新傑作ウォッチで令和を刻む

機能てんこ盛りで約1万円! 4面液晶のチープカシオ新作でおしゃれ度UPを狙え

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4面液晶のチープカシオ新作をレビュー

時計の楽しみ方に、かくあらねばならないというものはありません。ラグジュアリーブランドの製品や超複雑機構の機械式ももちろん魅力的ですが、リーズナブルな時計を気後れなくデイリー使いし、また、そうしたお手頃時計を集めて楽しむことも正しい"時計道”だと思うのです。

巷で言われる「チープカシオ」、略して「チプカシ」は肩を張らずに時計に親しみたいという、そんな人たちに熱く支持されている、カシオのローエンドウォッチの一群です。今回取り上げる「A130」は、その「チプカシ」の一翼を担っている「カシオクラシック」から、さる2025年2月7日に登場した新シリーズ。現状、同スペックの4モデルで展開中ですが、ここではそのうちの2モデルを例に、廉価ながらも決してあなどれない、その実力ぶりについて検証していきます。

「カシオクラシック」の最新シリーズ「A130」。オクタゴン(八角形)ベゼル&ケースと、液晶ディスプレイ4面構成のフェイスは1980年代を彷彿させます。今回はスタンダードカラーの「A130WE-1AJF」(写真左)と全身にゴールドをまとった「A130WEG-9AJF」(写真右)をピックアップ。公式サイト価格は「A130WE-1AJF」が8,800円(税込)、「A130WEG-9AJF」が11,000円(税込)

「カシオクラシック」の最新シリーズ「A130」。オクタゴン(八角形)ベゼル&ケースと、液晶ディスプレイ4面構成のフェイスは1980年代を彷彿させます。今回はスタンダードカラーの「A130WE-1AJF」(写真左)と全身にゴールドをまとった「A130WEG-9AJF」(写真右)をピックアップ。公式サイト価格は「A130WE-1AJF」が8,800円(税込)、「A130WEG-9AJF」が11,000円(税込)

1980年代を想起させるレトロフューチャーなカシオクラシック「A130」

「カシオクラシック」は長年、愛され続けてきたカシオの伝統的デザインを現代風に再解釈し、そこに現代の技術を融合させた時計で構成されるコレクション。いずれのモデルも、ビジネスからカジュアルまで幅広いシーンで活躍するデザイン性とデイリーで使いやすい機能性を備えています。耐久性と信頼性の高さもあって多くのカシオファンから愛されているのです。

同ブランドにはさまざまなモデルが存在しますが、この「A130」はオクタゴンケースに4つのプッシュボタンを備え、グラフィックな2面を含む計4面の液晶ディスプレイで構成される複雑顔が印象的な、シャープかつスマートなモデル。デジタルウォッチが世を席巻していた1980年代を想起させるレトロフューチャーな姿に、きっと古くからの時計ファンは既視感を覚えるはずです。いっぽうで、若い層の目にはとても新鮮に映ることでしょう。

4面液晶ディスプレイ、直線主体のオクタゴンシェイプ、メタリックなカラーリングの三位一体デザインが新鮮です

4面液晶ディスプレイ、直線主体のオクタゴンシェイプ、メタリックなカラーリングの三位一体デザインが新鮮です

「A130」発表時のニュースリリースには「1980年代に人気を博したガジェットライクなデザインを現代風にアレンジ」との文言が記載されていました。つまり、このモデルが1980年代に展開したデジタルウォッチのデザインを今に継ぐものとして開発されたことは明らか。ちなみに「ガジェット(gadget)」とは、英語で「気のきいた小道具や装置」のこと。ここからもわかるとおり、ローエンドモデルながらも、「A130」には多彩なユースフル機能が備わっています。ということで以下、簡単ではありますが、その少々複雑なフェイスを見ながら、それら機能について確認しておきます。

お手頃モデルながら、日常で役立つ機能が満載

本モデルが搭載するモジュール「3571」には以下、計5つのモードが備わっています。

【1】あらかじめ選択した4都市の時刻(タイム1〜4)を切り替えて確認できる時刻モード(マルチタイム)
【2】31タイムゾーン(48都市)の時刻に対応するワールドタイム
【3】同時に5本のアラームが設定可能なアラーム・時報
【4】1/10秒単位で減算計測するタイマー
【5】スプリットタイム計測も可能な1/100秒ストップウォッチ

8時位置のボタンで上記のモード切り替えが可能です。ちなみに4時位置には表示切り替え用、10時位置には調整用、2時位置にはLEDライト点灯用のボタンが備わっていますが、それら使い方の詳細はここでは割愛します。

