2025年7月16日、アメリカン・エキスプレス(以下、アメックス)のプラチナ以上のカードを持つ会員が無料で利用できる「センチュリオン・ラウンジ」が、東京国際空港(以下、羽田空港)第3ターミナルに開業した。
本記事では、開業前日に行われたメディア向け内覧会に参加した編集部員が、「センチュリオン・ラウンジ」の全貌をレポートする。
アメックスが「プレミアムサービスの象徴」と位置付ける「センチュリオン・ラウンジ」。確かに、アメックスの“本気”が随所に感じられた
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「センチュリオン・ラウンジ」は、アメックスが世界各地の空港で展開している、プラチナランク以上のカードを持つ会員向け空港ラウンジだ。
羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」は、世界で30番目、アジアではデリー、香港、ムンバイに続く4番目の「センチュリオン・ラウンジ」になる。場所は、羽田空港第3ターミナルの保安区域内の4階。税関や出国審査を通過後、左手に進み、114番ゲート付近に入口がある。
「センチュリオン・ラウンジ」のエントランス。営業時間は8:00〜22:00。年中無休で営業
「センチュリオン・ラウンジ」の利用方法
・フライト3時間前から受付可能(乗継便の場合は、3時間以上前から利用可能)
・受付で対象カード、搭乗券、パスポートを提示
・対象カードの本会員、家族カード会員および、それぞれの同伴者2名まで無料で利用可能(羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」の場合。ルールはラウンジによって異なる)
センチュリオン・ラウンジが使える、国内発行の対象カード一覧
・アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(R)
・アメリカン・エキスプレス(R)・ビジネス・プラチナ・カード
・アメリカン・エキスプレス(R)・プラチナ・コーポレート・カード
・センチュリオン(R)・カード
「センチュリオン・ラウンジ」に入ってすぐに気づくのが、ラウンジ全体で印象的に使われている藍色(あいいろ)だ。
アメックスによると、羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」のデザインは、日本文化の世界観や職人技、芸術性、そして日本の藍染め技法によって生み出される深みのある藍色を意味する「ジャパン・ ブルー」に着想を得たものだと言う。
羽田空港を含め、各地の「センチュリオン・ラウンジ」には共通のコンセプトがあり、そのひとつに「それぞれの国や地域の文化・伝統の踏襲」がある。
その言葉どおり、羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」は、「ジャパン・ブルー」を基調に、随所に、日本各地の文化に根差したテキスタイルや壁紙がさりげなく施されている。
ラウンジのデザインは、アメックス内のクリエイティブ・エージェンシー「OnBrand」が担当。写真では逆光となり見えづらいが、ラウンジ片側には大きな窓が並び、滑走路を一望できる
複数の日本人アーティストによる作品が多く展示されているのも、羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」の特徴のひとつ。
黒木周氏によるアメックスをモチーフにした壁画をはじめ、松本沙希氏によるアメックスのマスコットを「狛犬(こまいぬ)」として再解釈したテキスタイル作品や、岩崎隆二氏による陶芸作品、佐々木亮平氏による水墨画、横山美穂氏による輪島塗の漆工芸作品などが展示されている。
美術に疎い筆者には正確にその価値をお伝えするのは難しいが、どれも目を楽しませてくれ、インスピレーションを与えてくれそうなものばかり。ぜひ、出発までの時間に余裕を持って、じっくり鑑賞することをおすすめしたい。
黒木周氏(画像1枚目)、岩崎隆二氏(画像2枚目)の作品など、日本各地の陶芸、工芸、テキスタイル作品などがずらり。輪島塗の作品の展示には、能登半島地震の被災地でもある石川県への復興への願いも込められているそうだ
ラウンジの奥に進むと、本格的なバーエリアが待っている。ここでは、ワインや日本にちなんだカクテル、日本のビール、日本酒、焼酎など、こだわりのドリンクメニューがオーダーできる。
なお、念のためお伝えするが、「センチュリオン・ラウンジ」内のフード、ドリンク、アメニティなどすべてのサービスは無料で利用できる(※)。
※ただし、同伴者利用条件はラウンジにより異なる場合があるとのこと
ドリンクの種類も豊富
筆者も、羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」におけるシグニチャーカクテル(※)の「ブルーバード」を試させてもらった。
