パンツの種類はバラエティ豊か。そのすべてを知っている必要はありませんが、定番的なタイプを把握しておけばアイテム選びの際に役立ちます。ここではぜひ押さえておきたい主要なパンツに絞って、「タイプ(デザイン)」と「シルエット」という2つの視点で解説します。
まずはタイプ別に9種類のパンツをご紹介します。カジュアルスタイルで着用するアイテムはここから選べばほぼ問題ありません。それぞれの特徴をインプットして、自分に合うパンツ探しの参考にしてください!
出典:楽天市場
デニムパンツやジーパンとも呼ばれるジーンズは、デニム生地で作られた5ポケットパンツのことをさします。5ポケットとは、前後2つずつのポケットに、コインポケット(ウォッチポケット)を加えたデザインのこと。元々はアメリカで炭鉱労働者などのために生まれたアイテムなので基本はワークテイストですが、今ではカジュアルスタイルに欠かせない定番パンツとなっています。色はインディゴブルーが正統。合わせるアイテムを選ばない汎用性の高さを備えているうえ、色落ちなどのエイジング(経年変化)によって自分だけの一本に育てる楽しみがあります。
出典:楽天市場
丈夫なチノクロスを使ったパンツがチノパン。元々は作業着や軍服として使われていたため、ワークやミリタリーのテイストを感じさせます。ただし、現在ではアメリカントラッドやビジネスカジュアルといったきれいめスタイルにおける定番アイテムとして定着しています。フロントをフックで留めるシンプルな面持ちで、直線的なサイドポケットが上品な印象。カラーはカーキやベージュが王道ですが、落ち着きのあるネイビーやブラックも人気です。
出典:楽天市場
「カーゴ」とは「貨物」のこと。貨物船で作業をする人たちがはいていたワークパンツがカーゴパンツの起源と言われています。デザイン上の特徴は、太ももの外側にレイアウトされた大きなカーゴポケット。このポケットを有するパンツがカーゴパンツと呼ばれます。ミリタリーパンツにこのタイプが多く採用されていることから、カーゴパンツと言えば軍パンを思い浮かべる人も多いでしょう。基本的にはかなりカジュアルなイメージなので、コーディネートの着崩しに活用するのがおすすめです。
出典:楽天市場
明確な定義はありませんが、現在はスーツ用のパンツや、それに似たデザインのパンツがスラックスと呼ばれています。「スラック」とは「ゆるい、たるんだ」といった意味で、スラックスは元々、タックを入れることでゆとりを持たせたパンツをさしていました。しかし今ではノータックのパンツもスラックスと呼ばれることが多く、タックの有無よりもシンプルで上品な面持ちであることが条件となっています。最近はイージーパンツの要素をMIXしたイージースラックスなど、カジュアルなタイプも増加。素材やシルエットの種類も増えていて、今や大人のワールドローブに不可欠なパンツと言えます。
出典:楽天市場
「気楽な」という意味の「イージー」が名前に付いているだけあって、イージーパンツの持ち味は快適なはき心地。唯一にして最大の特徴はウェスト部分です。ゴムやひもが使われていて、ドローコードを締めるなどして手軽にフィット感が調整可能。お腹周りが気になる人でもはきやすい仕様と言えるでしょう。細かな仕様はアイテムによって千差万別で、イージースラックスのような上品な見た目のものから、ルームウェアのようなラフなタイプまで見受けられます。大人なコーディネートに合う上品なタイプを活用することで、落ち着いたルックスとリラクシングな着心地を両立させられます。
出典:楽天市場
「ジョガー」は「ジョギングする人」の意。つまりジョガーパンツとは、ジョギングができるほど動きやすいパンツのことです。ただし最近の定義としては、裾にゴムが入っていたりリブが付いていたりするパンツをさすのが一般的です。足首部分が絞られているため、裾がじゃまにならず動きやすいのがポイントで、スポーティーかつスッキリした足元がスニーカーと相性抜群。動きやすい生地が使われているのも大切な条件で、主流はスウェット生地ですが、ストレッチ性のあるナイロン生地などを使ったタイプもあります。初めての方なら、カジュアルな中にも上品さが漂うスラックス風デザインのジョガーパンツから挑戦するのがおすすめです。
出典:楽天市場
