新傑作ウォッチで令和を刻む

シチズン「アテッサ」の新ムーンフェイズモデルは小窓で移ろう銀の月影が美しい

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腕時計の分野において、数々の世界初を実現してきたシチズン時計(1918年、前身の尚工舎時計研究所として東京で設立)ですが、その偉業のひとつに、1993年5月に発表した世界初の多局受信型電波腕時計があげられます。2018年、国立科学博物館によって「未来技術遺産」に登録されたその「Cal.7400」は、今日ではごく一般的となった電波受信による時刻自動修正機能付き腕時計の先駆でした。

「グローバルに活躍するビジネスマンをサポートする」ことをテーマに、1987年にスタートしたブランド「シチズン アテッサ(CTIZEN ATTESA)」が、2023年7月20日に発売した「エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト」は、その世界初多局受信型電波腕時計の誕生30周年を節目に開発された電波時計ムーブメント「Cal.H874」を搭載する高性能ムーンフェイズモデルです。

「シチズン アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト」は全3型の展開。本稿では、ケースやブレスレットなどに「デュラテクトチタンカーバイト」仕上げの「スーパーチタニウム」が採用された「BY1001-66E」(写真上)を例とし、その魅力を探ります。公式サイト価格は137,500円(税込)

「シチズン アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト」は全3型の展開。本稿では、ケースやブレスレットなどに「デュラテクトチタンカーバイト」仕上げの「スーパーチタニウム」が採用された「BY1001-66E」(写真上)を例とし、その魅力を探ります。公式サイト価格は137,500円(税込)

この新ムーブメント「Cal.H874」は、「ルナプログラム」と銘打たれた月齢自動計算機能を備えているのが最大の特徴。これにより、電波受信で時刻や日付のみならず、月齢も自動で表示できるのですが、実はこれがまた、アナログ式光発電において世界初(!)ということで、イノベーターたるシチズンらしい革新的ムーブメントだと目下話題なのです。

そこで、今回の「新傑作ウォッチで令和を刻む」では、その注目のムーンフェイズウォッチ「シチズン アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト」(以下、「アテッサ ダイレクトフライト」と記します)を深掘りします。が、このモデルについて触れるに先立ち、ムーンフェイズという機能に関する簡単な解説を付けました。「それは、もうわかっている」という人は、次の項目は読み飛ばして、「電波受信の情報から導き出す自動月齢表示がスゴイ!」からご覧ください。

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ムーンフェイズ機構について知っておきたいこと

時計の付加機能の中でも、多くの人々に特になじみの深いムーンフェイズ(Moon Phase)ですが、これを改めて定義すれば、「月の満ち欠けを表示して、その日の月齢を知らせる機構」といったことになるでしょう。ちなみに、時計における時刻表示やカレンダー機構などは通常、太陽暦(地球の公転周期、すなわち太陽年にしたがった暦)を基にしているのですが、これに対し、ムーンフェイズ機構は太陰暦に拠(よ)っています。

フェイズ(Phase)は英語で「相(そう)」を意味しますので、したがってムーンフェイズは「月相(げっそう)」と訳されます。これは月面のうち、太陽光を反射する部分を地球から見たときの様相(形)のことであり、月相が欠けて視認できない状態が新月、または朔(「さく」「ついたち」と読む)であり、満ちた状態が満月、または望(「ぼう」「もち」と読む)と呼ばれます。そして、朔から次の朔までの期間、あるいは望から次の望までの期間など、月の満ち欠けの1周期を朔望月(さくぼうげつ)と呼び、この朔望月に基づいた暦が太陰暦であるわけです。

ところで、月の軌道は複雑で、周期が完全に一定ではないことから、その平均値が必要です。これが平均朔望月で29.530589日(2015年時点)なのですが、一般的には、小数点第2位以下の端数を切り捨てた29.5日が多用されており、時計のムーンフェイズ機構も通常、この数値をベースにしています。

一般的なムーンフェイズでは回転盤上の月が移動しながら月相を変化させることで、その日の月齢を知らせてくれます。この仕組みは「アテッサ ダイレクトフライト」も同様なのですが、通常は隠されるはずの、もうひとつの月が透けデザイン越しにうかがえるのがユニークです(写真上)

