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タイガーが認めたボールはこれだけ! ブリヂストン新「TOUR B X/XS」試打

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オグさんです。今回はボールの試打レビューです。ブリヂストン「TOUR X/XS」をコースで使ってきた模様をお届けします。

「TOUR B X」(左)と、「TOUR B XS」(右)

「TOUR B X」(左)と、「TOUR B XS」(右)

世界で認められるブリヂストンのボール

ブリヂストンのボールは、日本国内だけでなく世界的に人気があります。海外での人気に火を付けたのが、同社の高性能ツーピースボールです。

1993年に発売された「レイグランデWF432」というボールは、ツアープロの使用球が糸巻き一択だった時代を一気に変え、「ツアープロが使えるツーピースボール」としてゴルフボールに変革をもたらした名作として語り継がれています。「レイグランデ」開発以降、ブリヂストンのボールは、高性能かつ精度が高い、品質がよいボールとして世界的に認知されているのです。

近年、それを後押ししたのが、かのタイガー・ウッズとのボール契約でしょう。彼はボール選びを非常に大事にしており、特にスピン性能を強く求めます。タイガーの持ち味である非常に繊細なコントロールショットには、ボールの持つスピン性能が非常に重要だからです。さまざまなボールをテストし、最終的に選んだボールがブリヂストンの「TOUR B330S」でした。2016年にブリヂストンと契約を交わし、2024年現在でも契約は継続しています。

現在のタイガーのメイン球は「TOUR B X」。タイガーが高く評価しているのが、飛距離はもちろんですが、アプローチの性能。フェースにボールが長くのり、打音もやわらかいと評価しており、彼はこのフィーリングを「ディープ感」と表現しています。

タイガーは「クラブよりも先にボールを決める」と語っています

タイガーは「クラブよりも先にボールを決める」と語っています

「TOUR B」シリーズは、風に強く飛距離性能を重視した「X」と「XS」の2モデルをラインアップ。タイガーは、自身のコンディションやコースの状況によって「X」と「XS」を使い分けることがあるかもしれない、と発言しています。ボールが変わると飛距離やスピン性能はもちろんフィーリングも変わるため、複数のボールを使い分けるのは小さくないリスクをともないます。危険を冒してまで使い分けるということは、両者のフィーリングが非常に近く、使い分けても影響が少ないということなのでしょう。

数々の偉業を達成したレジェンドゴルファーが認めたボールを、アマチュアの私が批評するのは非常におこがましいのですが、私なりに、2モデルの違いやそれぞれの性能を実際のゴルフ場でテストしてきました。

ブリヂストンの新製品説明会にて配られた“タイガー仕様”のボール。意外とシンプルなオウンネームが刻まれます。いただいたのですが、もったいなくて使えない……!

ブリヂストンの新製品説明会にて配られた“タイガー仕様”のボール。意外とシンプルなオウンネームが刻まれます。いただいたのですが、もったいなくて使えない……!

「TOUR B X」

芯を感じるしっかりめの打感で、飛距離性能を重視したモデル。プロが求めるコントロール性能やアプローチのフィーリングを持ちながら、飛距離性能を高めたボールです。高比重のインナーカバー採用により、高初速を生み出し、かつフルショット時の低スピン化を実現しました。

さらに、衝撃吸収材を配合したウレタンカバーが、静かな打音とコントロールしやすいフェースへの「乗り感」を生み出しています。「乗り感」とは、ブリヂストンが本製品の開発時から用いるキーワードですが、いかにアプローチを重視しているかがわかります。

モデルごとに硬度を変えた「ハイドロLSコア」(青い部分)に、高剛性、高比重の「ハイスピードインナーカバー」(灰色の部分)、そして「スリップレスバイトコーティング」を施した「リアクティブiQウレタンカバー」の3ピース構造

モデルごとに硬度を変えた「ハイドロLSコア」(青い部分)に、高剛性、高比重の「ハイスピードインナーカバー」(灰色の部分)、そして「スリップレスバイトコーティング」を施した「リアクティブiQウレタンカバー」の3ピース構造

<2024年シーズンに使用する主な選手>
タイガー・ウッズ(※)
ジェイソン・デイ

金谷拓実、堀川未来夢、木下稜介、清水大成
長野泰雅、宮里優作、比嘉一貴
近藤智弘(※)


吉田優利、川岸史果、桑木志帆、原英莉花
吉本ひかる、藤田さいき、阿部未悠、佐藤心結
川ア春花、堀琴音、鶴岡果恋
馬場咲希、三ヶ島かな、横峯さくら


寺西明、東聡、田村尚之、河村雅之
真板潔、井戸木鴻樹、羽川豊、湯原信光
宮本勝昌(※)

※「XS」と併用

「TOUR B XS」

いっぽう「TOUR B XS」は、スピン性能とソフトフィールを重視したモデル。アプローチショット時のスピン性能が高められており、タイガーがメインに使用するボールです。構造は基本的に「X」と同じですが、コアの硬度が調整されており、フィーリングやスピン性能に差がつけられています。

