提供:JMGO
NetflixやAmazonプライム・ビデオ、YouTubeなどこれひとつで再生できる「PicoFlix」
価格.com「プロジェクタ」カテゴリーで人気のJMGO(ジェイエムゴー)から、「PicoFlix(ピコフリックス)」というユニークなプロジェクターが登場した。ボトル型で手軽に持ち運べるバッテリー内蔵モデルながら、解像度はフルHD、明るさは450ルーメン(ANSI)、リアルタイムのオートフォーカス機能により天井投影も簡単に実現できるなど、非常に高機能。JMGOの人気をけん引するのはジンバルスタンド一体型の「N1S」シリーズだが、その主要技術が凝縮されたような製品だ。
2011年の創立以来、インターネット上の動画などを再生できる「スマートプロジェクター」の開発・販売を手掛けるJMGOの技術が詰め込まれた「PicoFlix」の詳細を紹介しよう。
内蔵バッテリーは10,000mAh。最大4.5時間の映像再生が可能で、一般的な映画ならば2本は楽しめる
まず特筆すべきは、持ち運べるポータブルプロジェクターとして、異例の大容量バッテリーを搭載していること。容量は10,000mAhで、最大4.5時間もの映像再生が可能(「省エネモード」時)だ。バッテリー内蔵プロジェクターのメリットは、さまざまな場所に持ち運んで使えること。電源ケーブルも必要ない完全ワイヤレスで使えて便利なだけでなく、キャンプなどのアウトドアシーンでも大容量バッテリーの搭載は役立つだろう。
実際に映画を再生してみると、この大容量バッテリーはプロジェクターの使いやすさに大きく貢献する。家庭内であっても置き場所を気にせず単独で映像を再生できるうえ、映画再生中にバッテリー切れの心配をする必要がないからだ。
なお、「最大4.5時間」の再生をするには「明るさモード」(映像の明るさを調整する設定)を「省エネモード」にする必要があるが、より映像が明るい「標準モード」でも「強化モード」でもやはり再生時間は長い。スペックとしては、「標準モード」で最大3.5時間、最も明るい「強化モード」で最大2時間の再生が可能だという。
「明るさモード」は写真の3つ。「省エネモード」は映像の明るさを下げてバッテリーを節約するモード。「強化モード」は最も明るいが、バッテリー消費は激しい。その中間が「標準モード」
実測するためにAmazonプライム・ビデオで約160分(2時間40分)の映画「エルヴィス」を通しで見ると、「標準モード」ならば余裕で最後まで再生できた。バッテリー残量は20%ほどだったので、よほど長い映画でない限りは「標準モード」でバッテリー時間と映像の明るさのバランスをとるのがよさそうだ。
そして、映像の明るさを優先するならば「強化モード」を選ぶべき。このモードでも、Amazonプライム・ビデオで1時間58分映画再生ができたので、視聴前の各種設定確認時間を足せば、スペックどおりほぼ2時間ぴったり。スタッフロールを見なければ2時間(120分までの)映画でも再生できる。最高画質の設定でも言い訳なしに2時間映画の本編を最後まで見られる仕様は非常にありがたい。
「PicoFlix」の魅力は、「N1S」シリーズからの技術継承を感じられる、鮮やかさを強調しすぎない安定した画質にもある。せっかく映画を見るならば、ぜひ暗めの環境で「強化モード」か「標準モード」を試してみていただきたい。その際の「画像モード」(環境に合わせて画質を調整する設定)は「映画」がよいだろう。
外部のポータブルバッテリーからの給電(USB Type-C給電 20V-3.25A 65W PD3.0)にも対応しているので、アウトドアシーンなどで余裕のある再生をしたいならば、外部バッテリーを用意してつないでおくとさらに安心だ。
大容量バッテリーを搭載していても、あくまでコンパクト。1Lペットボトルと同程度の大きさなので、バックパックのペットボトルポケットにも収納できる
バッテリーが大容量だとサイズが心配になるかもしれないが、「PicoFlix」ならばその点も安心。本体は高さ240×80mm径のボトル型で、重さは約1.3kg。1Lサイズのペットボトルと同程度と言えば想像しやすいだろう。
もちろん、そのほかの機能性も充実している。冒頭のとおり、フルHD解像度が確保され、映像の明るさは450ルーメン(ANSI)。バッテリー内蔵プロジェクターとしてはかなりのハイスペックだと言える。それを支えるのが上下に本体を回転させて使える本体設計と、確かな音質。これらも順に紹介しよう。
