新傑作ウォッチで令和を刻む

角形×オールブラックでカッコよさ倍増! オシアナスの新作は“愛したくなる”エッセンスでいっぱいだ

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連載第46回/カシオ「オシアナス クラシックライン OCW-T5000B-1AJF」

カシオ「オシアナス クラシックライン OCW-T5000B-1AJF」。スタンダードモデルで構成される「クラシックライン」の新作のひとつで、公式サイト価格は198,000円(税込)

カシオ「オシアナス クラシックライン OCW-T5000B-1AJF」。スタンダードモデルで構成される「クラシックライン」の新作のひとつで、公式サイト価格は198,000円(税込)

漆黒の背景にその姿を厳然と浮き上がらせたこちらは、カシオ「オシアナス」が2024年5月にリリースしたブラックチタンの角形モデルです。実を言えば、この「OCW-T5000B-1AJF」は、2022年に本連載で紹介した「OCW-T5000」シリーズのオールブラック・バージョンなのです。「オシアナスの時計と言うと丸型ケース」のイメージを打破する、同ブランド初の角形モデル「OCW-T5000」シリーズのデビューは、当時、カシオファンから衝撃的ニュースとして受け止められ、直線シルエットが醸すシャープさが加わった秀逸なデザインも相まって大いに話題に。本連載の記事も、多くの方々に興味をもってご覧いただきました。

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2022/01/06 09:00

と、そんな注目度の高いシリーズにこのほど、全身に黒をまとったことで、さらにカッコよくなった新バージョーンが登場したのですから、これはもう「紹介せねば!」との思いで、今回の“お題”として取り上げることにした次第です。

ロゴ&秒針の「オシアナスブルー」がブラックのフェイスに映える

「OCW-T5000B-1AJF」(以下、「T5000B」と略記)は、本連載で先に紹介している「OCW-T5000」の2モデル(ともに発売は2021年11月)のうち、とりわけ現在も定番展開されている「OCW-T5000-1AJF」に同じく、ブレスレット付きタイプです。この両者は同一モデルとあって、当然ながら機能は共通で、デザインもほぼ同じ。ただ、ケースやベゼル、ブレスレットなどのカラーが、「OCW-T5000-1AJF」ではカーバイド処理(※1)によるシルバーなのに対し、「T5000B」ではDLC処理(※2)で得られるブラック仕上げを採用しているのです。

ケースやベゼル、ブレスレットなどのブラックチタンが、光の射し込む角度や方角などにしたがって漆黒からライトグレーまで色調を移ろわせることで、この時計の印象を多彩なもの見せています

ケースやベゼル、ブレスレットなどのブラックチタンが、光の射し込む角度や方角などにしたがって漆黒からライトグレーまで色調を移ろわせることで、この時計の印象を多彩なもの見せています

フェイスについても、構成要素やそれらのレイアウトに変更はなく、エンボスでストライプパターンが施された文字板や斜体調のバーインデックスなども「OCW-T5000-1AJF」からしっかりと継承しており、3時位置にある大波がモチーフのブランドロゴ、および秒針のブランドカラー「オシアナスブルー」が、モノトーン主体のフェイスに絶妙なアクセントを添えている点も変わりありません。

ところで「OCW-T5000-1AJF」では、文字板外周の見返しリング(都市コードリングの役を担っています)にも「オシアナスブルー」が取り入れられているのですが、いっぽうで「T5000B」を見れば、この部分は文字板と同色です。これにより、本モデルではカジュアル感はやや控えめとなり、代わってドレッシーで落ち着きのある、より大人の表情に仕上がっています。

※1:炭化チタン薄膜を施す表面加工
※2:ダイヤモンドとグラファイトを結合させた炭素薄膜を施す表面加工

直線主体の意匠に優雅な曲線を添加して品ある佇まいを実現

「T5000B」を側面から見ますと、ベゼル、および両面反射防止コーティングが施されたサファイアガラスがわずかに湾曲していて、その流線がラグへと導かれていることに気づくでしょう。直線の複数構成からなる本モデル(リューズも角型です!)ですが、このようにさり気なく丸みを添加することで過度に硬い印象を回避している点も、実に巧みなデザインだと感心します。

ラグ→ガラス&ベゼル→ラグに至る一連のシルエットをゆるやかな流線にし、エレガントな横顔を表現

ラグ→ガラス&ベゼル→ラグに至る一連のシルエットをゆるやかな流線にし、エレガントな横顔を表現

ところで、本モデルには以下の機能が搭載されています。

・ソーラー充電システム「タフソーラー」
・標準電波受信による時刻自動修正
・Bluetooth通信によるスマートフォンとのモバイルリンク機能
・デュアルタイム表示対応のワールドタイム
・ストップウォッチ
・10気圧防水

これだけさまざまな機能が搭載されているにもかかわらず、ケース厚が10.4mmに抑えられていることから、カシオがケースの小型化を図るべく、十八番にしている高密度実装技術を駆使しつつ、内部部品の小型化にいっそう努めたことがうかがえます。

機能&表示が集中する多針系ながら、すっきりとしたお顔

各インダイヤルを文字板のストライプに溶け込ませることで、パッと見て、ごくシンプルなフェイスに!

各インダイヤルを文字板のストライプに溶け込ませることで、パッと見て、ごくシンプルなフェイスに!

