第4回は、夏でも快適に走れるトップスが登場!
本連載「だからザ・ノース・フェイスは選ばれる!」は、現在セールス絶好調のザ・ノース・フェイスが、ユーザーから選ばれる理由を検証する企画。
第4回となる今回は、吸汗速乾性と通気性にすぐれたマテリアルを使用することにより、夏季のランニングにおいても快適性を失わないランニングトップス「スリーブレスベターザンネイキッドジップアップ」をピックアップした。
ザ・ノース・フェイス「スリーブレスベターザンネイキッドジップアップ」(品番:NT11979)。公式サイト価格は、7,452円(税込)
ご存じの通り、日本の夏は高温多湿である。
それだけに、夏季のランニングには、かいた汗を吸収し、素早く乾かす吸汗速乾性にすぐれたランニングウェアが必要不可欠だ。アメリカのカリフォルニアやハワイのように湿度の低いエリアでは、上半身裸で走っているランナーをチラホラ見かけるが、これはかいた汗がすぐに乾いてしまうので、裸でもそれほど不快に感じないからなのだ。反対に、日本をはじめとしたアジアの夏は湿度が高いので、裸で走ると汗が肌の表面に残り、いつまで経っても乾かず、不快極まりない。
ザ・ノース・フェイスの「スリーブレスベターザンネイキッドジップアップ」は、モデル名に「ベターザンネイキッド(裸よりもよい)」と含まれるように、着用することで快適なランニング体験を提供してくれる。筆者が最初にこのシリーズを知ったのは、2018年、東京・青山にある「ニュートラルワークス」の店頭にて。胸部分にザ・ノース・フェイスのブランドロゴを大きく配した「スリーブレスベターザンネイキッドクルー」というモデルで、生地を手にしてみると、通気性と吸汗速乾性が高次元にあるのは明らかだった。実際に着用している知り合いランナーも「真夏のランニングには欠かせないですよ!」とのことで、がぜん興味を持ったのだ。
そして、2019年に入ってフロントファスナー搭載モデルも展開されていることを知り、「これを着て『ゴールドコーストマラソン』を走ろう!」と思った。なぜなら、オーストラリアで開催される「ゴールドコーストマラソン」の気温は、スタート時こそ平年9〜10℃ほどだが、ゴール時には20℃くらいに上がる。それだけに、ウェアによる温度調節が重要となるレースであり、フロントファスナーはクルーネックタイプよりも通気性にすぐれるから、暑がりの筆者にはピッタリなのである。
フロント部分にはファスナーを配し、衣類内部の温度調節が簡単に行える。モックネックのような立ち襟デザインは、首の後ろ部分の日焼けを防止してくれる
フロントのブランドロゴ部分や背面の肩部分(写真)は、自動車やバイクのヘッドライトを反射して、夜間走行時の安全性を高めるリフレクター仕様
実際に着用してみると、身長168cm、体重66kgの筆者にはサイズMがジャストフィット。胸囲がキツイこともなく、着丈が長すぎたり短すぎたりということもなかった。
まずは、日課の6kmランで着用。最近着ているどのランニングウェアよりもフィット感はよく、走行中のストレスを感じなかった。ノースリーブ仕様なので腕振りもスムーズ。フロントジップは、上まで締めるとモックネックのように立ち襟となり、首の後ろ部分の日焼けを防止してくれていると思った。
日課の6kmランを終えるころにはかなり汗をかいていた。しかし、4kmほど走ったところでフロントファスナーを全開にして走ったこともあって、衣類内部にはフレッシュな空気が送り込まれ、背面のメッシュから熱気を排出。快適な着心地をキープしたまま6kmランを終えられた。
前身頃の肌面には、耐久撥水加工を施したポリエステル糸をボーダー状に配し、かいた汗を表側に排出しながら、汗の逆戻りを軽減。肌面のドライ感を持続しながら、ウェアの速乾性を向上してくれる。いっぽう背面(写真)は、通気をうながすフルメッシュ生地を採用。さらに、銀イオンによる抗菌防臭効果を発揮するポリジン加工を施し、加えて静電気の発生を抑える静電ケア設計を採用している
当日は湿度がかなり高い日であったので、一般的なランニングウェアを着ていたら、不快になっていたと思うが、有能なマテリアルとフロントファスナーのおかげで本当に不快感を味わうことがなかったのである。
「ゴールドコーストマラソン」へは3年連続3回目の出走となったが、先述の理由もあり、過去2回ともフロントファスナー付きのウェアで参加した。今年の大会が前2回と異なったのは、最低気温が15℃と例年よりも高めだったこと。さらにスタート直前には土砂降りとなり、湿度も急激に上がってしまった。それにともなって不快指数は急上昇したが、「スリーブレスベターザンネイキッドジップアップ」の吸汗速乾性と通気性のおかげで、中間点過ぎまでは満足な走りができた。
しかしながら最終的に気温は22℃を越え、最高気温も平年より高くなったこともあって、昨年のように自己記録を更新することはできなかった。それでも、このウェアを着ていたおかげで、日が照りつける場面ではフロントジップを開け、木陰が続くエリアではジップを締めるというように、簡単に衣類内部の気温を調節できたのはありがたかった。
今回はアームカバーとの組み合わせで出走したが、インナーを着れば冬季のレースにも対応してくれそうだ。個人的には、夏季はもちろんのこと冬季にも活躍するということを知り、別色の購入も考えるほど気に入っている。
以上のことから同製品は、「スタートとゴール時で気温差の大きい大会のエントリーを考えている」「暑がりなので、とにかく通気性の高いウェアを探している」といったランナーにイチオシのランニングトップスと言える。
ちなみに、本製品は本来、気象条件が目まぐるしく変化するアウトドアフィールドで行われるトレイルランニングのために開発されており、汗の処理に対する機能性はオンロードランニング向けプロダクトを軽く凌駕するレベルにある。今回はオンロードのフルマラソンで着用したが、機会があればトレイルランニングでも、そのすぐれた吸汗速乾性能を体感したいと思う。
「ゴールドコーストマラソン」で気温が上昇するシーンでは、フロントファスナーを全開にして走った
急激に気温が上昇した25km過ぎの地点。通気をうながすフルメッシュ生地のおかげで、背中の不快感は最小限に抑えられた
ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間50分50秒。