格安SIMの通信速度を徹底調査
ワイモバイルとUQ mobileが“サブブランド”の底力を発揮

【2019年4月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。平成最後となる2019年4月の調査は、いわゆる“サブブランド”の底力を感じる結果となった

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年4月1日(月)、佐久平周辺では4月2日(火)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年4月1日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年4月1日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが1.87Mbps(先月は2.85Mbps)、上りが7.27Mbps(同12.66Mbps)だった。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルの10.02Mbpsが最も速く、UQ mobileの6.72Mbpsが続く。上り通信速度もワイモバイルの12.43Mbpsが最速だ。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.22Mbps(同2.05Mbps)。回線別ではワイモバイルの6.22Mbps、UQ mobileの5.48Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 Dmineo(Sプラン)

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年4月2日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年4月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが7.08Mbps(先月は4.67Mbps)、上りが8.30Mbps(同7.05Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、UQ mobileの46.95Mbps、ワイモバイルの29.79Mbps、mineo(Aプラン)の3.54Mbpsの順に速い。上り通信速度はワイモバイルの20.06Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.16Mbps(同2.53Mbps)。回線別では、ワイモバイルの17.86MbpsとUQ mobileの16.46Mbpsが並ぶいっぽうで、ほかの10回線はいずれも1Mbps未満だった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年4月1日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年4月1日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが33.50Mbps(先月は40.37Mbps)、上りが11.77Mbps(同10.55Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、BIGLOBEモバイルが87.49Mbps、mineo(Dプラン)が73.73Mbps、OCN モバイル ONEが70.92Mbpsと、今月もドコモ回線が好調だ。上り通信速度はDMM mobileの27.90Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が15.44Mbps(同17.08Mbps)。回線別では、DMM mobileが31.72Mbps、OCN モバイル ONEが27.00Mbps、イオンモバイルが25.89Mbpsと、やはりドコモ回線が速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 mineo(Dプラン)
3位 OCN モバイル ONE

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 DMM mobile
2位 OCN モバイル ONE
3位 イオンモバイル

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年4月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年4月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが20.57Mbps(先月は13.25Mbps)、上りが8.51Mbps(同9.40Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが62.86Mbps、mineo(Sプラン)が54.55Mbps、UQ mobileが54.39Mbpsで、先月と同じように前日・同時間帯の東京駅周辺とは対照的にドコモ回線以外が速い。上り通信速度はmineo(Sプラン)の21.92Mbpsが最速だった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が8.62Mbps(同7.59Mbps)。回線別では、ワイモバイルの23.78Mbps、UQ mobileの19.44Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年4月1日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年4月1日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が17.09Mbps(先月は16.66Mbps)、上りが11.53Mbps(同11.73Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、BIGLOBEモバイルの92.91Mbps、UQ mobileの45.22Mbps、mineo(Dプラン)の26.02Mbpsが速い。上り通信速度もBIGLOBEモバイルの23.59Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.77Mbps(同5.54Mbps)。回線別ではUQ mobileだけが16.47Mbpsと10Mbpsを超えており、ワイモバイルの4.74Mbps、mineo(Aプラン)の2.74Mbpsがこれに続く。BIGLOBEモバイルは1.33Mbpsで、先月に続いてRBB SPEED TESTとの差が開いたままだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年4月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年4月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.66Mbps(先月は10.28Mbps)、上りが8.45Mbps(同8.09Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが63.16Mbps、UQ mobileが42.65Mbps、mineo(Sプラン)が27.67Mbpsと、14時台に引き続き同じ3回線が好調だった。上り通信速度はmineo(Sプラン)の25.80Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が5.30Mbps(同4.38Mbps)。回線別では、ワイモバイルの23.78Mbps、UQ mobileの14.27Mbps、mineo(Dプラン)の14.17Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年3月)と先々月(2019年2月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月は、前回2位だったUQ mobileが37.54Mbps(先月は27.04Mbps)で1位に。2017年12月の調査開始以来最速だった前々回(2019年2月)の30.64Mbpsをさらに上回っている。

2位は前回1位だったBIGLOBEモバイルで、速度は32.41Mbps(同34.90Mbps)。3位は前回に続きワイモバイルで、30.29Mbps(同22.48Mbps)だった。順位は毎回入れ替わっているものの、今年に入ってからはこの3回線が1位から3位までを占め続けている。

12回線全体の平均は、15.63Mbps(同14.68Mbps)。今年1月の17.86Mbpsには少し及ばないものの、昨年の最速値(2018年3月の14.95Mbps)は上回っている。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月も前回に続き、ワイモバイルが15.66Mbps(先月は16.35Mbps)で1位に。2位も前回と同じくmineo(Sプラン)で、15.54Mbps(同15.75Mbps)だった。2018年12月以降、1位と2位はこの2回線で固定化しつつある。

3位はDMM mobileで、速度は9.91Mbps(同8.35Mbps)。12回線全体の平均は9.30Mbps(同9.91Mbps)で、昨年秋からの増速傾向も一息ついたような形となった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今月の1位は前回と同じUQ mobileで、速度は15.58Mbps(先月は12.63Mbps)。RBB SPEED TESTの下り通信速度と同様に、調査開始以来の最速記録を更新した。

2位も前回と同じワイモバイルで、速度は13.96Mbps(同12.16Mbps)。今年1月の14.86Mbpsには及ばないが、調査開始以来2番目に速い。

3位はDMM mobileで、6.79Mbps(同9.00Mbps)だった。12回線全体の平均は6.09Mbps(同6.53Mbps)で、全体的に好調だった先月よりも少し遅くなっている。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、“サブブランド”として知られるワイモバイルとUQ mobileの安定ぶりが目立っていた。

今年に入って前回までは、春商戦に備えたネットワーク増強によるものか、ドコモ回線のなかにもサブブランドに迫るレベルの速度を発揮する格安SIMがあった。特に好調だったのは、アプリダウンロード速度が前回3位だったIIJmio(みおふぉん)だ。

しかし、IIJmioでは契約時の本人確認手続きや商品発送の一部に遅延が生じるほど申し込みが集中しているようで、RBB SPEED TESTの下り通信速度は2018年12月のレベルに近いところまで減速している。同様の減速傾向は、楽天モバイル、イオンモバイル、LINEモバイルでも確認された。

ドコモ回線の格安SIMがユーザー数増加の影響を受け始めているいっぽうで、ワイモバイルとUQ mobileはむしろ速度を伸ばしている。特にUQ mobileは、前述のようにRBB SPEED TESTの下り通信速度とアプリダウンロード時の通信速度が調査開始以来の最速を更新した。

サブブランド以外では、mineoに注目したい。ランキングの上位にこそ入らないものの、ドコモ回線のmineo(Dプラン)はRBB SPEED TESTの下り通信速度が調査開始以来の最速を更新。また、mineo(Aプラン)も含め、アプリのダウンロード速度は長期的に見ても増速し続けている。

ネットワーク環境は一朝一夕で改善できるものではないが、サブブランドとmineoでは、これまで積み重ねられてきた増強が功を奏しているのだろう。

次回、元号が「令和」になってから最初の調査は、2019年5月の上旬から中旬を予定している。春商戦を終えた各キャリアの速度がどのように落ち着くのか、来月の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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