以上のように、多彩な先端機能を凝縮した多機能ウォッチの「T5000B」ですが、意外にもフェイスはそれを感じさせないシンプルなデザイン。というのも、各インダイヤルの外周リングが廃されたデザインゆえに、それらが文字板のストライプ柄に溶け込んで存在感が薄められているから。また、ワールドタイムに対応する世界27都市+UTC(協定世界時)の各コードがベゼルではなく、文字板外周の見返しにごく控えめに配置されていることも、この時計のすっきり顔に貢献していると思うのです。

モバイルリンク機能についても触れておきましょう。これはBluetoothを介して愛用のスマートフォンとリンクさせることで、アプリ上で、標準装備の時刻修正やワールドタイムといった機能の拡張化が図れるほか、時計ステータス表示やスマホ検索といった機能も利用できるというもの。たとえば、ワールドタイムでは世界27都市・38タイムゾーンがデフォルトのところ、モバイルリンク機能を利用することで約300都市からの設定が可能になる、という具合です。

DLC処理がもたらす高耐傷性、滑らかさ、そして深みのある黒

手首に沿ったラグの形状に、ピッチ狭めのブレスコマがあいまって装着感は上々です

手首に沿ったラグの形状に、ピッチ狭めのブレスコマがあいまって装着感は上々です

このモデルに標準装備されているブレスレットは、ケースやベゼルなどと同じチタン製です。しかも各ブレスコマは、この「OCW-T5000」シリーズのために開発されたチタン無垢の削り出しであり、しかも、その表面にDLC処理を施すことで、すこぶる高い硬度や耐腐食性を付与。同時に、滑らかなタッチ感と深みあるブラックカラーを醸し出しています。なお、留め具には、特殊工具を使わずに長さを微調整できるスライドアジャスト機構付きのワンプッシュ三つ折れ式中留を採用しています。

装着すればカッコよさがマシマシになる時計!

オールブラックの角形モデルである「T5000B」。これを腕に装着したとき、はたしてどんな見栄えになるのかは、やはり気になるところでしょう。ということで、試着です。本モデルはスーツからカジュアルまでオン/オフ問わず、さまざまなスタイルにマッチする、コーディネートの汎用性が高い時計なのですが、カシオによると、このシリーズは昨今の働き方やビジネススタイルを意識して開発されたものとのことなので、ここではビジカジの着こなしに合わせてみました。

存在感は申し分なく、しかし悪目立ちすることなく、粋でスマートな手元が演出できます

存在感は申し分なく、しかし悪目立ちすることなく、粋でスマートな手元が演出できます

こうして装着しますと、直線主体のフォルムにオールブラックが相まって、キリッと引き締まったスマート、かつ小粋な手元に仕上がったことがわかります。濃紺のジャケットとの相性は上々で、ブランドロゴ&秒針の「オシアナスブルー」がブルーのシャツとともに清潔感ある差し色になって、実に好印象なコーディネートに仕上がりました! 

クロノグラフとして見れば、ケース幅38.2mmは標準的なサイズなのでしょうが、ケースに角がある分、少し大きめにも感じました。とはいえ、厚みが10.4mmとあってシャツの袖口に干渉せず、ゆえに腕の動きに響くことはなく、ほどよいカーブ形状のラグや、コマのピッチが短く設計されたブレスレットの採用もあって着け心地は快適。これならストレスなく使用できそうです。

【まとめ】 角形×オールブラックは、実はその存在がレア!

本稿の冒頭で述べたとおり、「オシアナス」としては異例の角形モデルからなる「OCW-T5000」シリーズに登場した、このオールブラックを目にし、「これは今までにも増してカッコいいぞ!」との印象を抱いたことから、本連載で取り上げたわけですが、こうして検証してみますと、第一印象のとおり、「大変魅力的なモデルであるな」と改めて実感しました。

そもそも角形ウォッチを愛用しているというだけで、特別なこだわりを人に印象付けられるもの。しかも本モデルでは、そこにオールブラックが組み合わされているのですから、これはもう、手元の自己主張はMAX! 粋を心得る洒落者を気取れること請け合いです。また、考えてみれば“角形でオールブラック”の時計は、実はほかのブランドにもそうそうなく、これにデイリーでガシガシ使い倒せる実用性が備わっているのですから、「T5000B」はその存在自体がレアだとも言えるのです。

2022年公開の記事では、その結尾部分で「OCW-T5000」シリーズを「これまで角型ウォッチに触手を伸ばさずにいた“角型ビギナー”におすすめできる時計だ」と述べましたが、これは「T5000B」についても変わりはありません。が、上記のとおり、こだわり尽くしの小粋な時計をお求めの人、おしゃれな手元を主張したい人、レアな実用時計をお探しの人にも、この時計をぜひ推挙したいと思う次第です。

●写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

【SPEC】
カシオ「オシアナス クラシックライン OCW-T5000B-1AJF」

●駆動方式:クォーツ
●電源:ソーラー充電システム「タフソーラー」
●防水性能:10気圧
●ケース・ベゼル材質:チタン(DLCコーティング)
●ガラス:サファイアガラス(両面反射防止コーティング)
●ケース幅:38.2mm
●ケース厚:10.4mm
●バンド材質:チタン(DLCコーティング)
●主な機能:バッテリーインジケーター表示、パワーセービング、世界6局標準電波受信による時刻自動修正マルチバンド6、ワールドタイム世界27都市(38タイムゾーン、サマータイム自動設定機能付き)、フルオートカレンダー、日付・曜日、ストップウォッチ、「ネオブライト」など
●モバイルリンク機能:Bluetooth通信による機能連動
●対応アプリ:「CASIO WATCHES」

山田純貴
Writer
山田純貴
1980年代より、編集プロダクションの社員として某通販大手のカタログ編集にたずさわり、後に会員制月刊誌の編集主任を務める。1992年に同業者と共同で編集プロダクションを立ち上げ、主に時計、靴、鞄、革小物などモノ情報関連のさまざまな雑誌、ムック、単行本、機関紙などの企画・編集・取材・執筆を手がけた。1998年に独立し、フリーランスとなって現在に至る。
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金原望弥(編集部)
Editor
金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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