格安SIMの通信速度を徹底調査
春商戦が終わって各回線のスピードはどうなった?

【2019年5月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。令和初となる2019年5月の調査では、春商戦を終えた各社の速度が明らかになった。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年5月7日(火)、佐久平周辺では5月8日(水)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年5月7日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年5月7日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが3.60Mbps(先月は1.87Mbps)、上りが8.13Mbps(同7.27Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの22.61Mbps、UQ mobileの11.80Mbpsが速く、mineo(Aプラン)の2.62Mbps、楽天モバイルの1.27Mbpsが続く。上り通信速度はワイモバイルの15.40Mbps、mineo(Sプラン)の14.82Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.89Mbps(同1.22Mbps)。回線別では、UQ mobileの11.27Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 DMM mobile

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年5月8日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年5月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが5.97Mbps(先月は7.08Mbps)、上りが7.73Mbps(同8.30Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの53.74Mbpsが群を抜いて速かった。上り通信速度もワイモバイルの26.69Mbpsが一番速いが、mineo(Sプラン)の14.59Mbpsなど、10Mbps以上だった回線がいくつかある。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.20Mbps(同3.16Mbps)。回線別ではワイモバイルの26.79Mbps、UQ mobileの18.02Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年5月7日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年5月7日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが11.04Mbps(先月は33.50Mbps)、上りが10.28Mbps(同11.77Mbps)だった。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが33.94Mbps、mineo(Sプラン)が29.03Mbpsと速い。上り通信速度はワイモバイルの20.95Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が8.02Mbps(同15.44Mbps)。回線別ではUQ mobileが21.40Mbpsで一番速く、mineo(Sプラン)の19.83Mbps、ワイモバイルの14.23Mbpsが続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 mineo(Sプラン)
3位 ワイモバイル

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年5月8日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年5月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.55Mbps(先月は20.57Mbps)、上りが8.93Mbps(同8.51Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、UQ mobileが31.65Mbps、ワイモバイルが31.57Mbps、mineo(Sプラン)が30.04Mbpsと、3回線がほぼ横並びだった。上り通信速度はワイモバイルの25.08Mbps、mineo(Sプラン)の24.80Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が9.76Mbps(同8.62Mbps)。回線別では、mineo(Sプラン)が23.84Mbps、ワイモバイルが23.74Mbpsで、ほぼ同じくらいの速さだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年5月7日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年5月7日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が4.22Mbps(先月は17.09Mbps)、上りが11.21Mbps(同11.53Mbps)で、下りが先月よりも大きく減速している。

回線別の下り通信速度では、UQ mobileの24.58Mbpsがほかの11回線よりも大幅に速い。上り通信速度は楽天モバイルの19.72Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.52Mbps(同2.77Mbps)。回線別では、ここでもUQ mobileが17.86Mbpsと一番速く、mineo(Dプラン)の2.46Mbps、mineo(Sプラン)の1.71Mbpsが続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 IIJmio(みおふぉん)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 mineo(Dプラン)
3位 mineo(Sプラン)

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年5月8日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年5月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.07Mbps(先月は13.66Mbps)、上りが7.15Mbps(同8.45Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが42.71Mbps、UQ mobileが42.18Mbpsで、いわゆる「サブブランド」の2回線が速い。上り通信速度はワイモバイルの21.54Mbps、mineo(Sプラン)の18.68Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.98Mbps(同5.30Mbps)。回線別ではワイモバイルの23.82Mbpsが一番速く、UQ mobileの14.27Mbpsがこれに続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 イオンモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 イオンモバイル

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年4月)と先々月(2019年3月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月は、前回3位だったワイモバイルが2019年1月以来の1位となった。速度は31.32Mbps(先月は30.29Mbps)だ。2位は前回1位のUQ mobileで、速度は22.51Mbps(同37.54Mbps)だった。

3位はmineo(Sプラン)で、速度は10.84Mbps(同16.74Mbps)だ。なお、先々月の3月に1位となり、先月も2位だったBIGLOBEモバイルは、今月は2.11Mbps(同32.41Mbps)で12位となっている。

12回線全体の平均は、7.91Mbps(同15.63Mbps)。今年に入ってからは10Mbps以上がキープされていたが、今回は先月の半分程度まで減速している。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月1位はワイモバイルだ。速度は19.51Mbps(先月は15.66Mbps)だった。2位も前回と同じmineo(Sプラン)で、速度は15.49Mbps(同15.54Mbps)だった。この半年間、1位と2位はこの2回線が占め続けている。

3位はmineo(Aプラン)で、9.12Mbps(同8.22Mbps)だった。12回線全体の平均は8.90Mbps(同9.30Mbps)で、2019年3月をピークに少しずつ減速を続けている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今月の1位は前回と同じUQ mobileだ。速度は16.55Mbps(先月は15.58Mbps)だった。2位も前回と同じワイモバイルで、速度は15.97Mbps(同13.96Mbps)。今年の2月以降、1位と2位の順位は固定しつつある。

3位はmineo(Sプラン)で、7.99Mbps(同3.18Mbps)だった。4位はmineo(Aプラン)の4.64Mbps(同6.33Mbps)となっており、上位4回線はドコモ回線以外のサービスが占めている。

12回線全体の平均は、5.06Mbps(同6.09Mbps)。今年に入ってから一番遅い速度となった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、特にドコモ回線を利用する格安SIMにおいて、前回の調査よりも速度が遅くなった回線が多かった。今回と前回の平均速度を比較してみると、RBB SPEED TESTの下り通信速度はほぼ半分、アプリダウンロード時の速度は2割近く減速している。

調査当日は大型連休明けということもあって駅周辺の人通りは少なめだったが、ユーザーが大幅に増える春の商戦期を終えた直後のタイミングでもあった。今年の初頭から先月までの調査ではネットワーク増強の様子が確認できたものの、今回の結果からは、ユーザーが増加したことで高まった通信の需要による影響が各社の速度から見て取れる。

そんななかでも堅調なのが、ワイモバイルとUQ mobile、いわゆるサブブランドの2回線だ。今回の調査におけるアプリダウンロード時の平均速度は、どちらも調査開始以来最速の記録を更新。昨年の夏頃に底を打って以来、着実に速度を伸ばし続けている。

また、今回は速度が落ち込んだドコモ回線の格安SIMでも、mineo(Dプラン)、IIJmio(みおふぉん)、イオンモバイル、DMM mobileのように、年単位の長いスパンでは速度を伸ばしている回線も存在する。2019年6月上旬を予定している次回の調査では、ドコモ回線を利用する格安SIMの速度がどの程度回復するかに注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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