「X」の赤に対して、「XS」のイメージカラーは青

「X」の赤に対して、「XS」のイメージカラーは青

構造や素材は「X」と同じですが、コアの硬度は異なり、性能差がしっかり設けられています

構造や素材は「X」と同じですが、コアの硬度は異なり、性能差がしっかり設けられています

<2024年シーズンに使用する主な選手>
タイガー・ウッズ(※)
マット・クーチャー

永野竜太郎、嘉数光倫、大岩龍一
近藤智弘(※)


西郷真央、稲見萌寧、高橋彩華、古江彩佳
金澤志奈、浜崎未来、大里桃子、高木萌衣


倉本昌弘、飯合肇、宮本勝昌(※)

※「X」と併用

ここからは、2つのボールを、クラブおよびシチュエーション別に打ってきたレビューをお届けします。

<ドライバーショット編>
初速は「X」が速い! 直進性も◎

ドライバーショットに何を求めるかで、ボール選びも変わってきます

ドライバーショットに何を求めるかで、ボール選びも変わってきます

ドライバーでのショットでは「X」の安定感が印象に残りました。「X」のほうが、わずかに打ち出し角が高く、直進性も高いです。特に、芯を外したときに曲がりが少ないのが好印象です。

「XS」は、ティーショットでも弾道を作っていくゴルファーにおすすめです。軽い操作でボールを曲げやすく、一定方向にボールを集めやすかったです。

ドライバーショットにおける筆者の評価

ドライバーショットにおける筆者の評価

近年主流の、直進性を重視したドライバーとの相性は「X」が良好です。「XS」でも十分高性能ではありますが、比較してしまうと「X」のほうが曲がりにくい、という評価になりました。飛距離に関しても、わずかではありますが、「X」のほうが飛んでいました。

<アイアンショット編>
コントロール性能は「XS」がピカイチ!

アイアンショットにおけるスピンコントロールは、スコアメイクに必須です

アイアンショットにおけるスピンコントロールは、スコアメイクに必須です

アイアンでは、「XS」の性能の高さを実感しました。操作性、スピン性能ともに非常に高く、インテンショナルショットもとても打ちやすかったです。フィーリングもすばらしく、芯で打つと、ソフトかつ重さを感じる打感があり、非常に気持ちよかったですね。

「X」も、十分操作はでき、スピン性能も十分ではありますが、操作性よりも安定性を重視している印象。何を重視するかで評価が分かれるところです。

アイアンショットにおける筆者の評価

アイアンショットにおける筆者の評価

使用しているアイアンによっても評価が分かれるので難しいところですが、コントロール性能にすぐれたアイアンを使っているなら「XS」がおすすめです。細かな弾道コントロールがしやすいので、結果的に安定するでしょう。直進性にすぐれたアイアンなら、「X」との相性がよいですね。

<アプローチ編>
やはりスピン性能は「XS」に軍配!

ご存じのとおり、ボールのスピン性能が如実に表れるのがアプローチショットです

ご存じのとおり、ボールのスピン性能が如実に表れるのがアプローチショットです

グリーン周りで打っていて楽しいのは「XS」。タイガーが認めたそのスピン性能は、うまく打てたときは思わずにんまりしてしまうくらい、キュキュッとかかります。打感もソフトで、打っていてとても楽しかったです。

半面、スピンがうまく入らなかったときとの差が大きく、ある程度高度なスピンコントロールの技術がないと、かえってアプローチは安定しないかもしれません。スピン性能は「XS」のほうが明らかに高いと実感できますが、安定感は「X」のほうが高かったですし、「X」も十分なスピン性能を持っています。

アプローチショットにおける筆者の評価

アプローチショットにおける筆者の評価

2つを比較してしまうと、「XS」の高いスピン性能やフェースにのったときのフィーリングが気持ちよく、こちらのほうが評価は高いです。ですが、一般のアマチュアがプレーするゴルフ場ではその性能は過剰です(笑)。「X」でさえも、そこでは必要ないくらいのスピン性能を持っています。アイアンと同じ評価ですが、テクニックを重視したいなら「XS」、安定感を重視したいなら「X」といった感じです。

個人的には「XS」が好感!

「TOUR B」シリーズの2モデルは、飛距離性能、スピン性能、フィーリングのどれもがすばらしく、それでいて性能にはしっかり差がつけられていました。

「XS」は、今のゴルフ界の流れに逆行しているのではないかと思えるほどのスピン性能を有し、打っていて非常に楽しいボールでした。しかし、いざ好スコアを狙うラウンドに使用するとなると、「X」の直進性や高い安定感に魅力を感じます。

正直なところ、今のツアー系ボールは、どれを使っても性能に不満はありません。自分が最も求める性能を持っているモデルはどれか? 打ち出し角やフィーリングなど、自分のイメージに沿うモデルはどれか? という観点から選定すればよいでしょう。そのなかで「TOUR B」シリーズは、耐久性も高く(実はここもブリヂストンが注力した点なんだとか!)、個性をしっかりと持ったボールでした。個人的には、ゴルフを楽しみたいラウンドでは、「XS」を使いたいですね!

写真:野村知也、ブリヂストンゴルフ
取材協力:ユニオンエースゴルフクラブ

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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