レビュー

新型「MacBook Air(M4)」はコスパよし! PCデビューや買い替えにピッタリ

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2025年3月12日に発売されたシリーズ最新モデルの「MacBook Air(M4)」。「MacBook Pro」を追いかける形でM4チップを搭載し、最小構成のメモリーが16GBにアップしていますが、Apple Store(オンライン)では、前モデルから据え置き価格になっています。

アップル「MacBook Air(M4)」、143,660円(税込、2025年4月1日時点の価格.com最安価格。以下同)、2025年3月12日発売

アップル「MacBook Air(M4)」、143,660円(税込、2025年4月1日時点の価格.com最安価格。以下同)、2025年3月12日発売

コンセプトはこれまでの「MacBook Air」を踏襲しており、デザインにも大幅な変更はありませんが、実際に使ってみと、着実な進化を感じます。本レビューでは、「MacBook Air(M4)」の進化ポイントや、「MacBook Pro(M4)」との違いについて、詳細をチェックしていきましょう。

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2025/03/06 09:15 新製品ニュース

「MacBook Air(M4)」の進化ポイント

冒頭でも触れたとおり、「MacBook Air(M4)」は、これまでの「MacBook Air」シリーズのコンセプトを踏襲しており、「MacBook」シリーズのなかでも、軽量、薄型ボディを特徴としています。本体サイズ(13インチモデルの場合)は、前モデルから変わりません。基本的には、チップセットのアップデートで、より快適に、さまざまな作業ができるようになったノートPCというイメージです。

前モデルからチップセットがアップデートされた「MacBook Air(M4)」

前モデルからチップセットがアップデートされた「MacBook Air(M4)」

13インチモデルの本体サイズは30.41(幅)×21.5(奥行)×1.13(厚さ)mm。重量は1.24kg

13インチモデルの本体サイズは30.41(幅)×21.5(奥行)×1.13(厚さ)mm。重量は1.24kg

印象的なのがカラーバリエーションで、これまでも用意されていたシルバー、スターライト、ミッドナイトに加え、新たにスカイブルーが登場。メタリックな高級感と、淡い水色の華やかさが相まって、これまでの「MacBook」シリーズにはない、不思議な印象を受けます。光の当たり方によって、色味が違って見えるのも、スカイブルーならではの魅力でしょう。

ハードウェア的なアップデートポイントとしては、Webカメラが1200万画素にアップし、「センターフレーム」や「デスクビュー」という機能に対応した点があげられます。詳細は後述しますが、特にWeb会議をひんぱんに行うユーザーにとっては、有益なポイントです。

1200万画素のアップデートされたWebカメラ

1200万画素のアップデートされたWebカメラ

AI機能「Apple Intelligence」対応でノートPCはさらに便利なツールに

「MacBook Air」は、新色こそ出たものの、ハードウェアのアップデートは控えめ。となると、注目はやはりM4チップを搭載し、「Apple Intelligence」に対応している点。新機能についても、AIを活用したものが多くなっています。

「Apple Intelligence」は、Mシリーズのチップを搭載したMacで使えるので、旧モデルにも対応してはいますが、処理速度といった面において、M4チップの優位性が出てきます。処理速度は、インテルベースの「MacBook Air」と比較して最大23倍、M1チップ搭載の「MacBook Air」と比べても、最大2倍となっています。

細かなポイントですが、M3チップと比べると、CPUコア数が8コアから10コアに増え、メモリー帯域幅が100GB/sから120GB/sにアップ。オプションではありますが、最大32GBのメモリーを搭載できるようになっています。なお、今回はメモリーが16GBの13インチモデルを使って、レビューを行います。

ノートPCとして、「Apple Intelligence」の機能をわかりやすく享受できるのが、作文ツールでしょう。メモアプリやメールアプリなどで文章を作成する際に、「○○について書いて」と指示をして、新しい文章を作ったり、先に書いた文章のテイストを変更するといった使い方ができます。

AIが書き直した文章が気に入らない場合は、ワンクリックで元に戻すこともできるので、気軽に使えるのが魅力です。文体を「プロフェッショナル」「フレンドリー」「簡潔」といったように、ニュアンスを変えて出力できるのもポイントでしょう。

