11月の相場に勝つために、必要な情報を整理

FX投資家必見!11月の米ドル/円相場をFXのプロが見通す

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こんにちは!マネーパートナーズでディーリング部長を務めている大塚です。
FX投資家向けに、政治や経済のトピックが今後の為替にどのような影響を与えるかをわかりやく解説します。為替は、さまざまな条件が複合的に絡み合い日々変動しています。そのひとつひとつをていねいに解説することで、あなたの相場観を養う一助になれば幸いです。

【11月はドル高傾向 年末にかけて1ドル=115円台を目指す】

10月初旬は北朝鮮のリスク懸念から中旬にかけて1ドル=111円台まで振れたものの、アメリカの年内利上げ期待の材料が後押しし、後半にかけて1ドル=114円台になりました。最終週(10月30日,10月31日)ではドル安方向に向かい10月の終値は1ドル=113円62銭でした。
月を通してドル高の方向性はあったものの、大きな変動はなく111〜114円の幅で動きました。11月も同様にドル高継続の流れではあるものの底堅さはないため、崩れだすと一気に円高方向に進む可能性を秘めています。

11月は、1ドル=112〜117円で推移する見通しです。
相場を動かす主な要因はFRB(連邦準備制度理事会)議長人事の発表や、アメリカの税制改革の行方です。つまり、アメリカの政治動向次第で為替が動く月といえそうです。

1ドル=115円をしっかり超えてくるには時間がかかりそうですが、年末前にヘッジファンドなどの投機筋がドル買いを仕掛けてくるならば、早い段階で115円台を目指す展開になるでしょう。年内はレンジ相場(112〜117円)で引き続き推移する可能性大です。アメリカの政治動向に大きな変化がなければ、相場を動かす材料が不足し、流動性(取引量)が一気に低下するでしょう。その場合は、さらに狭いレンジ内(113〜116円)での動きも予想されます。

株高につられてドル高になるか【日本】

市場の想定どおり、10月の解散総選挙では自民党が大勝しました。今後もアベノミクス政策が続くことを株式市場は高く評価し、株高・円安の流れになっています。しかし、為替に与える影響は小さく徐々にドル高になる要因の1つに過ぎないといえます。

解散総選挙の結果を受け、日経平均株価は1,500円近くも上昇しています。選挙前の10月20日(金)は21,457円(終値)であったのが、11月8日(水)現在では22,913円(終値)です。
一方、ドル円相場には大きな動きはありませんでした。選挙後の月曜日(10月23日)に若干窓開き(前週の金曜NYクローズレートから月曜朝一のレートに乖(かい)離が生じること。10月20日は113円50銭(終値)で、10月23日のオープンでは113円80銭近辺で始まる)で30pips程ドル高になりましたが、その後の値動きは限定的です。マーケットは自民党圧勝を織り込んでおり、海外の機関投資家は選挙の結果をみても、大きな売りや買いを仕掛けてきませんでした。

為替と日経平均株価には相関関係があるか?

過去5年間をさかのぼって日経平均株価と為替相場(米ドル/円)の値動きをみてみると連動しているようにみえます。

[Source : Bloomberg マネーパートナーズ加工]

[Source : Bloomberg マネーパートナーズ加工][赤:日経平均株価 青:米ドル/円]

しかし2017年の後半から株価は上昇していますが、為替相場は円安方向に振れておらず相関が崩れています。主な要因は、世界的な株高(NYダウ最高値更新も含め)に為替の値動きが追いついていないことです。今後は長期的にみると株高の動きに為替相場の動きが近づく(ドル高になる)と考えます。

アベノミクス再始動! 円安/ドル高を目指す【日本】

11月1日(水)に第四次安倍内閣が発足しました。これによりアベノミクスが再始動します。アベノミクスは円高の是正(円安)を目指しますが、そもそもなぜ是正する必要があるのでしょうか。

その理由は、円安になると海外市場で日本の輸出製品の価格競争力が増すからです。たとえば、1ドル=100円から1ドル=120円へ対ドルで20円分の円安になった場合、従来1台120万円で売っていた車が、1台100万円になります。

このように円安になると海外では日本製品が買いやすくなるため、輸出系企業の業績が上がり、株価も上昇します。日本の上場企業の多くは円安によってメリットを受けるため、日経平均株価もおのずと上昇します。加えて貿易赤字も解消されるため、日本経済にとってはプラスに働きます。

このような理由から安倍内閣は円高を是正する金融政策を、中央銀行である日本銀行に求め続けてきました。日本銀行は金融緩和政策を実施して、円の価値を希薄化させそれによって円安へ誘導しています。アベノミクスが次の総選挙まで続くとすると、長期的にみて円安/ドル高方向に進むと予想できます。

税制改革案が可決されればドル高に【アメリカ】

アメリカ議会で税制改革案の本格審議が始まりました。しかし依然として反対意見も根強い状況で、すぐに可決されるかは不透明です。もし可決されればドル高になると市場関係者はみています。

税制改革案の内容と狙いは?

審議されている税制改革案の内容は、連邦法人税を35%→20%、個人所得税を現行の7段階(10〜39.6%)から12%、25%、35%の3段階に変更するという内容です。
トランプ大統領は、連邦法人税を20%まで引き下げることで企業の投資活動や経済活動が活発になり、アメリカ経済の景気の底上げができると考えています。

審議は難航、法案成立までには時間がかかる

この税制改革案は年内実現に向けて本格的に審議を続けていますが、トランプ大統領の出身政党である共和党の中にも反対意見があることから、審議は難航し法案成立までは時間がかかるでしょう。ただし審議が本格的に始まったことで市場は法案成立の期待感を示しドル高につながっています。

新FRB議長はハト派のパウエル氏に【アメリカ】

金融緩和政策に積極的で知られているFRB議長のジャネット・イエレン氏の任期が満了となり、新議長はジェローム・パウエル氏が指名されました。パウエル氏は積極的な利上げはしない方針のようで、短期的にはドル安要因です。今後パウエル氏の下で、FRBがどのような議会運営を行うか注視しましょう。

トルコリラに注意が必要!【トルコ】

10月9日(月)朝方(日本時間)
トルコはアメリカとの間でビザ発給業務を相互に停止したと発表しました。それを受け関係悪化を巡る懸念から、トルコリラ/円が朝一から大幅にトルコリラ安になりました。

[Source : Bloomberg マネーパートナーズ加工]

[Source : Bloomberg マネーパートナーズ加工]

トルコリラ/円は、高金利通貨ペアということで日本の個人投資家に人気の通貨ペアであっただけに多くの投資家が巻き込まれました。改めて、高金利通貨ペアのリスク管理を徹底すべきと痛感させられたイベントとなりました。トルコリラ/円はセリング・クライマックス(大災害や政治的な問題などが引き金になり、取引参加者の多くが大量の売り注文を出し相場が急落する局面のこと)の影響を受けやすく大きく相場が変動する可能性があります。

※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。

大塚知一

大塚知一

株式会社マネーパートナーズ ディーリング部長。オーストラリアのラ・トローブ大学卒。業界の流れに先駆け、ディーリングセクションの機械化・自動化に着手し、アルゴリズム・AIを駆使した取引手法を取り入れる。 日本の投資教育の低さを痛感しており、現在モノポリーを通して息子に教育中。

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2017.11.16 更新
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