こんにちは! 株主優待大好きブロガー、かすみです。
「かすみちゃんの株主優待日記」というブログを18年続けています。優待投資家が1年間で一番忙しくなる“株主優待シーズン”がやってきました。毎年3月は、優待導入企業のうち約半数が実施する株主優待の最盛期で、2023年3月の優待銘柄も約800となっています(大和インベスター・リレーションズ「株主優待ガイド」検索による)。
あらゆるジャンルの優待品がそろっており、幅広く選べるのがこの3月。そこで、今回は3月優待の中から、「外食系(食事券)」「カタログギフト」「QUOカード」「お米」の4ジャンル12銘柄、そして、2023年に新設された注目の3銘柄を加えた計15銘柄を紹介していきたいと思います。2023年3月の権利付き最終売買日は3月29日(水)、権利落ち日が翌日の30日(木)。気になる銘柄があれば、3月29日までに購入し、30日までは保有するようにしましょう。
(記事で紹介した各銘柄の株価は2023年2月27日の終値です)。
最初に紹介するのは、食事券などが贈られる「外食系」優待です。私は優待株投資を始めて約20年になりますが、外で食事をすることが好きだったこともあり、最初に魅力を感じたのがこの「外食系」優待です。今も数多くの銘柄を保有していますが、このうち3銘柄を取り上げます。
おいしい定食屋さんでおトクに食事を取りたい。そんな思いから保有しているのが、大戸屋ホールディングスです。同社は和定食が中心の「大戸屋ごはん処」を国内および海外に約400店舗展開しています。
優待内容ですが、3月末と9月末の年2回、100株保有していると優待ポイント4,000P(4,000円分)が贈られます。優待ポイントは「大戸屋ごはん処」に加え、同社の親会社であるコロワイドグループが運営する「甘太郎(居酒屋チェーン)」「かっぱ寿司」などで「1P=1円」として利用可能です(1P単位で利用可能)。「大戸屋ごはん処」は低カロリーメニューが充実しているうえ、落ち着いた雰囲気で女性も利用しやすい定食屋さんで気に入っています。
大戸屋ホールディングスの株価は2月27日時点で3,780円なので、100株なら378,000円で優待がもらえます。優待利回りは2.12%になります(2023年3月期の配当は未定)。
3月と9月の年2回、100株で優待ポイント4,000Pが贈られます
優待ポイントで、「大戸屋ごはん処」の鶏と野菜の黒酢あん定食(960円)をいただきました
大戸屋ホールディングスの株主優待(100株)
・優待ポイント4,000P(4,000円分)(3月末、9月末)
さまざまなジャンルの飲食店で優待券を使える銘柄がゼンショーホールディングスです。同社は牛丼チェーン「すき家」を全国に約1,900店展開するなどしています。
優待内容ですが、3月末と9月末の年2回、100株保有していると、株主優待券1,000円分(500円券×2枚)が贈られます。最も店舗数が多いのは「すき家」ですが、同社はファミリーレストラン「ココス」や回転寿司「はま寿司」、パスタ専門店「ジョリーパスタ」など、さまざまなジャンルの飲食チェーンを展開しており、使えるお店が豊富なのが特徴的です。
ゼンショーホールディングスの株価は2月27日時点で3,815円なので、100株なら381,500円で優待がもらえます。優待利回り(0.52%)と予想配当利回り(0.63%)を合わせた総合利回りは1.15%になります。
ゼンショーホールディングスの株主優待券は、さまざまなジャンルの飲食チェーンで使えるのが魅力
ゼンショーホールディングスの株主優待(100株)
・「すき家」などで使える株主優待券1,000円分(3月末、9月末)
家族や親戚で集まって食事をしたい。そんなときに使いやすい優待を用意しているのがサガミホールディングスです。同社は東海や関東地方を中心に、ソバやミソ煮込みを主力とする「サガミ」、手延べうどんがメインの「味の民芸」など、和食のレストランチェーンを約250店展開しています。
優待内容ですが、3月末と9月末の年2回、100株保有していると、同社運営の店舗(一部対象外)で使える「20%割引券」2枚が贈られます。1枚につき割引上限金額は3,000円(15,000円の利用が最大の割引額)となり、年間で最大12,000円分(割引券4枚分)の割引きを受けられる計算になります。和食中心のお店ですが、スイーツも充実しており、子どもから年配の方まで、家族みんなで楽しむことができます。
サガミホールディングスの株価は2月27日時点で1,273円なので、100株なら127,300円で優待がもらえます。最大割引額の12,000円で計算すると、優待利回りは9.43%。予想配当利回り(0.39%)を合わせた総合利回りは9.82%になります。
筆者は1,000株保有しており、年2回、15,000円相当の食事券が贈られてきます
