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私に合うのは「TP100」か「CB」か!?

《2020年版》タイトリストのアイアン、違いと選び方を打って解説!

オグさんです。
今回は2019〜20年版、タイトリスト・アイアンの選び方をお届けします。

今回は2019年に発売された5モデルを試打し、違いや選び方を解説します

今回は2019年に発売された5モデルを試打し、違いや選び方を解説します

大別すると「Tシリーズ」「620」の2シリーズ

タイトリストのアイアンは、昔からアスリートゴルファーやツアープロに愛されてきました。初心者が憧れるような上級者やプロがたくさん使用しているわけですから、いつかは私も使いこなせるようになりたい!という上達志向のあるゴルファーには憧れのクラブなのです。

アスリートゴルファーに愛される理由は、コントロール性能にすぐれており、打感などフィーリング面が素晴らしいモデルが多いから。それでいてMB、CBというモデルは、名前を少し変えて定期的にモデルチェンジしながらも、急激な変化はあえてさせず、旧モデルからの移行もしやすい点も、ずっとタイトリストのアイアンを使い続ける上級者が多い理由のひとつです。

2019年末現在のタイトリストのアイアンのラインアップは大きくわけて2つ。ひとつはユーザーのニーズに合わせて、求められる結果に応じたやさしさをモデルごとに搭載した「Tシリーズ」。

もうひとつは伝統的な形状や製法を生かしつつ、最新のトレンドを組み込んだ「620」シリーズです。2018年までは「718」シリーズとして伝統を重んじたMB、CB、複合素材を使った「AP」シリーズが3モデル、中空構造の「T-MB」、日本専用の「VG3」というブランドも2モデル存在していました。それが整理されて今の5モデルに集約され、わかりやすくなりました。

今回はこの5モデルをまとめてご紹介し、違いやどんなゴルファーに向いているのかなどを解説したいと思います。試打はすべて7番です。比較をしやすいようにドライバーで42m/sぐらいのヘッドスピードを目安に試打しています。

【1】T300

バックフェースを下部まで深く削ったポケットキャビティ構造を採用し、トゥ側のポケット後方側のボディとバックフェースをバーでつないだ複雑な形状をしています。好みはあると思いますが、メカニカルなデザインで所有感が高いデザインだと思います

番手とロフト角(度)
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飛距離と安定性を両立したモデル

「T300」は、飛距離性能とミスへの許容性の両立を狙ったモデル。ロフトが立っている割には高さがしっかりと出ます。それでいてスピンはやや少なそうな、いわゆるライナー性の弾道。曲がりも少なく直進性も非常に高いです。

何球か芯を外して打ってみましたが、飛距離は少々落ちるものの弾道の質は変わらず、高さがある低スピンの弾道が安定して打てました。飛距離に関しては、一般的なアスリートモデルと比べると1〜1.5番手ぐらい出ますが、クラブ長を長く設計しているわけではないので、極端に飛距離を追求したモデルではありません。その分安定性を高めてあるので、飛距離だけでなく、ちゃんと“狙う”性能も考えた仕上がりになっていると思います。

ヘッドは安心感のあるやや大きめなサイズ。ブレードをやや厚めにしているものの、ちゃんとタイトリストの顔をしており、適度なシャープ感がある形状です

Tシリーズの中では一番ヘッドサイズが大きくソール幅が広い設計。やさしさを追求した形状で、少々のダフリやトップのミスをしっかりと許容してくれそうな形をしています

つかまり性能は、ニュートラルから少しだけつかまるといった具合。左のミスを嫌がる上級ゴルファーでも使えるレベルなので、クラブの特性が“じゃま”にはならないと思います

ストレスなく好スコアを出したい人向け

Tシリーズの中では、一番やさしいポジションに位置するT300は、プレイを最もシンプルにしてくれる仕上がりだと感じました。打点のミスに強く、曲がりづらく、飛距離をも追求した欲張り仕様。それでいて、いたずらに特化した性能を持たず、バランスよく仕上がっています。

ストレスのないゴルフで、スコアにもこだわりたいといったゴルファーにオススメのモデルです。少しでも弾道にこだわりがある方、球筋を自分で操作したいと考える方はほかのTシリーズがいいですね。また、アイアンでも飛距離に強くこだわる方は、ほかのモデルがよいでしょう。

【2】T200

バックフェース内は非常に凝ったデザインになっていて、メカニカルな印象を与えます。スポーティーなイメージもあり、カッコいいです!

