アメリカン・エキスプレスが新ゴールドカードとして、2024年2月にリリースした「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」(以下、「ゴールド・プリファード・カード」)。
価格.comのゴールドカード人気ランキングで2位(2025年9月5日時点)となっていて、「実利とステータス性を備えたカード」など、ユーザーレビューでの評価も上々です。
さらに今夏、これまでゴールドのみだった券面カラーに新色のローズゴールドが仲間入り。好みに応じた選択が可能となり、ますます注目度を高めています。
なお、「ゴールド・プリファード・カード」は最大12万ポイントが還元される入会キャンペーンを実施中です(2025年9月30日申し込み分まで)。
〈2025年9月時点で実施されている入会キャンペーンの内容〉
(1)入会3か月以内に計50万円以上のカード利用→2万ボーナスポイント
(2)入会6か月以内に計100万円以上のカード利用→7万ボーナスポイント
(3)100万円以上のカード利用→1万ポイント(通常利用分)
(4)入会後6か月間、対象加盟店でのカード利用100円ごとに10ボーナスポイント→最大2万ボーナスポイント
2025年7月から、従来のゴールドに加え、ローズゴールドの券面デザインも選べるようになりました
ただし、「ゴールド・プリファード・カード」の年会費は39,600円。カード自体がメタル(金属)製で、グルメやトラベルの特典が充実しているのが特徴的ですが、4万円近い年会費に見合う特典なのかは、持ってみないとなかなか見えてこないもの。
そこで、価格.comマガジン・マネー編集部では、リリース直後の2024年3月に「ゴールド・プリファード・カード」に申し込み、メインカードとして4か月近くにわたって使っている40代会社員のMさんに取材しました。
Mさんはアメックスのカードはもちろん、ゴールドカードの保有経験もこれまでなし。そんなユーザーが、ステータスカードの代表とも言えるアメックスのゴールドカードを持ってみた感想を聞いてみました。
(以下はMさんの語り、取材内容は2024年7月時点のものです)
Mさんは東京都在住の40代の会社員で、妻と5歳の長女との3人暮らし。「ゴールド・プリファード・カード」の満足度は高いとのことで、その理由を取材してきました
僕はクレジットカードにさほど関心が高かったわけではなく、ゴールドカードを持ったこともありませんでした。
これまでメインカードとして使ってきたのは、ヨドバシカメラのグループ会社が発行する「ゴールドポイントカード・プラス」(年会費無料)。
「ヨドバシ・ドット・コム」は最短即日&無料で注文商品を届けてくれる点が気に入っていて、愛用しているのですが、このECサイトでは原則、10%分の「ヨドバシゴールドポイント」が還元されます。
ところが、「ゴールドポイントカード・プラス」なら通常より1%分のポイントが上乗せされ、最大11%還元になる点にメリットを感じていました。
還元される「ヨドバシゴールドポイント」は、「ヨドバシ・ドット・コム」で「1P=1円」として使えるのでムダになりませんし、ヨドバシ以外でのポイント還元率も1%だったので、特に不満もなく10年近くにわたって使ってきました。
以前は「ヨドバシ・ドット・コム」で高還元の「ゴールドポイントカード・プラス」をメインに使っていました
そんなとき、リリース直後の「ゴールド・プリファード・カード」を紹介する記事がたまたま目に留まりました。最初は「メタル製のクレジットカードがあるんだ」という印象を持った程度。
ただ、記事を読み進めていくと「自分のライフスタイルに意外と合っているのでは?」と思い始めました。というのも、僕は毎年飛行機で家族旅行をしますし、外食をするのも結構好きなんです。
もちろん、39,600円という年会費は入会を即決できる金額ではないので、いろいろなネット記事やYouTubeの解説動画を見て1週間ほど考えました。
