増やす

Ponta、Tポイントなどが”自然に”貯まる! お得な銀行のポイントサービス5選

日常生活の中でポイントを貯め、増やしていく「ポイ活」。高い還元率のクレジットカードを使ったり、ポイントアップする期間・店舗で買いものをしたりして、家計の節約や貯金につなげている方もいらっしゃることでしょう。この「ポイ活」の一手段として、「銀行のポイントサービス」が注目されてきました。公共料金の口座振替や投資信託の積み立てなどに対して、銀行がポイントサービスを実施する例は従来からありました。ただ、以前はネット銀行や地方銀行が中心だったものが、近年メガバンクが相次いで導入。さらに、付与されるポイントとして、複数の業種で使える共通ポイントを採用するケースが増えるなど、使い勝手もアップしています。

そこで、ここでは2020年以降にサービスを開始した「三菱UFJ銀行×Pontaポイント」「三井住友銀行×Vポイント」「T NEOBANK×Tポイント」、以前からポイントが非常に貯まりやすいと定評のある「新生銀行×Tポイント、dポイント、nanacoポイント」、独自のポイント経済圏を確立している「楽天銀行×楽天ポイント」という5つのサービスを紹介していきます。

2兆円超え! ポイントの市場規模の拡大が背景に

メガバンクを含め各行がポイントサービスを実施するのは、キャッシュレス化の進展にともない、ポイントサービスの市場規模が拡大しているという背景がありそうです。調査会社の矢野経済研究所は、2019年度に国内で発行されたポイントが初めて2兆円を超え、24年度には2兆4000億円に達すると予想しています。こうした状況の中、銀行側でも、自行のサービス、とりわけ各行が注力しているオンライン取引の利用者を対象に、利便性の高いポイントを使ってインセンティブを与えることで囲い込みを図ろうとする狙いが見てとれます。

ポイ活における、銀行のポイントサービスのメリットは?

それでは、「銀行のポイントサービス」の主なメリット3つをピックアップしていきます。

(1)1度設定すれば、あとは自然と貯まっていく

「ポイ活」の内容はさまざまですが、特定の店舗で買いものをしたり、ポイントモールを経由したりと、慣れるまでは意外と手間がかかり、当然ですが能動的に動く必要があります。その点「銀行のポイントサービス」は、サービスの申し込み後、給与振込の口座や投資信託の積み立てなど1度設定すれば、基本的にそれ以降は自動的にポイントが貯まるという利点があります(後述しますが、一部例外のサービスあり)。そのため「面倒くさそう」という理由でポイ活を敬遠していたという人でも、気楽に始めることができます。

(2)始め方も簡単

「銀行のポイントサービス」は始め方も簡単。基本的には、各行のネットバンキングのページなどから、自分の口座情報と付与されるポイントの会員番号をひも付けるなどして、ポイントサービスに申し込むだけでOKです。

(3)毎月もらえるポイントは200〜300ポイントが限度だが、預金利子と比べると……

このあと、各行のポイントサービスの詳細を説明しますが、おおむね、もらえるポイントは1サービス月間で5〜50ポイント。対象サービスを多く利用しても、月に200〜300ポイントが限度ではないかと思われます。この「月に200〜300ポイント」の評価は人それぞれでしょうが、たとえば、三菱UFJ銀行の定期預金の金利は現在0.002%。500万円を1年間預けて、100円が利子としてもらえる計算になります(ここから約20%の税金が差し引かれます)。こうした点を考慮すると、従来行ってきた銀行との取引で最大月に200〜300ポイント、年2,400〜3,600ポイントがもらえることに、メリットを感じる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

銀行のポイントサービス5選

ここからは、各行のポイントサービスについて具体的に見ていきましょう。

〈1〉三菱UFJ銀行×Pontaポイント

※三菱UFJ銀行公式サイトより

※三菱UFJ銀行公式サイトより

投資信託の積み立て1万円ごとに30ポイント、公共料金の口座振替で10ポイント

三菱UFJ銀行が2021年6月から始めた「メインバンク プラス ポイントサービス」。同行の「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」利用者が、ネットバンキング「三菱UFJダイレクト」のページからポイントサービスの申し込みを行うことが条件になります。ポイント付与の対象となるのは以下のサービスです。毎月月末に判定を行い、翌月末ごろポイント加算されます(2021年7月分の取引は7月末に判定、8月末ごろ加算)。

条件クリアが容易なのは「三菱UFJダイレクト」へのログイン(5ポイント)や公共料金などの口座振替(10ポイント)。投資信託の積み立ては1万円ごとに30ポイント付与されますが、こちらの付与上限は1か月に300ポイント(積立額10万円が上限)になります。たとえば、以下のようなケースでは、
・「三菱UFJダイレクト」へのログイン→5ポイント
・電気料金を口座振替→10ポイント
・投資信託を月5万円積み立て→150ポイント
・同行で住宅ローンを利用→50ポイント
となり、月に215ポイント、年間で2,580ポイントを獲得できる計算になります。