番手とロフト角(度)
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左右のバラつきを抑えて安定性を狙ったモデル

「T200」は左右のバラつきを抑え、安定性を高めたモデル。シャープな形状を維持しつつもブレードを長くすることで、鈍重なイメージを持たせることなく、「直進性が高そうだな」といった印象を与えてくれます。

実際に打つと、ヘッドの形状通りの弾道が打てました。打ち出した方向に直進性の高い弾道がポンポン打てます。多少芯を外しても方向性はブレにくく、コンセプト通り方向性は非常に高いですね。

半面、操作性は最低限といったところ。操作することはできますが、大きくは曲がらないです。ですが上下、つまり弾道の高さや縦のスピンコントロールをすることは通常のアスリートアイアンとほぼ変わらずにできました。ある程度の操作性やフィーリングは欲しいが曲がりを抑えたいといったゴルファーにピッタリなモデルです。

アスリートに好まれるタイトリストらしく、どの番手も鈍重なイメージはありません。特徴的なのが、横に長くデザインされたフェース。安心感と直進性の高さをイメージさせる形状です

アスリートモデルらしく、ソールの幅はそれほど広くなく、ヌケのよさとミスへの許容性のバランスを考えた形状。トゥからの形状を見てもわかる通り、重心は深くしすぎず、いたずらにやさしさを追求したモデルではないことがわかります

ドストレートな弾道。狙ったところにゆっくりと飛ぶ、とても安心できる弾道が打てました。短い番手でもつかまり過ぎることなく、安心してピンに向かって打っていけます

とにかく“スコアにこだわる”ならコレ

技術に関係なく、ある程度スイングが固まったゴルファーが使えば、同じ方向に安定した弾道が打てるアイアンに仕上がっていると思います。技術的なことよりも、とにかくスコアにこだわりたいゴルファーにはいいモデルですね。タイトリストらしく、過度なお助け機能がないところが個人的には非常に気に入りました。ある程度振れてきた初心者から上級者まで使えるモデルだと思います。

【3】T100

軟鉄鍛造のキャビティバック構造ですが、バックフェースにバッチを配し、メカニカルな印象を与えるデザインになっています

番手とロフト角(度)
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キャリーを重視したツアー向けのモデル

「T100」は、狙ったところに正確にボールを運ぶ、番手ごとのキャリー性能を重視したモデル。構えたときの印象は、ツアー向けの美しいアイアンといったイメージで、シャープな顔をしています。とはいえ、圧のあるガチガチのプロ向けといった雰囲気はなく、どことなく助けてくれそうなイメージもあります。

打ってみると、余計な振動が少なくやわらかい打感が印象的。軟鉄鍛造のフェース、ボディに加え、バックフェースのバッジ類が衝撃を吸収しているのだと思います。芯を外したショットでもどこに当たったかの情報は残りつつ、嫌な硬い感触はほとんどありませんでした。

操作性は、適度といったところ。面白いほど曲がるといった感じではないですが、ボールを操作してプレイする上級者をも満足させる性能は持っています。それだけの操作性を確保しながらも打点のミスへの許容性は割とあり、かなりバランスがいいなというのが率直な感想です。

PGAのトッププレイヤーが使用するアイアンだけあって、やや小ぶりなサイズ。トップブレードも薄めでかなりシャープな印象。わずかですが、グースネックになっていますね

丸みを帯びたソールはヌケのよさを考えてのこと。海外の芝は抵抗が強く、ソールのヌケは正確なショットに欠かせない性能です

狙ったところに出てややつかまったドロー系。少々トゥ側の打点でしたがスピンも申し分なく、飛距離もしっかり出ています

テクニックを身に付けるのにもいい

T100は、縦の距離のバラつきを抑えたモデル。確かに、少々ミスしてもバラつきは少なかった印象があります。こういった性能を求めるゴルファーは中上級者に多く、安定していいスコアを出したい、またそういったゴルファーになりたいと考えるのであれば、このアイアンはとてもおすすめできますね。上達志向の高い方が、テクニックを身に付けるモデルとしてもいいと思います。

【4】620 CB

シンプルな形状のキャビティバック。仕上げも美しく、所有感も高い仕上がり

シンプルな形状のキャビティバック。仕上げも美しく、所有感も高い仕上がり

番手とロフト角(度)
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「操作性」を損なわない程度にやさしいモデル