出した結論は「年会費は高いけれど、1か月にならすと毎月の負担は3,300円。月3,300円のサブスクサービスに入会すると思えば、十分にモトが取れる」というものでした(そして、このカードに入会する代わりに、動画配信のサブスクサービスを1つやめました)。
何せゴールドカードに申し込むのも初めてですし、「審査通るのかな?」と幾分不安もあったのですが、申し込んだ翌日には、審査通過のメールが来て、安心しましたね。
入会後約4か月で10万超のポイントを獲得できました
まず魅力的に感じたのが入会キャンペーンです。僕が申し込みをするときには、最大12万ポイントが還元される入会キャンペーンを実施していました。
キャンペーンは下記のとおり、4つのパートに分かれていましたが、これまでのカード利用状況と照らし合わせると、(1)と(2)の利用金額はクリアできるのではないかと考えました。
実際、家族旅行のツアー代金をこのカードで決済したこともあって、入会4か月後には(1)に加えて(2)の利用金額についてもクリアすることができ、10万ポイントを獲得することができました。
〈2024年2月時点で実施されていた入会キャンペーンの内容〉
(1)入会3か月以内に計50万円以上のカード利用→2万ボーナスポイント
(2)入会6か月以内に計100万円以上のカード利用→8万ボーナスポイント
(3)アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインで、入会後6か月以内に5万円以上のカード利用→1万ボーナスポイント
(4)100万円以上のカード利用→1万ポイント(通常利用分)
僕が現時点で持っているポイント数は10万7,562ポイント(2024年7月4日時点)。入会わずか半年足らずで、10万ポイント超えって結構インパクトありますよね。
入会前に読んだ記事の中に、「アメックスの入会キャンペーンは、大量のポイントが獲得できるチャンス」という解説を見かけましたが、確かにその効果を実感しています。
いっぽうで、「ゴールド・プリファード・カード」に対しては、「普段使いでも結構ポイントを貯められるのでは」という期待も持っていました。
このカードの基本還元率は1%で、100円で1ポイントが貯まります(編集部注:アメックスのポイント名称は「メンバーシップ・リワード」)。
さらに、対象店でこのカードを使うと、ポイントが「100円で3ポイント」になる「メンバーシップ・リワード・プラス」という特典が無料で、なおかつ自動的に付帯してきます(編集部注:ボーナスにあたる2ポイント分の獲得上限は年間10,000ポイント)。自動的に登録してくれて、何もしなくても特典が適用されるのはありがたかったです。
そして、対象店に「ヨドバシカメラ」と「ヨドバシ・ドット・コム」が入っていたのは、入会の大きな動機となりました。先ほど話したとおり、僕は「ヨドバシ・ドット・コム」のヘビーユーザー(Amazonはほとんど使いません)。
ティッシュ・ペーパーや洗剤といった日用品や子どもの文房具などで、月に2万〜3万円程度は使っていて、これらに対して3%分のポイントが還元されるので、ある程度のポイントは貯められるだろうと考えていました。
実際に、入会キャンペーンを除いたポイント獲得数は7,562ポイント。約4か月間の日常利用で貯めたポイントと考えると悪くない数字だと思っています。
3%還元の対象店は、「ヨドバシ・ドット・コム」のほか、AmazonやUber Eatsなど、日常的に使えるお店がそろっている印象です(画像は「ゴールド・プリファード・カード」公式サイトより)
ポイントの使い道もチェックしました。
貯めたポイントの使い道として、
・年会費への充当(1ポイント=1円)
・楽天ポイントへの交換(3,000ポイント→1400楽天ポイント)
などの選択肢がありますが、メリットが大きいと感じたのは「1,000ポイント=1,000マイル」で交換できるANAマイルへの交換です。
※上記は「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録した場合の移行レート
僕は実家が関西方面にあり、帰省するのに飛行機で「羽田―伊丹」間を年間3回程度、往復しています。早めに予約して割安な運賃を使っても1回の帰省で家族3人だと計7、8万円の航空費はかかってきます。