Pontaポイントはローソンやケンタッキーなど、さまざまなお店で利用可能

三菱UFJ銀行のポイントサービスは発表以来、話題を集めていますが、その理由として、提携しているポイントが、共通ポイントの「Pontaポイント」である点が大きいでしょう。「Pontaポイント」は現在9800万人の会員を抱え、ローソンやケンタッキーフライドチキン、ガソリンスタンドのシェルなど、さまざまな業種のお店で1ポイント=1円として利用可能です。さらに、三菱UFJ銀行は2021年秋から、株価に連動して貯めたポイントが増減する「疑似運用体験」ができるサービスを始めることを発表しており、使い道はさらに広がっていきそうです。

〈2〉三井住友銀行×Vポイント

※三井住友銀行公式サイトより

※三井住友銀行公式サイトより

三井住友銀行は2020年から、同行や三井住友カードの利用で三井住友グループ共通の「Vポイント」がもらえるサービスを開始しました。同行のネットバンキング「SMBCダイレクト」などから、ポイント付与や手数料優待などが受けられる「ポイントパック」を申し込むと、付与の対象になります。対象取引は以下のとおりです。

ポイントサービスの申込時に300ポイント

ポイント付与の対象となる取引について、三菱UFJ銀行のサービスと異なる点は、ポイントパックの申込時に300ポイント付与されたり(エントリー時1回のみ)、同行ATM利用時には1回10ポイント(月3回まで)もらえたりすることがあげられるでしょう。

たとえば、
・「SMBCダイレクト」へのログイン→5ポイント
・三井住友銀行ATMを月3回利用→30ポイント
・投資信託5万円を積み立て→75ポイント
となり、月に110ポイント、年間で1,320ポイントを獲得できる計算になります。なお、初回のエントリー時に300ポイント付与している分、毎月のポイント付与に関しては、三菱UFJ銀行のサービスと比べると抑え気味な印象があります。

付与されるVポイントは、Visa加盟店で1ポイント=1円で利用可能

もらえるポイントは、三井住友カードの利用でも付与される、三井住友グループ共通の「Vポイント」。1ポイント=1円として、同行の振込手数料に使えたり、三井住友カードの利用代金に充当できたりします。このほかにも、別途「Vポイントアプリ」をダウンロードすれば、貯めたポイントを1ポイント=1円として、Visa加盟店で支払いに充当することができます。アプリのダウンロードというひと手間かける必要はありますが、Visa加盟店で利用できる点を考慮すると、三菱UFJ銀行の「Pontaポイント」と比べても、使い勝手は遜色(そんしょく)ないと言えそうです。

〈3〉T NEOBANK×Tポイント

※T NEOBANK公式サイトより

※T NEOBANK公式サイトより

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のグループ会社が2021年3月31日から始めたのがスマートフォン専用の銀行サービス「T NEOBANK」。T会員のみが口座を開設することができ、取引に応じてTポイントが付与されるのを最大の特徴としています。システム基盤は住信SBIネット銀行が提供し、同行の専用支店として預金や振込、借り入れなどの銀行サービスが利用できます。なお、スマホ専業銀行のため、通帳はもちろんキャッシュカードも発行されず、アプリを使って、セブン銀行やローソン銀行などのATMから入出金を行います(ATMの利用は月2回まで無料)。

給与受け取りや他行からの振込で30ポイント

Tポイントが付与される取引は以下のとおりです。給与・年金の受け取り口座に指定していると30ポイント、外貨預金の残高が300万円以上あると50ポイント付与されるほか、他行からの1万円以上の振込では1回につき30ポイント(上限は月5回まで)もらえるのが特徴的です。

貯めたTポイントは、カードローンの返済や外貨普通預金の入金に1ポイント=1円で充当可能

貯めたTポイントはファミリマートやガストなど街中のお店で1ポイント=1円で利用することもできますが、カードローンの返済や外貨普通預金の入金、スポーツくじの購入に1ポイント=1円で使えるのもメリットになるでしょう。

〈4〉新生銀行×Tポイント、dポイント、nanacoポイント

※新生銀行公式サイトより

※新生銀行公式サイトより

ポイ活好きの間でも人気が高いのが、新生銀行が実施している「新生ポイントプログラム」です。人気の理由は2つ。ひとつ目は貯められるポイントを「Tポイント」「dポイント」「nanacoポイント」という3種類のメジャーなポイントから選べる点。そして、もうひとつは、ポイントが貯められる取引・サービスが非常に多岐にわたっている点です。

