ファーウェイは、2016年12月13日に、Androidスマートフォン「HUAWEI Mate 9」を発表、12月16日より発売を開始する。Leica製ダブルレンズカメラをはじめ、最新世代のクアッドコアCPUを搭載する最上位モデルである。その概要をレポートしよう。
日本国内でも人気のファーウェイ「Mate」シリーズ。その最新モデルが「Mate 9」だ
豊富な製品ラインアップが魅力のファーウェイのスマートフォンだが、「Mate」シリーズはその最上位の製品だ。2014年に登場した「Ascend Mate 7」や、2015年に発売された「Mate S」の評価はいずれも高いが、特に「Ascend Mate 7」は、「価格.comプロダクトアワード2015」のスマートフォン部門で大賞を獲得したほど、多くのユーザーに高く評価されている。
そんなMateシリーズの最新モデル「HUAWEI Mate 9」は、1080×1920の約5.9インチ液晶を搭載した、大型のスマートフォンだ。ボディサイズは、約78.9(幅)×156.9(高さ)×7.9(厚さ)mmで、重量は約190g。金属ボディを採用しているが、左右の側面を薄くしたり、狭額縁設計を採用することで、5.9インチ液晶の大型スマホという割りに、実機の印象はずっとコンパクトだ。なお、市場想定価格は60,800円(税別)で、前機種「Mate S」の市場想定価格である79,800円よりもだいぶ安くなっている点も見逃せない。
ディスプレイ左右のべゼルをギリギリまで狭くしているため、6インチクラスのスマートフォンとしてはかなりコンパクトだ
側面部分は、かなり薄く仕上げられている。そのため、手にした際の感触はより薄く感じられ、持ちやすさにもプラスに働いている
上面に配置されるのはヘッドホン端子
カラーバリエーションは、ムーンライトシルバー(写真左)と、シャンパンゴールド(写真右)の2種類
基本性能を見てみよう。CPUには、ファーウェイ製の最新世代オクタコアCPU「KIRIN 960(2.4GHz×4+1.8GHz×4)」を採用し、4GBの大容量RAMと64GBのROMを組み合わせている。OSはAndroid 7.0だ。なお、microSDXCメモリーカードスロットは256GBまで対応している。このように、ハードウェアとOSの両面で、最新世代のものが採用されているのが本機の特徴だ。
ユニークな機能として、アプリの動作やユーザーの使用パターンを読み取り、端末の処理性能を随時最適化させることで、処理速度の低下を防ぐ「学習アルゴリズム」や、ファイルの断片化を防ぐ独自のファイルシステムを搭載。長く使い続けても体感速度の低下を防ぐことができるようになっている。
Android 7.0の注目機能であるマルチウインドウ機能にも対応。YouTubeで音楽を聴きつつ、ほかのアプリを利用するといったこともできるようになった
通信性能も高い。2基のnanoSIMカードスロットを搭載したデュアルSIM仕様で、片方(スロット1)はLTE、3G、2G(GSM)に、もう片方(スロット2)は3G、GSMに対応している。LTE対応のSIMカードと、3G用SIMカードを組み合わせて使えるデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)に対応する。
LTEの対応バンドは、B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/25/26/28/29/38/39/40/41で、かなり多い。ちなみに、NTTドコモ系のSIMカードを使用する場合、B1/3/19/28の4バンドを利用できるうえに、キャリアアグリゲーションにも対応しているので、下り最高262.5Mbpsの高速データ通信が可能だ。なお、いずれのSIMカードスロットも、auの3Gネットワークで使用するCDMA2000のバンドクラス0にカタログ上は対応しているものの、auのSIMカードは、動作保証の対象外となっている。Wi-Fiは、IEEE802.11a/b/g/n/acで、2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応している。
バッテリーは4,000mAhの容量があり、同梱される本機専用のUSB Type-C充電器を使うことで5V2A、5V/4.5A、4.5V/5Aの急速充電が可能だ。連続待ち受け時間は、約708時間(LTE)/648時間(3G)、連続通話時間が、約26時間(WCDMA)/約33時間(CDMA2000)となっている。