ところが調べてみると、ANAで「羽田―伊丹」の特典航空券に必要なマイルは片道6,500マイル、往復で13,000マイル(レギュラーシーズン)。
アメックスのポイントをANAマイルに移行するには、年間5,500円の参加費がかかり、年間で最大4万ポイント(4万マイル)しか移行できないという条件がありつつも、少なくとも年間1回分は、航空運賃の負担なしに帰省することができそうで、かなりのメリットがあるなと感じています。
※編集部注
「メンバーシップ・リワード」は2025年3月26日から、Amazonでの買い物に「1P=0.3円(3Pを1円として)」、「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録している会員は、「1P=0.5円(2Pを1円)」として利用可能になりました。
貯めたポイントの一部は帰省用に、ANAマイルと交換することを考えています
僕は外食するのが好きなほう。ただ、ファミレスや回転寿司といったコスパのいいお店にちょくちょく行くよりは、そのぶんを1回にまとめて少し値の張るモノを食べたいタイプなんです。
そうした意味で、「ゴールド・プリファード・カード」に付帯する「ゴールド・ダイニング by 招待日和」の特典は魅力的に映りました。この特典では、対象となるレストランで所定のコースを2名以上で予約すると1名分が無料になります。
さっそく、付き合いの長い男友達を誘って、先日この特典を使ってきました(家族とは予定があわず)。訪れたのは東京都内の焼き肉店です。
対象店は全国に約250店あり、当初は「イタリアンやフレンチがほとんどなのかな」と思っていましたが、和食や中華、焼き肉などさまざまなジャンルのお店が入っているのはうれしかったですね。
当日注文したのはひとり17,600円のコース。値段が値段だけに、焼き肉はもちろん、前菜やデザートもとてもおいしかったです。
ひとり分が無料になるので、コース料金を2人で割り勘して8,800円。加えて、お酒も頼んだので1万円を少し超えましたが、通常だとひとり2万円前後かかることを考えると、かなりおトク感はありましたね。
ユッケなどの前菜もおいしかったです
提供された焼き肉は、かなりぜいたくな逸品でした
「招待日和」は年間2回(4月〜9月で1回、10月〜3月で1回)使えるので、次はどこのお店に行こうかと、楽しみにしています。
ただこのサービス、予約に関しては使いやすいとは言えませんでした。というのも、予約する際は利用日の3営業日前までに専用フォームで依頼をして、3営業日以内に予約の結果がメールで届くという流れなんです。
予約確定までに時間がかかるため、思い立ったときに行くことはできず、日程をあらかじめ決めておかなければならいのは、少し使いづらいなと感じました。
グルメに関しては、このカードは利用金額の20%、最大年1万円キャッシュバックされる「ポケットコンシェルジュ」という特典も付帯しています。招待日和とは対象店も異なるようなので、こちらもチェックしてみたいと思っています。
入会前に読んだ解説記事で、「ゴールド・プリファード・カード」の目玉特典とされていたのが「フリー・ステイ・ギフト」で、僕も注目していました。
この特典は年間200万円以上利用し、カードを継続したユーザーに対し、翌年、国内各地の有名ホテルが1泊2名無料となるギフトが贈られるというものです。
この特典を得られなければ、「ゴールド・プリファード・カード」を持つメリットは半減してしまいます。
そのため入会に際しては、「200万円」を超えられるかは検討しましたが、光熱費や携帯電話料金をまとめて支払えば達成できそうという結論に。予想どおり、現時点で利用金額は100万円超を利用しているので、クリアできる可能性が高いと考えています。
ギフトをもらって、実際に宿泊するのは来年にはなりますが、対象ホテルはすでにチェック済み。ヒルトンやマリオットなど、なかなか自分ではお金を出して泊まれないホテルがずらりと並んでいるので、今から楽しみにしています。