「620 CB」(以下、CB)は、球筋を意図的に打ち分けるための操作性を第一に考え、それをじゃましない程度に打点ミスへの許容性を高めたモデル。つかまり性能はニュートラルで、ヘッドの動き通りの弾道が出てくれます。このへんはシビアな環境で戦うツアープレイヤーが好むだけあって、使いやすさを感じさせてくれます。

打感はやや重さを感じるやわらかい感触で、とても気持ちがいいですね。芯をあえて外して打ってみると、打感はやや硬くなり、飛距離も少し落ちる印象ですが、曲がりは少なかったです。打った後どんな弾道になるかがすぐわかる、情報量の多い打感もこういったアイアンならではの魅力なのですが、このCBもしっかりとそれを持ち合わせていました。

小ぶりではありますが、適度な肉付きがされており、いい意味で構えたときのシャープさをなくしています

小ぶりではありますが、適度な肉付きがされており、いい意味で構えたときのシャープさをなくしています

ソールはヌケを最大限に考えた形状。丸みを帯びて、いかにも突っかかりにくそうです

ソールはヌケを最大限に考えた形状。丸みを帯びて、いかにも突っかかりにくそうです

スピンがしっかり入り、つかまった弾道。打ち手の意思を、ボールに確実に反映してくれます

スピンがしっかり入り、つかまった弾道。打ち手の意思を、ボールに確実に反映してくれます

自分の技術でボールコントロールするためのクラブ

単純に結果だけを求めたい、もしくは、スライスや飛距離のバラつきを抑えたいなど軽減したいミスが明確ならば、Tシリーズのアイアンのほうが使いやすいと感じるでしょう。CBは自身のテクニックを使ってボールをコントロールしていくのに適したクラブです。ミスを含めてボールをコントロールできるので、テクニックを持った人には非常に使いやすいアイアンと言えると思います。打点のミスに少し強い分、ミスしたときの曲がりも少ない印象を受けました。

【5】620 MB

鈍い光を放つサテン風の仕上げが美しいマッスルバック。ゴルフ好きなら持っているだけで満足できるでしょう

鈍い光を放つサテン風の仕上げが美しいマッスルバック。ゴルフ好きなら持っているだけで満足できるでしょう

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求めたのは操作性だけ!

「620 MB」(以下、MB)は操作性のみを追求したモデル。構えた印象はシャープで、まるでカミソリのよう。しっかりとヘッドをコントロールできる人にとっては、操作性のよさを感じ取れる顔だと思います。打ってみると、ズシっと手に来る重厚な打感が味わえます。操作性は非常に高く、左右はもちろん、高低もしっかりと打ち分けることができ、打っていて楽しくなりました。まあ、操作性が最優先にされているアイアンですから当たり前といえば当たり前です。

次に芯を外して打ってみたのですが、飛距離は大きくロスします。ですが個人的にはこの結果は悪くないと思っています。ミスショット時の飛距離ロスは大きく、ボールも曲がるのですが、そのミスが意図した範囲内に必ず収まってくれるのです。練習場では当たり外れが大きいアイアンという評価で終わってしまいがちですが、コースでミスしたとき、想定以上に飛んでしまうクラブはケガが大きくなりやすいとも言えます。

そういった意味でMBは“結果が出しやすいアイアン”と言えると思います。また、こういったアイアンは上達しやすいとよく言われますが、その理由は、CB同様に情報のフィードバックがしっかりとあるから。芯を外せば大きく打感が変わり、フェースのどのあたりで打ったかなどを感触で分からせてくれます。

補正能力がない分スイングどおりの弾道で飛んでいくので、正しいスイングをしたときに正しい弾道が飛んでいくのが自分でわかるのです。補正能力のあるクラブは、曲がりや飛距離ロスを軽減してくれる代わりに、そういった重要な情報までも軽減してしまうのです。

余分なところのない小ぶりでシャープな形状。少しだけ丸みを持たせることで、難しい……という印象が緩和されますね

ソールはCB同様、シビアなライからでもヌケがいいようにやや丸みを持たせてあります。これらはツアープロからのフィードバックを参考にして設計されているのだとか

スピンが多めで操作しやすそうな弾道が打てています。ボールをコントロールするにはある程度のスピンが必要なのです。使い手の技術をそのまま弾道に映し出す、そんなアイアンです