一般的なムーンフェイズでは回転盤上の月が移動しながら月相を変化させることで、その日の月齢を知らせてくれます。この仕組みは「アテッサ ダイレクトフライト」も同様なのですが、通常は隠されるはずの、もうひとつの月が透けデザイン越しにうかがえるのがユニークです(写真上)

伝統的、かつ一般的なムーンフェイズ機構は、月と夜空が描かれた回転盤の動作により、変形錨(いかり)型の小窓越しに、その日の月相が確認できるタイプが多いです。では、この回転盤は1朔望月分の29.5日で1回転するのかと言えば、そうではありません。常に一定周期で表示し続けるには1回転の値が整数でなくてはなりませんから、29.5日の端数0.5日の存在が不都合なのです。そこで、この問題を解決するため、ムーンフェイズは29.5日の倍数である59日で1回転するよう作られているのです。したがって、回転盤に2朔望月分の表示が求められるがゆえに2個の月が対蹠的(たいせきてき)に描かれており、いっぽうの月が現れている期間、もうひとつの月は姿を隠すことになります。

なお、ムーンフェイズは「月齢が確認できる機構」であると先述しましたが、では、月齢とは何かと言いますと、それは「直前の朔の瞬間からの経過時間を示す値」のこと。単位は「日」ですが、普通、この単位記号は省略されるので、たとえば直前の朔は「月齢0」と、若月とか眉月(まゆづき)などとも呼ばれる三日月が天に上がる、朔から3日目(または、その前後)は「月齢2」と記されます。そして、こうした月齢は月相とおおむね値が連動することから、小窓越しに月相を見せるムーンフェイズを「月齢が確認できる機構」と定義できるわけなのです。

電波受信の情報から導き出す自動月齢表示がスゴイ!

以上、ムーンフェイズという機構についてご理解いただいたうえで、ここからは「アテッサ ダイレクトフライト」のムーンフェイズについて解説します。

先述したとおり、このモデルに搭載されている電波時計ムーブメント「Cal.H874」には「ルナプログラム」なる月齢自動計算機能が併載されています。一般的なムーンフェイズは、平均朔望月の小数点第2位以下の端数を切り捨てた29.5日にしたがっていますから、その切り捨て分で生じる誤差などにより、徐々に表示にズレが起こります。したがって、一般的なムーンフェイズの場合、手動で誤差修正を行なう必要があります。

いっぽう、「アテッサ ダイレクトフライト」では標準電波の受信によって獲得した日付情報を基に、「ルナプログラム」が独自の計算式で、その日の月齢を算出。その結果を6時位置にあるムーンフェイズ表示で知らせてくれるのです。したがって手動の調整が不要というわけです。

「アテッサ ダイレクトフライト」のムーンフェイズ表示部。精緻に描かれたシルバームーンの美しさは、このモデルならではのものです。また、ムーンフェイズ両脇に記された「N」「S」は「NSシフト」用のマーク。矢印は、それぞれのモードにおける回転方向を示しています

「アテッサ ダイレクトフライト」のムーンフェイズ表示部。精緻に描かれたシルバームーンの美しさは、このモデルならではのものです。また、ムーンフェイズ両脇に記された「N」「S」は「NSシフト」用のマーク。矢印は、それぞれのモードにおける回転方向を示しています

ちなみに、ムーンフェイズの小窓越しに、回転盤に描かれた月が時計回りに移動するにつれて、朔→上弦→望→下弦→朔と月相を変えていくのは伝統的なムーンフェイズと同様なのですが、北半球とは眺める月の形状が異なる南半球用として、「NSシフト」なる機能を併載しているのもユニークです。これは簡単な操作により、「N(=north)」から「S(=south)」に切り替えると、回転盤が逆回転の反時計回りに動くというもので、この機能もなかなかに斬新と言えましょう。

金属電着やパール印刷を駆使し、幻想的な星月夜を表現

「アテッサ ダイレクトフライト」のムーンフェイズは、こうした機能面のみならず、デザインでも非常に個性的です。まず、回転盤上の月は金属電着と呼ばれる、金属を貼り付けるかのような技術で描かれており、その上に陰影も施されて、まるで夜の天空に煌々(こうこう)と上がるシルバームーンのような姿を見せています。また、背景ではパール印刷を駆使することで、きらめく星々が表現されています。