メール受信やWeb予約による資産運用の相談など、対象サービスが多彩

主な対象取引を以下の表にまとめましたが、比較的簡単にクリアできる取引として、
・ポイントプラグラムにエントリー:1ポイント
・ネットバンキングにログイン:3ポイント
・新生銀行が発信した特定のメールを受信:3ポイント
・新生銀行のSNS公式アカウントで発表されたキーワードを入力:3ポイント
・新生銀行の口座へ、他行から1万円以上を振込入金:50ポイント(1回25ポイント、月2回として計算)
・クレジットカードや公共料金の引き落とし口座に設定:100ポイント(1件50ポイント、月2件として計算)
などがあげられ、これだけで月に160ポイント、年間1,920ポイント獲得できる計算に。これにさらに、投資信託(積立などを除く)などの資産運用商品の取引が30万円以上でば200ポイント、Web予約で資産運用の相談をすると50ポイント加算(年2回まで)という項目もあります。

ただし、ポイント付与には毎月エントリーが必要

銀行が実施するポイントサービスの中でも非常に充実した中身となっていますが、こちらのポイント付与を受けるには、毎月公式サイトからエントリーすることが必要です。口座番号や各ポイントプログラムの会員番号など、入力は数分で完了できますが、ポイント付与を受けたい場合は毎月忘れずに行いましょう。

〈5〉楽天銀行×楽天ポイント

※楽天銀行公式サイトより

※楽天銀行公式サイトより

楽天グループの特徴は何と言っても「楽天ポイント」ですが、楽天銀行もユーザー向けに取引ごとのポイント付与と各種手数料を優遇する「ハッピープログラム」を実施しています。楽天会員の情報と楽天銀行の口座情報を連携させる「楽天会員リンク登録」を行うことで、ハッピープログラムへのエントリーが完了します。

「ハッピープログラム」の大きな特徴が会員ステージ制を採用している点です。下記の画像のとおり、「毎月25日終了時点の預かり資産残高」、または「前月26日〜当月25日の対象商品・サービスの取引件数」に応じて「ベーシック」「アドバンスト」「プレミアム」「VIP」「スーパーVIP」の5種類の会員ステージを設けています。

「ハッピープログラム」の会員ステージ(楽天銀行の公式サイトより)

「ハッピープログラム」の会員ステージ(楽天銀行の公式サイトより)

資産残高などで決まる会員ステージに応じて、ポイントが最大3倍に

会員ステージに応じて、ATM利用や他行振込の手数料が無料になる回数が決まるほか、取引によっては付与される楽天ポイントが最大3倍になります。たとえば、他行口座からの振込はベーシックでは1ポイントですがVIP以上だと3ポイント付与に、楽天カードの口座振替ではベーシックは3ポイントですがVIP以上だと9ポイント付与になります。少し多めの残高を保有して上位の会員ステージをキープすることで、楽天ポイントを効率的に貯めることができます。

まとめ:クレカなども含め、貯めるポイントの集約化を

以上、注目度の高い5つの銀行のポイントサービスを紹介してきました。三菱UFJ銀行のサービスは「Ponta」という、汎用性が高い共通ポイントを貯められる点が魅力。三井住友銀行のサービスでは、ATM利用や投資信託の購入でポイントを貯めることができ、Vポイントの使い道も悪くありません。T NEOBANKのサービスでは、スマホ専業の銀行だけあって、付与されるポイント数が相対的に高く、貯めたTポイントをスポーツくじの購入などに使えるのも利点になりそうです。そして、新生銀行のサービスは対象となる取引の種類の豊富さ、貯められるポイントを3つの共通ポイントから選べるという意味でも、かなり充実した内容になっています。楽天ポイントユーザーにとっては、楽天銀行のサービスはメリットがあるでしょう。

紹介してきた銀行のポイントサービスは基本的に「ちりも積もれば」の世界。短期間で大量のポイント獲得を期待するのはなかなか難しいですが、1度設定をすれば、能動的に動かなくてもポイントを貯められるという利点があります。そして「ポイ活」においては、貯めるポイントを分散させるのは得策でないと言われています。そうした意味で言うと、三菱UFJ銀行でポイントを貯めるなら、クレジットカードも「Pontaポイント」が付与されるカードを、三井住友銀行ならばメインカードも三井住友カードを選択するなど、貯めるポイントをひとつに集約する工夫も大事になってくるでしょう。

回遊舎

回遊舎

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。 お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける

ご利用上の注意
  • 本記事は情報の提供を目的としています。本記事は、特定の保険商品や金融商品の売買、投資等の勧誘を目的としたものではありません。本記事の内容及び本記事にてご紹介する商品のご購入、取引条件の詳細等については、利用者ご自身で、各商品の販売者、取扱業者等に直接お問い合わせください。
  • 当社は本記事にて紹介する商品、取引等に関し、何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとします。
  • 当社は、本記事において提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
  • 本記事には、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
  • 本記事のご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、価格.comサイト利用規約(http://help.kakaku.com/kiyaku_site.html)にご同意いただいたものとします。
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る