「PicoFlix」の主要スペック一覧。OSはGoogle TVで、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、YouTubeなど、さまざまな動画サービスを単体で再生可能だ
実は本体の左右が分かれていて、ダイヤルを回すように投影場所を調整できる。レンズを上に向ければ簡単に天井投影も可能だ
「PicoFlix」がユニークなプロジェクターなのは、大容量バッテリーのためだけではない。ボトル型の本体が左右に分かれていて、127度無段階で回転するようになっているのだ。これにより、映像の投影場所を簡単かつ自在に調整できる。
ここで生きるのが、リアルタイムで追従する台形補正とオートフォーカス機能。「PicoFlix」を好きな場所に置きさえすれば、後は本体を回転させながら映像の投影場所を探るだけで大画面が実現できるのだ。JMGOの上位モデルである「N1S」シリーズゆずりと言うべきこの自動補正機能と無段階調整ダイヤルの操作が相まって、それ自体で面白さを感じさせてくれた。
一般的なプロジェクターでは、「使うたびに調整するなんて面倒」と思うところだが、「PicoFlix」ではそうした手間がないだけでなく、調整自体が面白く、まるでカメラを操作するような楽しさがあるのだ。
もちろん、天井への映像投影もスムーズ。ボトル型の形状は設置面積が大きく、どんな場所でも安定して置けることも計算されているのだろう。柔らかめのベッドのマットレスに置いたとしても、倒れたり転がったりしない安定感もうれしい。
机などに置いて、ダイヤルを調整、レンズを壁に向ければ大画面が現れる。寝室に場所を移して、天井投影するのもよいだろう。気軽に場所を移動できるのもバッテリー内蔵プロジェクターのメリットだ
スピーカーは本体左右に1つずつユニットを備える、しっかりしたステレオ(2ch)仕様。アンプ出力は5W×2(総合10W)でDolby Audio(Dolby Digital、Dolby Digital Plus)に対応する
最後に紹介するのは、「PicoFlix」がすぐれたステレオスピーカーを持っていること。バッテリー内蔵プロジェクター単体で映画を楽しむには、ここも重要なポイントになるだろう。
実際に映画や音楽を再生して感心させられたのは、自然に音を広げてくれる点だ。それもそのはず、スピーカーユニットがボトル型本体の左右に1つずつ外向きに設置されていて、ステレオ(2ch)再生しているのだ。コンパクトな本体でも、巧みな設計で映画再生に必要な音質もしっかり確保されている。
「PicoFlix」を手に取った際には「かわいい形のプロジェクターだな」と思っていたのだが、ボトル型の形状は設置安定性やこうした音の広がりのためだったのかと非常に納得した。よくまとまったボトル型デザインは、機能美の行き着いた形なのだ。
なお、音質についても画質と同様に設定項目があり、「サウンド スタイル」という名称で4種類が用意される。音の広がりを最も感じられるのが「映画」モード。中低域が充実して迫力が出るので、わざわざ切り替えるのが面倒という人は常に「映画」モードでもよさそうだ。YouTubeなどで声の聴き取りやすさを重視したいなら「標準」、フラットな特性を求めるならば「音楽」と使いこなすのも楽しい。
音質モード設定「サウンド スタイル」は4種。周波数特性だけでなく、音の広がり具合も変化するので、コンテンツに応じてどれがフィットするか確かめるとよいだろう
「PicoFlix」の魅力は、バッテリーを内蔵したポータブルプロジェクターとして完成度が非常に高いこと。バッテリー内蔵プロジェクターを購入するならば、まずは検討したい最新モデルだと言える。
あくまで本体はコンパクトで、持ち運びのしやすさはそのままに大容量バッテリーを搭載。家庭内でもアウトドアでも使いやすい自動台形補正とオートフォーカス機能も備えている。さらに画質・音質もバランスがとれているので、プロジェクター単体でしっかり映画などのコンテンツを楽しめる。バッテリー内蔵プロジェクターで搭載されていてほしい機能を網羅した、言わば“全部入り”モデルだ。
「PicoFlix」は、これからプロジェクターを使ってみたい、と思っている人にもぴったり。設置の苦労などはまったくなしで、大画面の楽しみを教えてくれる。