ところで、ムーンフェイズの回転盤には2個の月が描かれていることは先述しましたが、これは「アテッサ ダイレクトフライト」でも同様。しかし、一般的なムーンフェイズがいっぽうの月を隠している(朔では同時に両方の月を隠します)のに対し、本モデルではグラデーション状の透けデザイン越しに、隠れたもうひとつの月の存在をほのめかせているのです。

元来、ムーンフェイズは月齢表示という機能に加え、視覚面において文字盤にロマンをもたらし、その時計をオシャレに見せるという役も担っています。そして、この特徴を忠実に受け継ぎながらも、「アテッサ ダイレクトフライト」では上記の工夫によってアート性をさらに高めたことで、観賞することの喜びがさらに増す時計に仕上がっています。

「アテッサ」定番の個性的で高精度な機能がギュウ詰めです

多機能&多針文字板ながら、見返しリングの都市名表示を省略するなどしてスッキリとした表情に。視認性も上々です。写真は「BY1001-66E」

多機能&多針文字板ながら、見返しリングの都市名表示を省略するなどしてスッキリとした表情に。視認性も上々です。写真は「BY1001-66E」

ここでは、ムーンフェイズ以外の機能、および素材&仕上げについて触れます。

まず、動力はシチズン製品ではすっかりおなじみの光発電技術「エコ・ドライブ」です。その駆動持続時間は、パワーセーブ作動状態でなんと約2.5年という高性能です。

先述のとおり、本モデルは標準電波の受信で時刻、カレンダー、そしてムーンフェイズを自動で誤差調整する電波時計機能を備えています。その受信状況や受信結果は、秒針が「RX」(=受信中)、「OK」(=受信成功)、「NO」(=受信失敗)のいずれかをさすことで確認可能。12時位置のインダイヤルでは、小針が12時位置やや右の「N」をさせばムーンフィズが北半球、やや左の「S」をさせば南半球のモードであることを示します。ちなみに、6時位置のムーンフェイズ左右にも「N」「S」の記載がありますが、こちらは回転盤の進行方向を知らせるものです。

12時位置のインダイヤルに戻しまして、その右列の「S」〜「S」の各イニシャルは曜表示であり、左サイドの4つのブロックは残充電量告知のマーク。4時位置の小窓はもちろん日付表示で、9時位置のインダイヤルは24時間計。文字板外周では8時〜9時の「STD」で標準時刻であることを、3時〜4時の「SMT」でサマータイムであることを示し、それらの左右に手動受信の「MA」と自動受信の「AU」のイニシャルが付されています。

ワールドタイムが対応する24都市のイニシャル名と、その時差は裏ブタ外周の刻印で知れます

ワールドタイムが対応する24都市のイニシャル名と、その時差は裏ブタ外周の刻印で知れます

モデル名にもある「ダイレクトフライト」は、リューズの簡単操作で都市を選択すると、その時刻と日付がきわめてクイックに表示されるという、シチズン独自の都市選択式ワールドタイム機構です。このワールドタイムは、東京と知りたい都市との時差ではなく、UTC(ロンドンを時差0とする協定世界時のこと)と知りたい都市の標準時との時差で設定するものであり、ユーザーはリューズの操作で秒針を動かし、文字板見返しリングの数字、およびその内側の目盛りから知りたい都市の時差を選択するシステムを採用しています。ただし、フェイスをスッキリとした表情にするため、文字板にそれら都市名の記載をせず、裏ブタ外周にそれらを刻んでいるので、知りたい都市の時差はそこから確認できます。

なお、本モデルには「パーフェックスマルチ3000」なる技術も搭載されています。これは精度の妨げとなる磁気や衝撃の影響を軽減し、針ズレなどを補正させるための「JIS1種耐磁」、「衝撃検知機能」、「針自動補正機能」を一体化させたシチズン独自の先端技術「パーフェックス」に、世界4エリア対応の高感度電波受信システムを加えたものです。

時分針とインデックスに塗布された塗料が、たとえ漆黒の空間にあっても鮮やかに光を放ちます

時分針とインデックスに塗布された塗料が、たとえ漆黒の空間にあっても鮮やかに光を放ちます

本モデルは夜間における視認性の確保についても怠りなく、美しく鮮やかに光って、暗闇の空間でも確実に時刻を表示する蓄光式の夜光塗料を採用。しかも、短時間で素早く光を吸収し、明るさが長く持続するうえ、人体に有害な放射性物質を含んでいないので安心して使えます。