2基のnanoSIMカードスロットを備え、スロット1は、LTE、3G、2Gに、スロット2は3G、2Gに対応。デュアルSIMデュアルスタンバイにも対応する
USB Type-Cポートを下面に搭載。同梱される専用充電器と組み合わせることで、急速充電が可能だ
本機最大の見どころは、ライカ監修によるメインカメラだ。レンズを2つ使ったダブルレンズカメラとなっており、それぞれに色情報を記録する約1,200万画素のセンサーと、陰影情報を読み取る約2,000万画素のセンサーが組み合わされる。この2つのセンサーが記録した情報を合成することで、陰影感の強い高い描写力を実現している。2倍のハイブリッドズームも利用可能だ。オートフォーカス機能も高く、像面位相差フォーカス、レーザーオートフォーカス、コントラストオートフォーカスに加えて、ダブルレンズを使って被写体までの距離を測るデプスフォーカスという計4種類のオートフォーカス機構を、シーンに合わせて使い分けられる。表面のインカメラも約800万画素のイメージセンサーにF1.9の大口径レンズを組み合わせており、暗い場所でもきれいな自分撮りが行える。
メインカメラは、ライカ監修によるダブルレンズ仕様。4種類のオートフォーカスや2倍のハイブリッドズーム機能なども備える
サブカメラには、約800万画素のイメージセンサーにF1.9の大口径レンズが組み合わされている
発表会では、同時にタブレットとライフロガーの新製品も発表された。Androidタブレットの「MediaPad M3」は、1600×2560表示に対応する約8.4インチ液晶ディスプレイを備えた製品。ボディサイズは、約124.2(幅)×215.5(高さ)×7.3(厚さ)mm、重量は約310gとなる。前モデルの「MediaPad M2 8.0」と比較すると、画面解像度が1920×1200のWUXGAから大幅に向上しているものの、重量は約20gも軽くなっている。
搭載されるCPUはオクタコアの「Kirin 950(2.3GHz×4+1.8GHz×4)」で、4GBのRAMと32GBのROM(プレミアムモデルは64GB)と組み合わされる。OSはAndroid 6.0だ。Wi-FiモデルとLTEモデルの2種類が用意されており、LTEの対応バンドはB1/3/5/7/8/19/20/28/28/39/40/41で、下り最大150Mbpsの通信が可能。Wi-Fiは、IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz)に対応している。
本機は、サウンド機能に重点がおかれているのが特徴。本体にオーディオメーカーのHARMANがチューニングしたステレオスピーカーのほか、DAコンバーターに「AK4376」、パワーアンプに「SMART PA」を採用し、さらに、ファーウェイ独自のサラウンドシステム「SWS 3.0」を備えるなど、臨場感あふれるサウンド再生が可能だ。市場想定価格は、Wi-Fiモデルが31,980円、LTEモデルが37,800円、プレミアムモデルが42,800円となる(いずれも税別)。なお、LTEモデルに用意されるプレミアムモデルには、専用カバーとAKG製のイヤホンが同梱される。
画面解像度が向上したが、ボディは軽量化。サウンド機能が強化されている
カラーバリエーションは、プレミアムモデルは写真左のゴールド、それ以外のスタンダードモデルは写真右側のシルバーとなる
いっぽうのライフロガー「HUAWEI FIT」は、日々の活動量や睡眠、心拍数などを記録できる腕時計型のウェアラブル端末だ。1.04インチの有機ELディスプレイを備えた円形のボディは、直径39.4(直径)mmで、厚さ9.9mm、重量は約35mmとなる。盤面のデザインを6種類から選べるほか、腕時計で一般的に使われる幅18mmのベルトを組み合わせることができ、好みに合わせた外見にカスタマイズ可能。バッテリー性能がすぐれており、フル充電で6日間の連続使用が行える。AndroidおよびiOS機器とのアプリ連携も可能だ。市場想定価格は15,800円(税別)。
側面に竜頭(りゅうず)がなく、操作は、ディスプレイのタッチ操作で行う
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。