やさしい口当たりとすっきりした後味が印象的で、写真を見るとわかるとおり、鮮やかなブルーの見た目も美しく、目も口も楽しませてくれる1杯だ。
※施設を代表するオリジナルカクテル。各「センチュリオン・ラウンジ」で異なる
「ブルーバード」は純米吟醸「奥飛騨」(奥飛騨酒蔵・岐阜県下呂市)をベースに使用
バーエリアと背中合わせに位置するのが、ブッフェ形式で料理が提供されるレストランエリアになる。ウリは、職人が目の前で腕をふるうライブ型のオープンキッチンだ。
ここでは、職人が握る本マグロの中トロやイクラ、尾崎牛(宮崎県)などの寿司やラーメン、尾崎牛のミニバーガーなどが提供される。
できたての料理を、飛行機の離着陸を見ながらいただける
ブッフェで提供される料理は、ラウンジ奥のキッチンで調理されている。和洋の豊富なメニューが揃っているので、時間帯を問わず楽しめそうだ。なお、メニューは季節ごとに見直されるとのこと。
2025年秋には、複数のミシュラン星付きレストランで活躍してきた、シェフの荻野聡士氏(赤坂 おぎ乃)が監修した特別メニューの提供も予定されており、フードにはかなり力を入れている印象を受ける。
ブッフェには豊富なメニューが揃う。個人的なヒットは、まろやかなコクが絶品の「尾崎牛のカレー」(画像3枚目)
スイーツ好きには、ラウンジ入口近くにある「スイーツバー」がおすすめだ。ここでは、お茶やこだわりの和菓子などが用意されている。ブッフェ同様、メニューは季節によって変わる。
見ているだけで楽しい「スイーツバー」(画像1枚目)。すでに少々食べ過ぎていた筆者だったが、抹茶わらび餅とアメックスのロゴが入ったオリジナルクッキーをしっかりいただいた(画像2枚目)
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座席エリアの種類が豊富なのも羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」の魅力だ。約696平方メートルの広さの空間に、PCなどの作業に適したスペースや、歓談にぴったりのソファなど、さまざまなスペースや設備が用意されている。
ラウンジ内では高速WiFiが提供され、各席には充電用コンセントや USB ポートも設けられており、PCなどでの作業や電子機器の充電にも不安はない。
このほか、家族連れや少人数グループ向けのテレビ付き個室や、「センチュリオン・カード」(招待制のブラックカード)会員だけが使えるVIPルームなど、プライベートなスペースも用意されている。
目的に応じて座席を選べる
ユニークなものでは、瞑想での利用も推奨されている個室電話ブースも2部屋ある。吸音性のあるファブリックパネルが備えられているほか、「水や風の音」、「森の鳥のさえずり」など、好きな音を好みの音量で流すことが可能だ。
通話ブースは、瞑想での利用も推奨されている(画像1枚目)。ラウンジ奥にあるホテルライクなシャワースペースで出発前にリフレッシュするのもよさそうだ(画像2枚目)
最後に、あらためて「センチュリオン・ラウンジ」を使えるクレジットカードを紹介しておこう。
▼センチュリオン・ラウンジが使える、国内発行の対象カード一覧
・アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(R)
・アメリカン・エキスプレス(R)・ビジネス・プラチナ・カード
・アメリカン・エキスプレス(R)・プラチナ・コーポレート・カード(法人のみ)
・センチュリオン(R)・カード(招待制)
もちろん、これらのカードを持つハードルはかなり高い。
たとえば、個人でも申し込める「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(R)」の年会費は16万5,000円と高額だ。気軽に申し込めるカードではないだろう。
メタル製の、「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(R)」(左)と「アメリカン・エキスプレス(R)・ビジネス・プラチナ・カード」(右)。これらカード会員は、「センチュリオン・ラウンジ」を含む、世界140か国、1,550以上の空港ラウンジ、「アメリカン・エキスプレス・グローバル・ラウンジ・コレクション」も利用できる
ただ、経済状況や海外への渡航機会など、諸々の条件が整っていて、少しでも「アメックスのプラチナカードを持ってもいいかも」と感じている人は、真剣に検討する価値はあるだろう。
「センチュリオン・ラウンジ」には、間違いなく旅の印象を格上げする魅力がある。たとえるなら、「そこにいるだけで気分が上がる空間」といったところか。
気になる人は、価格.comの詳細ページでカードのさまざまなスペックを検討していただければと思うが、「センチュリオン・ラウンジ」には、アメックスのプラチナカードを申し込む際の“決め手”になってもおかしくないだけの価値がありそうだ。