新傑作ウォッチで令和を刻む

セイコー×マスターピースのコラボ第2弾! 大人カジュアルと好相性の控えめミリタリー

ファッション界では昨今、カテゴリーが異なるブランド同士によるコラボレーションが大変盛んで、それは時計においても例外ではありません。本連載「新傑作ウォッチで令和を刻む」第16回は、時計の老舗、セイコーと、大阪発信のバッグ&小物ブランド、マスターピース(master-piece)という、日本を代表する2ブランドの協業によって誕生したカジュアルモデルを取り上げます。

2021年11月6日にリリースされた、セイコーウオッチ×マスターピースのコラボモデルは、約半年前に発表されて大好評を博した第1弾に続くもの。第1弾モデルはビジネスを意識したものだったのに対し、今回はカモフラージュ柄を文字盤に取り入れたり、ナイロンバンドを組み合わせたりと、よりカジュアルなフェイスに。かつ、前回以上に“マスターピースらしさ”が実感できる仕上がりだそうです。

セイコー「セイコーセレクション マスターピースコラボレーション限定モデル第二弾」は2色で展開。写真左が「SBTM316」で、公式サイト価格は68,200円(税込)。写真右が「SBTM314」で、公式サイト価格は64,900円(税込)。ともに、オリジナルポーチが付属します

セイコー「セイコーセレクション マスターピースコラボレーション限定モデル第二弾」は2色で展開。写真左が「SBTM316」で、公式サイト価格は68,200円(税込)。写真右が「SBTM314」で、公式サイト価格は64,900円(税込)。ともに、オリジナルポーチが付属します

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複数の素材&色使いでブランドの個性を主張

まず、セイコー×マスターピースという意外性あるコラボが「どのような意図で始まったのか?」という疑問について、セイコーウオッチの広報にうかがいました。

「働き方が多様化する中、リュックサックでの通勤など、よりカジュアルな装いにも合わせることができる、機能とデザインが両立した腕時計を『セイコーセレクション』から提案したいと考えていました。そんな中、すでに若者を中心に多くの人々の間で、機能とデザインの両面で定評を得ているマスターピースさんに共感していただいたのです」(同社広報)

つまりは、セイコーウオッチからマスターピースにアプローチがあって、そこからプロジェクトがスタートしたというわけです。ちなみに、「セイコーセレクション」は、機能、品質、デザインのトータルバランスを重視する時計を求める人々に向けたコレクションです。

こうして2021年6月、初コラボモデルが登場。マスターピースは、「NEO WORK」と「PRIME CASUAL」の2つのコレクションを展開しているのですが、この時のコラボでは、新時代のビジネスバッグを提案する「NEO WORK」の世界観を取り入れました。その結果、同ブランドのバッグで使用されている生地の織り模様が装飾された文字盤上で、秒針のヴィヴィッドイエローが映える、ビジカジフェイスのソーラー発電式3針モデルが結実しました。

これに対し、今回の「第二弾」では、マスターピースのもうひとつのコレクション「PRIME CASUAL」とのコラボ。配色や素材、モチーフによって、その世界観を表現しています。

複数の素材&仕上げや、際立つカラーコントラストの組み合わせがマスターピースらしい「SBTM314」

複数の素材&仕上げや、際立つカラーコントラストの組み合わせがマスターピースらしい「SBTM314」

ここで、「マスターピースってどんなブランドなの?」と疑問を抱いた時計ファンのために、簡単ではありますが、ブランドプロフィールを改めて紹介しましょう。

マスターピースは、1994年に誕生したメイドインジャパンのバッグブランド。当初は、関西地方で多くの支持を集めていましたが、やがて東京進出を本格化させ、次第にその名が全国に知れわたっていき、大阪発の鞄&小物ブランドの代表的存在と目されるまでに成長を遂げました。

その成長を支えたのは品質のよさ。ファッション性と機能性を高い次元で融合させることを追求し、国内外のサプライヤーと共同開発したオリジナルマテリアルなども取り入れつつ、国内にある自社工場でていねいに製作した高品質なバッグ&小物を展開しています。

製品の種類は多岐にわたりますが、その中でも、複数の素材&複数のカラーを大胆に組み合わせた製品が印象的です。もちろんすべての製品に共通する特徴ではないのですが、このタイプのバッグを目にすると、「マスターピースらしいな」と感じられます。

セイコー×マスターピースの「コラボ第二弾」モデルは、軽やかなカーキ文字盤の「SBTM314」と、精悍なブラック文字盤の「SBTM316」の2色で展開。いずれも、ケースとベゼルに鏡面と筋目を組み合わせたものを採用しており、そこにカモフラージュ柄の文字盤とナイロンバンドを合わせることで、それぞれの風合いの違いを味わえるデザインに仕上げています。また、ことに「SBTM314」では、複数の色使いが印象的で、そのたたずまいから“マスターピースらしさ”が実感できるのです。