メモアプリで作文ツールを使う際には、上部の「Apple Intelligence」アイコンをクリック

メモアプリで作文ツールを使う際には、上部の「Apple Intelligence」アイコンをクリック

入力した文章をプロフェッショナルな文体に変換

入力した文章をプロフェッショナルな文体に変換

同じ文章をフレンドリーな文体に変換

同じ文章をフレンドリーな文体に変換

基本的な文書作成は、オンデバイスで処理されるため、オフライン時にも利用可能。「MacBook Air(M4)」の場合、文章量にもよりますが、数秒で校正や要約が完了するため、AIに作業の足止めを食らうシーンも、ほとんどありません。

また、高度な文書生成を行う場合には、ChatGPTが作業を肩代わりしてくれます。作文ツール以外にも、SiriでもChatGPTにアクセスできますが、使用する際には、ChatGPTを有効にするか否かの確認が行われるので、セキュリティ面でも安心となっています。

作文ツールではChatGPTにアクセス可能

作文ツールではChatGPTにアクセス可能

「MacBook Air(M4)」で利用できる「Apple Intelligence」の機能として、個人的にとても便利だと感じているのが、通知の要約機能です。特に通知の受信頻度が高いメールアプリやメッセージアプリでは、送信者の情報をもとに、関連する内容のメールやメッセージをまとめ、要約して提示してくれます。

通知でもメールの内容を要約してくれます

通知でもメールの内容を要約してくれます

複数スレッドにわたるメールやチャットのやり取りでも、要点をつかみやすくまとめてくれるので、ひと目でどのような内容について話しているのかがわかりやすくなります。また、重要度の高いものを上に表示してくれるので、大切なメールを見落としていたといったリスクを低減できます。

メールの内容は要約して表示

メールの内容は要約して表示

複数スレッドにわたるメールでも内容を把握しやすいです

複数スレッドにわたるメールでも内容を把握しやすいです

「重要度」という表現をしましたが、どのようなメールやチャットが重要なのかは人それぞれ。「Apple Intelligence」は、ユーザーごとに何を重要視していくのかを学習していくので、使っていくうちに、どんどん精度が上がっていくのも、AIらしい特徴でしょう。

「Apple Intelligence」の機能としてはほかにも、写真アプリでの検索精度の向上や、写真に写りこんでいる不要物の削除、自分で絵文字が作成できるジェン文字、より自然に会話できるようになったSiriなど、多数用意されています。

実際に試していると、各アプリに「Apple Intelligence」の機能が自然に統合されており、極端に「AIを使うぞ」と意気込まなくても、ユーザーが徐々に、AIを使った機能に適応していけるようにデザインされているのが、さすがアップルだと感じます。

通知の要約機能は、まさにこの一例でしょう。なお、「Apple Intelligence」はインテルチップを搭載したMacシリーズでは、利用できません。M1チップの場合は「MacBook Air」でも動作しますが、チップ性能やメモリー容量に大きく依存するので、AI機能を快適に使いたい場合には、買い替えのタイミングとも言えます。

「Apple Intelligence」以外の便利な新機能

「Apple Intelligence」の機能にフォーカスを当てて紹介してきましたが、「MacBook Air(M4)としてのアップデートポイントについても触れていきましょう。先にも少し紹介しましたが、Webカメラの画素数がアップしたことで、センターフレーム機能やデスクビュー機能に対応しました。

センターフレーム機能は、Web会議時に、話者が中心に映るように、自動的に画角を調節してくれる機能。ディスプレイを開く角度を調節したり、カメラの位置を整えたりする必要がなくなるので、ちょっとした手間が省略されます。

デスクビュー機能は、「MacBook Air(M4)」を置いているデスクを、天井から撮影したような画角で映し出せる機能。Web会議中に手元を簡単に映し出せるので、手書きのメモや、デモンストレーションを共有したい際に重宝します。

机上を天井カメラから映したように表示できるデスクビュー機能

机上を天井カメラから映したように表示できるデスクビュー機能

特定のユーザーにとって待望ともいえるのが、「MacBook Air(M4)」のメインディスプレイを開いた状態で、外部ディスプレイ2枚に出力できるようになった点。つまり、計3枚のディスプレイを同時に使用できるようになりました。

モビリティ性能が特徴とされる「MacBook Air」ですが、パワフルさもあわせ持つため、自宅ではデスクトップPCのように使いたいニーズもあるはず。個人的にも、待ちに待った有用なアップデートだったので、率直にうれしいポイントです。

M4チップ搭載の「MacBook Air」と「MacBook Pro」はどちらを選ぶべき?

