新傑作ウォッチで令和を刻む

暗闇で浮かび上がる! カシオ初の蓄光LCDを搭載した「プロトレック」の実力レビュー

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暗闇で浮かび上がる! カシオ初の蓄光LCDを搭載した「プロトレック」の実力レビュー

今回はカシオが誇るウォッチブランド「プロトレック」から新たに発売された「クライマーライン PRW-35LD-5JF」(以下、「PRW-35LD」)を取り上げます。

このモデルのトピックは「ケース、裏ブタ、バンドが環境に配慮したバイオマスプラスチック製であること」と、「デジタル表示にきわめて短時間でエネルギーを蓄え、長時間発光し続ける、カシオ初の蓄光LCDが搭載されていること」の2点です。これを踏まえたうえで、もっか最注目のアウトドアウォッチ「PRW-35LD」について深掘りしていきましょう!

新作「プロトレック」の装着感&使用感はコンフォタブル、採用素材はエコロジカル

「PRW-35LD」がカテゴライズされる「クライマーライン」は、その名のとおり、クライミングやトレッキング、ハイキングなどのアクティビティーに対応するモデルで構成されています。と、聞くと大ぶりで無骨な姿をイメージしますが、本モデルは比較的コンパクトであり、プレーンなデザインも相まって手首の動きを妨げず、袖口に干渉しにくい着け心地がコンフォタブルな時計です。

アウトドアウォッチながら、コンパクトなサイズ感とスッキリとフラットな形状で、シャツの袖口に響きません

アウトドアウォッチながら、コンパクトなサイズ感とスッキリとフラットな形状で、シャツの袖口に響きません

いっぽう、ケースサイドのダイレクトボタン(各種計測をワンプッシュで行えるボタン)は大ぶりで押しやすく、しかも、グローブを着用した状態でも確実に操作できるよう、そのトップ面に滑り止めのローレットが刻まれているのがユニーク。「PRW-35LD」のデザインは装着性に加え、操作性においてもコンフォートが追求されています。

各ボタンには綾目ローレットが施されています

各ボタンには綾目ローレットが施されています

ところで前述のとおり、本モデルには近年、環境にやさしい素材として注目されているバイオマスプラスチックが使われています。農作物や食品の廃棄物、間伐材など動植物に由来する有機資源が原料で、生分解性が高い再生可能な樹脂です。従来の石油などから作られてきたプラスチックに代え、バイオマスプラスチックを活用することで環境負荷低減効果が期待されます。

「PRW-35LD」ではケースや裏ブタ、バンドに、このエコロジカルなバイオマスプラスチックを採用したことで、自然環境に親しむ人々の手元にふさわしい時計に仕上がっています。また、着用時に肌に直接触れる部分がこの素材のため、金属アレルギーでお悩みの人も安心して使用できます。

カシオ初導入の最先端LCDが短時間で蓄光&長時間発光

次に、もうひとつのトピックである蓄光LCDについて。LCDとは「Liquid Crystal Display」の略で、すなわち液晶ディスプレイのこと。カシオで初めて搭載されることとなったこの蓄光LCDは、デジタル表示下面に蓄光シートが配されており、これが暗所でグリーンの淡い光を放つのです。

しかも、「PRW-35LD」の蓄光LCDは、たとえば登山用ヘッドライト(200ルーメン)で光を蓄えられ、約5cmの位置から1分程度の照射で、なんと最大約1時間発光が持続するというすぐれモノ! つまり、十分な光源がない場合でもきわめて短時間で蓄光できるため、アウトドアにおいても、日常においても、これは大助かりのスペックと言えるのです。

視認性がよく、目にやさしいグリーン発光の蓄光LCDが、昼間とはひと味違う夜の表情を醸します

視認性がよく、目にやさしいグリーン発光の蓄光LCDが、昼間とはひと味違う夜の表情を醸します

蓄光LCDに加え、「PRW-35LD」にはスーパーイルミネーターも備わっています。これは、高輝度で点灯させることで時間などの各種データを確実に読み取ることを可能にするLEDライト。6時位置にあるボタンの操作により、文字板全体を明るく照らし出せるうえ、本モデルでは併載の「フルオートライト」機能をオンにしておくと、時計を40度以上傾けるだけで、LEDライトを点灯させられます。

