あれこれ通信

「宅配ボックス」を自作してみた! ―超簡単な作り方と使い方―

テレビや新聞で連日のように報じられている、宅配業者の再配達問題。「宅配ロッカーの設置に政府が補助金を」なんて話を聞くと、いよいよ事態の深刻さを感じます。筆者も平日の日中は家を空けているので、配達時間を指定できる荷物以外は再配達をお願いすることが多く、いつも申し訳ない気持ちに。「個人宅用の宅配ボックスを買おうかな」と調べてみると、なんと宅配ボックスを手作りしているツワモノがいるではないですか。 たしかに自作なら既製品よりもサイズの選択肢が豊富だし、安いはず! ということで、筆者も宅配ボックスの自作に挑戦してみることに。

留守中でも宅配便を受け取ることができる宅配ボックス。インターネット通販を頻繁に利用する人にとってはありがたい存在です

<目次>
・宅配ボックスを作る前に設置スペースの確認を
・材料は3,000円でそろえられる
・設置は宅配ドライバーにわかりやすく!
・「ヤマト」「佐川」「ゆうパック」は対応してくれる?
・まとめ

アパートの玄関先への設置は断念…… 作る前に設置スペースは必ず確認を!

当初、作った宅配ボックスは自宅の玄関先に設置しようと思っていたので、「どのくらいのサイズのボックスにしようかな?」と検討している段階で、ちょっと困ったことが発覚。建築基準法施行令では、「住室の床面積の合計が100m2をこえる階の廊下幅は、1.2m以上(片側だけに居室がある場合)開けておく必要がある」とのこと。

筆者の住むアパートは「住室の床面積の合計が100m2をこえる階」に該当するため、廊下の幅は1.2m以上をキープする必要があるのですが、自宅玄関前の廊下の幅を測ってみたところ、1.3mでした。「奥行き10cmの宅配ボックス」は筆者の場合あまり実用的ではないため、自宅アパートへの設置は断念。とはいえ「宅配ボックスを自作したい熱」はおさまらず、実家(戸建て)に設置することにしました。

集合住宅の場合はスペースの確認はもちろん、管理会社などにも設置の許可を取っておいたほうが無難です

予算3,000円でもそろう! 宅配ボックスの材料はこちら

気を取り直して、筆者が用意した宅配ボックスの材料を見ていきましょう。ちなみに、今回自作する宅配ボックスは簡易的なものなので、セキュリティはやや甘めということをあらかじめお断りしておきます。

必須となるのは、以下の4点です。今回は印鑑以外をすべて新しく購入しましたが、計3,000円に収まりました。

・本体となる「ストッカー(コンテナ)」
・サイン代わりの「朱肉不要の印鑑」
・荷物を入れた後に施錠するための「南京錠」
・盗難防止のための「ワイヤー」

本体に選んだのは、「JEJ ルームパック 620 収納庫 ストッカー ブラウン 620(BR)」。「戸建て住宅の玄関アプローチに設置するのでサイズはある程度自由」「飲料や米などの比較的大きな荷物にも対応できるようにしたい」という理由から、大きめの容量62Lサイズを選びました。また、もうひとつこのストッカーを選ぶ決め手となったポイントは、南京錠を通すための穴が開いていること。穴がない場合は自分で開ければいいだけなのですが、D.I.Yになじみのない筆者の場合、その作業をパスできることはストッカー選びの重要項目でした。

サイズは62(幅)×44.3(奥行)×44.5(高さ)cm。思った以上に大きかったため、届いた時は「でかい! 失敗したかも」と思ったのですが……

留め具の横に南京錠が付けられる穴が付いています。これがあるだけでかなり作業が楽

留め具の横に南京錠が付けられる穴が付いています。これがあるだけでかなり作業が楽

 

ストッカーのほかに必要なものは、印鑑、ワイヤー、南京錠です。印鑑は手持ちのもの、ワイヤーはバッファローの「セキュリティーワイヤー」を選び、問題ありませんでした。しかし、実は南京錠選びで少々失敗をしてしまいました。最初に用意した南京錠の掛け金の幅が狭すぎて、施錠がしづらかったのです。

バッファローのセキュリティーワイヤー(左)はワイヤー径が4.5mm、長さ4mのものを使用(他サイズあり)。暗証番号で開錠するタイプの小さい南京錠(右)は、用意したストッカーには合いませんでした

最初に買った南京錠も使えないことはなかったのですが、扱いにくい南京錠だと宅配ドライバーの方にもめんどうを掛けることになりそうだったので、変更。掛け金の幅が大きいものを買いなおしました。ボックスが手元にない状態だと穴のサイズがわからないので、可能であれば、穴やそのまわりのサイズを測ってから南京錠を選ぶと安心かと思います。

南京錠は、こういった掛け金が大きいものが安心です。選んだのは「豊光 シリンダー錠 40ミリ ロングシャックル 1040-LP」。掛け金の幅は2.3cmあります

印鑑は手間なく押せる朱肉不要のものを用意します。悪用防止のため、シャチハタなどの簡易印を使いましょう

印鑑は手間なく押せる朱肉不要のものを用意します。悪用防止のため、シャチハタなどの簡易印を使いましょう

サイズを間違えた南京錠を除けば、購入金額は3,000円ぴったり。市販の宅配ボックスの場合は50Lサイズでも7,000円ほどするものが多いので、かなりお得なのではないでしょうか

