オグさんです
今回はヤマハの「RMX 220アイアン」を試打させてもらいましたのでレポートをお送りいたします。
ヘッド素材・製法:AM355精密鋳造
ロフト:#5 23°/#6 26°/#7 29°/#8 33°/#9 38°/PW 43°/AW 49°/SW 56°
ヤマハの「リミックス RMX」シリーズが大きくモデルチェンジしたことは既報の通り。形状やフィーリングを大切にしていた従来のモノ作りから、飛距離や直進性など“結果”を第一にしたクラブ作りに方向転換しました。
今回試打させていただいた「RMX 220アイアン」は、飛距離性能を重視しつつ、ミスへの許容度を高めたモデル。特に打ち出し角を重視した「キャリーで飛ばす」をキャッチコピーに掲げ、同シリーズの中で最もボールが楽に上がって飛距離が出る、オートマチックなアイアンとなっています。
具体的なテクノロジーとしては、軟鉄より硬度の高いマレージングフェースを採用することで、フェースとソールを肉薄化、より大きな余剰重量を生み出し、ポケットキャビティ構造で重心をより深く低く設計。これにより、高い反発力と打ち出し角を生み出しているのだとか。
早速打ってみたいと思います!
デザインイメージは軟鉄鍛造の「020」、クロムモリブデン一体鋳造の「120」と共通。220のヘッドはやや大きめですが、赤いラインを使ってスポーティーに仕上げています
RMX 220アイアン #5
RMX 220アイアン #7
RMX 220アイアン #9
全番手共通で、やや強めのグースネックと厚めのトップブレードを採用。ボールがよくつかまって当たり負けしなそうな、やさしいイメージです。ブレードが長めで曲がりも少なそう
ブレードがやや長めなこと以外はいたってオーソドックス。フェース面の素材にはマレージング鋼を採用し、高い反発力と肉薄化による余剰重量を生み出しています
RMXシリーズでは一番オートマチックな特性を持つだけあって、ソールの幅は広め。いかにも重心が低そうな形です
構えてみると、サイズが大きいヘッドで安心感がありますね。ややブレードが長いのですが、厚めのトップブレードと形状のおかげなのか、ほとんど違和感はありません。気になるとすればやや強めのグースネックでしょうか。ボールをつかまえやすくしてくれる形なので、個人的には安心感につながるのですが、左のミスが嫌な方はちょっと気になるかもしれません。
打ってみると、サイドスピンの少ない直進性の高い弾道が飛んでいきました。球離れが早いような印象で、弾き感のある打感が弾道と一致しますね。アイアンショットはできるだけ曲げたくない方には、とても安心感のある打感ではないでしょうか。かといって硬くて不快といった感触ではなく、独特の気持ちよさもあります。この辺は好みなので、打つ機会があったらぜひ打感を意識して打ってみてください。
この220アイアン、アスリート向けブランドのアイアンとしてはかなりロフトが立っているのですが、高さはしっかり出ますね。低重心のため、ややスピンは減るので安定して距離が出せます。曲がりも少なく、直進性の高い弾道が安定して打てますよ。半面、操作はほぼ受け付けてくれないフルオートマチックな仕上がりですね。
唯一アスリート向けっぽいところは、つかまり性能を過剰に持たせていないところ。グースネックではありますが、長めのブレードと相殺されているのか、ほんの少しつかまるといった程度。基本はニュートラルで狙ったところに打ち出しやすいアイアンです。
強い弾き感が、飛びそうな印象と曲がらなそうな印象、両方を与えてくれます。実際の弾道もそれに沿ったもの。個人的には性能と印象が一致するクラブは好きですね
非常に深いポケットキャビティ構造。重心を深く低くすることでボールの上がりやすさと打点のミスへの許容性を高めています
7番アイアンでしっかり高さを出しながら、直進性の高い弾道で距離もかなり飛んでいます。芯を大きめに外しても高さが維持されやすいので、飛距離ロスは少なめでした
RMX220アイアンはニュートラルなつかまり特性で直進性の高いモデル。ゴルフを極力シンプルにプレーしたいゴルファーにおすすめしたいですね。曲げようと思ってもほとんど操作を受け付けてくれないので、目標に向かって直線的に攻めていくスタイルと非常にマッチします。
飛距離と直進性が売りのアベレージ用のモデルはつかまりの強いモデルが多く、左のミスを嫌がる人には使いづらいものもあるのですが、このアイアンなら大丈夫。基本は腕前に関係なく使えるアイアンだと思いますが、左のミスを嫌がる上級者が使うと「めちゃくちゃやさしい!」なんて評価になるかもしれませんね。
写真:野村知也