スーパーイルミネーターの発光は白色系。その高い輝度も相まって、フェイスは蓄光LCDとも異なる表情に

スーパーイルミネーターの発光は白色系。その高い輝度も相まって、フェイスは蓄光LCDとも異なる表情に

「プロトレック」のお約束機能もしっかり搭載

本モデルは「タフソーラー」で駆動する時計です。これは太陽光や蛍光灯などの光を動力に変え、各機能を安定的に駆動させる、カシオ独自のソーラー充電システムです。

「プロトレック」ファンにはおなじみの「マルチバンド6」電波ソーラーも装備。マルチバンドとは、無線機が複数の周波数帯域に対応する状態のことで、カシオの「マルチバンド6」においては、世界6局の標準電波を受信し、自動的に時刻を修正(夜間に最大6回)する機能のことをさします。

また、カシオによって世界で初めて腕時計に搭載された「トリプルセンサー」は、方位、気圧&高度、温度を計測する革新的機能。磁気センサーで自分がいる位置を確認でき、圧力センサーで高度や天候の変化がわかり、現在地のみならず目的地の天候予測もできるというもので、「PRW-35LD」を含む「プロトレック」のほとんどの機種に標準装備されています。

写真は「トリプルセンサー」のうち、高度計測モードの表示例。高度データは気圧の変化量を計測し、そこから算出されるもので、中段が現在地の高度、上段は高度傾向グラフです(下段は現在時刻)

写真は「トリプルセンサー」のうち、高度計測モードの表示例。高度データは気圧の変化量を計測し、そこから算出されるもので、中段が現在地の高度、上段は高度傾向グラフです(下段は現在時刻)

バイオマスプラスチック製バンドがソフトに手になじむ

「PRW-35LD」に標準装備されているバンドは、強さとともに、しなやかさもあわせ持つソフトウレタン製。したがって使い始めからフィット感は上々で、ストレスのない装着感が得られるほか、使用後はクロスやペーパーなどで汗を拭き取るだけでOKです。

また、ソフトウレタンバンドはケースや裏ブタと同様、自然環境下での使用にふさわしいバイオマスプラスチックで作られています。しかも、そうしたアウトドアシーンと相性ピッタリなダークコヨーテカラーであるのも◎。さまざまな色のコーディネートと相性がよく、カジュアルのみならずビジカジの手元にも違和感なく合いそうです。

バンドはバイオマスプラスチックから作られたソフトウレタン製。ダークコヨーテカラーが小粋です

バンドはバイオマスプラスチックから作られたソフトウレタン製。ダークコヨーテカラーが小粋です

昼と夜で印象が大きく異なる「プロトレック」

では、ここで試着といきましょう。「PRW-35LD」は昼と夜で印象が大きく変わります。

昼間はブラックカラー×バンドのダークコヨーテカラーのコンビネーションがシックで、落ち着きある大人の雰囲気です。その存在感は十分で、それでいて悪目立ちなどせず、「これならさまざまなスタイルと調和しそう」との感想を持ちました。

力強さと品のよさをあわせ持つ「PRW-35LD」。落ち着きあるカラーリングもあって、コーディネートの守備範囲は広そうです

力強さと品のよさをあわせ持つ「PRW-35LD」。落ち着きあるカラーリングもあって、コーディネートの守備範囲は広そうです

いっぽう、暮れどきは蓄光LCDのグリーン発光が美しく、かつミステリアスな印象。日中に見る「PRW-35LD」とは大きく異なる表情が楽しめます。

暗い空間にフェイスをほのかに浮き上がらせる夜の「PRW-35LD」には、神秘性が宿ります

暗い空間にフェイスをほのかに浮き上がらせる夜の「PRW-35LD」には、神秘性が宿ります

ちょっぴりプレシャスなチタンバンドモデルも選択肢に加えてみては?

ここで「PRW-35LD」と同時発売された兄弟モデル「PRW-35TLD-7JF」(以下、「PRW-35TLD」)についても触れておきましょう。「PRW-35TLD」はブレスレット付きモデルで、ブレスレットとベゼルともにシルバーカラー、これらに合わせてケースカラーはライトグレー。というように「PRW-35LD」に比し、グッと明るい外見に仕上がっています。