食事券を使って、「味の民芸」で鹿児島県産のうな丼をいただきました
サガミホールディングスの株主優待(100株)
・同社運営の店舗で使える「20%割引券」2枚(3月末、9月末)
続いてご紹介するカタログギフト優待は、グルメやファッション、雑貨など多彩なアイテムの中からそのときの気分に合わせて自由に選べるのが魅力。アイテムによっては贈り物にも使えるので、重宝します。そんなカタログギフト優待の中から3銘柄をピックアップしました。
優待投資家から人気があり、高配当銘柄としても知られるKDDI。同社は「au」ブランドで携帯キャリア事業などを行う総合通信事業者です。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、グルメ商品を集めた3,000円相当の「au PAY マーケット商品カタログギフト」から1点を選べます。各地のおいしいものや日常使いもできる食品がそろっており、このカタログギフトは優待好きの中でも人気があります。5年以上の継続保有で5,000円相当のギフトにグレードアップします。
KDDIの株価は2月27日時点で4,011円なので、100株なら401,100円で優待がもらえます。優待利回り(0.75%)と予想配当利回り(3.37%)を合わせた総合利回りは4.12%になります。
以前の優待で選んだ「ウインナー1kgとハンバーグ540グラムのセット」。ボリュームたっぷりで、食費が浮いて助かりました
KDDIの株主優待(100株)
・3,000円相当の「au PAY マーケット商品カタログギフト」(3月末)
こちらもカタログに加え、高配当な点が魅力の銘柄。NECキャピタルソリューションは、情報通信や事務機器のリース・レンタルなどを行うNECグループの金融サービス会社です。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、2,000円相当のオンラインカタログギフトが贈られます。カタログギフトはグルメやキッチン用品、雑貨など、豊富なラインアップになっており、ここから1点を選べます。1年以上の継続保有で、3,000円相当のギフトにグレードアップします。同社は今年1月に、業績の上方修正にともない2023年3月期の1株配当を従来の年間74円から110円に増額することを発表。配当も大きな魅力の銘柄です。
NECキャピタルソリューションの株価は2月27日時点で2,691円なので、100株なら269,100円で優待がもらえます。優待利回り(0.74%)と予想配当利回り(4.09%)を合わせた総合利回りは4.83%になります。
昨年はカタログギフトの中から、上品な洋菓子を選びました
NECキャピタルソリューションの株主優待(100株)
・2,000円相当のオンラインカタログギフト(3月末)
カタログギフト優待の中でも珍しい、年2回実施している銘柄がベネッセホールディングス。幼児対象の「こどもちゃれんじ」、小中高生を対象とする「進研ゼミ」などを手がける通信教育業界の大手企業です。
優待内容ですが、3月末と9月末の年2回、100株保有していると、同社の商品やサービスを集めたカタログギフトから1点を選べます。内祝いで使われるギフトや焼き菓子の詰め合わせ、同社発行の辞典など20超のアイテムから選ぶことができます。カタログギフトを年2回贈る銘柄は貴重なので、例年取得しています。
ベネッセホールディングスの株価は2月27日点で2,009円なので、100株なら200,900円で優待がもらえます。約3,000円相当のギフトもあり、これを基に計算すると優待利回りは2.99%。予想配当利回り(2.99%)を合わせた総合利回りは5.98%になります。
過去にチョイスしたバッグ。普段使いしやすいバッグです
ベネッセホールディングスの株主優待(100株)
・同社の商品やサービスを集めたカタログギフト(3月末、9月末)
大手コンビニをはじめ、ファミリーレストランやドラッグストアでも使えるQUOカード。有効期限もなく、利便性抜群のためQUOカードを優待品とする銘柄は根強い人気があります。そんなQUOカード優待のうち3銘柄を取り上げます。
長期保有するとメリットが大きくなる銘柄がリコーリースです。事務・情報関連機器などのリースおよびファイナンス事業を手がけるリコーグループの企業です。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、QUOカード2,000円分が贈呈。1年以上3年未満の保有で2倍の4,000円分、3年以上の保有で2.5倍の5,000円分にアップするので、継続保有を検討してもよいでしょう。同社は増配を継続しており、2023年3月期も前期比15円増の「1株当たり135円」の配当予想となっています。