新たに「MacBook Air」に搭載されたM4チップですが、先んじて、上位モデルの「MacBook Pro」に搭載されています。いっぽうで、Apple Storeでの価格差は、最小構成で84,000円の差があるので、「MacBook Airでいいじゃん」と感じる人もいるはずです。

両モデルの違いとして顕著なのは、ディスプレイ性能と外部インターフェイス、バッテリー性能です。

そもそも「MacBook Air(M4)」と「MacBook Pro(M4)」は、それぞれ2サイズずつが用意されていますが、いずれも「MacBook Pro」のほうが若干大きくなっています。

また、「MacBook Air(M4)」はディスプレイの輝度が最大500nitsなのに対し、「MacBook Pro(M4)」は最大1000nits、ピーク輝度1600nitsと、より明るい表示が可能。リフレッシュレートも、「MacBook Pro(M4)」のみが、最大120Hzに対応しています。

外部インターフェイスは、「MacBook Air(M4)」が、Thunderbolt 4(USB-C)ポート×2のみなのに対し、「MacBook Pro(M4)」はThunderbolt 4(USB-C)ポート×3、HDMIポート、SDXCカードスロットを備えます。

また、それぞれ充電用のMagSafeポート、3.5mmイヤホンジャックは搭載されていますが、「MacBook Air(M4)」は、薄型ボディを特徴とすることもあり、拡張性はあまりよくありません。もちろん、USBハブなどを併用すれば、ある程度快適に利用できますが、HDMIケーブルやSDカードがそのまま接続できる「MacBook Pro(M4)」メリットは、それなりに大きいと感じます。

充電専用のMagSafeポートと付属するMagSafeケーブル

充電専用のMagSafeポートと付属するMagSafeケーブル

バッテリー性能は、「MacBook Air(M4)」が最大18時間のビデオストリーミング、「MacBook Pro(M4)」は、最大24時間のビデオストリーミングが可能となります。

急速充電も、前者は70W、後者は96Wに対応となっているため、実用上、顕著に違いを感じるポイントでしょう。とはいえ、最大18時間のビデオストリーミング再生でも、モバイルノートPCとしてはかなり優秀なので、個人的には、「MacBook Air(M4)」の性能でも十分かなと感じています。

また、先に触れた価格差がさらに開くことになりますが、「MacBook Pro」の場合は、M4 Pro、M4 Maxと、より高性能なチップを選択できるのも特徴です。使用できる機能に差が生まれるわけではありませんが、快適度合いという意味では、やはり「MacBook Pro」が優位となります。

「MacBook Air(M4)」がおすすめの人は?

AI機能を中心に、「MacBook Air(M4)」の進化ポイントについてまとめていきましたが、そもそもMacBookシリーズには、今回のAirと、上位モデルのProしか用意されていません。デスクトップ型を含めると、miniやiMacといった選択肢も出てきますが、ノートPC型を求めるのであれば、「MacBook Air」がエントリーモデルになります。

そのため、Windows PCユーザーがMacBookに乗り換えるタイミングでは、「MacBook Air(M4)」が最有力候補になるはず。旧モデルを購入する選択肢もありますが、サポート期間や、快適に最新AI機能を享受する意味合いでも、個人的には新しいモデルの購入を推奨したいところです。

また、同じくAI機能をフル活用する意味では、インテルチップを搭載したMacBookシリーズを使用している人も、乗り換えのタイミングと言えます。M1チップ搭載MacBookでも、「Apple Intelligence」は利用できますが、処理スピードは最大2倍と、作業効率が変わるため、そろそろ最新モデルへとアップデートしてもいいはずです。

「MacBook Air(M4)」と「MacBook Pro(M4)」のどちらを選ぶべきかという観点では、ディスプレイ性能、外部インターフェイス、バッテリー性能が差分。4K動画の編集といったヘビーな作業を行いたい場合は、M4 ProやM4 Maxを搭載した「MacBook Pro」も選択肢になります。

「MacBook Air(M4)」は、上位モデルに肉薄する高性能を搭載しながら、ちょっとした部分を削ることで、より安価に購入できるノートPCです。決して安いとは言いませんが、コストとパフォーマンスのバランスは非常によく、多くの人に、乗り換え先やPCデビュー機としておすすめできます。

「MacBook Pro(M4)」よりも、薄く、軽いという意味では、PCを持ち運ぶ機会が多い学生や社会人にとっても、こちらが有力候補となるはずです。

佐藤文彦
Writer
佐藤文彦
編集プロダクション所属後、フリーライターとして活動
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水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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