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マキロイもモリカワも信頼する「TP5x」は「TP5」とどう違う? コースでテストした

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オグさんです。今回はテーラーメイドのボール「TP5」と「TP5x」の試打レビューをお届けします。

テーラーメイド製のボール「TP5x」(左)と「TP5」(右)

テーラーメイド製のボール「TP5x」(左)と「TP5」(右)

テーラーメイド独自の5層構造!

テーラーメイドは、50年近い歴史を持つ世界的に有名なクラブメーカーですが、ボールも手掛けています。同社がボールに本腰を入れたのは2017年で、今回ご紹介する「TP5」シリーズの初代が誕生しました。

ほかのメーカーよりも層が多い「5層構造」を持ち、“5ピースのツアー系ボール”としてデビューしました。多層構造により、クラブごとの最適なスピン量と打ち出し角を生み出すボールとして多くのツアープロに受け入れられ、アマチュアにも高性能ボールとして一気に認知されました。

今回の「TP5」シリーズは4代目に当たり、ソフトな打感、打音を実現しつつ、高いボール初速を生みだす「スピードラップコア」を搭載。5層構造ならではの細かな性能の作り分けが、プロアマ問わず、高い評価を得ています。

「TP5」

テーラーメイド史上最もソフトな5ピースボール

一般的なツアー系ボールは2〜3層構造なのに対し、本モデルは5層構造を採用したツアー系ボール。層を多くすることで、クラブごとに変わるインパクト時の衝撃に反応する性能を細分化しており、それぞれのクラブで求められる性能を発揮できるように設計されています。

「TP5」は、ドライバーではスピンを抑え、ショートゲームではスピンコントロール性能を重視。どのクラブでもソフトなフィーリングを味わえるボールに仕上がっています。

写真は「pix」モデル。「pix」とは、pixelated(ピクセル化、視覚化の意)の略。「クリアパスアライメント」と呼ばれるオレンジとブラックの模様が描かれており、構えたときのアライメントの取りやすさや、ボールの回転速度や方向が見やすくなる効果があります

写真は「pix」モデル。「pix」とは、pixelated(ピクセル化、視覚化の意)の略。「クリアパスアライメント」と呼ばれるオレンジとブラックの模様が描かれており、構えたときのアライメントの取りやすさや、ボールの回転速度や方向が見やすくなる効果があります

<2024年シーズンに使用する主な選手>
中島啓太、永峰咲希、ジョン・ミジョン
脇元華、岡山絵里、山路晶、大西葵
※プロの使用ボールは変わることがあります。

「TP5x」

ボール初速を追求したツアー系ボール

ソフトなフィーリングやスピンコントロール性能を重視した「TP5」に対し、ドライバーやロングアイアンなど、ヘッドスピードが速く飛距離が欲しいクラブでのスピン量を抑えるように設計されたボールが「TP5x」です。

ショートアイアンやウェッジなど、ヘッドスピードが遅めのクラブではスピンコントロールがしやすい設計で、5層構造のメリットを大きく生かしたボールに仕上がっています。

「TP5」「TP5 pix」のナンバーカラーが黒に対し、「TP5x」のナンバーカラーは赤、「TP5x pix」はオレンジです

「TP5」「TP5 pix」のナンバーカラーが黒に対し、「TP5x」のナンバーカラーは赤、「TP5x pix」はオレンジです

<2024年シーズンに使用する主な選手>
ローリー・マキロイ、ダスティン・ジョンソン
コリン・モリカワ、リッキー・ファウラー(pix)
トミー・フリートウッド(pix)
石坂友宏、久常涼、塩見好輝
松森彩夏、新垣比菜(pix)
ネリー・コルダ、ブルック・ヘンダーソン
※プロの使用ボールは変わることがあります
※「TP5x pix」はカバーに独自のデザインを施したモデル

<ドライバーショット編>
どちらもソフトなフィーリングで高初速!