ところで、本モデルにはカラー&仕上げなどが異なる3型がラインアップされており、いずれにもケースやベゼル、およびブレスレット(革ベルト付きの「BY1004-17X」を除く)に、シチズン独自の技術「デュラテクト」(元来がやわらかく傷つきやすいチタニウムの耐傷性を高めるための表面硬化技術。ステンレスの5倍以上もの表面硬度が得られる)処理が施された「スーパーチタニウム」が取り入れられています。

また、これまで写真で紹介してきた「BY1001-66E」では、その「デュラテクト」のうちの「デュラテクトチタンカーバイト」処理を採用。これはチタニウム特有のシルバーカラーを特徴としており、ビッカース硬度(素材表面の硬さを表す尺度)1000Hv以上の、すこぶる高い耐傷性を備えたコーティング技術です。

アクティブと端正のバランスが絶妙! 合わせる服も選ばない

「BY1001-66E」を試着。シルバーカラーのケース&ブレスレットに、文字板の深みをたたえたブラックが相まって、ビジカジの手元にシャープ、かつ落ち着いた雰囲気を添えています

「BY1001-66E」を試着。シルバーカラーのケース&ブレスレットに、文字板の深みをたたえたブラックが相まって、ビジカジの手元にシャープ、かつ落ち着いた雰囲気を添えています

以上、「アテッサ ダイレクトフライト」の特徴と魅力を理解できたところで、「BY1001-66E」をセミカジュアルなジャケットと合わせて着用してみました。「アテッサ ダイレクトフライト」は3型いずれもオン&オフ両用で使用できるデザインですが、とりわけブラック文字板×シルバーケース&ブレスレットの「BY1001-66E」は、合わせるスタイルを問わない、非常に汎用性の高いタイプとの印象を受けました。

若々しさを見せつつもスポーティーに寄りすぎず、6時位置に浮かぶシルバームーンの存在もあって、ほどよいエレガンスも醸し出しており、アクティブさと端正が絶妙なバランスで結実した大人の時計に……。そのうえでケースやベゼル、ボタン、ブレスレットなどの鏡面×ヘアラインのコンビ仕上げでは、「アテッサ」のほかのモデルに比して鏡面部分をより多く取っているため、さりげない華やぎも演出されております。

精悍な黒ケース、優美なピンクケースの2タイプも用意

ところで、本稿ではこれまで「アテッサ ダイレクトフライト」全3型うち、「BY1001-66E」のみを取り上げてきました。そこで、以下では簡単ではありますが、ほかの2モデルについても触れておきたいと思います。

ひとつは、ケースやブレスレットなどが艶やかな漆黒を放つ「BY1006-62E」。精悍なオールブラックのモデルです。いっぽう、ブラックカーフベルトを標準装備する「BY1004-17X」は、ピンクゴールドカラーがラグジュアリーな雰囲気を醸し出すドレッシーなモデル。いずれも「BY1001-66E」とは、また異なった個性で私たちを魅了してくれます。

「BY1006-62E」は文字板のみならず、時分針やインデックスも含めた外装パーツのほぼすべてがブラックというラギッドなモデル。耐傷性のみならず、漆黒の美も追求する「デュラテクトDLC」(DLC=Diamond-Like Carbonの略)が施された「スーパーチタニウム」製のケースやブレスレットでは、ヘアライン仕上げとコンビをなすミラーの仕上げ面を多く取ることで、このモデル全体の印象をよりエレガントにしています。公式サイト価格は170,500円(税込)

「BY1006-62E」は文字板のみならず、時分針やインデックスも含めた外装パーツのほぼすべてがブラックというラギッドなモデル。耐傷性のみならず、漆黒の美も追求する「デュラテクトDLC」(DLC=Diamond-Like Carbonの略)が施された「スーパーチタニウム」製のケースやブレスレットでは、ヘアライン仕上げとコンビをなすミラーの仕上げ面を多く取ることで、このモデル全体の印象をよりエレガントにしています。公式サイト価格は170,500円(税込)

「BY1004-17X」では、ケースなどに「デュラテクトチタンカーバイト」の、ベゼルに「デュラテクトピンク」の「スーパーチタニウム」を採用。この優美なカラーコンビネーションを、文字板のグレイッシュブラウンやカーフベルトのブラックが引き締めることで仕上がったたたずまいは、スポーティーながらもドレッシー&ノーブルです。バンド留め具には、着脱容易な三つ折れプッシュタイプが採用されています。公式サイト価格は126,500円(税込)

