格安SIMの通信速度を徹底調査
速度が大きく落ち込んだ今年4月並みの厳しい状況が再来

【2018年8月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2018年8月の調査では、速度が大きく落ち込んだ4月並みの厳しい状況が再来する結果となった。


目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素の1つと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO11社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2018年8月1日(水)、佐久平周辺では8月3日(金)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分半が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの通信速度から平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(11社)の格安SIM
・ワイモバイル
・UQ mobile
・BIGLOBEモバイル(タイプD)
・OCN モバイル ONE
・楽天モバイル
・mineo(Dプラン)
・mineo(Aプラン)
・IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
・イオンモバイル
・DMM mobile
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年8月1日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年8月1日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが2.60Mbps(先月は2.62Mbps)、上りが7.19Mbps(同8.50Mbps)。下りは先月とほとんど変わっていない。

回線別の下り通信速度は、25.51Mbpsのワイモバイルが飛び抜けて速く、UQ mobileは2.01Mbpsに留まる。上り通信速度はワイモバイルが14.93Mbps、LINEモバイル(ドコモ回線)が10.32Mbpsだった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が先月とあまり変わらない0.57Mbps(同0.49Mbps)。回線別ではUQ mobileが2.01Mbps、LINEモバイル(ドコモ回線)が1.96Mbps、ワイモバイルが1.60Mbps。遅いものでは0.1Mbpsに届かなかった回線が3つあった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LINEモバイル(ドコモ回線)
3位 ワイモバイル

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年8月3日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年8月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが4.41Mbps(先月は5.38Mbps)、上りが5.38Mbps(同5.21Mbps)。下りは1Mbps程度遅くなっている。

回線別の下り通信速度は37.58Mbpsのワイモバイルが東京駅に続き速度を発揮。UQ mobileもこれに次ぐ12.85Mbpsだった。上り通信速度はワイモバイルが13.96Mbps、mineo(Aプラン)が7.85Mbps、UQ mobileが7.45Mbpsだ。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.54Mbps(同0.81Mbps)で、先月から回復している。回線別ではUQ mobileの13.75Mbpsが速く、ワイモバイルは2.89Mbpsだった。0.1Mbpsを切る回線がここでも3つあり、上位と下位の差が大きい。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LINEモバイル(ドコモ回線)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年8月1日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年8月1日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.98Mbps(先月は10.61Mbps)、上りが9.56Mbps(同9.47Mbps)。上り・下りともに先月とほぼ同じ水準だ。

回線別の下り通信速度では、先月から14時台の速度が安定しているワイモバイルが33.48Mbpsを記録。UQ mobileも26.61Mbpsと好調で、mineo(Aプラン)も18.23Mbpsと比較的速い。上り通信速度はBIGLOBEモバイルの12.76Mbps、LINEモバイル(ドコモ回線)の11.33Mbps、楽天モバイルの10.43Mbpsと、サブブランド以外が好調だ。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.09Mbps(同1.76Mbps)と、先月からの減速傾向が止まらない。回線別ではDMM mobileの2.29Mbpsが最速で、mineo(Dプラン)の2.04Mbps、OCN モバイル ONEの1.83Mbpsが続き、ワイモバイルとUQ mobileは1Mbps前後に留まる。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 DMM mobile
2位 mineo(Dプラン)
3位 OCN モバイル ONE

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年8月3日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年8月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.37Mbps(先月は11.04Mbps)、上りが5.49Mbps(同5.36Mbps)。先月よりも下りがやや遅くなった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが35.71Mbps、UQ mobileが16.03Mbps、mineo(Aプラン)が17.92Mbpsと、ドコモ以外のネットワークを使う回線が好調。上り通信速度はワイモバイルの16.95Mbpsが際立っていた。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.42Mbps(同2.02Mbps)で、先月から減速の傾向が続く。回線別ではOCN モバイル ONEが4.19Mbps、mineo(Dプラン)が3.42Mbps、mineo(Aプラン)が2.75Mbpsで、東京駅周辺に続きサブブランド以外の回線が速度を出していた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 mineo(Dプラン)
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年8月1日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年8月1日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が1.24Mbps(先月は2.71Mbps)、上りは6.69Mbps(同8.59Mbps)と、下りの減速が目立つ。

