子どもの頃、親にファストフード店に連れていってもらうと心が躍ったという人は多いのではないでしょうか? 大人になるにつれて「行くことの楽しみ」は薄れるかもしれませんが、時間がないときにさっと食事を済ませたり、次の予定までの時間調整だったりと、なにかにつけてファストフード店を利用する機会は多いことと思います。
外で仕事をする機会の多い筆者もファストフードをよく使うひとりです。ファストフードの単価はさほど高くはないものの、利用回数が重なればバカにはできません。そこで、少しでもお得にファストフードを楽しむために各社公式アプリのクーポンに注目してみたいと思います。ニュースの告知機能やポイントカード機能など、小売り店のアプリ活用は進化しています。そして、クーポンの配布チャネルとしての機能もアプリの主要な役割のひとつ。ユーザー側もこれを上手に使わない手はないでしょう。
何歳になっても時々無性に食べたくなるファストフード。アプリでお得に楽しむ方法をリサーチ
今回調査対象に選んだのは「マクドナルド(2,903店)」「モスバーガー(1,297店)」「ケンタッキーフライドチキン(1,132店)」「ロッテリア(343店)」「フレッシュネスバーガー(167店)」の5つのファストフードチェーンです。ファストフードのメリットのひとつが「街中で気軽に入れること」と考え、店舗数の多い順に5つのチェーンをチョイス。さらに公式アプリでクーポンを配布していることを条件にした結果、本来店舗数5位の「サブウェイ」(224店)はアプリでのクーポン配布がなかったため選外に(ただし、メール会員を対象としたクーポン配布は行っている模様です)。繰り上げで「フレッシュネスバーガー」を調査対象としました。
各社の説明部分では、記事執筆時点(2019年11月6日)でアプリから入手可能なクーポンを一覧にし、それぞれ【割引前の価格】【割引後の価格】【割引金額】【割引前の価格に対する割引率】を明記してあります。ただし【割引金額】【割引前の価格に対する割引率】が正確に出せないものは除外してあります(たとえば、もともとの販売価格が店舗によって異なる商品のものなど)。各社ともクーポンの内容は定期的に変化しますので、あくまでも各社アプリの”割引の傾向”をつかむ材料として本記事を活用してもらえればと思います。また、記事掲載時点で配布が終了しているクーポンもありますのでご了承ください。
※本記事の価格表記はすべて税別です。また、店舗数は2019年11月6日時点で、各社公式サイトの情報に準拠しています。なお店舗の合計数の記載がなかったロッテリアについては記載情報を元に編集部が集計しています。
目次
1. マクドナルド(店舗数2,903)
2. モスバーガー(店舗数1,297)
3. ケンタッキーフライドチキン(店舗数1,132)
4. ロッテリア(店舗数343)
5. フレッシュネスバーガー(店舗数167)
画像はマクドナルド公式サイトより
ご存じ日本におけるファストフードの先駆け。母国アメリカで1955年に誕生し、1971年に日本に上陸。銀座三越に第1号店がオープンしました。現在は全国に約2,900店舗を展開。「ビッグマック」や「てりやきバーガー」などの定番メニューに加え、「月見バーガー」や「グラコロ」など季節限定のメニューも人気。加えて「朝マック」や「ハッピーセット」など幅広いシーンで老若男女に支持されているファストフードチェーンと言えるでしょう。
クーポン数……23種類 / 割引額の平均……77円 / 割引率の平均……16%
※2019年11月6日時点で公式アプリから入手できるものを掲載しています。記事掲載時点で内容が変わっている可能性がありますのでご注意ください。
定番の【ハンバーガー+ポテト+ドリンク】のセットはもちろん、朝マック、スイーツ、ドリンクなども揃っており充実した内容です。23種類と今回の調査でもっとも多い種類のクーポンが用意されています。割引率の平均は16%ですが、「マックフライポテトL」など40%以上安くなる商品もあります。
マクドナルドがリリースしているアプリは、公式アプリのほかにもうひとつあります。「KODO(コド)」というアプリで、マクドナルドを利用した後に、利用した店舗の感想などを答えるいわば「アンケートアプリ」とも言うべきもの。アンケートに答えると翌日から使用できるクーポンがもらえるという仕組みになっています。もらえるクーポンは、
「マックフライポテトS」(150円相当)
「ドリンクS」(100円相当)
「ソフトツイスト」(100円相当)
がそれぞれ無料になるクーポンで、種類は限られますがなかなかお得な内容。アプリの知名度はさほど高くないものの、公式アプリとあわせてぜひ活用したいところです(公式アプリのクーポンとの併用もできます)。ただし、KODOでもらえるクーポンの有効期限は2週間となっているので期限切れにはご注意ください。
アンケートアプリ「KODO」。画像はマクドナルド公式サイトより
日本マクドナルド公式アプリ
http://www.mcdonalds.co.jp/shop/mobile/
アンケートアプリKODO
http://www.mcdonalds.co.jp/shop/kodo/
画像はモスバーガー公式サイトより
