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飛びもスピンも全然違う! ゴルフボールのフィッティングを体験してきた

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こんにちは、オグさんです。皆さん、ゴルフボールってどうやって選んでいますか? クラブの情報収集に熱心で、自分に合うものを常に探している方は多いと思いますが、ボールは「プロが使っているから」「安かったから」といったざっくりとした理由で選んだりしてはいないでしょうか?

ゴルフボール選びはクラブ選びと同じくらい重要!

ゴルフにおいてボールの影響はとても大きく、クラブと同じくらい重要なギアなんです。ボールが変われば飛距離や曲がり、止まり方がかなり変わります。同じ人が同じクラブで打っても、ボールが異なれば10ヤードぐらいは平気で前後します。

ゴルフボールについて過去のコラムで説明していますが、大きく3種類に分けられます。

・「ディスタンス系」…全域でスピン量を減らし、ボールコントロールよりも飛距離を追求したカテゴリー
・「スピン系」…主に短い距離でのスピン量を増やした「コントロール重視」のカテゴリー。多くのプロはこれを使う
・「その中間」…ドライバーなど長いクラブではスピンを減らして飛距離を追求し、ヘッドスピードが遅くなる短い距離のショットではスピンをかかりやすくしてコントロール性能を高めたカテゴリー

では「自分に合っているボールは何なの?」ということになりますが、さまざまな銘柄のボールを同じ条件で打ち分けるのはなかなか難しいもの…。そこで、ブリヂストンが「ボールフィッティング」を定期的に開催しているというので、体験させてもらいに行ってきました。

秩父にあるブリヂストンスポーツのゴルフテストセンターです〜

秩父にあるブリヂストンスポーツのゴルフテストセンターです〜

ブリヂストンは、ご存じタイヤメーカーの大手であり、ゴムのノウハウや特許技術を数多く持っています。その技術をゴルフボールにも生かすことで多くのプロゴルファーに支持され、あのタイガー・ウッズが契約したことでさらなる話題を集めています。

以前契約していたナイキがゴルフ用品製造から撤退したため、各社の用具をテストしたタイガー・ウッズ。ボールはブリヂストンと契約し「TOUR B XS」をチョイスしました 写真提供:ブリヂストンスポーツ

そのブリヂストンが一般ゴルファー向けに行っているのが「ボールフィッティング」。少人数で、同社の複数のモデルを“自分のクラブで”打ち比べてデータを取り、どんなボールを使えばいい結果が得られやすいのかを体感できるイベントです。クラブのフィッティングは聞いたことがあっても、ボールフィッティングは、ボールの種類をたくさん作っている大手メーカーにしかできないこと。今回はとても貴重な体験をさせていただきました。

ボールの種類や基本的な知識についての座学からスタート。ボールによって何がどう変わるかなどを教えてくれます

飛びは”スピン量”の違いで決まる

ゴルフボールが飛ぶメカニズムは、表面のディンプル(えくぼ)が飛行機でいう翼の役目をし、揚力を生み出すことから始まります。インパクトで生まれた衝突エネルギーは「ボール初速」と、ボールが回転する「スピン量」に変換されます。ボールが高速で回転する際にディンプルが揚力を発生させるので、滞空時間が長くなり、遠くまで飛んでいくのです。より効率よくボールを飛ばすには、この「ボール初速」と「スピン量」、そして「打ち出し角」のバランスが重要。だからこそ自分にあったボールを使わなければ、スイングがよくてもいい結果につながらなくなってしまうのです。

ボールを効率よく飛ばすのに欠かせないのが翼の役目を果たすディンプル。ディンプルがないボールは、揚力が生まれずすぐに落下してしまい全然飛びません

ゴルフボールは異なる材質の2層から5層で作られるケースがほとんど(写真は3層)。インパクト時のスピードによってつぶれて反発する層が変わり、その層の特性によってスピン量や打ち出し角などに影響を及ぼします。ドライバーのような長いクラブでのインパクトはヘッドスピードが速く衝突エネルギーが大きくなるのでボールが大きくつぶれ、中心に近い層の特性がボールに表れます。反対にウェッジのように短いクラブでのインパクトでは、ヘッドスピードが遅いためボールのつぶれは小さくなり、外側に近い層の特性がボールの挙動に表れるのです

このボールフィッティングでは、自分で球を打つ前に、スピン量の違いが飛びに与える影響を実際に見せてもらえます。ボールの打ち出し角、回転する方向、ボール初速を自由に設定できるマシンを使い、スピン量だけを変化させてボールを飛ばし、どんなふうにボールが飛んでいくのか、飛距離はどのくらい変わるのかを見せてもらえるのです。