リコーリースの株価は2月27日時点で4,060円なので、100株なら406,000円で優待がもらえます。優待利回り(0.49%)と予想配当利回り(3.33%)を合わせた総合利回りは3.82%になります。
1年以上3年未満の保有で、贈呈されるQUOカードが2倍の4,000円分にアップします
リコーリースの株主優待(100株)
・QUOカード2,000円分(3月末)
手ごろな資金で購入できる銘柄が進学会ホールディングスです。北海道を地盤に、各地に「北大学力増進会」「東大進学会」「東北大進学会」などの学習塾を全国展開しています。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、QUOカード1,000円分に加え、自社の学習塾やスポーツクラブで使える優待割引券3,000円分(500円×6枚)が贈られます。現状の株価で計算すると3万円前後の資金で購入できるので優待初心者にもおすすめできる銘柄です。
進学会ホールディングスの株価は2月27日時点で304円なので、100株なら30,400円で優待がもらえます。QUOカードのみで計算すると、優待利回りは3.29%。予想配当利回り(2.47%)を合わせた総合利回りは5.76%になります。
進学会ホールディングスの株主優待(100株)
・QUOカード1,000円分
・自社の学習塾やスポーツクラブで使える優待割引券3,000円分
(3月末)
手ごろな資金で優待品のQUOカードを受け取ることができます
QUOカード優待の中で、比較的優待利回りが高水準なのがJSP。同社は食品トレーや産業資材などに使用する発泡プラスチックの総合メーカーです。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、QUOカード3,000円分が贈られます。QUOカードを優待品にする場合、優待利回りは1%を切ることが少なくありませんが、こちらの銘柄は1%台後半をキープしています。
JSPの株価は2月27日時点で1,597円なので、100株なら159,700円で優待がもらえます。優待利回り(1.88%)と予想配当利回り(3.13%)を合わせた総合利回りは5.01%になります。
JSPの株主優待(100株)
・QUOカード3,000円分(3月末)
JSPは、総合利回りも高水準な銘柄です
さまざまなモノの値段が上がっている昨今。お米を毎日食べる方も多いと思いますが、これを優待品として受け取ることができれば、食費の節約にもつながりそうです。そこで、お米あるいはお米が買えるギフト券を優待品とする3銘柄をご紹介します。
TPRは、自動車用エンジンに使うピストンリングやシリンダライナなどの重要部品を製造・販売しています。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、おこめ券3枚が贈られます。おこめ券は、お米屋さんやスーパーなどでお米を購入するときに1枚440円として利用できます(現金との組み合わせも可能)。同社は2023年3月期の1株配当を58円と予想しており、配当利回りが4%前後ある点も魅力です。
TPRの株価は2月27日時点で1,415円なので、100株なら141,500円で優待がもらえます。優待利回り(0.93%)と予想配当利回り(4.10%)を合わせた総合利回りは5.03%になります。
100株でおこめ券3枚が贈られます。お米は毎日食べるので重宝します
TPRの株主優待(100株)
・おこめ券3枚(お米購入時に1枚440円として利用可能)(3月末)
高松コンストラクショングループは、東京や大阪を中心に賃貸マンションの建築、各地の公共土木事業などを行っています。
優待内容ですが、3月末に100株保有していると、南魚沼産コシヒカリ(新米)5kg、またはおこめ券5枚を選べます。筆者は例年コシヒカリを選んでいますが、粒がそろっていて甘味があるおいしい新米です。
高松コンストラクショングループの株価は2月27日時点で2,032円なので、100株なら203,200円で優待がもらえます。おこめ券5枚で計算すると、優待利回りは1.08%。予想配当利回り(3.10%)と合わせた総合利回りは4.18%になります。
優待品の南魚沼産コシヒカリは甘味があるおいしい新米です
高松コンストラクショングループの株主優待(100株)
・南魚沼産コシヒカリ(新米)5kg、またはおこめ券5枚(3月末)
キムラユニティーは、物流サービスや、車両リースなどの自動車関連のサービスを展開しています。トヨタ自動車グループ向けの取引が全体の4割程度を占めているとされています。
優待内容ですが、3月末と9月末の年2回、200株保有していると、おこめ券2枚が贈呈されます。こちらも配当利回りが4%前後ある銘柄です。ただ、単元株数は100株ですが、優待を受けるには200株必要な点はご注意ください。
