格安SIMの通信速度を徹底調査
減速傾向から一転、今月は全体的に増速傾向に

【2018年9月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2018年9月の調査では、半年続いた減速傾向から一転して、全体的に増速の傾向となった。

目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素の1つと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO11社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2018年9月5日(水)、佐久平周辺では9月3日(月)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(11社)の格安SIM
・ワイモバイル
・UQ mobile
・BIGLOBEモバイル(タイプD)
・OCN モバイル ONE
・楽天モバイル
・mineo(Dプラン)
・mineo(Aプラン)
・IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
・イオンモバイル(NTTドコモ回線)
・DMM mobile
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年9月5日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年9月5日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが2.06Mbps(先月は2.60Mbps)、上りが6.37Mbps(同7.19Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが11.06Mbps、UQ mobileが9.51Mbpsと、サブブランドの2回線が速い。ドコモのネットワークを使うMVNOでは、楽天モバイルの0.99Mbpsが最速だ。上り通信速度は、OCN モバイル ONEとLINEモバイルが10Mbpsを超えている。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.52Mbps(同0.57Mbps)。回線別ではUQ mobileが15.15Mbpsと速いものの、ほかの回線はワイモバイルも含めて1Mbpsに届かなかった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 DMM mobile

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年9月3日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年9月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが3.81Mbps(先月は4.41Mbps)、上りが5.02Mbps(同5.38Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、UQ mobileが24.29Mbps、ワイモバイルが14.16Mbpsと、ここでもサブブランドが強い。ほかの回線では2.12MbpsのOCN モバイル ONEだけが1Mbpsを超えている。上り通信速度はワイモバイルの10.84Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が0.77Mbps(同1.54Mbps)。回線別ではUQ mobileが5.05Mbpsと速く、ワイモバイルの1.21Mbps、LINEモバイルの0.91Mbpsがこれに続いた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 OCN モバイル ONE

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LINEモバイル(ドコモ回線)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年9月5日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年9月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが27.07Mbps(先月は9.98Mbps)、上りが9.92Mbps(同9.56Mbps)と、下りの速度が速い。

回線別の下り通信速度では、OCN モバイル ONEが90.83Mbpsと際立っており、これにmineo(Dプラン)の42.11Mbps、DMM mobileの40.05Mbpsが続く。上り通信速度はイオンモバイルの16.60Mbpsが最速だが、12回線の間に下りほどの差は見られない。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が5.13Mbps(同1.09Mbps)と、先月まで続いていた減速の傾向から一転。回線別では楽天モバイルが22.99Mbpsと速い。RBB SPEED TESTの下りが速かった3回線のうち、DMM mobileは9.04Mbps、mineo(Dプラン)は8.57Mbpsだったが、OCN モバイル ONEは0.20Mbpsに留まった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 mineo(Dプラン)<
3位 DMM mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 楽天モバイル
2位 DMM mobile
3位 mineo(Dプラン)

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年9月3日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年9月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが10.79Mbps(先月は9.37Mbps)、上りが5.21Mbps(同5.49Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、UQ mobileが27.25Mbps、ワイモバイルが27.18Mbpsと、ここではサブブランドが速い。ほかの回線では、mineoのDプランとAプランがどちらも10Mbpsを超えていた。上り通信速度は、ワイモバイルの7.59Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が2.82Mbps(同1.42Mbps)で、東京駅周辺と同様、減速傾向に歯止めがかかった。回線別ではワイモバイルが11.75Mbpsで最も速く、mineo(Aプラン)の4.04Mbps、OCN モバイル ONEの3.02Mbpsが続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 OCN モバイル ONE

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年9月5日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年9月5日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が1.17Mbps(先月は1.24Mbps)、上りは5.35Mbps(同6.69Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、UQ mobileが2.46Mbps、ワイモバイルとIIJmio(みおふぉん)がともに1.81Mbpsと上位を占めたものの、際立って速いとは言えない。上り通信速度はLINEモバイルの8.16Mbpsが最も速く、7Mbps台の回線も4つあった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が0.54Mbps(同0.51Mbps)。回線別ではUQ mobileの1.62Mbps、ワイモバイルの1.10Mbpsが1Mbpsを超えていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 IIJmio(みおふぉん)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 DMM mobile

最後に、佐久平駅周辺における18時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年9月3日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年9月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが5.25Mbps(先月は4.26Mbps)、上りが5.78Mbps(同5.85Mbps)だ。

回線別の下り通信速度ではワイモバイルが33.84Mbpsと一番早く、UQ mobileの14.23Mbpsが続く。サブブランド以外では、mineo(Dプラン)の2.65Mbpsが最も速い。上り通信速度もワイモバイルの18.39Mbpsが最速だった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が0.77Mbps(同0.60Mbps)。回線別ではLINEモバイルの3.44Mbpsが最速で、UQ mobileはこれに次ぐ2.03Mbpsだったものの、ワイモバイルは0.28Mbpsに留まった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2018年8月)と先々月(2018年7月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月はUQ mobileが17.78Mbps(先月は12.83Mbps)で1位に。2位には14時台が速かったOCN モバイル ONEが、UQ mobileに迫る17.48Mbps(同2.44Mbps)でランクインした。3位はワイモバイルで、15.62Mbps(同27.81Mbps)だ。

12回線全体の平均は8.36Mbps(同5.31Mbps)。ここしばらく速度が低下し続けていたが、2018年4月以降では最も速い結果となった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

ここしばらく1位をキープしているワイモバイルが、今月も8.84Mbps(先月は14.35Mbps)でトップに。2位は下りと同じくOCN モバイル ONEで、8.17Mbps(同5.89Mbps)だ。3位はBIGLOBEモバイルで、7.33Mbps(同6.72Mbps)だった。

12回線全体の平均は6.28Mbps(同6.69Mbps)で、ペースは落ちたものの、減速の傾向が続いている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

先月に続き、UQ mobileが4.64Mbps(先月は3.56Mbps)で1位に。2位には14時台の東京駅周辺で最も速かった楽天モバイルが、4.16Mbps(同0.18Mbps)でランクイン。3位はワイモバイルの2.63Mbps(同1.85Mbps)だ。

ここしばらく遅くなり続けていた12回線全体の平均は1.92Mbps(同0.95Mbps)で、2018年3月に近いレベルまで速くなっていた。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、今年の春から続いていた減速傾向に歯止めがかかり、全体の速度が半年前の水準に近づいたことがわかった。特に、実際の利用環境の例としているアプリダウンロード時の速度は2018年3月並となっており、ユーザーが増える春商戦前の速度に近づいた。

回線別の速度を見ると、サブブランドのワイモバイルとUQ mobileがリードする状況は続いているものの、今月はOCN モバイル ONEや楽天モバイルをはじめとしたドコモのネットワークを利用するMVNOでも、先月より速くなったところが多かった。

次回の調査は2018年10月上旬を予定している。今月に続き速度が速くなっていくのか、あるいは再び減速に転ずるのか、各回線の速度に注目したい。

【関連情報】
・格安SIMカード比較 MVNO主要28社のプラン情報

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
ページトップへ戻る