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ミスに強くて安定感バツグン! ブリヂストン「B2 HT ドライバー」試打レビュー

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オグさんです。今回は、ブリヂストンのドライバー「B2 HT」の試打レビューをお届けします。

「B2 HT」 ドライバー

「B2 HT」 ドライバー

フェース面のミーリングに注目!

ブリヂストンのメインブランドである「B」シリーズ。現在の商品構成になってから初めてのモデルチェンジを行い、前作の「B1」シリーズが「B1 ST」、「B2」シリーズが「B2 HT」へと変更されました。

「B1 ST」の「ST」は「STRONG TRAJECTORY(強弾道)」を、「B2 HT」の「HT」は「HIGH TRAJECTORY(高弾道)」を表しています。

今回の「B」シリーズに使われている新たなテクノロジーが、「スリップレスバイトミーリング」。フェースに施された特殊なミーリングが、インパクト時の余計なボールのスリップを軽減するという技術です。余計なスピンを抑制することで飛距離ロスを減らし、直進性を高めてくれるものだそうです。

また、フェース裏側を金属の突起で直接支えることでオフセンターヒット時の飛距離ロスや曲がりを抑える「サスペンションコア」が、前作同様に搭載されています。

今回ご紹介する「B2 HT」シリーズは、直進性とミスに対する寛容性の向上をテーマに開発されており、「B2 HT」ドライバーにのみ搭載されている技術もいくつかあります。ひとつは、カーボンクラウンにフェースと平行にスリットを複数入れることで、ヘッドのたわみやすさを補助し、高弾道を追求した「フレクションレイヤー」。もうひとつはソール後方とややヒール側に搭載された2つのウェイト「ドローバイアスデザイン 2.0」で、双方を入れ替えることでつかまり具合を調整できます。

ちなみに、もうひとつの「B1 ST」ドライバーは以下のような仕様です。

「B1 ST」
可変ウェイトを多く搭載し、アジャスト能力を高めた低スピンの強弾道モデル

「B1 ST」ドライバーも近々レビューをお届けしますので、少々お待ちください。

デザイン自体はシンプルですが、ソールの「B」マークと白いカラーがアクセントとして効いています

デザイン自体はシンプルですが、ソールの「B」マークと白いカラーがアクセントとして効いています

<カタログ記載のスペック>
●ロフト(度):9.5/10.5
●ライ角:59度
●ヘッド体積:460cc
●クラブ長:45.25インチ
●クラブ重量:296g(VANQUISH BS50・S)

標準スペックを見ると、アスリートモデルとしては少しだけ軽量に仕上げられていることがわかります。「B1 ST」ドライバーの標準スペックがSフレックスで308gですから、ターゲットはややアベレージゴルファーを意識したモデルと言えます。

ヒール側に少しだけボリュームがあり、ややつかまりそうな印象を与えるフォルム

ヒール側に少しだけボリュームがあり、ややつかまりそうな印象を与えるフォルム

「スリップレスバイトミーリング」が施されたフェースが目立ちますね。メーカーはこのフェースを「バイティングフェース」と呼称しています。フェースが高いディープフェースですが、低重心に仕上げられているので、ボールが上がらないことはないでしょう

「スリップレスバイトミーリング」が施されたフェースが目立ちますね。メーカーはこのフェースを「バイティングフェース」と呼称しています。フェースが高いディープフェースですが、低重心に仕上げられているので、ボールが上がらないことはないでしょう

「スリップレスバイトミーリング」は、触ってみると結構ザラザラします。雨の日でも安心して振り回せそうですね

「スリップレスバイトミーリング」は、触ってみると結構ザラザラします。雨の日でも安心して振り回せそうですね

標準シャフトは、専用設計された三菱ケミカル製の「VANQUISH BS50」というモデル。いわゆるクセのないシャフトですが、適度なシャキッと感があり、ボールをとらえやすいのが特徴です

標準シャフトは、専用設計された三菱ケミカル製の「VANQUISH BS50」というモデル。いわゆるクセのないシャフトですが、適度なシャキッと感があり、ボールをとらえやすいのが特徴です

ヘッドスピードが速くなくても高弾道!