打ち出し角とボール初速を同じにし、スピン量を2000rpmと4000rpmにそれぞれ設定して飛ばしてみると、飛距離は約15~20ヤードの差が出ました。このとき、飛んだのはスピン量の少ない2000rpmのほう。ボール初速の設定は63m/s、打ち出し角が13度。ヘッドスピードで換算するとだいたい42〜43m/sぐらいの人が芯で打ったぐらいの設定です。スピン量が飛距離に大きく影響するのを目の当たりにし、参加された皆さんは驚いていらっしゃいました。

赤い矢印の先が飛んでいくボール。マシンを使ってスピン量を変えると弾道や飛距離に大きく差が出るのを見て、皆さんびっくりされておりました

実際にクラブを振るロボットもありました。このロボットは、ディンプルが半分だけついたボールや、ディンプルのまったくないボールを打つなどし、ディンプルの役目などを教えてくれます

自分のクラブでボールを打ち比べ!

マシンでボールを飛ばす実験によってボールの重要性や結果の違いなどを勉強した後、いよいよボールを実際に打つフィッティングが始まります。

二人一組に分かれ、シチュエーション別に細かいフィッティングをしていきます

二人一組に分かれ、シチュエーション別に細かい打ち比べをしていきます

今回テストしたボールは5種類。参加者の皆さんは自分のクラブで試すことができるので、いつもとどれだけ違うのかを体感することができていたようです

ドライバーやアイアンなどフルショットでデータを取りながらやるゾーン、アプローチにパターを含めたグリーン周りのゾーン、そしてフリーにボールが打てるゾーンに分かれて行っていました。実際の芝の上から打てるので、より実戦的なフィーリングを確認することができます

いよいよ私の番が回ってきました。最初に体験させていただいたのが、フルショットでの計測フィッティング。弾道測定器トラックマンを使ってデータを取りながら、どのクラブでどのボールを打つとどうなるのかを数値で確認しつつ、ボールを絞り込んでいきます。クラブスピード、ボールスピード、打ち出し角、スピン量、キャリー、総飛距離が瞬時に表示され、ボールがどう飛んでいったかも弾道図で表示されます。そのデータを見れば今のスイングやクラブでは何が問題でどうなっているのかを確認でき、その問題点に合わせて改善してくれるボールを探すのがボールフィッティングというわけです。

私の印象としてボールの効果を軽く見ている方がかなり多くみられます。ゴルフにおいて、ボールの効果は皆さんが考えているよりずっと大きいのです。自分のスイングやクラブにマッチしたボールを使っている方と、まったく合っていない方の場合、同じヘッドスピードとすると簡単に20ヤードぐらいの差がついてしまいますし、合っていないと曲がりも大きくなります。これは私の肌感覚ですが、合っていないボールを使っているとスコアは簡単に4~5打は変わってきます。

それくらい大事なんですよ、ボール選びって!!

「トラックマン」という弾道計測器を使い、ボールの初速やスピン量などを測ります。自分のクラブで芝の上から打つため、コースとほとんど同じコンディションといってもいいでしょう

今回、用意されていたボールは以下の5種類です。
・最もスピン性能が高い「TOUR B XS」
・スピン系ながらやや飛距離性能に振った「TOUR B X」
・硬めのコアを採用し、ボール初速を高めた「JOKER」
・初速と低スピンの両立を狙った「TOUR B JGR」
・コアが柔らかめで比較的パワーのない方でも飛ばしやすい「PHYZ」

この5種類のボールを自分のドライバーで打って弾道計測器「トラックマン」で測った結果…私には、JGRとXSのどちらかがいいということになりました。なぜこの2つなのかというと、それぞれ用途によってよい結果を得られるボールが変わるからです。

「攻め方」によって選ぶボールが異なる

アプローチやアイアンでのフィッティング結果も踏まえる必要もありますが、ドライバーで直進性の高い弾道を打っていきたいのか、自らコントロールし、あえて曲げて攻めていきたいのかなど、自分が求める弾道に合わせてボールを選べばミスが減らせるから。JGRは、直進性の高い低スピンの弾道、XSはボールを操作するための適度なスピンが入る弾道でした。

JGRのデータ。2061rpmと少ないスピン量で飛ばせました

JGRのデータ。2061rpmと少ないスピン量で飛ばせました

こちらはTOUR B XS。JGRよりもスピン量が多く、意図して曲げる球も打てるボールです

こちらはTOUR B XS。JGRよりもスピン量が多く、意図して曲げる球も打てるボールです

飛距離だけでいえば、JOKER! ほかのボールと比べて10ヤード近く飛んでいました。曲がりも少なく飛びを追求するならこのボールで決まりですが、バックスピンがあまりに少なすぎて、ほかのクラブのショットに影響を及ぼしそうでしたので…。この飛距離を生かすため、ドラコンホール用に1〜2個持っておこうかな(笑)。

JOKERのデータ。スピン量が2000rpmを切っています。一発の飛びならこれをチョイスしたい!