店舗数第2位につけているのがモスバーガー。全国に1,300店舗を展開しています。野菜にこだわった健康志向のメニューが特徴で、牛肉の代わりにソイパティを使ったメニューなども揃っています。創業は1972年。創業者は元証券マンだった故・櫻田慧(さくらださとし)氏。証券マン時代に駐在したアメリカで、立地が悪いにもかかわらず大繁盛していた「Tommy’s」というハンバーガーショップの味に感動し、この味を日本で再現したいという思いからモスバーガーが生まれたそうです。
クーポン数……6種類 / 割引額の平均……17円 / 割引率の平均……5%
※2019年11月6日時点で公式アプリから入手できるものを掲載しています。記事掲載時点で内容が変わっている可能性がありますのでご注意ください。
モスバーガーの公式アプリは、クーポンの数、割引率のいずれも今回の5社の中でもっとも低い数値という結果に。また、ほかのチェーンが複数商品のセットでのクーポンを中心に配布しているのに対し、単品メニューのクーポンのみを配布しているのも特徴です。
モスバーガーのアプリで注目したいのが、独自に発行しているプリペイドカード「モスカード」との連携機能です。モスカードには「モスカードプログラム」というインセンティブプログラムが付いています。これは、来店回数と購入金額に応じて顧客がランク分けされ、ランクによって特別クーポンやプレゼントキャンペーンなどが用意されているというもの。たとえば最高ランクの「ゴールド」(年間12回利用かつ10,000円以上購入)の場合、注文金額の2%が「MOSポイント」という独自のポイントで還元されます。既存のモスカードをアプリ上に登録することができるほか、アプリ上で新規に発行することも可能です。
モスバーガー公式アプリ
https://www.mos.jp/enjoy/appli/
画像はケンタッキーフライドチキン公式サイトより
全国に約1,100店舗を展開するケンタッキーフライドチキン。クリスマスの定番メニューとしても人気の「フライドチキン」をはじめ、「月見サンド」や「ケンタランチ」などお昼のメニューも充実しています。創業は1970年。近年は業績低迷が続いていましたが、低価格メニューの投入や後述のアプリの存在などが奏功し、業績は回復傾向にあると伝えられています。
クーポン数……10種類 / 割引額の平均……131円 / 割引率の平均……23%
※2019年11月6日時点で公式アプリから入手できるものを掲載しています。記事掲載時点で内容が変わっている可能性がありますのでご注意ください。
割引率の平均が23%と、今回紹介する中でもっともお得度が高かったのがケンタッキーフライドチキンです。クーポンは10種類と数はさほど多くはありませんが、ボリュームのあるセットをお得に楽しめます。
ケンタッキーフライドチキンのアプリには「KFCマイレージプログラム」というインセンティブプログラムが付いています。モスバーガーの「モスカードプログラム」と同様に、来店したり購入したりすることで「チキンマイレージ」が貯まり、マイレージ数に応じて「レギュラー」「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の5つのステージに分かれる仕組みです。各ステージに応じて特別クーポンなどの特典が用意されています。また、アプリには店頭のディスプレイでおなじみの「カーネルおじさん」風に写真をデコレーションできる画像編集機能、「カーネルカメラ」も搭載されており、クーポン以外の機能も充実している印象を受けます。
ケンタッキーフライドチキン公式アプリ
http://www.kfc.co.jp/campaign/app_new/
画像はロッテリア公式サイトより
「エビバーガー」や「絶品チーズバーガー」など、個性的なメニューが揃うロッテリア。現在は全国に約340店舗を展開しています。創業は1972年。同社の公式サイトに掲載されている創業理念には「アメリカのチェーンスタイルをそのまま導入したのではなく、日本人の味覚や、食生活、地域性を経営方針に積極的に取り入れた」とあり、個性的なメニュー展開にもそれが表れているように感じます。
クーポン数……20種類 / 割引額の平均……93円 / 割引率の平均……18%
※2019年11月6日時点で公式アプリから入手できるものを掲載しています。記事掲載時点で内容が変わっている可能性がありますのでご注意ください。
トップのマクドナルドに次ぐ20種類のクーポンが用意されています。そのほとんどは、食事で使えそうなボリュームのある内容です。そんな中で目を引くのが「ポテトM」。通常価格260円が100円と62%の割引率を誇っており、ポテト好きの筆者も思わず反応してしまいました。これは今回調べた5社の中でもっとも高い割引率のクーポンです。
クーポン以外のアプリの機能は、新商品やメニューの紹介、店舗検索などオーソドックスな作りです。ただし店舗検索ページからもらえる「時限クーポン」は面白い存在です。上記で紹介した通常のクーポンとは別に発行されているもので、使える店舗、使える時間、発行枚数が限定されたクーポンです。すべての時限クーポンをチェックできたわけではないのですが、通常のクーポンの割引率よりもさらに5%ほど高い割引率が設定されているようでお得感があります。利用シーンは限られると思いますが、よりお得さを求める人は時限クーポンをチェックしてみてはいかがでしょうか?
