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中空アイアンの“進化”を体感せよ! キャロウェイ「APEX PRO アイアン」試打

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オグさんです。今回は、キャロウェイのアイアン「APEX PRO」(2023年モデル)の試打レビューをお届けします。

「APEX PRO」(2023年モデル)

「APEX PRO」(2023年モデル)

「APEX」のアイアンは5種類

「APEX」は、キャロウェイが主にアイアンに使用するブランド。鍛造製法で作られたモデルで構成されていて、やや小ぶりなモデルが多いのが特徴です。対象となるゴルファーは、初・中級者から上級者、ツアープロまでと、幅広いラインアップを展開します。

「APEX」は元々ベンホーガンというメーカーのブランドで、高い人気を誇っていましたが、キャロウェイが買収し、現在は同社の製品に使われています。

従来の「APEX」ブランドのラインアップは、ブランドネームを冠した、適度なやさしさを持つ「APEX」アイアン、ミスへの寛容性をより高めた「APEX DCB」アイアン、そして中空構造のアスリート向けモデル「APEX PRO」アイアンの3種類でした。

今回モデルチェンジしたのは、「APEX PRO」のみ。そして、新たなモデルとして「APEX CB」と「APEX MB」の2モデルが追加され、計5モデルのラインアップに一新されました。

新しい「APEX PRO」は、前作と同様の中空構造ですが、前作とは異なる素材を使った軟鉄鍛造ボディを採用。フェース素材は、番手によってカーペンター455スチールと軟鉄カーボンスチールを使い分け、どちらも鍛造で仕上げています。

従来モデルで高い評価を得ている、番手ごとの役割やミスの傾向に合わせてAIがフェースを設計する「AIフラッシュフェース」も引き続き採用するなど、番手ごとにしっかり作り込まれたモデルです。

ちなみに「APEX PRO」のモデルチェンジと同時に追加された2モデルの特徴を簡単にお伝えすると下記のとおり。

●APEX MB
フェース一体型の軟鉄鍛造ボディにタングステンプレートを搭載。操作性やフィーリングを追求しながら、番手ごとに求められる性能を高めたモデル

●APEX CB
こちらもフェース一体型の軟鉄鍛造ボディを採用。バックフェース下部のタングステンプレートのほかにトゥ側にタングステンウェイトを内蔵することで、狙う性能とミスへの寛容性を両立させたモデル

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キャロウェイの「APEX アイアン」「APEX DCB アイアン」の試打レポート。キャロウェイ独自のAIが開発したフェースがアイアンに初搭載され、かなりの寛容性を持っています!
2021/03/18 09:00
バックフェース下部のプレートがデザインのアクセントになっていて、なかなかカッコイイですね。中空構造ですが、厚みはあまりなく、すっきりした外観です

バックフェース下部のプレートがデザインのアクセントになっていて、なかなかカッコイイですね。中空構造ですが、厚みはあまりなく、すっきりした外観です

APEX PRO・#7

APEX PRO・#7

ツアーモデルとして見るとちょっと大きめですが、アベレージモデルとしてはちょっと小ぶりで適度なサイズ。トゥ側に丸みがあり、プレッシャーをあまり感じさせない顔に仕上げられています。

ロフト構成は7番で33度と、今どきのアスリートモデルらしい設定。飛距離性能はあまり追求しておらず、あくまで狙う性能を磨いたアイアンということでしょう。

番手ごとにAIが設計した「AIフラッシュフェース」を採用。素材は、4〜5番にはカーペンター455スチールを、6番以下は軟鉄カーボンスチールを使っており、非常に凝った設計です

番手ごとにAIが設計した「AIフラッシュフェース」を採用。素材は、4〜5番にはカーペンター455スチールを、6番以下は軟鉄カーボンスチールを使っており、非常に凝った設計です

ソール幅は適度ですが、リーディングエッジとトレーリングエッジそれぞれに丸みが付けられており、抜け性能はよさそう。打感を向上させるため、ヘッド内部にウレタンが内蔵されています

ソール幅は適度ですが、リーディングエッジとトレーリングエッジそれぞれに丸みが付けられており、抜け性能はよさそう。打感を向上させるため、ヘッド内部にウレタンが内蔵されています

