本企画「Daddy’s Sneaker」は、30〜40歳代のパパにとって、本当に使えるスニーカーを模索する連載企画。ここで言う同世代の平均的なパパたちとは、以下のように定義づけています。
・平日はスーツ姿で出勤。休日は全身ファストブランドで無難な感じにまとめがち
・休日のお出かけは、家族や子供を連れて公園や地元のショッピングモールへ
・自由に使える1か月分のお小遣いは3〜5万円
そんなパパたちがスニーカー選びで押さえておくべきは以下の3点です。
・生活圏内でも浮かないデザイン
・公園でも子供と走り回れる機能性
・地方でも買えて、値段は20,000円まで
以上の条件から導き出されるのは、「トレンドを超越したスタンダード」。履けば思わずテンションが上がり、とはいえ浮くことはない。ひと言で表すなら、“地に足のついたスニーカー”。ここでは、そのおすすめモデルと、その履きこなし方を紹介します。
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スニーカー好きではなくても、1度は履いたことがあるはずのコンバース。今回は、その豊富過ぎるラインアップの中から、ファッション性と機能性を兼備し、ストリート世代のパパたちも虜にするスケートラインの新作をセレクト
カレンダーは7月に突入。2021年夏は、例年以上の猛暑が予想されています。されどマスク着用は相変わらずで、息苦しさを感じる日々も継続中。ならばせめて、コーデぐらいは軽やかにキメたいところです。
そこで今回は、夏の足元をラフ&イージーかつクールに見せてくれるCONVERSE SKATEBOARDING(コンバース スケートボーディング)の「CS SLIP-ON SK(CS スリップオン SK)」をピックアップ。
スタンダードなデザインと、スケートシューズならではの履き心地による、ラフ&イージーな着用感は、夏シーズンを快適に過ごすのにピッタリ。本記事では、その履き心地やデザインといった、シューズの特徴に触れながら、どんなスタイルに合うのか?といった視点を踏まえつつ、“なぜ買いなのか!?”を検証してみました。
まずは、皆さんがあまり聞き慣れていないであろう「コンバース スケートボーディング」について解説。
スタートは、2018年。コンバースのブランド創立110周年を記念して誕生した、国内発のスケートラインです。以前から、アメリカ企画でのスケートボードラインは存在していましたが、こちらはすべて日本企画。さらに、くの字と★印のロゴマーク「CHEVRON & STAR(シェブロン&スター)」をベースモデルに使用している点も特徴です。クラシックなデザインながら、アウトソールのデザインやラバーの配合比率、インソールの構造なども、スケートボード仕様にスペックアップされています。
リアルスケーターに向けた本格仕様の「プラス」シリーズと、基本スペックは搭載しながらライフスタイルでも履ける「スタンダード」シリーズの2種類を展開しているため、ビギナーでも気軽に取り入れられる点が、パパ世代にはありがたいですね。では、ここからは「CS スリップオン SK」の実物の写真をご覧いただきつつ、シューズの細部を掘り下げていきましょう。
コンバース スケートボーディングの「CS スリップオン SK」(品番:34200741) 。カラーは「ホワイト」
本作は、先述の「スタンダード」シリーズから、2021年6月に発売されたばかりのニューモデル。シューレースを排したシンプルなスリッポンデザインのアッパーは、ヴァンプとアウトカウンターにスエードを採用し、キャンバスとのコンビネーションで軽やかに仕上げられています。
以前、紹介した「BREAKSTAR SK CV OX(ブレイクスター SK CV OX)」もそうでしたが、我々パパ世代がイメージしがちな1990年代のスケートシューズとは異なり、シルエットはすっきりスタイリッシュ。それでいて、アウトソールには2重のラバーテープ構造を採用することで、摩耗を軽減して耐久性を向上させるなど、スケシューらしいタフさも織り込み済みです。
ヴァンプ部分には、耐久性にすぐれたスエードを使用。履き込んでいった際の、経年変化もまた見もの
トウ部分のボリュームを抑えることで、スマートなシルエットを実現。接地感が向上し、高い安定性も確保
“横ノリ系スリッポン”と言えば、同ジャンルの先駆者的存在であるVANS(ヴァンズ)の「SLIP-ON(スリッポン)」がいちばんに思い浮かびますが、こちらはスマートなルックスも相まって、より都会的な印象を与えます。むしろフォルム的には、コンバースがテニスシューズとして1940年に発売した「SKID GRIP(スキッドグリップ)」を彷彿とさせ、大人の装いとも相性がよさそう。
