夏のおしゃれは意外と難しい。Tシャツにジーンズ、半袖シャツにスラックス、という具合に服の数が減り、スタイリングの印象がマンネリ化しやすいからだ。そんなとき、重宝するアイテムが、存在感のある腕時計。特に大人が欲しいのは、毎日気兼ねなくガシガシ使えて、かつ合わせる服を選ばない“使える腕時計”だ。
2024年4月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000D-2JF」。公式サイト価格は84,700円(税込)
今回、紹介する「GMW-B5000D-2JF」はその好例と言える一本だ。ステンレススティールを用いたフルメタルシリーズにラインアップするこのニューモデルは、クールなシルバーメタリックのボディに映えるブルーダイヤルが夏の気分を盛り上げる。G-SHOCKが保証するタフさに加え、着こなしにおける汎用性も高く、スーツからビジカジ、休日カジュアルまでカバーするオールラウンダーなのだ。
伝統の角型フォルムもまた、「GMW-B5000D-2JF」の魅力のひとつ。角型フォルムと言えば、1983年にデビューした初号機「DW-5000C」があまりに有名だ。中空構造とウレタンカバーによるショック吸収性能を備えたこのモデルは当初、北米でデビューを果たした。アイスホッケーのパックとして使われるユニークなテレビCMが大きな話題を呼び、ブランドの知名度は一気に高まった。
「DW-5000C」「DW-5600」譲りの角型フォルムとくれば、G-SHOCKファンとしては安心感もひとしお
続いて1987年には「DW-5600C」が登場。このモデルは、大ヒット映画「スピード」に登場したことをきっかけに世界的に人気を博したことは、ファンなら常識として知っているだろう。つまり、「GMW-B5000D-2JF」は、G-SHOCKのオリジンにして、ファッションアイコンでもあるこの角型フォルムを受け継いだモデルなのだ。
ダイヤルのブルーは、ステンレススティールと質感と相まって、清涼感やクリーンなイメージを生み出している
それではデザインを見ていこう。ファーストインプレッションで目を引くのはダイヤルのブルー。これはガラス面にメタリックブルーの蒸着加工を施したもので、ソリッドなステンレススティール製のベゼルとケースを見事に調和させている。何よりシルバー×ブルーというクールな配色は夏にぴったりだ。さらに色数が2色と絞られているため、スタイリングに取り入れやすい。
ステンレススティールの硬質な質感と立体的なフォルムが高級感や上品さを演出
見慣れた角型フォルムのG-SHOCKも、フルメタルだと一段上の高級感が漂う。立体的に造形されたステンレススティール製のベゼルは、鍛造、切削、研磨といった手間のかかる加工が駆使された渾身のパーツ。仕上げも凝っており、天面はヘアライン、斜面はミラー研磨と、それぞれ異なった仕上げを施すことで質感を高めている。
細部までていねいに作り込まれた鍛造によるベゼルとケース
バンドピースの素材はステンレススティール製だが、デザインはおなじみの樹脂製バンド風に
バンドにはケースと同様にステンレススティールを採用。統一感が生まれることで上品な印象が強まり、スーツやジャケパンなどのビジネススタイルにも違和感なくマッチするのだ。バンド接続部には三本足構造を採用することで、連結パイプに加わる衝撃を分散。さらに、ファーストモデルの樹脂バンドのデザインを踏襲して、バンドピースにはディンプル加工を施している。
面構えは上品でも、G-SHOCKの生命線たるタフネスや機能性はもちろん健在だ。フルメタルによる耐衝撃構造を実現するべく、ベゼルとケースの間にはファインレジン製の緩衝材を実装。裏ブタには本格ダイバーズウォッチに備わっているスクリューバックを採用することで、機密性を高めている。
G-SHOCKの原点である耐衝撃構造をアップデート
カシオ独自のソーラー発電システムであるタフソーラーも心強い。これは蛍光灯の光でも発電するソーラーパネルと、電力消費の大きい機能を効率的に使用可能にする大容量二次電池との組み合わせによる駆動システムだ。ほかにも、世界6局に対応する標準電波を受信して時刻を自動的に修正する電波時計に加え、Bluetooth通信機能、ワールドタイム、ストップウォッチ、LEDバックライトなどスペックはばっちり。
端正な角型フォルムは、スーツやブレザーといったビジネススタイルと相性抜群
最後にファッションとの親和性をチェックしよう。たとえば、サックスブルーのオックスフォード生地のシャツと、ライトな仕立てのネイビーのニットジャケットに本モデルをコーディネートしてみる。夏のビジネスカジュアルにメタリックなシルバーが上品さを、そしてダイヤルのブルーが清涼感を吹き込む。すっきりとした端正な角型フォルムもビジネスシーンに似合う理由だ。
カジュアルとの相性もいい。フルメタルシリーズならではの存在感のあるデザインは、アメカジスタイルの腕元にも映える
カジュアルファッションの定番時計として不動の地位を築いた角型フォルムのG-SHOCK。ゆえに、カジュアルスタイルとの相性のよさは言わずもがな。霜降りグレーのTシャツにベージュのチノパンといったアメカジなスタイリングにもしっくりくる。ステンレススティールのケースが腕元で重厚な存在感を放ちつつ、ダイヤルのブルーがほどよい差し色効果を演出する。白T×ブルーデニムとの相性もよさそうだ。
価格はG-SHOCKとしては決して安くはない。だが、月曜日から日曜日まで1週間まるまる使えて、かつ幅広いシーンと着こなしにマッチする汎用性を考えれば、十分に元は取れるのではないか。高級感と清涼感を兼ねそなえたデザイン、G-SHOCKの本分たる機能性とタフネス、そしてファッションとの高い親和性。「GMW-B5000D-2JF」は大人のニーズを具現化した、この夏きっての“万能G”なのだ。
【SPEC】
カシオ「G-SHOCK GMW-B5000D-2JF」
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:ステンレススティール
●バンド材質:ステンレススティール
●ケースサイズ:49.3(縦)×43.2(横)×13.0(厚さ)mm
●重量:167g
●写真/坂下丈洋(BYTHEWAY)