南井正弘の「毎日走って、わかった!」

ロングセラー新作「ゴースト16」をレビュー! 米国で人気のワケとは

ブルックスの「ゴースト」シリーズは、本国アメリカのみならず、ワールドワイドで良好なセールスを記録し、ランニングシューズマーケットのベストセラーの一角を占めている。

第16弾モデル「GHOST16(ゴースト16)」は、ミッドソール素材に液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型したミッドソール素材「DNALOFT v3」を採用。従来の「ゴースト」シリーズよりもソフトな走行感にアップデートされているほか、同シリーズが高い評価を得た理由でもあるバランスの取れた走り心地はしっかりとキープしている。

ブルックス「Ghost16(ゴースト16)」の「ホワイト」(品番:BRM4183-W)

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ロングセラーシリーズの新作はソフトな走り心地に!

ブルックスが誇るデイリートレーナーの名品「ゴースト」シリーズは、2008年に初代モデルが登場した。着地時に極端な脚の倒れ込みのない、ニュートラル着地のランナーに向くランニングシューズのスタンダードモデルとして、確固たるポジションを築くことに成功。初心者ランナーからトップアスリートまで、あらゆるレベルのランナーの日常のトレーニングに対応する、汎用性にすぐれたロングセラーシリーズだ。

そんな名作シリーズの第16弾が「ゴースト16」で、今作よりミッドソール素材が液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型した「DNALOFT v3」へと変更。よりソフトな走り心地を実現しているという。

ミッドソールには、液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型した「DNALOFT v3」を採用することで、従来モデルよりソフトな走行感を実現。ミッドソールサイドは着色されていてわかりにくいが、アウトソール側から見ると、「DNALOFT v3」の半透明の素材が確認できる

ミッドソールには、液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型した「DNALOFT v3」を採用することで、従来モデルよりソフトな走行感を実現。ミッドソールサイドは着色されていてわかりにくいが、アウトソール側から見ると、「DNALOFT v3」の半透明の素材が確認できる

アッパーには「エンジニアードダブルジャガードメッシュ」を採用しており、やわらかく、より快適に足を包み込む。特にかかとまわりは適度にソフトで、足首まわりにすき間なくフィットし、走行中もしっかりと足首をサポートすることに成功している。

アッパーには、「エンジニアードダブルジャガードメッシュ」を採用。足をやわらかく包み込むことで、長時間の走行でも快適な履き心地を失わない

アッパーには、「エンジニアードダブルジャガードメッシュ」を採用。足をやわらかく包み込むことで、長時間の走行でも快適な履き心地を失わない

アウトソールには、リサイクルシリカを配合することで耐久性と弾力性にすぐれた新「RoadTackラバー」を採用。また、ある程度刻みの深さがあるアウトソールパターンは、アスファルトやコンクリートといった舗装路だけでなく、土や芝生といった非舗装路でもしっかりとグリップしてくれるのがうれしい。

アウトソールには、耐久性と弾力性にすぐれる新「RoadTackラバー」を採用

アウトソールには、耐久性と弾力性にすぐれる新「RoadTackラバー」を採用

日課である6kmランを4度走ってわかったこと

「ゴースト16」を実際に履いて走ってみた!

「ゴースト16」を実際に履いて走ってみた!

これまで、いくつもの歴代の「ゴースト」を履いてきて、その走行性能の高さを体感してきただけに、今回「ゴースト16」を試すのはとても楽しみだった。

まず足を入れてみると、足長と足囲のバランスがよく、従来モデルと同様にシューズと足のフィット感が高いレベルにあることがわかる。海外ブランドのシューズの場合、特に足囲が狭いこともあるが、「ゴースト」ではその心配は不要だ。

立っている状態では、ミッドソールに新たに採用された「DNALOFT v3」のやわらかさはさほど感じられなかったが、実際に走り始めてみると、明らかにそのソフトな走行感が体感できる。しかしフワフワした感覚はなく、過度にミッドソールが沈み込むこともなく、着地安定性は確保されているので、これまで「ゴースト」シリーズを履いてきたランナーも違和感なく履き替えられるだろう。他ブランドのモデルチェンジでは、「本当に同じモデル名を名乗っていいの?」と思えるほど前作の特徴を残していない場合もあって戸惑うこともあるが、「ゴースト16」ではその心配は杞憂に終わった。

日課である6kmランを4度走ったが、クッション性、安定性、反発性のバランスがよく、これまでの「ゴースト」と同様に、あらゆるレベルのランナーや、さまざまなシーンやペースのランに対応してくれる点はしっかりと継承されていることが理解できた。

【まとめ】従来のファンを裏切らないアップデートに成功!

以上のように、ブルックスの「ゴースト16」は、「DNALOFT v3」という新たな武器を手に入れて着実にアップデートに成功している。

最近は、ロングセラーシューズの大胆なモデルチェンジにより、変えなくてよい部分まで手を加えてしまい、以前からのファンを手放してしまうというモデルも散見される。そんななか、本モデルは「ゴースト」ファンを裏切らないために、前作の特徴をある程度残している“絶妙なさじ加減のモデルチェンジ”に成功している点がすばらしい。

アメリカのランニング専門店では、これからランニングを始めたいというランナーや特に要望のないランナー、着地に問題ないランナーにはまず「ゴースト」をトライさせることが珍しくない。「ゴースト16」もそんなランニングシューズのスタンダードモデルとしての役割を遵守したモデルであり、衝撃吸収性、着地安定性、反発性のトータルバランスにすぐれたプロダクトに仕上がっていた。

南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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