クライミング用のアウトドアパンツが起源。ロッククライミングやボルダリングの際に着用するパンツがベースで、機能的ディテールが詰まっています。特徴的なのが「ガゼットクロッチ」で、これは180度の開脚を可能にするため股部分にマチが設けられた仕様のこと。そしてもうひとつの特徴がウェストの「ウェビングベルト」で、片手で簡単にサイズ調整でき、着脱もしやすいため、日常での使い勝手も良好です。そうしたギミックが詰まっているにもかかわらず、シルエットは比較的スマートでスタイリッシュ。幅広いコーディネートにマッチするとして人気が高く、今やファッションシーンにおける定番パンツと言えるほどの支持を集めています。
出典:楽天市場
「ペインター」とは「塗装工」という意味で、ペインターパンツはワークパンツの一種です。元々は大工用のカーペンターパンツとは仕様が異なっていたようですが、今では両者はほぼ同義になっています。サイドのデザインが非対称なのが王道で、左右のいっぽうにハンマーループと呼ばれるストラップを、もういっぽうには縦長のポケットがいくつか重なったスパナポケットを備えています。素材はデニムやヒッコリー、ダック生地などが定番。いずれも丈夫で、見るからにヘビーデューティー。シルエットはルーズフィットが基本で、カジュアルコーデでリラックス感を演出したいときに重宝します。
出典:楽天市場
ワークパンツに胸当てと肩ひも(サスペンダー)の付いた「つなぎ」の一種がオーバーオール。原則としては作業着なので、ワーク系のディテールを搭載していて、ジーンズかペインターパンツをベースにしたものが大半。ワークテイストが強くカジュアルなイメージですが、いつものパンツに飽きたらコーディネートのアクセントとして取り入れてみてください。ちなみに「サロペット」もほぼ同義で、オーバーオールは英語、サロペットはフランス語です。
パンツはデザインも重要ですが、シルエットも同じくらい大切。主なシルエットとレングスについて主要な8種類を解説しますので、自分にぴったりのフォルムを見つけてコーディネート作りに活用してください。
出典:楽天市場
「痩せこけた」といった意味を持つスキニーは、肌に吸い付くほどの細いシルエットをさします。体型に自信がないと着こなすのがやや難しいフォルムですが、下半身をスッキリ見せたい場合は積極的に活用してみてください。
出典:楽天市場
スキニーほど極細ではないものの、全体的に細身のシルエットが特徴。大人っぽさをキープしたままスタイリッシュなイメージを打ち出したいときに最適なフォルムです。タイトというのもほぼ同義で使われています。
出典:楽天市場
膝から下のレッグラインが直線かそれに近い形状に設定されたシルエットがストレート。代表的なのはストレートジーンズです。太さはいろいろな種類があり、細めのタイプはタイトストレート、太めのタイプはワイドストレートと表現されることもあります。
出典:楽天市場
現在のファッションシーンで主流となっているシルエットがテーパード。腰周りや太ももに余裕を持たせながら、膝あたりから裾に向けて細くなるフォルムが特徴です。ゆとりのあるはき心地とスッキリとした足元が両立しているため、大人に最適なシルエットと言えます。レディースの間で広がりつつあるスラウチパンツも、基本的にはこのテーパードシルエットのパンツをさします。
出典:楽天市場
横幅を広くとったシルエットがワイド。リラックス感が強いワイドなストレートフォルムもありますが、全体的にバランスがよいのはワイドなテーパードです。今っぽい抜け感を演出できるので、コーディネートに新鮮味が欲しいときに取り入れてみましょう。
出典:楽天市場
裾先が広がったシルエットがフレアです。広がり方はいろいろありますが、膝のあたりでいったん絞りを入れつつ、膝の下から裾に向かって広がるタイプが主流です。広がり具合が小さいものはブーツカット、大きいものはベルボトムとも呼ばれています。ヒッピースタイルをはじめとする60〜70年代テイストを象徴するフォルムで、今はくと逆に新鮮。脚長効果が望めるのも大きな魅力です。
出典:楽天市場
クロップは「切り落とす」という意味。裾を切り取ったような長さがクロップド丈で、フルレングスよりもやや短い丈のことをさします。フルレングスと比べると足元が軽やかに映り、こなれたムードを演出できるのが大きな特徴です。最近カジュアルスタイルで重宝されている9分丈は「アンクル丈」とも言い、足首の一部やくるぶしが見える程度の長さが目安。
出典:楽天市場
文字どおり、短い丈を意味するショートパンツ。6分丈よりも短い丈のパンツ全般をさし、ショーツとも呼ばれます。なかでも5〜6分丈程度のものはハーフパンツとも。最近ではクライミングパンツをショート丈にアレンジしたタイプや、水着の機能を備えていて水陸両用ではけるタイプも人気です。