迷彩文字盤×イエロー針でカジュアルミリタリーを表現

光の調子によって、カモフラが浮き上がったり消えたりすることで、文字盤の表情はさまざまに変化します

光の調子によって、カモフラが浮き上がったり消えたりすることで、文字盤の表情はさまざまに変化します

「コラボ第二弾」モデルを個性的な時計たらしめているのは、先にも少し触れた文字盤のカモフラージュ柄です。カモフラもマスターピースの特徴的なデザインのひとつで、これまでにもさまざまなバッグ&小物に取り入れられてきましたが、今回のコラボではそれを文字盤の柄に採用しています。しかも、文字盤を照らす光の調子や角度によって、この柄が明瞭に浮き上がったり、ぼんやりと沈み込んだり、あるいはまったく見えなくなったりと、微妙に表情が変化するのがユニーク。なお、このカモフラージュ柄は、マスターピースのオリジナルパターンで、実は都道府県のうちのいずれかの形が、柄の中に隠れているのだそうです。

そんなミリタリーフェイスに映えて見えるのが、稲妻を思わせる異形のイエロー秒針です。この形&カラーは、実はマスターピースのロゴをモチーフにしたもので、「コラボ第一弾」モデルにも採用されたのですが、今回はこのポップな秒針がカモフラによってもたらされるミリタリー感をほどよく薄めて、時計全体をより洗練された印象に変える役割を果たしています。

ちなみに、文字盤をよく見ますと、バーインデックスの外寄りの数か所に、小さいアルファベットの記載が確認できます。これらは、ソーラー電波時計の受信局、受信レベル、受信結果を表示するためのもので、「JJY」は日本の2局、「WWVB」「MSF」「DCF」「BPC」はそれぞれ米国、英国、ドイツ、中国の計6局を表しており、リューズの操作で動かした秒針が、それらのいずれかを指し示すことで受信局が設定できます。また、「H」(受信レベルが高い)、「L」(受信レベルが低い)、「N」(受信できない)、「Y」(受信できている)という受信レベル、ないし受信結果は、ケース側面の4時位置にあるボタンを押し、秒針を動かすことで確認できます。

マスターピースのオリジナル素材「マスターテックス」をバンドに使用

バックルは、扱いやすいワンプッシュ3つ折れ式を採用。ケースバックには、ダブルネームがレーザーマーキングされています

バックルは、扱いやすいワンプッシュ3つ折れ式を採用。ケースバックには、ダブルネームがレーザーマーキングされています

カモフラ文字盤と並び、本モデルをひと際個性的にしているポイントが、バンドに採用されているナイロンです。この「マスターテックス-07(MASTERTEX-07)」は、マスタ−ピースがインビスタ社(INVISTA/米国カンザス州ウィチタに本社を置く繊維、樹脂、化学薬品の大手メーカー)に別注した生地。インビスタ社の認定工場にて、太番手の210デニール「66ナイロン糸」を2本撚(よ)りしたものを2本引き揃えた後、縦×横に平織りで織り上げた「コーデュラ ブランド ファブリック」の1種で、ほかの「コーデュラ」と同様に、摩擦や擦り切れ、引き裂きなどに対して高い強度を持っています。さらにマスターピースは、生地の表情やタッチ感にもこだわり、撚り糸などの選定も手がけて、このエクスクルーシブなナイロンファブリック「マスターテックス-07」を生み出し、自社のバッグ&小物に使用。それを今回、時計のバンド素材に採用したというわけです。

「コーデュラ」と言うと、無骨な風合いの生地をイメージしがちですが、「マスターテックス-07」に限っては、その表情は大変端正で、力強さの中にも品が感じられて好印象です。「コラボ第二弾」モデルは、カモフラ柄の文字盤など、ミリタリーを意識したものとなっており、それゆえにナイロンベルトが採用されたと推察しますが、この「マスターテックス-07」の風合いがミリタリーを示しつつも、それがいたずらに強調されることなく、この時計全体をエレガントで落ち着きあるたたずまいに見せているのです。

針とインデックスに高輝度蓄光塗料「ルミブライト」を使用

針とインデックスに高輝度蓄光塗料「ルミブライト」を使用

高輝度蓄光塗料「ルミブライト」は、太陽光や照明器具の明かりを短時間で吸収して蓄え、長時間にわたってクッキリと鮮やかに発光。たとえ漆黒の暗所においても、確かな視認性をもたらします。

まじめ過ぎないカジュアルが大人の手元にちょうどよい

ミリタリーと品のよさを絶妙なバランスで備える「SBTM314」(写真上)と、黒×ブラウンゴールドがシャープでセクシーな「SBTM316」(写真下)

ミリタリーと品のよさを絶妙なバランスで備える「SBTM314」(写真上)と、黒×ブラウンゴールドがシャープでセクシーな「SBTM316」(写真下)

厚さ9.5mmの薄型ケースは、袖口を干渉せず、「マスターテックス-07」製バンドのしなやかさが相まって、手首に寄りそうかのような快適な着け心地を実現しています。また、大き過ぎず小さ過ぎずのケース外径39.8mmは、手の大きさや腕の太さを選ばない、ほどよいサイズ感と言えるでしょう。

