Daddy’s Sneaker

これアディダスなの!? 適当な格好でもオシャレに見える大人の量産機「BWアーミー」

本企画「Daddy’s Sneaker」は、30〜40歳代のパパにとって本当に使えるスニーカーを模索する連載企画。ここで言う同世代の平均的なパパたちとは、以下のように定義付けています。

・平日はスーツ姿で出勤。休日は全身ファストブランドで無難な感じにまとめがち
・休日のお出かけは、家族や子供を連れて公園や地元のショッピングモールへ
・自由に使える1か月分のお小遣いは3〜5万円

そんなパパたちがスニーカー選びで押さえておくべきは以下の3点です。

・生活圏内でも浮かないデザイン
・公園でも子供と走り回れる機能性
・地方でも買えて、価格は20,000円まで

以上の条件から導き出されるのは、「トレンドを超越したスタンダード」。履けば思わずテンションが上がり、とはいえ浮くことはない。ひと言で表すなら、“地に足のついたスニーカー”。ここでは、そのおすすめモデルと、その履きこなし方を紹介します。

★★連載「Daddy’s Sneaker」のアーカイブはこちら!★★

第25回テーマ/だらけがちな夏の着こなしを、スマートに見せる大人の名品

ファッション好きからスポーツファンまでを虜にするアディダス。数多あるラインアップの中から、「なんか見たことがあるけど、これって何なの?」という人も多いであろう、玄人向けのモデルを紹介!

ファッション好きからスポーツファンまでを虜にするアディダス。数多あるラインアップの中から、「なんか見たことがあるけど、これって何なの?」という人も多いであろう、玄人向けのモデルを紹介!

短かった梅雨が明けたと思ったら、何なんでしょうか、この暑さときたら! もうこうなってくるとオシャレをするのも面倒くさくなって、休日はTシャツ&ショートパンツにサンダルやスリッポンのような、ラフで楽な格好に逃げがちなパパたちも多いことでしょう。まぁ、適当な格好をしていても許される季節ですし、仕方がないっちゃあ仕方ない。

ですが……、いやだからこそ、足元に気をつかうことで周囲とも差を付ける絶好のチャンス! そこで今回は、“だらけがちな夏の着こなしを、スマートに見せる大人の名品”をテーマにしたいと思います。というワケで、ピックアップするモデルは、「adidas Originals(アディダス オリジナルス)」の「BW ARMY(BWアーミー)」です!

本モデルは、“一見すると、どこのブランドなのかわからない”というイイ意味での匿名性を秘めたミニマルなデザインと、すっきりした印象を与える細身のフォルムがポイント。ここでは、シューズの特徴に触れながら、どんなスタイルに似合うのか?を考えつつ、“なぜ買いなのか!?”を検証してみました。

そもそも「BWアーミー」って何?

さて、冒頭の写真をご覧になって「なんか見覚えがあるんだよなぁ……」と思っている皆さん、ご明察! こちらは、1970年代に西ドイツ軍の屋内演習用に開発されて廃番となった、1994年まで制式採用されていたトレーニングシューズ、通称“ジャーマントレーナー”が元ネタ。要は、ミリタリーギアなんですが、その洗練されたデザインもあって「Maison Margiela(メゾン・マルジェラ)」や「DIOR HOMME(ディオールオム)」などのメゾンブランド、「REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)」などのシューズブランド、さらには有名セレクトショップからも、同モデルをサンプリングしたシューズがたくさんリリースされていますし、軍の放出品が大量に出回ったことにより、古着業界でも定番中の定番に。

ちなみに、このシューズの考案者は「adidas(アディダス)」というのが通説(「PUMA(プーマ)」も名前があがりますが、同社は正式に否定しているとも……。ややこしいですね)ですが、モデル名に冠された「BW」の文字は、当時“ジャーマントーナー”を生産していたファクトリーメーカー「BW SPORT(ビーダブルスポーツ)」社から取られているとのこと(この辺の関係性はイマイチ不透明)。さらに調べた結果、前述のように定番モデルとして広がったキッカケは、日本のシューズメーカー「TANAKA UNIVERSAL(タナカユニバーサル)」が、チェコスロバキアに存在したシューズメーカー「CEBO(セボ)」が保有していた機械や金型を受け継いで、1998年に世界で初めて復刻させたことによるとか。