アプリ上で、現在地の近くで使える時限クーポンを探すことができます
ロッテリア公式アプリ
https://www.lotteria.jp/coupon/mobile/
画像はフレッシュネスバーガー公式サイトより
1992年創業と、今回紹介した5社でもっとも新しいのがフレッシュネスバーガー。弁当のフランチャイズチェーン・ほっかほっか亭の創業者のひとりである栗原幹雄氏が創業しました。コンセプトは「大人がくつろげるバーガーカフェ」。こだわりの食材、調理方法で知られており、モスバーガーとともに「注文してから出てくるまでちょと時間がかかる」ことでも有名ですよね。アルコール類を提供しているのも特徴です。現在の店舗数は167店。
クーポン数……13種類 / 割引額の平均……133円 / 割引率の平均……18%
※2019年11月6日時点で公式アプリから入手できるものを掲載しています。記事掲載時点で内容が変わっている可能性がありますのでご注意ください。
クーポンの数は13種類と、マクドナルド、ロッテリアに続く数を揃えています。平均割引率は18%と、ロッテリアと同率で2位。ただしフレッシュネスバーガーは割引前の店舗販売価格がほかのチェーンに比べてやや高めに設定されていることもあり、平均割引額は133円と5社の中でトップとなっています。
フレッシュネスバーガーの公式アプリのクーポンは、種類、割引率ともにバランスが取れている印象です。目を引く要素はありませんが、普段からよく使う人にとってはありがたい存在と言えそうです。また、今回の記事では比較のルール上やむなく除外しましたが、記事執筆時点でフレッシュネスバーガーには「ビール各種100円引き」のクーポンもありました(店舗によってビールの品ぞろえが異なるため今回の比較からは除外しました)。
さらにお得にフレッシュネスバーガーを利用するには、現金をチャージして使う独自のプリペイドカード「フレッシュネスカード」がおすすめです。毎月1〜7日の期間にチャージすると、チャージ額の10%が上乗せになります(5,000円チャージすると5,500円分がチャージされます)。しかも期間中なら何回チャージしてもよいという太っ腹な設計です。アプリとは直接関係はありませんが検討の余地はありそうです。
フレッシュネスバーガー公式アプリ
https://www.freshnessburger.co.jp/app
ファストフードチェ―ン5社の公式アプリのクーポンを比較してきましたが、同じ「ファストフード」というくくりでも、各社のアプリに対する姿勢の違いがかいま見える結果となりました。筆者の各社アプリに対する寸評で本記事をまとめたいと思います。
割引率トップはケンタッキーフライドチキン。2位は同率でロッテリアとフレッシュネスバーガー。4位がマクドナルド。5位がモスバーガーという結果に
5社の中でもっとも公式アプリに力を入れていると感じたのがケンタッキーフライドチキンです。クーポンの平均割引率がトップなのももちろん魅力的ですが、KFCマイレージやカーネルカメラなどユーザーを楽しませようとする工夫も伝わってきます。また、それらの魅力を伝える公式サイトの作りからも同社の力の入れ具合を感じ取ることができました。
いっぽう、「クーポンの使いやすさ」という点に目を移すとマクドナルドの魅力が際立ちます。クーポンの数が豊富で朝食、昼食、喫茶と様々なシーンで活用できそうな種類が揃いますし、アンケートアプリのKODOでのクーポン配布もあります。なにより全国で3,000店に迫る店舗網の広さは「気軽に利用できる」という点で突出した魅力を感じます。
ロッテリアは通常クーポンの構成や割引率はマクドナルドに似ていますが、「時限クーポン」はなかなか尖ったサービスです。常に持ち歩くことの多いスマホのアプリならではのクーポンと言えるでしょう。
モスバーガーはアプリのクーポン単体では弱さを感じるものの、モスカードプログラムでユーザーとの関係強化の特徴を出しています。メニューに対するこだわりで「濃い」ファンを持つ同社ならではの戦略と言えそうです。
フレッシュネスバーガーはクーポンの構成や割引率のバランスのよさが特徴です。同社も”指名買い”のファンが多そうなので、あえて奇をてらわない狙いもあるのかもしれません。また「アルコールが飲める」ことも大きなメリットとなる人もいるのではないでしょうか?
なお、本記事では触れませんでしたが、各社の公式アプリ以外にスマートニュースなどの配信サイトでもファストフードのクーポンが配布されることがあります。記事執筆時点で、スマートニュースではマクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、モスバーガーのクーポンを確認することができました。これらのクーポンの割引率は8〜15%程度に設定されているようです。公式アプリのクーポンとあわせて活用ください。
※本記事は、執筆者の⾒解です。また、各サービスには⼀部対象外となる店舗や商品があります。ご利⽤の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。