あえて曲げて狙っていくプレイヤー向き

MBはCB同様、自身のテクニックを使ってボールをコントロールしていくのに適したクラブ。ミスを含めてボールをコントロールできるので、テクニックを持ったプレイヤーには非常に使いやすいアイアンと言えると思います。ミスへの補正能力はほとんどありませんが、スイングどおりの曲がりがボールに反映されるので、あえてボールを曲げていくゴルファーにはMBのほうが安心できるクラブだと言えますね。

自分に合うのはどれ? モデル選びQ&A

2019年のラインアップの見直しにより、非常にわかりやすくなったタイトリストのアイアン。Tシリーズは、飛距離性能とミスへの許容性の両立を狙ったT300、左右のバラつきを抑え、安定性を高めたT200、縦の距離のバラつきを抑えた仕様のT100と、はっきりと性能の狙いがハッキリと見えます。

620シリーズは、操作性をじゃましない程度に打点ミスへの許容性を高めたCB、操作性のみを追求したMBと、プロツアー含む競技など厳しい環境で戦うために必要なゴルファーの技量を、ボールにしっかり反映させるための性能を有しています。

飛距離性能はロフト設定を見れば明確で、Tシリーズで言えば、T300が一番飛距離を重視した設計になっており、T200、T100、と飛距離が落ちるぶん、安定した距離が打てるように設計されています。CBとMBは、ほとんど飛距離は変わりませんが、ミスしたときの飛距離ロスはMBのほうが大きい印象ですね。

モデルによってロフト設定がかなり異なることがわかります。同じアイアンでロフトが1°違うと、飛距離は1〜2ヤード変わってきます(モデルが異なるとクラブ長やヘッド構造が異なるので実際にはもっと変わることもある)

このロフト角はクラブの特性を物語っており、ロフトが立って設計されているものほど、ミスに強く直進性の高い設計になっています。タイトリストのアイアンに飛距離を求めるならばT300がいいでしょうし、フィーリングや操作性を重視するなら620シリーズ。また、直進性の高いモデルほど打感がソリッドで球離れが早い印象があります。打感をどこまで重視するかによっても手に取るモデルが変わってくると思います。

タイトリストのアイアンは、どれも結果を重視したモデルですので、とにかく飛んでミスに強いモデルが欲しいというのであれば、他社のモデルがいいかもしれません。それぞれのモデルに特性がありますので、自分の求める性能とそのモデルの特性が合っているのであれば、使い手の期待にしっかり応えてくれると思います。

アイアンでも飛距離が欲しい

Q.飛距離が欲しいのですが、300か200で迷ってます。(HC20・HS36)

A.飛距離はT300のほうが出しやすいですね。

そのうち競技にも挑戦したい

Q.そのうちクラブの競技などにも挑戦したい。T100でいいか?(HC12・HS43)

A.T100でいいと思います。T100は米ツアーなどでも使用されているモデルです。

かっこいい MB、僕も使えますか?

Q.プロが使っていてカッコイイMB、僕にも使えますか?(HC18・HS40)

A.ミスへの許容度はありませんが、シャフトの重量をしっかりとご自身に合わせれば打てないことはありません。

CBとMB、ホントに違う?

Q.CBとMB、練習場で打っても違いがあまりわからなかったのですが……(HC8・HS45)

A.どちらもシビアな環境で結果を出すため操作性を重視したモデルですので、苦手意識やデメリットを感じなければMBを選ぶといいと思います。いざというときの操作性はやはりMBのほうが高いですから。ある程度コントロールした弾道を打ちたいが、ミスしたときに少しでも曲がりを抑えたいと考えるならCBがいいでしょう。また、この考えが強いのならT100も選択肢に入ってきます。

うまくなるのにぴったりなのは?

Q.ゴルフを初めたときに買った中古クラブを卒業してタイトリストでうまくなりたい、どれがおすすめ?(HC15・HS42)

A.目指すレベルによりますが、シングルプレイヤーまで満足させるのはT100です。T200も十分使えますが、直進性が高いため、操作や技術が身に付くモデルとして考えるならば、やはりT100がいいですね。620シリーズは弾道のよし悪しがはっきりするため、早く技術が身に付くと思いますが、それまで少し我慢が必要になりますね。

写真:野村知也

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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