前述のように、さまざまなブランドからリリースされているのは、軍用ということで一般販売を前提としていなかったため、シューズデザイン自体がパブリックドメイン(意匠登録や商標登録がされておらず、公的なものとして自由に使える)的な扱いになっているからだそう。「タナカユニバーサル」もこの“ジャーマントレーナー”を復活させた際に、意匠登録や商標登録をせず、自由に使えるようにしたそうです。

……と長々と語りましたが、紹介した話が正確かどうかは実はわからないので、我々は“ジャーマントレーナー=ドイツ軍のトレーニングシューズ&それを元とした同一デザインの総称”と、覚えておけばとりあえずはOKかと。

では、ここからは今回の主役である「BWアーミー」の実物の写真をご覧いただきつつ、シューズの細部を掘り下げていきましょう。

無駄のないミニマルなフォルムに宿りし“アノニマスな美しさ”

アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)

アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)

さて、シューズの背景を語るのが思いのほか長くなってしまいましたが、「BWアーミー」は正直な話、ほかのローテクシューズ同様、機能性よりもデザイン性が語りどころ。しかも、そのデザインに関しても、スムースレザーのアッパーにスウェードのオーバーレイ、あとは飴色のガムソールが特徴と、要はミニマルのひと言。ここからは、そんなデザイン性に注視し、シューズの細部にフォーカスしていきます。

オリジナルモデルのお作法にのっとりつつ、さりげなく個性を演出

【上】すっきりしたトゥ部分は、スウェードのオーバーレイで切り替え 【中央】シュータン部分には、アッパーと同色でトレフォイルをデザイン 【下】ヒール部分は高めのカットによって、着用時の安定感をアップ。ロゴがないのでシンプルな表情

【上】すっきりしたトゥ部分は、スウェードのオーバーレイで切り替え 【中央】シュータン部分には、アッパーと同色でトレフォイルをデザイン 【下】ヒール部分は高めのカットによって、着用時の安定感をアップ。ロゴがないのでシンプルな表情

まずは、スニーカーの顔であるトゥ部分からいってみましょう。甲が低くすっきりしたフォルムに設計されているため、細身のデニムからゆったり目のスラックスまで幅広く対応し、裾の収まりも良好。また、スウェード素材との切り替えによって、耐久性も高められています。

そしてシュータン部分。ここには、アディダスの象徴であるトレフォイルが同色であしらわれています。同じく象徴的な3本ライン(スリーストライプス)を排することで、匿名性を持たせたデザインに、さりげなく主張をプラス。と言っても、基本的なフォーマットは“ジャーマントレーナー”のお作法どおり。なので“後ろ姿の顔”であるヒール部分にもロゴが入ることはありません。このミニマルな表情に宿った“アノニマスな美しさ”こそ、本作最大の魅力と言えます。

【上】ソールサイドには、同色でロゴ&トレフォイルがあしらわれています 【下】ソール裏に刻まれたパターンは、同社の定番インドアトレーニングシューズ「SAMBA(サンバ)」と同じもの

【上】ソールサイドには、同色でロゴ&トレフォイルがあしらわれています 【下】ソール裏に刻まれたパターンは、同社の定番インドアトレーニングシューズ「SAMBA(サンバ)」と同じもの

最後はソールです。本モデルでは、ヴァンズやコンバースと同様、アッパーにソールを圧着するバルカナイズ製法を採用。この製法で作られたシューズは、しなやかで動きやすく、耐久性にもすぐれているだけでなく、履き心地も良好という特徴を持ちます。

素材は、飴色のガムラバー製で、サイドビューもソール裏に刻まれたパターンもオリジナルとそっくりですが、同社の定番インドアトレーニングシューズ「SAMBA(サンバ)」とも酷似しています。これは、「サンバ」が“ジャーマントレーナー”と同じ生産ラインだったことに由来しているとか。こういったウンチクも、スニーカー選びにおける絶好のスパイス。これは料理のしがいがあるというもの。ではさっそく、実際に着用したスタイルサンプルをご覧いただくとしましょうか。

大人にはポップ過ぎるウェアの派手さを中和して、スマートに

着用するのは、アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)

着用するのは、アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)

ボトムスは、バルのショートパンツ。トップスはヘインズの白Tに同じくバルの総柄メッシュシャツを重ねて、キャップは最近お気に入りのニューエラ×フラグスタフ。この暑さも手伝ってか、気分的にも柄物や色物といった派手なアイテムを取り入れたくなるし、フルレングスのボトムスよりもショートパンツに目がいく今年の夏。41歳のナリにしては、ややポップ過ぎるきらいもありますが、ここに「BWアーミー」のホワイトを合わせてみると……!?

アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)を着用

アディダス オリジナルスの「BWアーミー」(ホワイト)を着用

いかがでしょうか。上半身のメインカラーであるホワイトを持ってきたことで、ウェアの派手さを中和しながら統一感を演出。これで、ブランドロゴが主張していたり、ボリューミーなモデルを合わせたりすると子供っぽくなってしまうのですが、切り替えのみで変化をつけたシンプルなデザインとすっきりしたシルエットのおかげで、スタイルを問わず活躍必至。文字どおり、着こなしの足元を支えてくれているのが一目瞭然ですね。

さて、これまでですと、サイズ選びやシューレースの通し方など、ちょっとした小ネタを披露するのがお約束ですが、今回は“足元をスマートに見せる”ための必需品であるソックスについて触れたいと思います。

こういったシンプルなローカットのローテクモデルを合わせる際に、ソックスが主張し過ぎると子供っぽく見えがち。とはいえ、シューズの内側に隠れるカバーソックスでは、履いて歩いているうちにズレてきてストレスが……。そこでおすすめなのが、「Tabio(タビオ)」の「メンズ ダブルガードスニーカー用ソックス」(税込990円)! 実際に着用してみるとこんな感じです。

タビオの「メンズ ダブルガードスニーカー用ソックス」。カラバリは、写真の「ホワイト」を含む全9色で展開。ご覧のように、足首のホールド力を保持しながら、くるぶし部分がえぐれた独自設計。足元をすっきり見せるなら、シューズと色を合わせるのがイイでしょう

タビオの「メンズ ダブルガードスニーカー用ソックス」。カラバリは、写真の「ホワイト」を含む全9色で展開。ご覧のように、足首のホールド力を保持しながら、くるぶし部分がえぐれた独自設計。足元をすっきり見せるなら、シューズと色を合わせるのがイイでしょう

「メンズ ダブルガードスニーカー用ソックス」の最大のポイントは、足首のカット。前後のタブ部分はゴムをしっかり効かせつつ、くるぶし部分はえぐるように設計することで、ヒールとシュータンによるズレ&スレを解消します。しかも、ボディの縫い目をフラットにしたリンキング仕様なので、シューズとの一体感もあり、以前本連載で紹介した“シューレースの最後を結ばず、内側に入れるテクニック”を使用した際にもストレスを感じません。また、シューズとの一体感という点で言えば、見た目も同様。履き心地をキープしながら肌部分の面積を広げ、足首といういちばん細く見える部分を露出させることで、足長&美脚効果をも期待できます。

お値段的には若干高めに感じるかもしれませんが、1度着用するとクセになること請け合い。かくいう筆者も速攻で2足目を購入しました(笑)。ちなみに今回は、ローテクモデルに合わせましたが、「NIKE(ナイキ)」の「AIR MAX(エアマックス)」に代表されるハイテクモデルとも好相性。履き心地抜群。体型の変化によって足が短く見えてしまいがちなパパ世代の強い味方になってくれるので、ぜひ皆さんもチェックしてみてください!

【まとめ】汎用性にすぐれた大人の量産機、まさに“スニーカー界のザク”

というわけで、今回はアディダス オリジナルス「BWアーミー」をピックアップしました。

スニーカーを選ぶ際のポイントとして、そのブランドならではの機能性やデザイン性に比重を置くのは当然ですが、本モデルの魅力は逆。あえて“らしさ”を排除した匿名性は、どんなスタイルにも対応する汎用性へと繋がり、14,500円という価格以上のコストパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。

個人的な感想としてですが、本モデルのよさは「ザク」に通ずるなと。そう「機動戦士ガンダム」に登場する、あの量産型MS(モビルスーツ)です。軍事用という共通性のみならず、用途や運用環境に合わせてフレキシブルに対応するすぐれた汎用性、地味だけど味わい深いデザイン。子供の頃は気付かなかったよさがわかる年齢になった今、改めて履きたい。そんな1足でした。

●撮影協力:「A.T.A.D」
https://www.atmos-tokyo.com/brands/atad

TOMMY

TOMMY

メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する本厄41歳。

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