南井正弘の「毎日走って、わかった!」
日本入荷のファーストロットは速攻でほとんど完売!

揺れほぼゼロ! 身体の一部と化すネイキッドの「新ランニングベスト」を試用レビュー

最近、街中でも小ぶりなランニング用バックパックを背負って、長距離走に励むランナーを見かけることは珍しくなくなった。また、「通勤ラン」や「帰宅ラン」といった言葉も一般的になるなど、ランニング用のラゲージ類は良好なセールスを記録している。

そんな状況の中、ニューカマーが登場。2015年にアメリカのワシントン州で設立されたNaked Sports Innovations Inc(ネイキッド スポーツ イノベーション インク)だ。揺れをほとんど感じさせないことで世界中のランナーから絶賛されたベルト型ポーチ「Naked Running Band(ネイキッドランニングバンド)」を開発したことで、その人気を確固たるものとしたが、今シーズン発表した「Naked Mens HC Running Vest(ネイキッドHCランニングベスト)」は、比類なきフィット感のよさで、日本に入荷されたファーストロットが速攻でほぼ完売。本作は、ランナーがバックパックに求める機能性を多岐に渡って確保しているのだという。

「ネイキッドHCランニングベスト メンズ」。公式サイト価格は17,600円(税込)

「ネイキッドHCランニングベスト メンズ」。公式サイト価格は17,600円(税込)

比類なきフィット感とイージーな着脱を両立!

一般的に、バックパックやリュックサック、ランドセルのようなカバン類に対する動詞は“背負う”だが、ここ数年のランニング業界では若干異なる。

サロモンやザ・ノース・フェイス、アルティメットディレクションといったブランドがリリースするバックパック類の一部は、フィット感を徹底追求することで、“背負う”というよりも“着る”と言ったほうがピッタリなスペックに仕上げている。これにより、ランニング中には避けられない上下動が起きても、バックパック自体は揺れることがほとんどなく、内容物を走行時の衝撃から守ってくれるのと同時に、走りのロスを防止してくれる。

しかしながら、街中を走るオンロードランニングではともかく、野山を駆け巡るトレイルランニングでは、「やっぱりバックパックが揺れてしまい、中身が心配……」、「アップダウンが激しいコースでは、上下左右に揺さぶられる感じがして走りにくい……」というコメントも聞かれた。

そんな状況を打破すべく開発されたのが、「ネイキッドランニングベスト」である。強力なコンプレッションテクノロジーが生む抜群のフィット感で、世界中のランナーから高い評価を得ることに成功した「ランニングバンド」の素材や機能をベストに応用した本プロダクトは、“着る”を超越して、まさに「身体の一部」といった表現が大げさではないレベルのフィッティングを誇った。

だがいっぽうで、この「ネイキッドランニングベスト」にも欠点があった。それは、素材の特性上仕方のないことではあるが、着たり脱いだりが容易でなく、着脱に時間がかかるということ。これが原因で購入を諦めた知り合いが、何人もいるほどだ。そんな点を改良したのが、今回紹介する「ネイキッドHCランニングベスト」だ。フロントにスムーズな着脱が行えるジッパーを配している。これにより、比類なきフィット感とイージーな着脱を両立することが可能となったのだ。

フロントのセンターにジッパーを配したことで、比類なきフィット感はそのままに、着脱も容易に。下段のポケットは、ジェルなどの小物の収納に最適だ

フロントのセンターにジッパーを配したことで、比類なきフィット感はそのままに、着脱も容易に。下段のポケットは、ジェルなどの小物の収納に最適だ

背面中央の大きなスペースには、アウターなどを収納可能

背面中央の大きなスペースには、アウターなどを収納可能

スポーツ用フラスクでは圧倒的なシェアを誇る、Hydrapak社のOEMによる500mlのフラスクが2本付属。フロントスペースにピッタリ収まり、走行中もスムーズに水分補給が行える

スポーツ用フラスクでは圧倒的なシェアを誇る、Hydrapak社のOEMによる500mlのフラスクが2本付属。フロントスペースにピッタリ収まり、走行中もスムーズに水分補給が行える

サイド部分には、トレッキングポール用ホルダーを装備

サイド部分には、トレッキングポール用ホルダーを装備

実際に着用して走ってみた!

トレイルコースとハイキングコースで、「ネイキッドHCランニングベスト メンズ」のテストを実施

トレイルコースとハイキングコースで、「ネイキッドHCランニングベスト メンズ」のテストを実施

筆者は、以前から「ネイキッドランニングバンド」を使用しており、着用時の収容物の量やウエストサイズに合わせて、2サイズを所有している。「ボストンマラソン」や「アムステルダムマラソン」、「東京マラソン」などのレースにおいて同プロダクトを使用したが、500mlボトルのような重いものを入れて走ってもほとんど揺れず、走りをさまたげなかった。なお、既存のウエストポーチの中で、このレベルのフィット感を実現した製品には出会ったことはない。

今回トライした「ネイキッドHCランニングベスト」は、「ネイキッドランニングバンド」と同様のマテリアルを使用。手に取ると、まず100gを切るというその軽さにビックリした。同時に、小ささにも驚いたが、適度に伸縮性のある素材なので、両腕を通してフロントファスナーを上部に引き上げることで難なく着ることができた。最初は「少し圧迫感があるかな?」と思ったが、腕を回したり、肩甲骨を寄せたりといった動きを何度かすると、適切な位置に固定され、窮屈さは感じられなくなり、まさに身体の一部となった感覚。これは決して大げさではなく、最近のフィット性にすぐれたバックパックのフィット感がスリムフィットのTシャツのようであると形容するなら、「ネイキッドHCランニングベスト」のそれは、コンプレッションがしっかりときいたインナーシャツのよう。

今回のテストは、神奈川県・葉山のトレイルコースと、東京都・青梅丘陵のハイキングコースで実施。オンロードや平坦なトレイルはもちろんのこと、激しいアップダウンのある場所でも、上下左右の揺れがまったくと言っていいほどなく、快適に走ることができた。

今回改めて感じたのは、バックパックが背中部分で揺れたり跳ねたりしないことで、エネルギーのロスが少なくなり、走りをさまたげないということ。100マイル(約160.9km)のトレイルランニングの大会のような長距離レースでは、このエネルギーロスの防止がもたらすランナーへの恩恵は計り知れないだろう。また、本体に使用されているメッシュ素材は、フィット感と同時に通気性にもすぐれるので、長時間の走行でも快適さを失わないはずだ。

【まとめ】サイズ決定には細心の注意を払いたい

以上のように、「ネイキッドHCランニングベスト」は、今までにないレベルのフィット感とイージーな着脱を兼ね備えたことで、走行中の荷物の揺れのストレスからランナーを解放することはもちろん、長距離レースにおけるウェアの着替えを格段にイージーにした。この機能性の高さを1度でも体感すれば、17,600円という価格を高いとは感じなくなるはず。

いっぽうで、「ネイキッドHCランニングベスト」の購入時に注意してもらいたいのが、サイズ選びだ。「ネイキッドランニングバンド」もそうだったが、完璧なフィットを提供すべく、同社の製品はサイズ展開が1インチ刻みという細かいピッチで用意されているので、サイズ決定には細心の注意を払いたい。できれば、実際に試着できる店舗での購入がベストだが、通販で購入するならサイト内のサイズチャートや注意文を参考にしつつ、慎重にサイズを選んでほしい。ちなみに、筆者の経験からすると、2つのサイズで迷った場合は、大きいほうのサイズを選択することをオススメする。

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。

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