「プロトレック クライマーライン PRW-35TLD-7JF」はビジネススタイルにもマッチ

「プロトレック クライマーライン PRW-35TLD-7JF」はビジネススタイルにもマッチ

ブレスレットはチタン無垢で、ベゼルはステンレススチール製ですが、ともに、表面に高摩耗性や高耐腐食性、抗アレルギー性、美しい発色などが得られる被膜加工処理のチタンカーバイトが施されています。また、ケースがバイオマスプラスチック製であるのは「PRW-35LD」と同じですが、「PRW-35TLD」では、その素材にバイオマス塗料が使われている点も注目ポイントです。

さらにガラス材質は、「PRW-35LD」が無機ガラスであるのに対し、「PRW-35TLD」には傷に強く、透明度が高い内面反射防止コーティングサファイアガラスを採用。各機能は両モデルともまったく同じなのですが、「PRW-35TLD」にはワンランク上の素材&デザインが取り入れられているわけです。

【まとめ】 本格派なのに価格お手頃! カシオ「プロトレック」の新作は買って損なしの傑作時計だ

夜間のアウトドアアクティビティーで、手元の時計が見づらい思いをしたことのあるアウトドア派は少なくないでしょう。人工的な灯りに頼れない環境下では夜光機能は必須ですから、そこに重きを置いて開発された蓄光LCD×スーパーイルミネーター併載の「PRW-35LD」は、きわめて実用性の高いモデルなのです。そのうえでさまざまなカジュアルやビジカジとも相性のいいデザインとあって、普段用としても有効。費用対効果の高い時計なのです。

また、プロのクライマーたちが時計に求めるであろう機能性、耐久性、使い勝手、デザインのすべてを備える本格スペックでありながら価格は誠にお手頃とあって、低山ハイカーやキャンプビギナーの最初のアウトドアウォッチとしても最適な一本と言えるでしょう!

蓄光LCDでフェイスが浮かび上がる「プロトレック クライマーライン PRW-35LD-5JF」

蓄光LCDでフェイスが浮かび上がる「プロトレック クライマーライン PRW-35LD-5JF」

【SPEC】
カシオ「プロトレック クライマーライン PRW-35LD-5JF」

●駆動源:ソーラー充電システム「タフソーラー」
●駆動時間:フル充電時からソーラー発電なしの状態で約7か月 ※パワーセービング状態で約23か月
●バッテリー表示/警告:インジケーター表示
●パワーセービング機能:あり
●防水性能:10気圧
●耐低温性能:-10度
●12/24時間制表示:切り替え可
●カレンダー:フルオート
●時刻修正機能:電波時計(日本・北米・ヨーロッパ・中国地域対応マルチバンド6)
●電波受信機能:自動受信、手動受信付き
●ワールドタイム:世界48都市(31タイムゾーン、サマータイム設定機能付き)+UTC時刻表示
●日の出・日の入り時刻表示:あり
●アラーム:時刻アラーム5本(1本のみスヌーズ機能付き)、時報
●タイマー:セット単位1分
●ストップウォッチ:1/10秒、1000時間計、スプリット付き
●センサー機能:方位計測(方位角、東西南北のグラフィック表示、方位連続計測など)、気圧計測(気圧傾向グラフ、気圧差インジケーターなど)、高度計測(相対高度、高度差、高度傾向グラフ、登山記録データ14本など)、温度計測
●夜光:蓄光性、LCD
●照明:LEDホワイトバックライト(フルオートライト、スーパーイルミネーター、残照機能など)
●ケース&ベゼル材質:樹脂(バイオマス)×ステンレススチール
●ベゼル表面加工:グレーIP
●ケースサイズ:51.2(縦)×44.6(幅)mm
●ケース厚:13mm
●ガラス材質:無機ガラス
●バンド材質:樹脂(バイオマスプラスチック)
●重量:45g

写真/坂下丈洋(BYTHEWAY)

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山田純貴
Writer
山田純貴
1980年代より、編集プロダクションの社員として某通販大手のカタログ編集にたずさわり、後に会員制月刊誌の編集主任を務める。1992年に同業者と共同で編集プロダクションを立ち上げ、主に時計、靴、鞄、革小物などモノ情報関連のさまざまな雑誌、ムック、単行本、機関紙などの企画・編集・取材・執筆を手がけた。1998年に独立し、フリーランスとなって現在に至る。
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金原望弥(編集部)
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金原望弥(編集部)
大学卒業後、出版社にて月刊誌の編集に従事。その後、カカクコムに入社し、ファッションメディア「TASCLAP」を経て、「価格.comマガジン」へ。腕時計やアウトドアを担当するZ世代エディターです。
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