JOKERのデータ。スピン量が2000rpmを切っています。一発の飛びならこれをチョイスしたい!

打感は、PHYZが最も柔らかく、打っていて気持ちよかったです。柔らかく感じた順番としては、PHYZ、XS、X、JGR、JOKERの順。硬めのほうがボール初速を稼げる傾向にあるので一番飛んだJOKERは納得ですが、柔らかい感触でも飛ぶPHYZにはちょっと感動しました。

ドライバーでは、コントロール性能でXS、直進性の高さではJGRがいいという結果になりました

ドライバーでは、コントロール性能でXS、直進性の高さではJGRがいいという結果になりました

同様に、アイアン(今回は7番)でも打ち比べていきます。芝の上から試すので、より実戦的なデータを知ることができる貴重な体験でした

アイアンで打ち比べた結果、飛距離が一番出たのはPHYZ。しかしピンを狙うクラブとしてラン15ヤード以上はちょっと転がり過ぎです。意外にもランが一番少なかったのはJGR。ドライバー同様、直進性が高くシンプルにゴルフが出来そう。アイアンで最もスピンが入ったのがXS。5つの中では設計上そうなっているので当たり前なのですが、ちゃんと距離も出ていましたし、操作性もよかったですね。Xもよかったのですが、打ち出し角のより高いXSが気に入りました。

PHYZ。飛びますが、ランが多めです

PHYZ。飛びますが、ランが多めです

TOUR B JGR。ドライバー同様、曲がりが少ない!

TOUR B JGR。ドライバー同様、曲がりが少ない!

TOUR B XS。スピンが多く、上の2つに比べてスピン量が多いのがわかります

TOUR B XS。スピン量が多く、上の2つに比べてランが少ないという結果に

アイアンはXSに決まり。高い打ち出し角と多めのスピン量が個人的には好みでした

アイアンはXSに決まり。高い打ち出し角と多めのスピン量が個人的には好みでした

同じアプローチでも”高さ”がまるで変わる

最後に、ウェッジでグリーン周りからのアプローチを打ち比べました。小さい動きですが、はっきりとボールの違いが出ましたので動画でご覧ください。

3種類のボールをできるだけ打ち方を変えずに打ってみたのですが、明らかに打ち出し角と飛び方が違います。やや低めに飛び出すXS(1球目)、適度な高さで山なりに飛ぶJGR(2球目)、最も高く上がり、フワッと飛ぶのがPHYZ(3球目)と、弾道がまったく違うのが確認できると思います。動画には映っていないですが、着地してからのボールの動きもまったく違いました。同じピンを狙って打っているのですが、ピンの2mほど手前に落ちて3mほどオーバーしたのがファイズ。3mほど手前に落ち、ほぼピン横に止まったJGR、3mほど手前に落ちて50p手前にスピンで止まったXSと、こちらも三者三様。

小さな動きのアプローチでもボールは挙動はこれだけ変わるのですから、ボールをとっかえひっかえしている人が寄るわけないですね(笑)。個人的にはJGRが一番自分が考えるアプローチの飛び方に近かったので、選ぶならこれですね。スピンで止まるXSはとても魅力的ですが、打ち出しが低いので万が一スピンがかからなかったときが怖い。JGRのほうが安定して寄せられそうです。

1つの銘柄を使い続けると自分にマッチしてくる

いやー、今回はとてもよい経験をさせてもらい、楽しかったです。ボールの重要性は重々認識していたつもりでしたが、再度思い知らされました。

もっと飛ばしたい! スコアにこだわりたい! 人それぞれ目標があると思いますが、ゴルフで結果を求めるならば、クラブ同様ボールには絶対にこだわってください。たくさんのボールを試すのは大変ですが、できるだけ多くのボールを試し、いいなと感じたらそのボールをできるだけ長く使い続けることをおすすめします。同じボールを長く使い続けることで、アプローチの距離感や、パッティングのタッチなどが自分の感覚とマッチするようになり、よい結果を得られやすくなりますよ。

今回登場したボール5モデル

TOUR B XSはスピン量をとことん求めたモデル

TOUR B XSはスピン量をとことん求めたモデル

TOUR B Xは、しっかりした打感と飛びが持ち味

TOUR B Xは、しっかりした打感と飛びが持ち味

TOUR B JGRは、高初速・低スピンのぶっ飛びボール

TOUR B JGRは、高初速・低スピンのぶっ飛びボール

PHYZは、曲がりにくく大きな飛びが持ち味

PHYZは、曲がりにくく大きな飛びが持ち味

JOKERは、飛距離を最重要視するアスリート向け

JOKERは、飛距離を最重要視するアスリート向け

ブリヂストンゴルフのボールのフィッティング、詳細はこちらから

小倉勇人

小倉勇人

ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。

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