おトクの真相! 月刊キャッシュレス展望

2022年にPayPayとLINE Payがサービス統合。4月より加盟店連携などがスタート

クレジットカード、電子マネー、QRコード決済……。めまぐるしく変化を続けるキャッシュレス決済の動向をコンパクトに伝える連載企画「おトクの真相! 月刊キャッシュレス展望」。過去1か月のキャッシュレス関連のニュースの中から、マネー編集部員やマネー担当ライターが気になったニュースをピックアップしてお届けします。記事の最後には、記事公開時点で参加可能なキャッシュレス関連のキャンペーン情報も掲載していますので、おトク情報の取りこぼしがないようこちらもぜひチェックを。この連載は、毎月月初の公開予定です!

今月は、2021年3月1日に発表されたLINEとZホールディングスの経営統合の話題や、楽天が始めた、暗号資産を楽天キャッシュにチャージできるサービスなどをご紹介します。

どうなる? PayPayとLINE Payのサービス統合。明らかになった3つの変化をチェック

国内に8,000万人を超えるユーザーを抱えるコミュニケーションアプリのLINEと、Yahoo! JAPANなどを傘下に持つZホールディングスが、2021年3月1日に経営統合を発表しました。これにより、検索・ポータル、広告、メッセンジャー、フィンテックといった事業を擁する、巨大なITグループが誕生することになります。同社は2023年度に売上高2兆円、営業利益2,250億円を目指すことを明らかにしています。

また、この経営統合により、LINEが運営する決済サービスの「LINE Pay」と、Zホールディングスが運営する決済サービスの「PayPay」が2022年をめどに統合され、国内の決済サービスはPayPayに一本化されます(海外についてはLINE Payも存続)。今回は、LINE PayとPayPayの統合に関して、これまで明らかになっている3つの動きをご紹介します(2021年3月29日時点)。

1. 4月下旬以降、PayPay加盟店でLINE Payでの支払いが可能に

2021年4月下旬以降、LINE Pay、PayPay双方の加盟店の連携が始まります。具体的には、全国300万か所以上のPayPay加盟店のうち、ユーザースキャン方式(店舗に設置してあるQRコードをユーザーが読み取って決済する方式)の店舗では、LINE Payも使えるようになります。LINE Payのみ使っていたユーザーにとっては、利用できる店舗が増えることになります。

2021年4月下旬以降、PayPay加盟店でLINE Payも利用できるように(画像はPayPayのプレスリリースより)

2021年4月下旬以降、PayPay加盟店でLINE Payも利用できるように(画像はPayPayのプレスリリースより)

2. LINEポイントからPayPayボーナスへの交換もスタート

「LINEポイント」から「PayPayボーナス」へのポイント交換も、2021年3月から始まっています。最低交換ポイントは25ポイント以上で、交換単位は25、100、1,000、5,000ポイントの4種類。交換レートは1対1で交換手数料はかかりません(なお、PayPayボーナスからLINEポイントへの交換はできません)。

もともとLINEポイントは、LINEスタンプとの交換やLINE Payの決済に使えましたが、PayPayボーナスに交換することで、PayPayでの決済はもちろん、PayPayの各種サービスでも使えるようになり、用途が広がります。

3. LINE Payのポイント還元ルールも変更

今回の経営統合にともない、将来的に、LINE Pay、PayPayのポイント還元の仕組みも統合される見通しです。これに先だって、LINE Payのポイント還元プログラムである「LINE ポイントクラブ」の内容が、2021年5月1日より変更されることが発表されています。

これまでは、直近6か月でのLINEの利用実績に応じて決定する「マイランク」よって異なる特典が受けられる仕組みでした。たとえば、公式クレジットカードの「Visa LINE Payクレジットカード」をLINE Payの決済方法に紐づける「チャージ&ペイ」の場合、ポイント還元率はマイランクに応じて1〜3%の間で変動していました。また、マイランクに応じて付与されていた「LINE Pay特典クーポン」もマイランクによって月間1〜10枚で変動する仕組みでした。