「旅行の際に、僕と妻は『フリー・ステイ・ギフト』の特典で無料で宿泊し、子どもに関しては追加料金を払って泊まろうかな」とか、はたまた「この特典を使って、妻と子どもで泊まってもらい、僕は自宅に残ってのびのびと過ごすのもよいかな」とか、いろいろ思いを巡らせています。
「ゴールド・プリファード・カード」の目玉特典「フリー・ステイ・ギフト」では、国内有名ホテルが1泊2名無料になります(写真と本文は関係ありません)
「ゴールド・プリファード・カード」はカード自体がメタル製なのも大きな特徴。僕も自宅にカードが届いて、初めて手にしたときは「プラスチック製とは重量感が違う!」とテンションが上がりましたね。
ただ、使い始めてみると、メタル製であることを意識することはあまりないというのが実際のところ。先日も居酒屋での支払いで、スタッフに渡したときも「驚いた表情をするかな」と思っていましたが、いたって普通の対応で少し拍子抜けしました。
僕がステータスや特別感をさほど重視するタイプではないからかもしれませんが、「プラスチック製にしてもよいから、年会費を下げてほしい」というのが本音でしょうか。
なお、家族カードはプラスチック製。「ゴールド・プリファード・カード」は家族カードを無料で発行できる点もメリットで(編集部注:家族カードは2枚まで無料)、妻に家族カードを渡しています。
ところが、メタル製カードとの差を感じたのか、妻は「何で私のだけ違うの?」とちょっぴり不満そうでしたね。
「ゴールド・プリファード・カード」の本会員カード(手前)と家族カード(後ろ側)。家族カードはプラスチック製のため、少し色合いが違って見えます
これまでお話してきたとおり、基本的には満足していますが、ポイントに関しては結構複雑だな、という印象です。
僕は当初、「ゴールド・プリファード・カード」からチャージした「モバイルPASMO」を使って買い物をしていましたが、「モバイルPASMO」などの電子マネーへのチャージはポイント加算の対象外となることを後から知りました。
公式サイトにも記載されているので僕のリサーチ不足と言えばそれまでなんですが、もう少し目立つところに書いておいてほしいな、というのは感じました。
また、電力やガス、水道といった公共料金の支払いでは「200円で1ポイント」(0.5%還元)に半減してしまうことも、このときに知りました。「フリー・ステイ・ギフト」の条件である200万円達成のメドが立ったら、公共料金でも1%分のポイント還元を受けられる「ゴールドポイントカード・プラス」で支払おうかなと思っています。
以上、僕が約4か月間「ゴールド・プリファード・カード」を使って感じたことをお話ししてきました。
入会するかどうか当初は結構迷いましたが、これまでに還元されたポイントや、これまで受けてきた(これから受ける)特典内容を考えると「申し込んでよかった」と感じています。
年会費無料のカードを長年使っていたユーザーからすると、「ゴールド・プリファード・カード」はカード利用に対して返ってくるベネフィット(恩恵)の形が全然違うなと感じています。
ヨドバシの「ゴールドポイントカード・プラス」を使っていたときは、日々このカードで決済し、ポイントが一定数貯まると、ティッシュ・ペーパーや洗剤といった日用品を購入する、というサイクルで回していました。
言い方を変えれば、僕はこのクレジットカードを節約のアイテムとして使っていました。
いっぽう、「ゴールド・プリファード・カード」の場合、カードを保有・利用することで、自分ではお金を出しにくい「少し値の張る食事」や「有名ホテルの宿泊」が恩恵として返ってきます。
どちらがよいとか、正しいという話ではないと思いますが(「ゴールドポイントカード・プラス」は今でも高スペックなカードだと思っています)、クレジットカードを通じて日常ではなかなか味わえない体験ができるのは楽しく、新鮮に感じています。
自分の収入や生活水準から考えると少し背伸びしているなとは思いますが、しばらくの間は「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」を使っていこうと思っています。