南井正弘の「毎日走って、わかった!」

On史上最も分厚いミッドソールの「クラウドエクリプス」! 実際に履いて走ってレビュー

2023年末にリリースされたOnの「Cloudeclipse」(クラウドエクリプス)は、同ブランド史上最も分厚いミッドソールを有しており、最高にソフトなクッショニングによって新次元の快適さを提供してくれる一足だ。楽しくなるような走行感に定評のあるブランドだが、本プロダクトの登場により、そのレベルがワンランクアップしたと感じる。

On「クラウドエクリプス」(税込21,780円)

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2023/12/25 11:00

「クラウドエクリプス」は、衝撃吸収力にすぐれた素材「Helionスーパーフォーム」製のミッドソールを使用。このミッドソールは、ソフトで滑らかなライド感を追求した2層構造の「CloudTec Phase(クラウドテック フェーズ)」を採用しており、着地時に“穴”が順に圧縮されて衝撃を吸収する。その結果、かかとからつま先へ、かつてないほどスムーズな重心移動を実現している。さらに、その着地感は従来モデル以上にフカフカな感触をランナーに提供。同社のラインアップにはこれまでも「クラウドモンスター」や「クラウドストラトス」をはじめとするクッション性にすぐれたプロダクトは存在したが、「クラウドエクリプス」の走行感覚はそれらのいずれとも異なり、もうすでに数多くのランナーを魅了することに成功している。

「クラウドエクリプス」でもうひとつ注目すべきなのは、地球環境に配慮した製造方法を採用していること。アッパーには水消費量を従来比で90%削減した「原液着色法」を採用しているほか、糸は再生ポリエステルを100%使用している。

「Helionスーパーフォーム」製ミッドソールは、2層構造の「クラウドテック フェーズ」を採用。着地時に順に圧縮されて衝撃を吸収することで、かかとからつま先にかけてスムーズな重心移動を実現している

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濡れた路面でもしっかりとグリップするアウトソール。どちらかいうと、アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮するパターンだ

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しなやかに屈曲する「スピードボード」が安定した重心移動を実現

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通気性にすぐれたアッパーには、水消費量を従来比で90%削減した「原液着色法」を採用するなど、地球環境への配慮も忘れていない

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走行時の足抜けは「クラウドサーファー」よりよくなった!

「クラウドエクリプス」を実際に履いて走ってみた!

「クラウドエクリプス」を実際に履いて走ってみた!

Onの従来のランニングシューズでは、ボリューミーなミッドソールのシューズと言えば、「クラウドストラトス」か「クラウドモンスター」であり、どちらのシューズも同ブランド独自の自然な着地と爆発的な蹴り出しを最大限に体感できるプロダクトとして高い評価を得てきた。そのような状況で、「クラウドエクリプス」はブランド史上最厚のミッドソールを有するシューズとしてリリースされたが、実際に履いてみると、その着用感と走行感は、前述の2モデルだけでなく、Onがこれまでリリースしてきたどのプロダクトとも異なる。

足を入れてみると、「Helionスーパーフォーム」のボリューミーなミッドソールを採用しているだけあり、幾分目線が高くなった気がするが、ソールユニットに十分な幅があるので安定感の問題はなさそうだ。

実際に走ってみると、まず感じるのは着地安定性と前方への転がり感。本モデルと同じ「クラウドテック フェーズ」を採用している「クラウドサーファー」では着地時にミッドソールの変形を強く感じるのとは対照的に、自分の体重(63.5s)程度の重さでは足裏にそれを感じることはなかった。これは「クラウドエクリプス」が「スピードボード」を採用していることや、ミッドソール素材の硬度を上げていることが理由だと思われるが、これにより走行時の足抜けは「クラウドサーファー」よりよくなっていると思った。

日課としている6kmランでは、まず6分20秒/kmほどで進み、最後だけ6分/kmを切るペースで走ってみたが、自分の脚力では6分/km前後のペースで走るのがいちばん快適に感じた。また、翌日の脚部の疲労感はほかのシューズよりも確実に少なかった。

ちなみに、アメリカやヨーロッパなど海外のランナーのレビューを見てみると、ミッドソールのフワフワした感覚が強いと意見している人も多いので、体重が重めのランナーが履くと、異なった側面が感じられるのかもしれない。

【まとめ】長い距離を快適に走りたいランナーなどにおすすめ!

以上のように、Onの「クラウドエクリプス」は、同社史上最も分厚いミッドソールを有しており、2層構造の「クラウドテック フェーズ」を採用したことで、同社で最も高いレベルの推進力を感じられるシューズに仕上がっている。

厚底シューズの場合、着地安定性に難のあるプロダクトも少なくないが、「クラウドエクリプス」の場合、十分に横幅のあるソールユニットや「スピードボード」の採用によりその点は問題なさそうだ。「クラウドストラトス」や「クラウドモンスター」をすでに履いているランナーも、それらとは走り心地がまったく異なるので、トライする価値はある。

おすすめのランナーは次のとおり。
長い距離を快適に走りたいランナー
体重が重めなので十分なクッション性のあるシューズを探しているランナー
足の保護性にすぐれたスタイリッシュなランニングシューズを探しているランナー

2万円を超える価格設定は決して安くないが、その履き心地のよさからヘビーローテーションで履くようになることを考慮すれば、むしろリーズナブルと言えるかもしれない。ボリューミーなシルエットはランニングで活躍するだけでなく、ライフスタイルシーンでも映えることだろう。

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2023/12/25 11:00
南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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