夜、照明の暗い静かなバーで。黒いジャケットから覗くレインボーカラーのベゼルが艶っぽい雰囲気を醸し出す
年末に向けて、パーティーに出席する機会も増えることだろう。そんなとき、会場がシックな店なら、いつもとひと味違う艶っぽいカジュアルスタイルで出かけたいところだ。ただ問題は、そうした装いにしっくりくる腕時計がないこと……。ならば、2024年11月29日発売予定のG-SHOCK「MTG-B2000YST-1AJR」はいかがだろう?
「メタルと樹脂の融合」をテーマにした上位シリーズ「MT-G」に新たにラインアップされたモデルの最大の特徴は、レインボーベゼル。嵐が迫る空をイメージしたグラデーションIPベゼルの輝きが、装いに大人の色気を添えるのだ。夜の街にこれほど映えるG-SHOCKが今までにあっただろうか。
本作を見た瞬間、目を奪われるパーツは、何と言ってもベゼルだろう。グラデーションを描くレインボーカラーは、多角形のステンレスベゼルの上半分をブルーIPで処理し、さらに下半分をシルバーIP処理で着色している。
このベゼルは、本作のテーマである「ストームチェイサー(嵐の追跡者)」にちなむ。ストームチェイサーとは、竜巻や雹(ひょう)、雷などの気象現象を追いかけて観測や撮影を行うプロフェッショナルのこと。穏やかな晴天から雷や竜巻が起こる嵐の空へ、短時間で急変する気象現象がこの時計に表現されているのだ。
8時位置のインダイヤルリングは新開発の蒸着色によって鮮やかなブルーに彩られている
圧倒的な存在感の理由は、ベゼルの形状にも隠されている。本作のベゼルフレームは、カーボンとグラスファイバーのシートを重ね合わせつつ、複雑な形状に削り出したもの。ブラックとマルチカラーの積層デザインが、黒雲が立ち上る空模様を思わせる。
ケース側面も迫力十分。ホワイトのレイヤー層に施された蓄光処理は雷のような一筋の光をイメージさせる
独創的なデザインコンセプトはバンドにも透徹されている。しなやかで耐久性にすぐれたソフトウレタン素材のバンドは、異なる色の樹脂を混ぜ合わせて成形することにより、スーパーセルやダウンバースト、黒雲、突風、竜巻といった気象が表現されている。
おなじみのソフトウレタン素材のバンドも、このモデルは特別仕様に
G-SHOCKの生命線であるタフさも一級品だ。「MT-G」独自のデュアルガード構造によって、耐衝撃構造・耐遠心重力性能・耐振構造を実現する「トリプルGレジスト」に対応する。加えて、カーボンファイバー強化樹脂製のモノコックケースをベゼルとフレームの連結構造内に配置することで、強度と機密性、軽量性をブラッシュアップした。
メタルコアガード構造とカーボンコアガード構造を融合したデュアルガード構造がG-SHOCKのタフネスを担保する
では、スタイリングにおける汎用性はどうか? 結論としては、着こなしに「合わせやすい」というよりも、「映える」といった表現がふさわしい。
たとえば、黒いジャケットをメインにしたドレスカジュアルに着用。すると、グラデーションを描くレインボーベゼルが、ブラックコーデに映え、えもいわれぬ華やかさを放つ。もちろん、スウェットやリジッドデニムなどのベーシックなカジュアルのアクセントとしても好適。本作は着こなしにおける高い汎用性をも備えたG-SHOCKなのだ。
ベルベット風の起毛を持つ黒いジャケットに、ツヤのある黒いTシャツ……こうしたナイトシーンを意識した大人カジュアルとの相性が抜群にいい
竜巻などの悪天候を追跡し、記録やデータ収集を行うプロフェッショナルをテーマに、過酷なミッションを支えるタフネスを実現した本作。ラギッドな背景とは裏腹に、そのレインボーベゼルをはじめとした個性的なデザインは、上品な色気を放ち、夜のパーティーやバーといったシーンにも似合う。
その匠の技を感じさせるカラーリングを目にし、高級感あふれるディテールに触れ、さらに高い汎用性を実感すれば、18万円台(公式サイト価格)というプライスにも十分納得できるだろう。夜の街に映えるおしゃれの切り札が欲しい。そんな大人に打ってつけのG-SHOCKだ。
G-SHOCKの上位シリーズである「MT-G」ならではの高級感も、夜のシーンに映える所以だ
【SPEC】
カシオ「G-SHOCK MTG-B2000YST-1AJR」
187,000円(税込/公式サイト価格)
ガラス:内面反射防止コーティングサファイアガラス
防水性:20気圧防水
ケース・ベゼル材質:樹脂とステンレススチール
バンド材質:樹脂
ケースサイズ:49.8(横)×55.1(縦)×15.9(厚さ)mm
重量:104g
写真/坂下丈洋(BYTHEWAY)