オグさんです。
今回はスリクソンの「Z785アイアン」を試打させていただいたのでレポートをお届けします。
ヘッド素材/フェース素材(製法):軟鉄[S20C](鍛造 マイルド熱処理仕様 フェースミーリング形状ラインレーザー加工)
ロフト:#3 20°/#4 22°/#5 25°/#6 28°/#7 32°/#8 36°/#9 41°/PW 46°
今回試打させていただいたZ785アイアンは、ヘッドに軟鉄のみを使用した鍛造モデルで、いわゆる“一枚物”と呼ばれるアイアンです。
スリクソンZシリーズのアイアンには同じく軟鉄一枚物の「Z- Forged」もあります。以前試させてもらいましたが、マッスルバックタイプでフィーリングとボールコントロールを最優先したモデルです。
この「Z785アイアン」はフィーリングとボールコントロールを重視しつつ、キャビティ構造を採用することで、打点のミスへの適度な強さ、および直進性を加味したモデルになっています。
バックフェース上部をやや浅めに削り、センターから下部を厚めにした、キャビティバックとマッスルバックを混ぜたようなデザイン。派手さはありませんが、シンプルなカッコよさがありますね
Z785アイアン #5
Z785アイアン #7
Z785アイアン #9
どの番手もフェース下部のリーディングエッジが直線的に仕上げられ、やや薄めのトップブレードと合わせてシャープな印象。切れ味鋭そうな部分を作りつつ、アスリートアイアンとしてはブレードが少し長めで、それほど厳しいプレッシャーは感じさせません
V字にデザインされたソールは、刺さりすぎを防ぎつつ、ヌケのよさを向上させる効果があります
5番、7番、9番とお借りしたのですが、どの番手もスパッと斬ったような真っすぐのリーディングエッジに薄めのトップブレードを持ち、シャープな印象を受けますね。ですが、一般的なアスリートアイアンと比べると少し長めのブレードのおかげで、おびえるほどの威圧感はありません。適度にリラックスして構えられます。
まずは7番を打ってみましたが、狙った方向にストレートな弾道が打てました。打感は、重さの中にはじき感があるというか、ちょっと独特な感触ですが、とても気持ちいいものです。つかまりはニュートラル、クラブが余計なことをしないのでとても好感が持てます。
次に、打点をズラして打ってみました。飛距離ロスは少々ありますが、意外と曲がりませんでした。インテンショナルで故意に曲げても極端には曲がらず、バリバリのアスリートモデルとしては直進性が高いですね。V型のソールは、芝ではもっと効果を発揮すると思いますが、マットでも十分ヌケのよさを感じることができました。このモデルは実戦で効果を発揮しそうです。
5番、9番も打ちましたが、7番と同じような印象。意外だったのがどの番手も自分が思った距離より少しずつ飛んでいること。ちょっと距離の出る、ちゃんとしたフォージドアイアンといった仕上がりです。
ボールを曲げて操作するというよりも、打ち出し方向と高さを管理して、安定したショットを生み出すクラブといった印象。実戦での結果を重視した仕上がりで、まさに結果が重要なアスリートに向けたモデルと言えます
多面形になったソールが刺さりすぎを防止し、なおかつヌケのよさを向上させます。マットでも十分その性能を感じることができましたよ
ただやわらかいだけでなく、重さの中にはじき感があるというか、独特の打感があり、打っていて楽しかったです。こういうアイアンは練習に熱が入ります。飽きませんから
5番:やや右に打ち出し、軽くつかまってはいますが戻りきっていない弾道。個人的にはとても安心できる弾道です。長い番手は左にミスすると往々にして飛びすぎるので。高さも十分で距離も文句なしです。飛びすぎてるぐらいです
7番:狙ったところに打ち出してはいますが、ややつかまりすぎていますね。5番の弾道に引っ張られました(笑)。それでも、曲がりとしては許容範囲で高さもスピンも問題なし
9番:ほぼ狙いどおりの弾道。スピンも高さもほぼ適正で何も問題ありません。強いて難点を上げれば、普段使っているアイアンより飛んでしまっていることでしょうか……
Z785アイアンは、Zシリーズのほかのモデルと同様、現代のプロやアスリートの使いやすさを追求したモデルでした。現代のプロは、直進性を重視したクラブを好みます。特にドライバーは顕著です。そういったドライバーとの相性がいいというのが私のZ785の印象です。
適度な操作性を残しながらも直進性の高い弾道が打ちやすいので、大きなミスになりづらく安定した結果が得られやすいと思います。とはいえ、あくまでアスリート向けのアイアンですので、万人にとってやさしいモデルではありません。とにかくミスに強いアイアンをお探しなら別のブランドのモデルを選んだほうがいいでしょう。
写真:野村知也