ワールドタイムやアラームなどデイリーの折々で重宝する5つのモードを搭載。写真は時刻モードの状態

ワールドタイムやアラームなどデイリーの折々で重宝する5つのモードを搭載。写真は時刻モードの状態

フェイス左上の液晶アナログディスプレイは常に「タイム1」の時・分・秒を表示。したがって、たとえば「タイム1」を日本時間に設定しておけば、どのモードに切り替えても、このディスプレイで今の時刻が確認できるわけです。また、右上のグラフィックディスプレイは秒カウンターで、時刻、ワールドタイム、タイマーの各モードにおいて1秒単位で点滅。その下にあるフルオートカレンダーディスプレイでは月・日・曜が確認できるほか、都市コードやモード名などもここに表示されます。

一番下に配置されているのはタイムディスプレイで、時刻モードとワールドタイムモードでは時・分・秒を、アラーム・時報モードとタイマーモードでは設定値などを、ストップウォッチモードでは各種計測値を表示します。なお、その下に記された「DST」はDaylight Saving Timeの略、すなわちサマータイムマークで、夏時間表示がオンのときにこれが点灯します。「ALM」はアラームマーク、「SIG」は時報マークで、ともにオン状態で点灯。いっぽう「MUTE」マークは操作音オフ状態で点灯する仕様です。

夜間の視認性においても怠りはありません。表示面の照明としてLEDバックライトが搭載されていて、右上のボタンを押すことで明るく点灯。アンバーの発光色も見やすく、漆黒の環境下でも時刻などがしっかりと確認できます。なお、残照機能が併載されており、残照時間を約1.5秒と約3秒のどちらかに切り替えが可能です。

LEDバックライトは目にやさしく、かつ視認性のよいやわらか発色のアンバーカラーが採用されています

LEDバックライトは目にやさしく、かつ視認性のよいやわらか発色のアンバーカラーが採用されています

バンド長を自在に微調整できるフリー式バックルがうれしい

バンドはケースやベゼルの直線的デザインにならいつつ、オクタゴンケースのアウトラインを継ぐかのようなシルエットを見せるシンプルな単連タイプ。ステンレススチール製ですが、しなやかでとても軽量です。ちなみに「A130WE-1AJF」のバンドは無垢仕上げですが、「A130WEG-9AJF」はケースやベゼルなどとマッチングカラーとなるゴールドカラーのメッキが施されています。

バックルには、上板の上ブタを開け、1対の掛け爪を下板のシャフトに引っ掛けることで腕に装着できるシンプル構造のフリー式中留めを採用。自由に長さ調整ができるので、自分の手首にジャストフィットします。また、三つ折れ式などとは違い、両板を外すと、ピンバックル付きの革バンドなどと同様にバンドがフラットになるので、デスクなどに文字板を上向きにした状態で置けます。

フリー式バックルの上ブタを開けた様子。バンド長の調整は、上板内の角形小穴にマイナスドライバーの先端を差し込んで持ち上げると圧板が跳ね上がり、上板が前後に移動可能に。ここで好みの位置を決めたら、圧板と上板を閉じて装着完了!

フリー式バックルの上ブタを開けた様子。バンド長の調整は、上板内の角形小穴にマイナスドライバーの先端を差し込んで持ち上げると圧板が跳ね上がり、上板が前後に移動可能に。ここで好みの位置を決めたら、圧板と上板を閉じて装着完了!

オフならカジュアル全方位に、オンならビジカジに似合う

では、ここで気になる試着です。「A130WE-1AJF」と「A130WEG-9AJF」は雰囲気がだいぶ異なるので、今回は両モデルをフィッティング。袖元は春を意識したカジュアルとし、両モデルが比較できるよう、同じトレーナーを使用しました。

まずは「A130WE-1AJF」から。ケースやベゼル、バンドなどのステンレスカラーにフェイスのブラックがハイコントラストを成し、直線的シルエットも相まってスマートでラギッドな手元に仕上がりました。また、黒顔が強調されたデザインだからでしょうか、「A130WEG-9AJF」を含むほかの3モデルに比して、よりガジェット感が強い印象を受けました。

「A130WE-1AJF」では、直線が多用されたシェイプにブラックフェイスが相まってキリッと引き締まった手元に

「A130WE-1AJF」では、直線が多用されたシェイプにブラックフェイスが相まってキリッと引き締まった手元に

かたや「A130WEG-9AJF」はオールゴールドモデルとあって、クラシカルな佇まい。しかも、装着するとほどよくセクシーな大人の袖元ができあがりました。とはいえ、過剰さはなく、デイリー使いにまったく違和感のない抑制された華やぎに好感が持てるのです。

全身ゴールドの「A130WEG-9AJF」は、よりセクシーな雰囲気。ちょっと大人の手元に仕上がります

全身ゴールドの「A130WEG-9AJF」は、よりセクシーな雰囲気。ちょっと大人の手元に仕上がります

両モデルともにワークからキレイめまで、カジュアルを全方位でカバーしてくれること請け合いで、オン使いでもビジカジと相性抜群。それどころか、スーツスタイルにも合いそうです。ただし、その場合は“おやじっぽく”ならぬよう、注意したいところ。シャープなデザインの時計なので、可能なら細身のスーツに合わせて格好よくキメたいものです。