2021年5月1日以降はマイランク制度が終了します。チャージ&ペイの還元率は一律0.5%に変更され、LINE Pay特典クーポンについても配布枚数の上限がなくなります(配布ルールについては2021年3月29日時点で未定)。

また、昨年2020年に登場以来、「3%」という高いポイント還元率(サービス初年度特典)が話題を呼んでいた、前出のVisa LINE Payクレジットカードですが、2021年5月1日より、ポイント還元率が「2%」にダウンすることもあわせて発表されています(2022年4月30日までの期限付きの特典)。

LINE payのポイント還元ルールが2021年5月より変更(画像はLINE Pay公式サイトより)

1と2の動きは、PayPayとLINE Payの連携を強めるものですが、3の動きについては、これまでLINE PayやVisa LINE Payクレジットカードを使っていたユーザーにとって、やや残念な変更と言わざるをえないでしょう。ただし、今回のルール変更は、今後PayPayとの統合が進むことを見越した暫定的な変更という印象が強く、引き続きその動向を見守りたいところです。当サイトでも、今後、PayPayとLINE Payの統合について解説する記事を予定しています。

ビットコインなどの暗号資産を「楽天キャッシュ」にチャージし支払いに使えるように

楽天は、「楽天ペイ」などにチャージして支払いに利用できる「楽天キャッシュ」の残高に、暗号資産からチャージできるサービスを始めると発表しました。

対応する暗号資産は、「ビットコイン」「イーサリアム」「ビットコインキャッシュ」の3種類です。ユーザーは保有する暗号資産を「楽天ウォレット」(楽天が提供する暗号資産取引所)のアプリ上で日本円に交換し、楽天キャッシュの残高にチャージします。チャージは最低1,000円からで、1円単位で可能。ひと月の累計で最大10万円までチャージできます。

これまで、楽天ウォレットで暗号資産を日本円に交換し、銀行口座に現金として出金する際には300円(税込)の手数料がかかっていました。しかし、今回の新サービスでは、手数料無料で楽天キャッシュへのチャージが可能となります。ただし、従来どおり、楽天ウォレット内で暗号資産を日本円に交換する際にはスプレッド(買値と売値の差。実質的な手数料)が生じますのでご注意ください。

暗号資産から楽天キャッシュへのチャージのイメージ図(画像は楽天のプレスリリースより)

投資対象だけでなく決済手段としても注目度が増している

楽天キャッシュは、いわゆる「楽天経済圏」の"通貨"として各種サービスの支払いに使えるほか、楽天ペイや、「楽天ポイントカード」などを使うことで、リアル店舗での支払いにも使えます。

現状では投資対象としての印象が強い暗号資産ですが、今回の楽天のサービス以外にも、「暗号資産を使う」流れが徐々に広がりつつあります。決済サービス大手の「PayPal」や、クレジットカードの国際ブランドである、ビザやマスターカードも、暗号資産を用いた決済機能の提供に動いていると報じられており、今後は「暗号資産を使う」ことにも注目が集まっていきそうです。

スマホ完結型クレカ「SAISON CARD Digital」に「サッカー日本代表ユニフォームデザイン」が登場

最近は、三井住友カードからカード番号などの個人情報を券面に一切載せない「三井住友カードナンバーレス」が発行されるなど、新機軸のクレジットカードが続々と登場しています。クレディセゾンが発行する「SAISON CARD Digital」もそのひとつ。カードの申し込み完了から最短5分でスマホアプリ上にデジタルカードが発行され、オンラインショッピングや、リアル店舗での非接触決済に使えるスマホ完結型の決済サービスです(ナンバーレスのリアルカードも発行され、後日郵送されます)。

デジタルカードの券面を簡単に着せ替え

SAISON CARD Digitalでは、アプリ上のデジタルカードの券面を、好みに合わせて好きなデザインに”着せ替え”られるのも特徴です。これまでは3種類の着せ替えデザインがありましたが、2021年3月下旬より、来年2022年に開催されるワールドカップ出場を目指している、サッカー日本代表のユニフォームデザインが新たに加わりました。