構えた印象は、最近のドライバーらしい大きめのアスリートモデルといった感じで、しっかり振り切っていけそうなのに、安心感があります。いわゆる洋ナシ型ではなく、ヒール側に適度なボリュームを持った丸型。これは好みが分かれるところですが、個人的には丸型のほうが構えやすく感じます。

お借りしたスペックは、標準の「VANQUISH BS50」シャフトのSフレックス装着個体。ロフト角は9.5度です。ヘッドスピード38m/sぐらいを想定して試打をスタート。何球か打って感じたのは、打ち出し角の高さ。ヘッドスピードがあまり速くなくても自然と高弾道が打てますね。球質は直進性が高く、少々打点がズレても曲がりが少ないです。

ミスへの寛容性はなかなかのもので、直進性の高さと相まって、安定したティーショットを打たせてくれます。つかまりに関しては、ほんの少しだけつかまる仕様になっているかな? といった感じ。可変ウェイトを使ってよりつかまる特性にしてみると、ドロー系が打てると言うよりは、目標よりやや左方向に直進性の高い弾道が出る印象です。

純正シャフトは適度にしっかりしており、幅広いヘッドスピード帯に対応してくれます。少しはじき感がある打感で、やや高めの音が心地よく爽快です

純正シャフトは適度にしっかりしており、幅広いヘッドスピード帯に対応してくれます。少しはじき感がある打感で、やや高めの音が心地よく爽快です

多くも少なくもないほどよいスピン量

ヘッドスピードを高めていくと、弾道に変化はなく、少しだけ球が上がるようになる程度。スピン量は多くもなく少なくもなく、といった具合です。芯を外しても曲がりが少なく、キャリーが出やすいので、これ以上スピン量を削ろうとすると、ミスへの寛容性が犠牲になるでしょう。

ですので、バランスよいところで仕上げてきたなというのが率直な感想です。より強い弾道で飛ばしたいと考えるなら「B1 ST」のほうがマッチすると思います。

個人的に「スリップレスバイトミーリング」の効果を実感するのが、芯を外したとき。余計なスピンが入りづらく、この効果によって打点がバラついても安定したティーショットが期待できます

個人的に「スリップレスバイトミーリング」の効果を実感するのが、芯を外したとき。余計なスピンが入りづらく、この効果によって打点がバラついても安定したティーショットが期待できます

少々トゥ側に打点がズレたデータです。本来ならもう少しフック気味になってもおかしくないのですが、狙ったところにピッタリぐらいのきれいなドローで収まっています。スピン量がやや多く出ていますが、芯を外していますから、多少は仕方のないところ……。同じぐらいのヘッドスピードで芯を食った場合は3,000rpm強くらいでした

少々トゥ側に打点がズレたデータです。本来ならもう少しフック気味になってもおかしくないのですが、狙ったところにピッタリぐらいのきれいなドローで収まっています。スピン量がやや多く出ていますが、芯を外していますから、多少は仕方のないところ……。同じぐらいのヘッドスピードで芯を食った場合は3,000rpm強くらいでした

1発の飛びより安定感

「B2 HT」ドライバーは、現代のドライバーに求められる直進性とミスへの寛容性をあわせ持ち、あまりパワーのないゴルファーでも安定した飛距離が期待できる仕上がりでした。標準仕様のシャフトがちょっと軽めなので、ヘッドスピードが高めの人はリシャフトすることで安定感がより増すでしょう。

1発の飛びより安定感を重視したアスリートモデル、といった感じです。前作とコンセプトは近いのですが、アジャスト能力が高くなり、ちょっとだけ低スピンになって飛距離性能が高まりました。特に、芯を外したときの飛距離ロスが小さくなったのは大きな進化だと思います。

ライバルモデルは、ダンロップの「スリクソン ZX5」、ピン「G430 MAX」、キャロウェイ「パラダイムX」といったところでしょうか。各モデル、コンセプトは微妙に異なりますが、どれも直進性とミスへの寛容性のバランスを取ったモデルです。

「B」シリーズはアスリートブランドという位置付けですが、「B2 HT」シリーズに関しては、アベレージゴルファーにも十分やさしいと感じるクラブに仕上がっています。補正能力はあまり高くありませんが、クラブ全体のバランスがよいので上達してからも長く使えると思います。

写真:野村知也

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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