回線別の下り通信速度はワイモバイルが6.57Mbps、UQ mobileが2.90Mbps、楽天モバイルが1.21Mbps。そのほかの9回線は0.50Mbps前後だ。上り通信速度は全体的に速度が出ており、ワイモバイルの11.80Mbps、BIGLOBEモバイルの10.42Mbpsが10Mbpsを上回った。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が0.51Mbps(同0.93Mbps)で、一時回復した先月から一転、先々月よりも遅い。回線別ではUQ mobileの1.95Mbps、ワイモバイルの1.75Mbps以外は1Mbps未満だった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 イオンモバイル

最後に、佐久平駅周辺における18時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年8月3日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年8月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが4.26Mbps(先月は4.61Mbps)、上りが5.85Mbps(同5.27Mbps)で、先月と同程度だ。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが28.01Mbps、UQ mobileが16.56Mbpsだったが、そのほかでは楽天モバイルが2.17Mbpsだったものの、残る9回線は1Mbps未満。上り通信速度はワイモバイルが18.14Mbpsと速く、BIGLOBEモバイルの6.73Mbps、UQ mobileの6.34Mbpsが続く。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が0.60Mbps(同1.88Mbps)と、先月の3分の1にまで減速。回線別ではワイモバイルが2.80Mbps、UQ mobileが1.38Mbpsと、サブブランドにしては低調な結果となった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 DMM mobile

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2018年7月)と先々月(2018年6月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

先月に続き、ワイモバイルが27.81Mbps(先月は26.79Mbps)で1位。2位も先月と同じUQ mobileだが、速度は先月よりも遅い12.83Mbps(同17.94Mbps)と、先々月に対して半分近くにまで減速してしまった。

3位のmineo(Aプラン)も先月から順位をキープ。速度は6.25Mbps(同6.70Mbps)とやや遅くなっているが、サブブランド以外の回線としては健闘。12回線全体の平均は5.31Mbps(同6.16Mbps)と、先々月から減速し続けている。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位は14.35Mbps(先月は11.82Mbps)のワイモバイルで、2018年3月から半年間トップを維持。2位はmineo(Aプラン)の7.23Mbps(同6.25Mbps)、3位はLINEモバイル(ドコモ回線)の7.18Mbps(同8.09Mbps)だ。12回線全体の平均は6.69Mbps(同7.07Mbps)で、こちらも2018年5月をピークに減速が続いている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの3.56Mbps(先月は2.09Mbps)。一時は速度が低下したものの、徐々に増速を重ねて3か月ぶりにトップとなった。先月1位のワイモバイルは大きく減速し、1.85Mbps(同4.38Mbps)で2位に。3位はOCN モバイル ONEの1.14Mbps(同1.26Mbps)だった。

5位以下の速度はすべて1Mbps未満という厳しい状況になっており、12回線全体の平均は0.95Mbps(同1.31Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、実際の利用環境の例として測定しているアプリのダウンロード時における12回線全体の平均速度が気になった。ユーザーが大幅に増える春商戦期の2018年4月でも1.20Mbpsだったのだが、今月はついに1Mbpsを割り込んでしまったためだ。

特に、これまで全体の速度を牽引してきたサブブランドのワイモバイルとUQ mobileでも、減速が目立つようになった影響が大きい。2018年2月における12回線全体のアプリダウンロード平均速度は3.86Mbpsだったから、この半年で4分の1まで遅くなったことになる。

ただ、各回線のRBB SPEED TESTにおける結果の推移を2017年12月の調査開始当初からチェックしてみると、ワイモバイル、mineo(A・D両プラン)、OCN モバイル ONE、UQ mobile、LINEモバイル(ドコモ回線)などでは、速度が徐々にアップしている。月ごとの増減はあるものの一定の速度水準がキープされており、各社のネットワーク増強の様子がうかがえる。

次回の調査は夏休みシーズンが明ける2018年9月上旬を予定している。これらの回線でアプリのダウンロード速度が回復するか、次回の調査結果にも注目したい。

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松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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