南井正弘の「毎日走って、わかった!」

新作vs旧作、買いはどっち!? ニューバランス「1080」をランナー目線で徹底比較

ニューバランスが誇るロングセラーである「1080」シリーズは、着地時に極端な脚の倒れ込みがない“ニュートラル着地”のランナーに向けて開発されたランニングシューズだ。2011年に初代モデルがリリースされて以来、現在にいたるまで高い評価を得ている。

2023年に発表された前作「フレッシュフォーム エックス 1080 v13」(以下、「1080 v13」)は、ソフトなクッション性とスタイリッシュなデザインによってワールドワイドで大ヒット。それだけに、今季リリースされた「フレッシュフォーム X 1080 v14」(以下、「1080 v14」)のパフォーマンスに、これまで以上に注目が集まっている。そこで今回、その新作の走行性能をランナー目線で検証した。

ニューバランス「フレッシュフォーム エックス 1080 v14」。公式サイト価格は19,800円(税込)

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ウォーキングやジョギングには専用シューズが必要、とわかっていても、いきなり購入するのは少々ハードルが高い……。そんな人に最適なニューバランス「1080 v14」を紹介!
2024/10/25 09:00

前作のクッション性はそのままに、安定感が劇的に向上!

ニュートラルランナー向けに開発され、ソフトなライド感に定評のある「1080」シリーズは、2016年にリリースされた第6弾モデルからミッドソールに「フレッシュフォーム」テクノロジーを採用。単一フォームに凸凹のハニカム構造を融合させることで、クッション性と安定性という、相反する機能性を持たせることに成功し、走行性能を著しくアップさせた。

最新モデルの「1080 v14」では、そのクッション性はそのままに、安定性が格段に向上。衝撃吸収性にすぐれた「フレッシュフォーム エックス ミッドソール」を上方まで巻き上げ、高さを見直したサイドウォールと、一新したアウトソール構造が、ぶれない重心移動と屈曲を提供。さらに、革新的なデザインと軽量性/通気性にすぐれたメッシュアッパーを備え、ランニングから普段使いまで幅広いシーンで活躍する一足となっている。

アッパーには、環境に配慮したリサイクル素材のエンジニアードメッシュを採用。前作より軽量化と通気性が向上しており、長時間の走行でも快適な履き心地をキープ

アッパーには、環境に配慮したリサイクル素材のエンジニアードメッシュを採用。前作より軽量化と通気性が向上しており、長時間の走行でも快適な履き心地をキープ

ミッドソールの上方への巻き上げを前作よりも増やしたサイドウォール構造で、安定感が向上。包み込まれるようなヒール周囲のフィット感を実現している

ミッドソールの上方への巻き上げを前作よりも増やしたサイドウォール構造で、安定感が向上。包み込まれるようなヒール周囲のフィット感を実現している

アウトソールパターンは、接地時のかかとからの重心移動に着目し、重心が中心に集まる設計に一新。屈曲性を損なうことなく、スムーズな蹴り出しを提供する

アウトソールパターンは、接地時のかかとからの重心移動に着目し、重心が中心に集まる設計に一新。屈曲性を損なうことなく、スムーズな蹴り出しを提供する

実際に履いて走ってみた!

はたして走り心地は!?

はたして走り心地は!?

筆者はこれまで「1080」シリーズをいくつか履いてきたが、特に前作「1080 v13」のフワフワした独特のクッション性を気に入り、2色揃えてかなりヘビーローテーションした。あまりに履きやすいので、「もう1足購入しようか!?」と思っていたタイミングで、新作「1080 v14」がリリースされた。

外観は特大サイズのNロゴがアッパーサイドに配される点で似ているが、足を入れると、前作が立っている状態でフワフワとした感覚があったのに対し、本作ではそれがない。正直言うと、この点は少々残念に思ったが、実際に走り始めると、十分なクッション性が感じられ、着地安定性は大幅にアップされている。まさに衝撃吸収性と安定性の絶妙なハーモニーで、ニューバランスジャパンのスタッフの表現を借りると「フワフワではなくカチッフワ」。しっかりと着地を安定させるのと同時に、クッション性も確保しているのだ。

走っていてのおもしろみや独創性は「1080 v13」のほうがあるように思ったが、ランニングシューズとしての本質、つまり「ランナーを安全に走らせる」という意味では、今回リリースされた「1080 v14」のほうが上だと思う。

【まとめ】前作のファンは一瞬とまどうかも!? ただし走れば大幅な性能アップに納得

ニューバランス「1080 v14」は、細部のスペック変更により、定評のあったクッション性はそのままに、安定性を向上させることに成功している。安定感が増したことによってフワフワ感が減ったため、前作のファンは試し履きの段階では履き心地の大きな違いにとまどうかもしれないが、ある程度の距離を走れば、このシューズの優秀性に気づけるだろう。

前作同様にランニングシーンだけでなく、ライフスタイルシーンでも活躍してくれそうな、オールブラック、オールホワイト、カーキ、グレーといったカラーリングを数多くラインアップしているのもうれしいところ。前作から1,000円ほどプライスアップしたのは残念だが、その汎用性の高さを考慮すれば、今回の価格でも満足度は十分に高いと思う。

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2024/10/09 09:00
南井正弘
Writer
南井正弘
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年間勤務後、ライターに転身。スポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆しており、ランニングギアマガジンやランニング全般のポータルサイト「Runners Pulse」の編集長も務めている。
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岡田 太(編集部)
Editor
岡田 太(編集部)
雑誌とWebでファッション/ライフスタイル系メディアの編集長を務め、「価格.comマガジン」へ。被服費&趣味関連の散財でクレジットカードを使い倒してきた経験を生かし、現在はクレカを中心としたマネー記事を担当。
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