オグさんです。今回は、ブリヂストンのドライバー「B1 ST」の試打レビューをお届けします。
「B1 ST」ドライバー
ブリヂストンのメインブランドである「B」シリーズ。現在の商品構成になってから初めてのモデルチェンジを行い、前作の「B1」シリーズが「B1 ST」へ、「B2」シリーズが「B2 HT」へと変更されました。
「B1 ST」の「ST」は「STRONG TRAJECTORY(強弾道)」を、「B2 HT」の「HT」は「HIGH TRAJECTORY(高弾道)」を表しています。
今回の「B」シリーズに使われている新たなテクノロジーが、「スリップレスバイトミーリング」。フェースに施された特殊なミーリングが、インパクト時の余計なボールのスリップを軽減するという技術です。余計なスピンを抑制することで飛距離ロスを減らし、直進性を高めてくれるものだそうです。
また、フェース裏側を金属の突起で直接支えることでオフセンターヒット時の飛距離ロスや曲がりを抑える「サスペンションコア」が、前作同様に搭載されています。
今回ご紹介する「B1 ST」シリーズは、強弾道と操作性をテーマに開発されています。本機専用の技術として、クラウンのたわみを抑制して強弾道を生み出す「スパインスタビライザー」と、6パターンの弾道調整機能を備えたウェイト可変機構を搭載しています。
兄弟モデルである「B2 HT」ドライバーはすでに試打レビューをアップしていますが、両者を簡単にまとめると以下のとおりです。
●「B1 ST」
可変ウェイトを多く搭載し、アジャスト能力を高めた低スピンの強弾道モデル
●「B2 HT」
高弾道とつかまりを追求した、直進性の高いモデル
それでは「B1 ST」ドライバーを詳しく見ていきましょう。
ウェイトが3つ搭載されていて、アジャスト能力の高さをうかがわせます。デザインはシンプルでよいですね
●ライ角:57度
●ヘッド体積:455cc
●クラブ長:45.25インチ
●クラブ重量:308g(VENTUS BS6・S)
ライ角設定はフラットで、アスリートが嫌う左へのミスを抑制しています。重量も、純正シャフト装着モデルであってもしっかりあり、アスリートモデルらしい設定です。
やや面長のフェース形状ですが、いわゆる洋ナシ型ではなく、均等の取れた丸形です
今作の最大の特徴である「スリップレスバイトミーリング」を搭載したフェースが目を引きます。かなりのディープフェースですが、ヘッド後方は比較的低めに仕上げられています
「スリップレスバイトミーリング」は、触ってみると結構ザラザラします。このザラザラがボールをしっかりキャッチし、余計な滑りを抑制してくれるとのこと
専用設計された純正シャフトは、フジクラ製の「VENTUS BS」で、一般的な純正シャフトとしては重めの60g。全体にしなりを持つ、クセのない仕上がりです
構えた印象は、しっかりたたいていけそうな感じ。海外ブランドに多い洋ナシ型ではなく、丸型の“イケメン”なので、操作性もよさそうな印象があります。洋ナシ型だとトゥ側にボリュームがあるので、ちょっとつかまらなそうなイメージのほうが強くなります。この「B1 ST」は、丸形でつかまりすぎるイメージがわかないので、個人的には安心感が強いですね。
お借りしたスペックは、純正シャフト装着のSフレックス。ロフト角は、9.5度です。軽く素振りしてみると、適度な重量があって、シャフトがしっかり動いてくれます。強振するならカスタムシャフトが欲しくなりますが、8割くらいの力感で振るなら、むしろタイミングが取りやすくてよいですね。
ヘッドスピード38m/s程度で打つと、ライナー性の弾道がオートマチックに打てます。弾道の高さはロフトなりといったところで、さすが強弾道をうたうモデルだけありますね。気に入ったのが、芯を外したときの弾道。「スリップレスバイトミーリング」の効果か、スピンが増えすぎず、飛距離ロスを抑えてくれます。
操作性はほどよい感じ。グリングリン曲がるわけではなく、適度に操作できるような仕上がりです。つかまりがニュートラルなので、ボールをつかまえられるゴルファーは非常に扱いやすいと感じるはずです。
打感は適度なはじき感があり、乾いた打音が気持ちよい。音の余韻が少なく、うまく抑えられていると思います
ヘッドスピードを高めていくと、ライナー性の弾道がどんどん伸びていく感じ。振ったら振っただけ飛距離が伸びる印象で、パワーのあるゴルファーもシャフトを合わせれば高い満足感を得られるでしょう。
速いヘッドスピードでも芯を外したときのスピンが増えすぎないのは同様です。この性能は、実戦で大いに役立つと思います。
可変ウェイトは、スイング中の振り心地と、打ち出し方向を調整できる印象です。元々スピンが多くないヘッドなので、ウェイト位置を変えてみてもボールはあまり曲がりませんでした
右からわずかに戻るドローを意識して打ってみたのですが、直進性が高くそのままストレートに飛んでいきました。ややトゥ寄りでヒットしたのですが、それでもスピンは増えず。曲がらないのはコースではありがたいですね。ボールを操作したい私にとっては、もっと曲がってほしいです(笑)
「B1 ST」ドライバーは、実戦力の高いアスリートモデルに仕上がっていました。個人的にはもう少し操作性が高くてもよいと思いますが、オフセンターヒットへ強さと高いアジャスト能力で、幅広いゴルファーにマッチするクラブに仕上がっています。
ライバルは、キャロウェイ「パラダイム トリプルダイヤモンド」、グローブライド「オノフ ドライバーKURO」、ダンロップの「スリクソンZX7」といったところでしょうか。ヘッドの操作がしやすく、それでいて直進性が高い点で似ています。
本機は、扱いやすく結果も出しやすいという、非常にバランスのよいドライバーです。国産でよいドライバーをお探しなら、ぜひ試打することをおすすめします。
写真:野村知也