南井正弘の「毎日走って、わかった!」

厚底シューズが8,000円切り! サッカニー「アクソン」の高コスパを検証

アメリカのレースシーンにおいて、着用率トップ5に入ることも珍しくないサッカニーは、「エンドルフィン」シリーズのヒットにより、日本のランニングシューズ市場でも急速にシェアを拡大している。

これは、ようやく同社製品の機能性の高さが、日本でも評価されるようになったからであろう。そんなサッカニーの日本における価格設定は、本国アメリカを始めとした海外と比べて割安であることは、一部ランナーの間では有名な話。特に、今回紹介する「AXON(アクソン)」は、上級モデルと比較しても遜色のない機能性を、8,000円を切るメーカー希望小売価格で提供。サッカニーのみならず、ランニングシューズ業界屈指のコストパフォーマンスの高さを誇る1足に仕上がっているのだ。

サッカニー「アクソン」の「シトロン」カラー。「ABC-MARTオンラインストア」での価格は、7,590円(税込)

サッカニー「アクソン」の「シトロン」カラー。「ABC-MARTオンラインストア」での価格は、7,590円(税込)

海外では以前から、レースデイの多くのランナーの足元を飾っていた

これまで、筆者は海外のレースを47回走っているが、「このブランドはこんなにも多くのランナーに履かれているのか!」と感じたブランドがいくつかある。その双璧が、ブルックスとサッカニーだ。前者は、アメリカのある程度の規模の街には1軒はあるランニング専門店においてシェアNo.1を誇り、そのことは幾度となく日本のマスコミも伝えている。

しかし、後者のサッカニーのシェアが、レースによっては上位にランクされることは意外と知られていない。2020年にサッカニーからリリースされた「エンドルフィン」シリーズは、日本でもヒットしたが、海外ではそれ以前にも、「ライド」、「ガイド」、「キンバラ」といったロングセラーモデルがレースデイのランナーの足元を飾っていたのである。

そして2021年春、1足のシューズが日本のランナーから注目を集めることとなった。それが「アクソン」である。「アクソン」は、厚底でゆりかご状のソールユニットを採用したランニングシューズ。ミッドソールに高いレベルの衝撃吸収性と反発性を兼ね備えた素材「PWRRUN(パワーラン)」を用いることで、効率のよい走行性能をランナーに提供してくれる1足だ。

ミッドソールは、サッカニー独自のマテリアル「パワーラン」を採用。衝撃吸収性と反発性を兼ね備えた素材だ

ミッドソールは、サッカニー独自のマテリアル「パワーラン」を採用。衝撃吸収性と反発性を兼ね備えた素材だ

サッカニー「アクソン」を実際に履いて走ってみた

「アクソン」の27cmで試走レビュー

「アクソン」の27cmで試走レビュー

まず足を入れてみると、足とシューズのフィット性が高いことに加え、サイズ9(27cm)で264gという数値よりも実際の体感のほうが軽いことがわかった。立っている状態では、ミッドソールの沈み込みはほとんど感じられず、安定性が高いレベルにあることが理解できた。

アッパーは、ベーシックなメッシュアッパー。通気性とフィット感を高次元で両立している

アッパーは、ベーシックなメッシュアッパー。通気性とフィット感を高次元で両立している

走り始めてみても、ミッドソールが潰れる感覚はほとんどなく、弧を描くソールユニットを組み合わせたことで、着地から蹴り出しまでスムーズに転がるような走行感で、自然と足が前に進む。

厚底ミッドソールとゆりかご形状のアウトソールを組み合わせているブランドとしては、ホカ オネオネも有名だが、あちらは「マシュマロクッショニング」を標榜するように、ミッドソールがやわらかくフワフワした着地感。いっぽうで、サッカニーの「アクソン」は着地の安定感とソールの転がりが特に強調されている。初心者ランナーには着地安定性も重要なので、着地時のグラつきが気になるランナーにはピッタリなスペックと言える。

日課としている6kmランで3度着用したが、最近履いたランニングシューズの中でもトップレベルの効率的な走りを体感でき、走り終わった直後、そして走った翌日の筋肉疲労は最小レベルに抑えられていると感じた。

アウトソールは、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性能を発揮するパターンと素材を採用

アウトソールは、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性能を発揮するパターンと素材を採用

インソールに関しては手を抜くブランドも珍しくないが、サッカニーはフィット感と履き心地のよさを両立した「FORM FIT」のインソールを用いるなど、一切の妥協なし

インソールに関しては手を抜くブランドも珍しくないが、サッカニーはフィット感と履き心地のよさを両立した「FORM FIT」のインソールを用いるなど、一切の妥協なし

【まとめ】性能も妥協しない、プライスコンシャスなランナーにピッタリの1足!

以上のように、サッカニーの「アクソン」は業界トップレベルの効率的な走りを実現してくれるので、「速く走るよりも楽に走りたい!」「無理なく走ることを楽しみたい!」「衝撃吸収よりも推進力を強調したシューズが欲しい!」といったランナーに最適な1足。

しかも、高い走行性能を7,590円(税込)という買いやすいプライスで実現しているのだ。何度も言うが、これはセール価格ではなく、メーカー希望小売価格。アメリカでは、「アクソン」は100ドルのメーカー希望小売価格で販売されていることを考慮すると、日本国内の価格設定は驚くべきレベルだ。ちなみに、競合ブランドがアメリカにおいて100ドルで販売しているシューズの日本国内のメーカー希望小売価格は、下記のとおり。

・アシックス「GT-1000 10」 10,450円(税込)
・ニューバランス「フューエルセル プロペル v3」 10,890円(税込)
・ブルックス「ローンチ8」 12,100円(税込)

「アクソン」の日本における価格設定のお得感が、ご理解いただけたと思う。「アクソン」は、走行性能を妥協することなく、リーズナブルプライスで厚底のランニングシューズを購入したいというプライスコンシャスなランナーにピッタリの1足と言える。

カラバリは、全4色で展開

カラバリは、全4色で展開

南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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