のモデルには、軽量性と反発性を兼ね備えたワンピースのミッドソール素材「REVLITE(レブライト)」を採用。なめらかな接地感や走り心地、そしてシューズ自体の重量バランスが改良された。

左が従来の「NB HANZO」で採用されていた2層構造のミッドソールで、右が「NB HANZO V2」の最新ミッドソール。三村氏いわく、2層構造だとナチュラルな履き心地が生まれないうえに、前後の重量バランスも悪いという

アッパーも改良されている。

通気性と伸縮性にすぐれる新開発のメッシュ生地を採用しており、足元を快適に保つだけでなく、高速走行時にブレないサポート性を発揮するという。

新開発のメッシュ生地。三村氏いわく、従来モデルのメッシュは硬くて、靴ずれやマメができやすかったので、本モデルではやわらかくして肌当たりをよくしたという

かかと部分も新しく設計されており、ホールド感が向上。長距離ランでも足がブレにくく、故障も防ぐ

かかと部分も新しく設計されており、ホールド感が向上。長距離ランでも足がブレにくく、故障も防ぐ

真横から見た「NB HANZO V2」。ランナーの残像や刀をイメージしたデザインが施されている

真横から見た「NB HANZO V2」。ランナーの残像や刀をイメージしたデザインが施されている

シュータン(写真)やかかとには、「NB HANZO」ブランドの忍者ロゴ

シュータン(写真)やかかとには、「NB HANZO」ブランドの忍者ロゴ

アウトソールには、粘り気のある特殊配合ラバー「DYNARIDE(ダイナライド)」を採用。スパイクのように地面をつかむだけではなく、地面をしっかりとらえて強い蹴り出しを実現する。

左が従来の「NB HANZO」で採用されていたアウトソールで、右が「NB HANZO V2」の最新アウトソール。「NB HANZO V2」は、三角状の「ダイナライド」を前足部に配置し、前方への推進力を向上させた。また、つま先部分の角度を調整することで、強い蹴り出しと足抜けのよさを実現している

「NB HANZO V2」を実際に履いて走ってみた

今回、「NB HANZO V2」の2km強のテストランに参加する機会があったので、履いて走ってみた。

筆者はある程度の運動はしているが、ガチのランナーではないので、「R」タイプを選択。日常履きのスニーカーは28.0cmだが、ぴったりと履くために27.5cmの2E(標準の足幅)を選んだ

履いた瞬間に、「あ、これフィット感ハンパない」と感じた。逆に言えば、フィッティングに違和感や気になる点が一切ないのだ。足当たりは文句なし。

そして、その軽量性にも驚いた。めちゃくちゃ軽い。足を上げるのがまったく苦にならない。なんか、走りたくなる感じ。でもいっぽうで、不安も感じた。「NB HANZO V2」は、あくまでもエリートランナーとシリアスランナー向け。フルマラソンを2時間半〜3時間で走る脚の強いランナー向けに作られているので、反発力が高い分、クッション性は低い。筆者のようにランニングを日々行っていないビギナーだと、脚力が靴についていけなくなるのだ。だからテストランは2kmだけ。

「NB HANZO V2」はスピードが出るほど、その性能を発揮するので、2kmランの間、インターバルで4分/kmを切るハイスピードで数百m走ってみた。足の中央で着地するミッドフット走行で走ってみたが、やはり反発力は申し分ない。「タンッタンッタンッタンッ」と足がクイックにしっかりと前へ運ばれる。これ、すごい。シリアスランナーの世界を、少しだけ垣間見た気がした。こんな感じで何kmも走れたら、よりランニングが面白いだろうな〜。とはいえ、これ以上走るのは実際、脚力的に難しそうだった……。

今までエリートランナーしか履けなかった、三村氏が情熱を込めてこだわり尽くしたシューズが、一般販売されて誰でも購入できるようになったのは、多くのランナーにとって朗報だろう。三村氏が本モデルの記者会見で繰り返し言及していた“ケガをしにくいシューズ”は、ランナーに練習を継続させられるというメリットもある。神野選手もそのことを言及していた。ケガをしないことは、ランナーが強くなるために重要なことなのだ。「NB HANZO V2」は、1分1秒の自己記録更新を目指すランナーにとっては、まぎれもなく選択肢に入る1足だ。

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

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