ティーイングエリアから同条件で比較しました

ティーイングエリアから同条件で比較しました

ドライバーでの主な違いは、打ち出し角。「TP5」が中弾道でライナー性の弾道で飛んでいくいっぽう、「TP5x」は高い打ち出し角から低スピンで飛んでいくといった違いを感じました。どちらも初速が速く、ソフトなフィーリングと相まって、打っていて気持ちよかったです。操作性は「TP5」のほうが高く、球筋を作りやすかったです。

ドライバーショットにおける筆者の体感チャート

ドライバーショットにおける筆者の体感チャート

飛ぶと言われる高弾道低スピンの弾道を自然と打てる「TP5x」に対し、イメージどおりに飛球を操作しやすい「TP5」、といった違いを感じました。トータルの飛距離は「TP5x」のほうが出ていました。

<アイアンショット編>
操作して攻める「TP5」と、上から攻める「TP5x」

150ヤード付近からグリーンを狙ってテストしました

150ヤード付近からグリーンを狙ってテストしました

両モデルの違いを最も感じたのがアイアンです。中弾道の「TP5」、高弾道の「TP5x」というのはドライバーと変わりませんが、スピン量が「TP5」のほうが多く、より操作もしやすかったです。

「TP5x」は、操作もできますが、どちらかと言えば高い弾道で上からグリーンを攻めて止めるイメージを持つゴルファーにおすすめです。

アイアンショットにおける筆者の体感チャート

アイアンショットにおける筆者の体感チャート

中弾道でスピンが多く、ボールのコントロールがしやすい「TP5x」と、余計なスピンを抑え、高さで上からグリーンをピンポイントで攻める「TP5x」。最近のアイアンとのマッチングがよいのは、「TP5x」でしょう。

<アプローチショット編>
スピンで止める「TP5」と、高さで止める「TP5x」

40ヤード付近から56度のウェッジでチェック!

40ヤード付近から56度のウェッジでチェック!

アイアンでの性能の差が、そのままアプローチにもつながっていました。フェースにのる時間が長く感じ、ちょっと低めに飛び出してスピンで止まる「TP5」。硬くはないが、少しカチッとした感触があり、高めに飛び出して高さとスピンの合わせ技で止まる「TP5x」、といった違いがありました。

昔ながらのスピンのきいたボールをイメージするゴルファーは、「TP5」を使いやすいと感じるはずです。

アプローチショットにおける筆者の体感チャート

アプローチショットにおける筆者の体感チャート

ソフトな感触でフェースにのる分、低く出る「TP5」。カチッとした感触で上に飛び出し、高さが出る「TP5x」。スピン量は体感的にほぼ同じに感じました。高さがある分、私のショットは「TP5x」のほうが止まりました。

【まとめ】
シンプルにプレーしたいなら「TP5x」

「TP5」シリーズは、性能をうまく作り分けつつ、現代の中・上級者が好む高性能ボールです。昔ながらのスピンでコントロールする性能が高く、ソフトなフィーリングが心地よい「TP5」。直進性の高い昨今のクラブと相性がよく、高弾道で余計なスピンが少ない「TP5x」。

ボールのコントロールを楽しむとか、そういったプレーを好むゴルファーには「TP5」、極力ボールを曲げずにシンプルにプレーしたいゴルファーには「TP5x」がマッチするでしょう。

自分で使うなら……悩むところです。スコアを重視するなら「TP5x」が向いていると思いますが、ボールをコントロールする楽しさは間違いなく「TP5」にあります。どちらのボールもフィーリングはソフトで打っていて気持ちよいので、フィーリングを重視するゴルファーにはぜひ試してもらいたいですね。

写真:野村知也
取材協力:ユニオンエースゴルフクラブ

小倉勇人
Writer
小倉勇人
ゴルフショップ店長、クラフトマン、クラブフィッターそして雑誌の編集・執筆業も行う、歌って踊れるゴルフライター。好きなクラブはパター、左利き/右打ち。愛称は「オグさん」。
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芝崎 瞬(編集部)
Editor
芝崎 瞬(編集部)
自動車専門媒体からゴルフ専門メディアを経由し、価格.comマガジンへ。クルマは左ハンドルMTに限る! と思って乗り継いでいたが翻意して今は右AT。得意クラブは、強いて言えばミドルアイアン。
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