キムラユニティーの株価は2月27日時点で1,066円なので、200株なら213,200円で優待がもらえます。優待利回り(0.83%)と予想配当利回り(3.94%)を合わせた総合利回りは4.77%になります。
キムラユニティーの株主優待(100株)
・おこめ券2枚(3月末.9月末)
最近は、オリックスやJTなどのように「配当」を重視し、株主優待の廃止を発表する企業が増加傾向にあるのは事実ですが、そのいっぽうで、個人投資家のすそ野拡大を目的に新設する企業は依然、少なくありません。優待投資家としては、今後も新設企業が増えてほしいと期待しています。そこで、最後にご紹介するのが、株主優待を新たに導入したり、初めて実施したりする企業のうち、私が注目する3銘柄をご紹介します。
明和地所は、首都圏を中心に新築マンションの開発、分譲を手がけるマンションデベロッパーです。
同社は2022年12月に株主優待の導入を発表。その内容ですが、3月末に600株保有していると「プレミアム優待ポイント」4,000Pが付与されます。「プレミアム優待ポイント」は、グルメやスイーツ、家電製品などを集めたポータルサイト「プレミアム優待倶楽部」でアイテムと交換することができます。また、ほかの「プレミアム優待倶楽部」導入企業の優待ポイントと合算可能な株主優待共通コイン「WILLsCoin」にも交換可能です。
明和地所の株価は2月27日時点で945円なので、600株なら567,000円で優待がもらえます。予想配当利回りは4.76%になります(優待利回りは計算できませんでした)。
明和地所の株主優待(100株)
・「プレミアム優待ポイント」4,000P(3月末)
中西製作所は、学校や病院向けに給食用の厨房機器を製造、販売している企業です。
同社は2022年11月に株主優待の導入を発表。その内容ですが、3月末に100株保有していると全国のマクドナルドで使える「マックカード」1,000円分が贈られます。使える店舗も豊富で、金券としては珍しくお釣りもでるので使い勝手がよい優待品です。1年以上保有で2,000円分、2年以上保有で3,000円にアップするので、長期保有を検討してもよいでしょう。
中西製作所の株価は2月27日時点で1,884円なので、100株なら188,400円で優待がもらえます。優待利回り(0.53%)と予想配当利回り(1.27%)を合わせた総合利回りは1.80%になります。
新設された中西製作所の株主優待品は、比較的使いやすい「マックカード」
中西製作所の株主優待(100株)
・「マックカード」1,000円分(3月末)
ハリマ化成グループは、塗料や印刷インキ用などの樹脂・化成品を製造する化学メーカーです。
同社は創立75周年の株主優待を2023年に実施することを発表。その内容ですが、2023年3月末に100株保有していると、同社の子会社「ハリマ食品」が販売している「極美味(ごくうま)ビーフカレー」のレギュラーとマイルドを1パックずつ贈られます(2パック計2,160円相当)。贈り物にも使われる豪華なカレーのようなので今から楽しみです。現状では、創立75周年を記念した今年だけの優待ですが、記念優待を実施した企業がその後、通常優待として毎年実施するケースもあるので期待しています。予想配当利回りも4%超となっており高水準です。
ハリマ化成グループの株価は2月27日日時点で911円なので、100株なら91,100円で優待がもらえます。優待利回り(2.37%)と予想配当利回り(4.61%)を合わせた総合利回りは6.98%になります。
ハリマ化成グループの創立75周年の記念株主優待(100株)
・「極美味ビーフカレー」のレギュラー1パックとマイルド1パック(2023年3月末)
以上、株主優待最盛期の3月に取得できるおすすめの15銘柄を紹介してきました。
「外食系(食事券)」「カタログギフト」「QUOカード」「お米」の4ジャンルと新設優待を取り上げましたが、紹介したもの以外にも3月はさまざまな優待品が用意されており、数多くの選択肢から選ぶことができます。そうした意味で、株主優待を初めて行うのに最適な期間とも言えそうです。
株主優待をもらうためには、証券口座を通じて株を買い、権利付き最終売買日に保有している必要があります。証券口座はさほど手間をかけずに開設することができ、最近ではネット上のやり取りですべて完結します(ログインパスワードの受け取りなどは郵送)。
最近は、つみたてNISAや個人型確定拠出年金(イデコ)など、おトクな制度も整ってきています。ぜひ下にあるランキングやキャンペーン情報、記事を参考にして、証券口座の開設を検討してみてください。
2023年4月版もお楽しみに!
※本記事は執筆者個人の見解です。特定の銘柄を推奨するものではありません。
2003年から株主優待に興味を持ち、2004年から株主優待ブログを開始。株主優待ブログアクセスランキング1位独走中。有効期限のないクオカードや株主優待券で外食をするのが大好き。