南井正弘の「毎日走って、わかった!」

ロングセラー最新作「ナイキ ペガサス 41」の走行感がさらにグレードアップしたワケ

ナイキの「ペガサス」シリーズは、同社のみならず、スポーツシューズ業界においても長い歴史を誇るプロダクトシリーズとして知られている。そんなロングセラーが2024年夏にフルモデルチェンジし、「ナイキ ペガサス 41」へと生まれ変わった。同シリーズはモデルチェンジごとに新機能をプラスしてきたが、第41弾でもその点は継続。今まで「ペガサス」シリーズを履いてきたランナーさえも、いい意味で驚かせる走り心地を備えていた。

ナイキ「ナイキ ペガサス 41」の「ホワイト/ダスティーカクタス/グレイシャーブルー/ブラック」(品番:FD2722-103)。公式サイト価格は16,500円(税込)

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ミッドソール素材に「ナイキ リアクトX」を採用!

ナイキ ランニングのキーモデルとして40年以上にわたって展開されてきた「ペガサス」シリーズでは、そのモデル名は継承されてきたが、プロダクト自体は時代によってさまざまに変化してきた。第41弾モデル「ナイキ ペガサス 41」は、「ランナーにさらなるエネルギーリターンをもたらす」をコンセプトに開発。ミッドソール素材に「ナイキ リアクトX」を採用したことで、前作の「ナイキ ペガサス 40」に用いられた「ナイキ リアクト」と比較して13%以上増のエネルギーリターンを提供する。

今作よりミッドソール素材が「ナイキ リアクトX」へと変更され、エネルギーリターンが13%向上

今作よりミッドソール素材が「ナイキ リアクトX」へと変更され、エネルギーリターンが13%向上

「ナイキ リアクトX」を導入したメリットは、反発性や安定性の向上だけではない。従来の「ナイキ リアクト」と比較して、ミッドソールを製造する際の二酸化炭素の排出量を43%削減するように設計されるなど、地球環境にも考慮しているという。

そのいっぽうで、前足部と踵部には反発性にすぐれた「エア ズーム」ユニットを内蔵。着地時の衝撃をしっかりと吸収しつつ、それを反発エネルギーへと変換し、抜群の推進力をランナーに提供する。

前足部と踵部に「エア ズーム」ユニットを内蔵し、高い推進力を提供

前足部と踵部に「エア ズーム」ユニットを内蔵し、高い推進力を提供

アッパーのエンジニアードメッシュは改良が施され、軽量化と通気性の向上を実現

アッパーのエンジニアードメッシュは改良が施され、軽量化と通気性の向上を実現

アウトソールは、ナイキ伝統のワッフルソールをアレンジしたソールパターンを採用。ある程度凹凸があるので、アスファルトやコンクリートといった舗装路だけでなく、土や芝生といったオフロードでも高いグリップ性を発揮する

アウトソールは、ナイキ伝統のワッフルソールをアレンジしたソールパターンを採用。ある程度凹凸があるので、アスファルトやコンクリートといった舗装路だけでなく、土や芝生といったオフロードでも高いグリップ性を発揮する

従来の「ペガサス」よりもグイグイとペースアップが可能!

「ナイキ ペガサス 41」を実際に履いて走ってみた!

「ナイキ ペガサス 41」を実際に履いて走ってみた!

これまでに20足近い「ペガサス」シリーズを履いてきたが、「次はどんな新機軸がプラスされるのだろう」といった感じで、そのモデルチェンジは毎回楽しみであった。37弾や38弾の頃はミッドソールがかなり厚くなり、蹴り出し時の適度な接地感が感じられなくなったことは賛否両論あったが、「ナイキ ペガサス 39」で、自分の足でしっかりと蹴る感覚を感じやすいスペックへと戻ったことは、個人的にもうれしかった。

今回の「ナイキ ペガサス 41」での最大のスペック変更は、ミッドソール素材が「ナイキ リアクトX」へと変更されたこと。これにより、従来以上にすぐれたエネルギーリターン、すなわち反発性能を有することになったわけだが、実際に走ってみても、従来の「ペガサス」よりもグイグイとペースアップできた。サブ4ランナーの自分でも5分/kmくらいのペースで快適には走れたのだ。これは明らかに、従来の「ペガサス」よりも速めのペース設定で作られているのだろう。かといって、6分30秒/kmのようなゆっくりペースでも走りにくいということはなかった。

つまり、対応ペースのレンジが従来よりもかなり拡大されたと見ている。最後の1kmは4分40秒/kmほどで走ったが、前足部で路面をしっかりと蹴れる感覚がとても心地よかった。今作は大迫傑選手や鈴木芽吹選手といったトップアスリートからも高い評価を得ているシューズだが、着地安定性も高レベルにあるので、初心者ランナーにも向いていると思う。

【まとめ】同シリーズのどのモデルよりも活躍するシーンが多い一足

以上のように、「ナイキ ペガサス 41」は、ミッドソール素材に「ナイキ リアクトX」を採用するなど、数々のスペックアップを行うことにより、あらゆるペースやレベルのランナーに対応することに成功。元来「ペガサス」シリーズは汎用性の高いランニングシューズとして知られていたが、今作は同シリーズのどのモデルよりも活躍するシーンが多い一足に仕上がっていると思う。

いっぽう価格面では、リーズナブルプライスのランニングシューズの代表として知られ、ひと昔前は実売価格が1万円前後だったことを考えると、16,500円(税込)という価格は、特に昔から「ペガサス」を知っているランナーにとっては高く感じることだろう。しかしながらここ数シーズン、他ブランドのランニングシューズのプライスもかなり上がっているので、許容範囲だという意見も少なくない。それが証拠に、リリース以来、良好なセールスを記録し続けており、一部店舗では完売しているという。

これまで「ペガサス」シリーズを愛用してきたランナーはもちろんのこと、「ゆっくりペースから速めのペースまでさまざまなスピードで走っている」「トレーニングからレースまで1足で対応してくれるシューズを探していた」といったランナーにもぜひとも試してほしい。

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2025/08/05 11:00
南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
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牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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