カシオ「カシオクラシック A130WE-1AJF」

清涼ブルー液晶モデルとガンメタモデルもラインアップ

ここまでは「A130WE-1AJF」と「A130WEG-9AJF」の2モデルを紹介してきましたが、「A130」には、ほかにオールシルバーカラーの「A130WE-7AJF」とガンメタカラーの「A130WEGG-1AJF」が存在しています。ともにカラーリングが秀逸な個性派モデルですので、簡単ではありますが、ここでそれらについても解説したいと思います。

シルバーの「A130WE-7AJF」は上品でやさしい佇まい

フェイスに、ステンレス無垢のケースやベゼル、バンドなどとマッチングカラーのシルバーカラーが採用された「A130WE-7AJF」は、精悍な黒顔「A130WE-1AJF」とは対照的な、上品でやさしい佇まいが特徴です。しかも、ディスプレイにブルー液晶が採用されているので、その表情はすがすがしく、春夏にふさわしい一本になっています。

ブルー液晶×シルバーフェイスがエレガンスを醸し出す「A130WE-7AJF」。公式サイト価格は8,800円(税込)

ブルー液晶×シルバーフェイスがエレガンスを醸し出す「A130WE-7AJF」。公式サイト価格は8,800円(税込)

カシオ「カシオクラシック A130WE-7AJF」

ラギッドでアクティブな印象の「A130WEGG-1AJF」

「A130WE-1AJF」と同様のブラックフェイスながら、この「A130WEGG-1AJF」ではケースやベゼル、バンドなどがガンメタカラーであるため、さらにラギッドでアクティブな姿に仕上がりに。また、そこにオレンジカラーの液晶ディスプレイが効果的な差し色となり、そのコントラストがなかなかに絶妙。ミリタリーやアウトドアといったカジュアルにもよく似合いそうなモデルです。

「A130WEGG-1AJF」はオレンジカラー液晶採用のガンメタモデル。公式サイト価格は11,000円(税込)

「A130WEGG-1AJF」はオレンジカラー液晶採用のガンメタモデル。公式サイト価格は11,000円(税込)

カシオ「カシオクラシック A130WEGG-1AJF」

【まとめ】 リーズナブル時計ながら、使うほどに愛着が増していく

プライスは4モデルのうちの2モデルがアンダー1万円で、ほかの2モデルも1万円ちょっとという超リーズナブルな設定。高額モデルで実感できる風格や存在感を望むことはできませんが、とはいえ、興ざめするようなチープさはなく、実用的であり、使用すれば満足感も得られて、やがては愛着が増していく……。そんな“絶妙なあんばい”こそが、この「A130」の真骨頂と言えるでしょう。

【SPEC】
カシオ「カシオクラシック A130」
※4モデル(「A130WE-1AJF」「A130WE-7AJF」「A130WEG-9AJF」「A130WEGG-1AJF」)すべて共通
●駆動方式:クォーツ
●時間表示:12/24時間制表示切り替え可
●カレンダー:フルオート
●マルチタイム:異なる4都市を登録し、表示切り替え&都市入れ替え可
●ワールドタイム:世界48都市(31タイムゾーン、サマータイム設定機能付き)+UTC時刻表示、ホームタイムの都市入れ替え可
●アラーム:5本(ワンタイムアラーム/デイリーアラーム切り替え可)、時報
●タイマー:セット単位1秒、最大セット24時間、1/10秒単位で計測可
●ストップウォッチ:1/100秒、24時間計、スプリット付き
●ライト:LEDバックライト(残照時間1.5秒/3秒の切り替え可。発光色アンバー)
●操作音:オン/オフ切り替え機能
●防水性能:日常生活防水
●ケース&ベゼル材質:樹脂
●ケースサイズ:33.9(幅)×40.5(縦)×9(厚さ)mm
●ガラス素材:樹脂
●バンド材質:ステンレススチール ※「A130WEG-9AJF」はゴールドIP表面加工、「A130WEGG-1AJF」はブラックIP表面加工
●バックル:フリー式中留め
●質量:54g

写真/坂下丈洋(BYTHEWAY)

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山田純貴
Writer
山田純貴
1980年代より、編集プロダクションの社員として某通販大手のカタログ編集にたずさわり、後に会員制月刊誌の編集主任を務める。1992年に同業者と共同で編集プロダクションを立ち上げ、主に時計、靴、鞄、革小物などモノ情報関連のさまざまな雑誌、ムック、単行本、機関紙などの企画・編集・取材・執筆を手がけた。1998年に独立し、フリーランスとなって現在に至る。
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金原望弥(編集部)
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金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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  • カシオ
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