「SBTM314」は、シャンパンゴールドベゼル×シルバーカラーケースがもたらすドレッシーな印象と、カーキ文字盤やミッドブラウンのナイロンベルトが醸し出すミリタリー風が絶妙なバランスで融合しており、それが手元にニュアンスあるアクセントを添加。

いっぽう、「SBTM316」は、文字盤、ケース、ナイロンバンドのブラックに対し、ベゼルのブラウンゴールドがシャープなカラーコントラストをなして、アクティブな印象を表すとともに、さりげない色っぽさも見せています。

こうしてフィッティングしてみると、「まじめ過ぎないカジュアル」といった印象。基本的にワークからキレイめ、あるいはビジカジまでと、コーディネートの幅は広く、年齢も問わない時計なのですが、強いて言えば、上品な大人カジュアルの着こなしに、ぜひ合わせてみたいとの印象を持ちました。

さまざまな使い方ができる付属のポーチ。こうして時計収納用としてもちょうどよいサイズです

さまざまな使い方ができる付属のポーチ。こうして時計収納用としてもちょうどよいサイズです

最後に、付属するオリジナルポーチについても触れておきましょう。これは1対のスナップボタンを外すことで開く2つ折り&2ポケット構造のシンプルなもので、製作はマスターピースの国内工場が担当。生地は、バンド素材と同じ「マスターテック-07」で、「SEIKO」、「master-piece」の両ブランドタグとともに、表身頃に縫合された「CORDURA FABRIC」のタグが、このすこぶる強度の高い生地が使われていることを証明しています。ちなみにカラーは、「SBTM314」のブラウンと「SBTM316」のブラックの両方のバンドカラーを組み合わせた、小粋なバイカラーを採用しています。

使用目的は限定したものではないものの、時計収納用としてちょうどよいサイズですし、マチなしの超薄型ゆえに、スーツジャケットの内ポケットに入れても胸元のシルエットに響かず、紙幣を折りたたまずに収められるとあって、束入れとしても使えます。また、祝儀や香典などの金封を収める袱紗(ふくさ)包みのほか、パーティーの招待状やパスポートなどを入れてもよいと思います。

【まとめ】 オトナのミリタリーファンの手元にもぜひ!

今回は、バッグブランドとのコラボという、少々珍しい組み合わせで誕生したカジュアルウォッチを紹介しました。本連載ではこれまで、多機能系やドレス系、復刻系をメインに取り上げてきましたが、今回はファッション性の高いバッグなどを展開するマスターピースが開発に関わったとあって、オシャレ度が高いため、デザインやコーディネートを中心に解説しました。

実機を目の当たりにして感じたことは、カジュアルモデルとはいえ、そこはセイコー製とあって作りは精緻であり、ケースやベゼルの仕上げも破綻なく、美しく、とても好感が持てました。これなら若い層にはもちろんのこと、品格を心得たミドルエイジのコーディネートにも違和感なくマッチしそうです。また、世の男性にはミリタリーファッション好きが少なくないと思いますが、年齢を重ねますと、これ見よがしのミリタリーはどうしても不釣り合いなものになりがちです。しかし、この「コラボ第二弾」モデルはそれがほどよい塩梅ゆえ、きれいめな大人カジュアルに品よくマッチし、かつ、さりげないミリタリー風味を手元から演出してくれるのです。

●写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

【SPEC】
セイコー「セイコーセレクション マスターピースコラボレーション限定モデル第二弾」

●「SBTM314」/「SBTM316」共通
・駆動方式:クォーツ(ソーラー電波修正)
・キャリバー:「7B72」
・駆動期間:フル充電時約9か月間、パワーセーブ時約2年
・防水性能:10気圧(日常生活用強化防水)
・耐磁:あり(JIS1種)
・ガラス素材:サファイアガラス(スーパークリア コーティング)
・蓄光:「ルミブライト」
・表示機能:時・分・秒、日付
・主な機能:パワーセーブ、フルオートカレンダー、受信結果表示、強制受信、時差修正、自動受信、過充電防止、針位置自動修正、電波修正(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国の標準電波を受信)
・ケース幅:39.8mm
・ケース厚:9.5mm
・バンド:ナイロン
・付属:オリジナルポーチ(「マスターテックス-07」製。閉装時サイズ:横19.7×縦11.2cm)、スペシャルボックス
・製造国:日本
・発売年月:2021年11月6日

●「SBTM314」
・ケース&ベゼル素材:ステンレススチール(一部シャンパンゴールド色メッキ)
・販売数量:国内限定700本

●「SBTM316」
・ケース&ベゼル素材:ステンレススチール(一部ブラック硬質コーティング×一部ブラウンゴールド色メッキ)
・販売数量:国内限定700本

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山田純貴

山田純貴

東京生まれ。幼少期からの雑誌好きが高じ、雑誌編集者としてキャリアをスタート。以後は編集&ライターとしてウェブや月刊誌にて、主に時計、靴、鞄、革小物などのオトコがコダワリを持てるアイテムに関する情報発信に勤しむ。

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