「BY1004-17X」では、ケースなどに「デュラテクトチタンカーバイト」の、ベゼルに「デュラテクトピンク」の「スーパーチタニウム」を採用。この優美なカラーコンビネーションを、文字板のグレイッシュブラウンやカーフベルトのブラックが引き締めることで仕上がったたたずまいは、スポーティーながらもドレッシー&ノーブルです。バンド留め具には、着脱容易な三つ折れプッシュタイプが採用されています。公式サイト価格は126,500円(税込)

【まとめ】 銀の月影を愛でつつ、日常生活で有効活用を

今回ご紹介した「アテッサ ダイレクトフライト」の魅力を整理してみますと、第1に、ムーンフェイズウォッチらしいオシャレ感が得られる点があげられるでしょう。小窓越しの月と星空によってロマンティック、かつ上品な表情をさりげなく醸すムーンフェイズウォッチは、古くからオシャレアイテムとして老若男女問わず、多くの人々に愛されてきましたが、これは「アテッサ ダイレクトフライト」にあっても例外ではありません。

第2に、ムーンフェイズ表示の美しさが楽しめるという点です。シルバームーンが月相を移ろわせながら夜空に輝くさまは、ほかのムーンフェイズウォッチにはない、このモデル最大の特徴。多忙な日常の折々、そんな神秘的で幽玄な月影を手元で鑑賞することで、ささやかに心を慰められるのです。

もちろん、ワールドタイムを始めとする多彩な機能や耐金属アレルギー仕様など、「シチズン アテッサ」ならではのアドバンテージを活用できるというのも、大きな魅力であることは言うまでもありません。そして、そのうえでムーンフェイズを単に目で楽しむに留まらせず、日常のさまざまなシーンで利用することも推したいと思うのです。

主として月と太陽の引力によって起きる潮汐を予想し確認することは、古くから船乗りや漁民たちにとって日常的な重要事項でした。そもそもムーンフェイズ機構は、船舶が干満によって岩礁などに乗り上げるなどの事故を防止すべく、航海用機器として発達してきたという歴史があります。漁業従事者にとってもそれは同様であり、加えて、潮汐が沿岸漁の作業時間を大きく左右することから、干満時刻の算出や大潮・小潮期の算出は彼らの基本的素養のひとつとされてきました。ということで、ボートや釣りなどを楽しむ人々にとり、「アテッサ ダイレクトフライト」のムーンフェイズは実用的機能として役立つことでしょう。

また、実はムーンフェイズはビジネスやダイエットでも活用できます。月の引力は人の精神や体調に影響を及ぼしているとされており、朔から望にいたる期間では精神が安定することから仕事や学習に集中でき、逆に、望から朔までの期間は身体から余分なものが排出されやすいとあって、ダイエット効果が高まるのだそうです。「本当か?」とも思ったりしますけれど、そんな心の余裕をもって、この「アテッサ ダイレクトフライト」と末永く付き合ってみてはいかがでしょうか? 

●写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

【SPEC】
シチズン
「アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト」
※以下、全3型共通仕様。
●駆動方式:クォーツ(光発電エコ・ドライブ)
●キャリバー:「H874」
●防水性能:10気圧
●ケース材質:スーパーチタニウム
●ガラス:サファイアガラス(無反射コーティング)
●ケース径:41.5mm
●ケース厚:10.8mm
●主な機能:ワールドタイム(24タイムゾーン)、パーペチュアルカレンダー、サマータイム機能、電波受信機能(日・米・欧・中)、月齢自動表示機能、北・南半球月齢表示切替機能、パーフェックスマルチ3000(JIS1種耐磁、衝撃検知、針自動補正に加え、日中米欧の4エリアから送信される標準電波を高感度受信)、充電量表示、パワーセーブ機能、夜光(針+インデックス)など

山田純貴
Writer
山田純貴
1980年代より、編集プロダクションの社員として某通販大手のカタログ編集にたずさわり、後に会員制月刊誌の編集主任を務める。1992年に同業者と共同で編集プロダクションを立ち上げ、主に時計、靴、鞄、革小物などモノ情報関連のさまざまな雑誌、ムック、単行本、機関紙などの企画・編集・取材・執筆を手がけた。1998年に独立し、フリーランスとなって現在に至る。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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