SAISON CARD Digitalにサッカー日本代表ユニフォームの着せ替えが登場(画像はセゾンカードのプレスリリースより)

着せ替え方法は簡単で、セゾンPortalトップ画面の「着せ替え」ボタンから選ぶだけ(「SAISON PEARL AMERICAN EXPRESS CARD Digital」は対象外)。

これまで、クレジットカードはプラスチックや金属など、素材は違えど、実物があることが前提。複数のデザインを用意するカードもありますが、一度作ってしまうと基本的には変えることはできませんでした。アプリで管理するデジタルカードなら、そういった制限もありません。好きなデザインにいつでも着せ替えできるのは、”カードレス”のクレジットカードならではの楽しみになりそうです。

券面の着せ替えはアプリ上で簡単に行える(画像はセゾンカードのプレスリリースより)

券面の着せ替えはアプリ上で簡単に行える(画像はセゾンカードのプレスリリースより)

※参考
最短5分でデジタルクレカ発行、リアルカードはナンバーレス! セゾンの新サービスを解説(価格.comマガジン)
https://kakakumag.com/money/?id=16239

まだ間に合う! 今月のキャッシュレス関連キャンペーンまとめ

▼三井住友カード新規入会&利用で最大11,000円相当プレゼント(4月30日まで)

期間中に対象カードに新規で入会すると、入会月の2か月後末までの利用金額の20%(最大10,000円相当のVポイント)が還元されます。また、もれなく、Vポイントギフトコード1,000円分もプレゼントされます。Vポイントギフトコードは、スマートフォンアプリの「Vポイントアプリ」にチャージする事で利用できるギフトコードです。

キャンペーン期間:開催中〜2021年4月30日まで
公式サイト:https://www.smbc-card.com/camp/numberless/index.html

※初出時、キャンペーン内容に誤りがございました。お詫びして訂正いたします(2021年4月27日修正)。

▼MUFJカード、買い物額がキャッシュバックされる「ゼロフェス」開催(8月31日まで)

期間中にキャンペーンに登録のうえ、キャンペーンに登録したカードで買い物をすると、「買い物1回」をひと口として抽選を実施。当選者は買い物金額1回分が全額キャッシュバックされます(全500本。2021年5月31日までの利用を対象に250本が当選。残りの期間で250本が当選)。外れてもダブルチャンスがあり、10人に1人の確率で、アマゾンギフト券100円分がもらえます。

キャンペーン期間:開催中〜2021年8月31日まで
公式サイト:https://www.cr.mufg.jp/bkweb/campaign/zero_fes/index.html

▼公共料金をdカードで支払うと合計で最大2,100ポイントもらえる(開催中〜)

対象の加盟店(公共料金)の支払いにdカードを初めて利用すると、1加盟店につき300ポイント(期間・用途限定)もらえます。対象加盟店は最大7カテゴリ(電気、ガス、水道、固定電話/通信料金、放送、プロバイダ、新聞)まで選ぶことができ、最大2,100ポイントがもらえます。本カード会員、家族カード会員それぞれが対象となります。

(執筆協力:大正谷成晴)

価格.comマネー編集部

価格.comマネー編集部

投資・資産運用・保険・クレジットカード・ローン・節約に至るまで、マネーに関する情報を毎日収集。「知らないで損するなんてもったいない」をモットーに、読者のためになる記事を制作します!

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
ご利用上の注意
  • 本記事は情報の提供を目的としています。本記事は、特定の保険商品や金融商品の売買、投資等の勧誘を目的としたものではありません。本記事の内容及び本記事にてご紹介する商品のご購入、取引条件の詳細等については、利用者ご自身で、各商品の販売者、取扱業者等に直接お問い合わせください。
  • 当社は本記事にて紹介する商品、取引等に関し、何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとします。
  • 当社は、本記事において提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
  • 本記事には、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
  • 本記事のご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、価格.comサイト利用規約(http://help.kakaku.com/kiyaku_site.html)にご同意いただいたものとします。
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る