格安SIMの通信速度を徹底調査
一部の回線が1月から大幅に減速

【2019年2月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2019年2月の調査では、全体的に好調だった前回からの変化が明暗を分ける結果となった。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年2月1日(金)、佐久平周辺では2月4日(月)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年2月1日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年2月1日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが3.35Mbps(先月は5.93Mbps)、上りが7.73Mbps(同9.09Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが20.09Mbpsとほかの回線を引き離した。UQ mobileの7.98Mbps、mineo(Sプラン)の5.83Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの17.24Mbpsが最速だった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が2.25Mbps(同1.94Mbps)。回線別ではUQ mobileが11.37Mbps、ワイモバイルが10.63Mbpsと速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 DMM mobile

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年2月4日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年2月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが6.42Mbps(先月は8.15Mbps)、上りが8.47Mbps(同8.35Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが東京駅周辺を上回る44.14Mbpsと速く、UQ mobileの24.24Mbpsが続く。ほかの回線ではmineo(Aプラン)の2.26Mbps以外は1Mbpsを割り込んだ。上り通信速度も23.42Mbpsのワイモバイルが速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.54Mbps(同3.94Mbps)。回線別では、ワイモバイルが20.24Mbps、UQ mobileが17.59Mbpsと、東京駅周辺と同様にサブブランドの2回線が際立っていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年2月1日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年2月1日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが31.68Mbps(先月は52.49Mbps)、上りが11.82Mbps(同12.18Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、BIGLOBEモバイルが74.67Mbps、イオンモバイルが55.44Mbps、mineo(Dプラン)が53.27Mbpsと、先月1月に続きドコモ回線が好調。UQ mobileは40.61Mbpsだったが、ワイモバイルは12回線で最も遅い6.09Mbpsだった。上り通信速度は17.41MbpsのLINEモバイルが最速だ。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が14.57Mbps(同17.35Mbps)。回線別ではIIJmio(みおふぉん)の30.34Mbps、イオンモバイルの26.73Mbps、DMM mobileの25.57Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 イオンモバイル
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 IIJmio(みおふぉん)
2位 イオンモバイル
3位 DMM mobile

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年2月4日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年2月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが15.32Mbps(先月は11.78Mbps)、上りが8.26Mbps(同7.50Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが57.28Mbpsと一番早く、mineo(Aプラン)が32.72Mbps、UQ mobileが31.32Mbpsでこれに続く。上り通信速度も23.98Mbpsのワイモバイルが最速だった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が9.57Mbps(同7.27Mbps)。回線別ではワイモバイルの19.94Mbps、UQ mobileの19.08Mbps、mineo(Sプラン)の16.62Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年2月1日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年2月1日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が7.25Mbps(先月は15.76Mbps)、上りが10.33Mbps(同12.10Mbps)。

回線別の下り通信速度ではUQ mobileが52.20Mbpsと、かなり速い。ほかの11回線はすべて10Mbps未満で、BIGLOBEモバイルの9.37Mbps、mineo(Sプラン)の6.13Mbpsが続く。上り通信速度はIIJmio(みおふぉん)の14.51Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が1.38Mbps(同3.85Mbps)。回線別ではUQ mobileが7.15Mbpsと際立っており、ほかの回線ではmineo(Sプラン)の1.48Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 BIGLOBEモバイル
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 mineo(Sプラン)
3位 DMM mobile

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年2月4日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年2月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.94Mbps(先月は13.07Mbps)、上りが8.19Mbps(同8.47Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、mineo(Sプラン)の43.15Mbpsが最も速く、ワイモバイルの38.05Mbps、UQ mobileの27.47Mbps、mineo(Aプラン)の25.48Mbpsが続く。上り通信速度も21.49Mbpsのmineo(Sプラン)が速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.89Mbps(同4.33Mbps)。回線別ではUQ mobileの18.01Mbps、ワイモバイルの15.80Mbpsが速い。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Dプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年1月)と先々月(2018年12月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月の1位はUQ mobileで、速度は30.64Mbps(先月は28.03Mbps)。先月よりも速度を落とす回線が多い中で、やや増速したことが今月の順位に繋がっている。前回1位だったワイモバイルは、27.91Mbps(同34.99Mbps)で2位となった。

3位は前回2位だったBIGLOBEモバイルで、速度は16.66Mbps(同29.48Mbps)。12回線全体の平均は12.99Mbps(同17.86Mbps)となっており、昨年12月に比べれば速いものの、前回の今年1月に比べると速度を落とした回線が多い。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月も前回に続きワイモバイルが1位に。速度は14.89Mbps(先月は18.44Mbps)と、やや減速気味。2位も前回に続きmineo(Sプラン)で、14.59Mbps(同16.24Mbps)だった。

3位はUQ mobileで、速度は前回よりも少し速い8.62Mbps(同8.20Mbps)。12回線全体の平均は9.13Mbps(同9.61Mbps)で、1月よりもやや遅くなったものの、長期的には増速傾向を維持している。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今月は、前回2位だったUQ mobileが14.50Mbps(先月は12.28Mbps)で1位に。やはり先月よりも増速したことが、順位を上げる結果をもたらした。前回1位だったワイモバイルは少し速度を落とし、今月は12.27Mbps(同14.86Mbps)で2位となった。

3位は前回に続きIIJmio(みおふぉん)で、速度は6.57Mbps(同7.65Mbps)。12回線全体の平均は5.87Mbps(同6.45Mbps)で、1月に好調だったドコモ回線で減速が目立つ結果となった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、一部の回線で前回1月からの大幅な減速が見られた。先月はRBB SPEED TESTの下り通信速度とアプリのダウンロード速度が昨年12月から大きく伸びたものの、今月は楽天モバイル、OCN モバイル ONE、LINEモバイルといった新規契約数シェアの比較的高いMVNOにおいて、下り通信速度が先月よりも厳しい状況にある。

前回の調査でも触れたように、年度が替わる3月から4月は、各キャリアとも新規ユーザーが増えるタイミングにあたる。MVNO各社はこれを見越してネットワークを増強しており、1月の調査ではその効果が現れていた。

このあと4月から5月にかけて、ユーザーの増加とともに速度が低下していくことになるはずだが、気になるのは今回2月に減速した回線だ。春の新規ユーザー数増加に対応できるのか、それともさらに速度を落としてしまうのかは、今後のネットワーク増強次第となる。

いっぽうで、UQ mobileやmineo(Aプラン)のように、好調だった先月よりもさらに速くなった回線もある。次回の調査は2019年3月上旬を予定しているが、春商戦本番を迎える各社の通信速度に注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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