バックフェースのタングステンプレートを外した写真

バックフェースのタングステンプレートを外した写真

フェースは、ボディ側面まで回り込むように作られているカップ構造。これにより、広い反発エリアを実現させています

フェースは、ボディ側面まで回り込むように作られているカップ構造。これにより、広い反発エリアを実現させています

AIが設計したフェースの裏側。打点のミスに対するシミュレーションを行って導き出された形状で、番手ごとに形状が異なります

AIが設計したフェースの裏側。打点のミスに対するシミュレーションを行って導き出された形状で、番手ごとに形状が異なります

標準のシャフトラインアップは110g台の中調子のスチール「ダイナミックゴールド MID115」と、100g台の元調子のスチール「MODUS3 TOUR 105」の2モデル。ごく一般的な男性であれば、「ダイナミックゴールド MID115」でも十分振れるでしょう。「MODUS3 TOUR 105」は軽めの仕上がりながら剛性感が高いため、ある程度のパワーがないとしならせられないため、硬さを感じてしまうかもしれません。

「ダイナミックゴールド」の中調子である「MID115」。重量も適度で、とても扱いやすいシャフトです

「ダイナミックゴールド」の中調子である「MID115」。重量も適度で、とても扱いやすいシャフトです

飛距離は出ないが高さが十分!

構えた印象は、ちょっと小ぶりなのにやさしそう! 全体的に丸みを帯びたフォルムや適度な厚さのブレード、そして絶妙なグース具合により、サイズによるプレッシャーをうまく相殺しています。

お借りしたスペックは「ダイナミックゴールドMID115」が装着されたモデル。ドライバーでのヘッドスピード38m/sぐらいをイメージして打ってみると、しっかり高さが出る直進性の高い弾道が安定して打てました。

ほとんど立っていないロフト設定だけあって、ヘッドスピードが高くなくてもしっかりとグリーンで止まる弾道が打てますね。当然飛距離はそれなりですが、個人的には下手に飛ぶよりこちらのほうがやさしいと感じます。長い番手を持つ機会が増えますが、長い番手もしっかりと高さが出てくれるので、難しさは感じませんでした。

操作性に関しては、「PRO」と名乗っている割には穏やかな印象。結構大げさに操作しないと大きくは曲がってくれませんでした。

ミスへの強さは、サイズを鑑みれば非常に強いと言えます。小ぶりサイズでありながら、芯を外してもブレが少なく、高さもあまり落ちません。

見た目や名前とは裏腹な、安定感があってミスに強いアイアンです。

中空っぽさを感じさせない適度なやわらかさを持つ打感。上級者も十分満足できる気持ちよさです

中空っぽさを感じさせない適度なやわらかさを持つ打感。上級者も十分満足できる気持ちよさです

競技ゴルファーにもよさそう

ヘッドスピードを高めていくと、さらに高弾道になります。弾道は高いのですが、スピン量は増えすぎません。降下角をしっかり稼ぎつつ、風に左右されにくい実戦的な弾道だと感じました。硬いグリーンなどシビアなコンディションで戦うゴルファーほど、こういった弾道を打てるアイアンが武器になると思います。

高さ、スピン量、飛距離において申し分ありません。高さが出ているのに飛距離も落ちず、スピン量が増えすぎていないのがこのアイアンのよいところだと思います

高さ、スピン量、飛距離において申し分ありません。高さが出ているのに飛距離も落ちず、スピン量が増えすぎていないのがこのアイアンのよいところだと思います

前作よりも“狙える”アイアン

「APEX PRO」はツアープロが求める、グリーンで止められる弾道を、パワーや技術があまりなくても自然と打たせてくれるアイアンに仕上がっていました。小ぶりサイズながらミスに強く、ある程度の操作性も持ち合わせるバランスも魅力です。前作と比べるとかなりの進化を感じました。

前作もバランスのよいアイアンでしたが、もう少しスピンが少なかった印象があります。今作は、安定してスピンが入るので、より狙う性能が高まっていると感じました。

ライバルは、テーラーメイド「P790」、ミズノ「Mizuno Pro 245」、グローブライド「オノフ KURO」あたりです。それぞれ、味付けは微妙に異なりますが、どれもミスに強く直進性の高い弾道が打てるので、よほど硬いグリーンでない限りは止められる性能を持っています。

近年のモデルを見ると、「アスリート向け中空モデル」というジャンルが生まれたと言ってよいでしょう。これらのモデルを試打すると、アイアンも進化しているんだなぁというのを実感できるはず。機会があったらぜひ試打してみてください。

写真:野村知也

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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