また、ミニマルなデザインが特徴とも言える本作において、唯一にして最大の外見的ポイントが、アウトカウンターに配された「シェブロン&スター」のロゴです。キャッチーなアイコンをさりげなく刻み込むことで、バックビューに華を添えます。ロゴは主張したいけれど、やり過ぎると子供っぽくなってしまう。本作は、そのジレンマを解消しつつ、抜群のバランス感を保っていると言えるのではないでしょうか。
ヒールのアウトカウンター部分には、ブランドの象徴である「シェブロン&スター」ロゴをオン。バックビューに華を添えています
続いては、機能面にフォーカスしてみます。スケートシューズのスペックを備えていると聞けば、何よりも期待してしまうのが履き心地。ライニングに滑りにくい質感の素材を採用することで、足入れした際のホールド感も向上。さらに直接足裏が触れるインソールには、E.V.A.製のカップインソールを搭載しています。軽量性と反発性を独自配合し、さらにメッシュ素材と無数の通気孔により、快適でストレスのない履き心地が味わえます。
インソールは、取り外せるカップインソールタイプ。メッシュ素材の表地と無数の通気孔により、快適性も向上しています
着用感はもちろん重要ですが、ソールのグリップもスケシューにとっては要となる部分。摩擦のかかる方向に対して、細かな溝を刻み込んだラバーアウトソールが、高いグリップ性を実現しています。これからの季節、スリッポンを履くシチュエーションとなれば、どうしてもレジャーシーンが増えてきます。そんなに時にこそ、クッション性が高く防滑性にすぐれた「スケシュー」スペックが真価を発揮してくれるはずです。ではこの辺りで、実際に着用したスタイルサンプルといきましょうか。
摩擦のかかる方向に対し、細かく溝が刻まれたアウトソールのパターンが、高いグリップ性を生み出します
ちなみに、カラーバリエーションは、「ブラック」と「ホワイト」の2色展開。今回は、サマースタイルともよく合いそうな「ホワイト」をチョイスし、夏らしいショーツスタイルでまとめてみました。
トップスは、ラディアルのトリムTシャツをチョイス。アメカジ再燃の今、注目のアイテムをサイズアップしてゆったり着ることで、今旬のリラックス感を狙いました。ボトムスは、ポロ・ラルフローレンのチノショーツでラフに、されど崩し過ぎず。で、帽子はアイ&アイのニットタムを合わせて、リラックスムードを強調。これに「CS スリップオン SK」を合わせてみると……!?
コンバース スケートボーディングの「CS スリップオン SK」の「ホワイト」を着用
ウェアをゆったりしたサイズ感でまとめつつも、ソックスを見せずにくるぶし部分を露出したことで、足元にこなれ感が生まれました。本作の色は真っ白ではなく、オフホワイトというのも実はポイント。真っ白だと足元だけ浮いてしまいますが、これなら下ろし立てでも自然になじんでくれますね。また、こういった着こなしの場合、どうしても子供っぽく見えてしまいがちですが、シューズの色合いとシルエットが、大人のリラックスムードを演出してくれています。
さらに、ルックス以上に特筆すべきは、その履き心地です。いわゆるスリッポン特有の地面を直接感じるような履き心地ではなく、ちゃんとクッショニングを感じます。これぞ「スケシュー」スペック! 先述の「E.V.A.カップインソール」が実にイイ仕事をしているんです。
ちなみに、スリッポンを購入する際に気になるのがサイズ選び。今回は26.5cmを着用しました。筆者の場合ですと、甲高&若干幅広なので普段は27〜27.5cm。スリッポンタイプを履く際は、シューレースでの調整がきかない点を考慮し、それよりもワンサイズ小さめを選ぶのですが、本作でもその考え方でジャストフィット(※ソックスはかなり薄手のカバータイプをセレクト)。余裕を持って履きたい、ソックスの選択肢を広げたいといった場合は、普段どおりのサイズを選ぶのがよろしいかと。インソールを薄いタイプと入れ替えるという手もありますが、せっかくのクッショニングが損なわれてしまうので、可能なら店舗で実際に試着することをおすすめします。
というわけで、今回はコンバース スケートボーディング「CS スリップオン SK」をピックアップしました。
夏コーデではどのアイテムにおいても、いかにラフ&イージーかが求められます。シューズで言えば、いちいちシューレースを結ぶのも面倒だから、サッと脱ぎ履きできて楽チン。でも大人の足元にもマッチする。そんなワガママに応えてくれるのが本モデルです。最後にダメ押しするならば、プライスは税込8,800円! スケシューならではの高スペック搭載モデルが、1万円以下で買えてしまうお手軽さこそが最大の魅力かも。梅雨が明けたら夏本番。それまでに次なる1足をお探しなら、これ、おすすめです!
●撮影協力:コンバース ジャパン
メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する41歳。