設置する際は、わかりやすさを考慮して

「宅配ボックスを作る」と言っても、今回の場合は材料が手に入れば完成したも同然。あとは、宅配ドライバーにわかりやすいように設置するだけです。

まずは、ストッカーに使用法などを書いた紙を貼り、印鑑を入れます。

外側には、これが「宅配ボックス」であることと、使い方が中に書いてあることがわかるよう貼り紙をしておきます

中には、宅配ボックスの使い方を書いておきます。宅配のお礼も書いておくといいかもしれません

中には、宅配ボックスの使い方を書いておきます。宅配のお礼も書いておくといいかもしれません

印鑑は、目に留まりやすい位置にフックなどで掛けておくと親切でしょう。粘着面付きのフックは100円均一で購入しました

ふたを閉めたら、ワイヤーで柱などと宅配ボックスをつなぎ、南京錠を開錠した状態でかけておけば完了です。

ワイヤーの片方を、近くの柱などにひっかけておきます

ワイヤーの片方を、近くの柱などにひっかけておきます

ワイヤーの反対側の先端を南京錠の掛け金に通し、さらに南京錠を宅配ボックスの穴に通します。この時、南京錠は施錠しないように注意!

最後にもうひとつ。忘れてはいけないのが、ドアや門の外に案内板を設置すること。不在時は宅配ボックスを利用してほしい旨を書いた紙などを、必ず担当ドライバーの目に留まる場所に設置しましょう。筆者の場合は、門か、ポストか……と迷った末、「絶対見ないわけには行かない場所」ということで、インターホンのすぐ上に設置しました。

案内板は不在時だけ外に出すと留守を知らせることになるので、安全面を考えると常時出しておくほうがベター

宅急便、佐川急便、ゆうパックのすべてで対応してもらえた

いよいよ、完成した宅配ボックスを使ってみます。今回は、ヤマト運輸、佐川急便、ゆうパック(日本郵便)の3社にどのように対応してもらえるかを確認。結論から言ってしまうと、3社すべてが宅配ボックスへの配達に対応してくれました。

注)情報は、撮影を行った2017年4月末時点のもの。「簡易的な宅配ボックスの設置」を各社が推奨しているわけではないため、担当ドライバーやその他の事情によって対応不可の場合もあるかもしれません。あらかじめご了承ください。

宅配ドライバーを待つ自作宅配ボックス。ドキドキ

宅配ドライバーを待つ自作宅配ボックス。ドキドキ

ヤマト運輸

まずは、ヤマト運輸です。Amazonで購入した荷物が届く予定の日。配達時間指定をしていなかったので、ちょうど外出時に配達が来ていました。

帰宅して宅配ボックスに近づいてみると、施錠されている。ということは……

帰宅して宅配ボックスに近づいてみると、施錠されている。ということは……

入ってる! なんだかちょっと感動です。ちなみにこちら、スニーカー1足しか入っていないダンボール。届いた時は大きすぎるかと思ったストッカーですが、意外とちょうどよい。設置スペースが許すなら、大きめを選んだほうがいいかもしれません

不在票は入っていませんでした

不在票は入っていませんでした

佐川急便

続いて、佐川急便。筆者が自宅から送ったものを実家で受け取りました。

発送する際の送り状や、インターネットショッピングの注文時のコメント欄に「宅配BOX可」と書いておくと、宅配ボックスに対応してもらえる確率が上がるはず

発送して2日後、無事に宅配ボックスに届けられました! こちらも不在票はなし

発送して2日後、無事に宅配ボックスに届けられました! こちらも不在票はなし

ゆうパック

最後はゆうパックです。郵便局も同様の対応をしてくれるのでしょうか?

こちらも問題なく宅配ボックスに配達してもらうことに成功

こちらも問題なく宅配ボックスに配達してもらうことに成功

しかも、宅配ボックスに入れてある旨を書いた不在票を入れてくれていました

しかも、宅配ボックスに入れてある旨を書いた不在票を入れてくれていました

まとめ

今回、宅配ボックスを手作りしてみましたが、ヤマト運輸、佐川急便、ゆうパックすべてに対応してもらえたので、自作のものでも十分に機能していると言っていいでしょう。もちろん、冷蔵・冷凍便や書留、貴重品などには使用できませんが、宅配ボックスがあるだけで宅配業者の方に再配達の手間をかける心配がぐっと減り、気持ちがかなり楽になります。

また、うれしかったのは、実家の母がたいそう感心し、宅配ボックスを便利に使いこなしてくれていること。専業主婦の母は平日に長時間家を空けることはあまりないのですが、以前は宅配ドライバーが来た時にトイレに入っていて慌てたり、チャイムを聞き逃さないように掃除機をかける時間を調整したり、その時いる場所によってはチャイムに気がつかなかったこともあったとのこと。今では、掃除機かけもタイミングを気にせずに行え、趣味の楽器演奏も好きな時間に楽しめるようになったそう。はからずも、ちょっとした親孝行ができた気分です。

宅配便は直接受け取れるのがベストかと思いますが、生活をしていると不測の事態や、たまたまタイミングが合わないということはあるもの。「我が家は再配達をお願いする頻度が高いかも……」と思っている方は、宅配ボックスの設置を検討してみてはいかがでしょうか。

最後になりますが、「自作もいいけど、やっぱり既製品が楽でいいな」という方は、下記をチェックしてみてください。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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