格安SIMの通信速度を徹底調査
新型iPhone発表直前に調査

【2019年9月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。「iPhone 11」をはじめとした今年の新型iPhone発表直前となる2019年9月2日・3日に実施した今回は、アプリダウンロード時の平均速度が最速記録を更新する結果となった。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

通信速度の測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。東京駅周辺では2019年9月3日(火)、佐久平駅周辺では9月2日(月)に調査を実施した。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile※2019年9月1日よりサービス提供事業者がDMM.com から楽天モバイル変更となりました
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年9月3日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年9月3日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが3.01Mbps(先月は2.74Mbps)、上りが10.80Mbps(同9.33Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが15.23Mbps、UQ mobileが11.37Mbpsと、「サブブランド」の2回線が速い。上り通信速度は楽天モバイルの14.11Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.79Mbps(同1.07Mbps)。回線別では、ワイモバイルが9.88Mbps、UQ mobileが6.33Mbpsと、こちらもサブブランドの速さが目立つ。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 DMM mobile

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年9月2日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年9月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.71Mbps(先月は6.17Mbps)、上りが7.93Mbps(同7.55Mbps)だ。

回線別の下り通信速度はサブブランドが非常に好調で、ワイモバイルが53.56Mbps、UQ mobileが50.84Mbpsという結果に。上り通信速度はワイモバイルの23.18Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.27Mbps(同2.88Mbps)。回線別ではワイモバイルが23.26Mbps、UQ mobileが23.23Mbpsと、ほぼ同じ速度だった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年9月3日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年9月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが46.43Mbps(先月は21.30Mbps)、上りが13.49Mbps(同9.64Mbps)だった。

回線別の下り通信速度はドコモ回線の格安SIMが好調で、BIGLOBEモバイルが106.83Mbpsを記録。OCN モバイル ONEの74.82Mbps、IIJmio(みおふぉん)の62.77Mbpsがこれに続く。上り通信速度もBIGLOBEモバイルの29.03Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が18.43Mbps(同8.82Mbps)。回線別ではOCN モバイル ONEの35.18Mbps、DMM mobileの34.88Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 OCN モバイル ONE
3位 IIJmio(みおふぉん)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 DMM mobile
3位 IIJmio(みおふぉん)

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年9月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年9月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが21.28Mbps(先月は14.51Mbps)、上りが7.73Mbps(同7.69Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが61.14Mbps、UQ mobileが50.16Mbpsとサブブランドが好調で、東京駅周辺とは対照的だ。上り通信速度はワイモバイルの26.18Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が8.76Mbps(同7.12Mbps)。回線別ではワイモバイルの26.16Mbpsが一番速く、これにUQ mobileの17.44Mbps、mineo(Aプラン)の13.95Mbpsが続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年9月3日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年9月3日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が11.48Mbps(先月は3.21Mbps)、上りが13.80Mbps(同6.34Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、BIGLOBEモバイルが66.68Mbpsと14時台に続いて最も速く、UQ mobileの33.82Mbpsがこれに続く。上り通信速度もBIGLOBEモバイルの22.96Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.75Mbps(同1.36Mbps)。回線別ではUQ mobileの19.02Mbpsが最も速く、同じサブブランドのワイモバイルは3.90Mbpsだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 DMM mobile

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年9月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年9月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが11.52Mbps(先月は6.49Mbps)、上りが8.79Mbps(同7.74Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの49.99Mbps、mineo(Sプラン)の32.90Mbps、UQ mobileの20.90Mbpsが速い。上り通信速度はmineo(Sプラン)の22.90Mbps、ワイモバイルの21.96Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.21Mbps(同3.25Mbps)。回線別では、ワイモバイルの23.25Mbps、UQ mobileの16.10Mbpsと、サブブランドの2回線が速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年8月)と先々月(2019年7月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月も1位はUQ mobileで、速度は33.81Mbps(先月は30.76Mbps)。2位はワイモバイルの32.21Mbps(同20.82Mbps)だった。UQ mobileとワイモバイルの速度差は6月から徐々に開きつつあったが、今月はワイモバイルが速度を大きく増している。

3位は先月に続きBIGLOBEモバイルで、速度はサブブランドに迫る31.91Mbps(同14.31Mbps)だった。12回線全体の平均は17.24Mbps(同9.07Mbps)で、今年の1月ごろのレベルまで増速している。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月の1位は10か月連続となるワイモバイルで、速度は18.29Mbps(先月は17.12Mbps)。2位も先月と同じmineo(Sプラン)で、速度は16.99Mbps(同14.95Mbps)だった。

3位はBIGLOBEモバイルの12.41Mbps(同6.08Mbps)だ。12回線全体の平均は10.42Mbps(同8.05Mbps)で、2017年12月の調査開始以降はじめて10Mbpsを上回り、最速記録を更新した。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は2019年2月以来8か月連続となるUQ mobileで、速度は17.56Mbps(先月は13.92Mbps)だった。2位はワイモバイルの15.26Mbps(同10.31Mbps)で、7月に底を打った速度も5月のレベルまで戻っている。

3位は今年4月以来のランクインとなるDMM mobileで、速度は7.98Mbps(同1.47Mbps)と先月から大幅に上がっている。12回線全体の平均は6.70Mbps(同4.08Mbps)で、RBB SPEED TESTの上り通信速度に並んで調査開始以来の最速記録となった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今年の5月から先月8月までの平均速度は増加と減少を繰り返す一進一退の様子だったが、今月9月はPlayストアからのアプリダウンロード速度やRBB SPEED TESTの上り通信速度が調査開始以来最速を記録しており、足踏み状態から一歩脱した形となった。

例年アップルの新型iPhoneが発表されている9月は、春と並んで新規ユーザーが増えるタイミングにあたる。今月の結果は、各事業者がこの時期を見据えてネットワークの増強を実施してきた効果が現れたものと考えられる。

また、長いスパンで見ても、格安SIM全体の速度は向上している。昨年2018年の4月から11月にかけてのアプリダウンロード平均速度は2Mbpsを超えることが一度もなかったが、今年2019年の4月から今月9月にかけての期間は3.79〜6.71Mbpsで推移している。

昨年とは調査対象の格安SIMが一部異なるので厳密な比較はできないが、ワイモバイル、UQ mobile、mineoのDプランおよびAプランのように、年単位でもアプリダウンロード速度が速くなっている格安SIMもいくつか見られる。こうしたMVNOでは、ネットワーク増強を積み重ねてきた成果が着実に現れていると言える。

次回の調査は2019年10月上旬の予定だ。なお、今月からDMM mobileが楽天モバイルに継承されたり、楽天モバイルの自社回線が10月1日から「無料サポータープログラム」限定で提供開始されたりと格安SIMを巡る動きが活発化しているため、来月以降は調査対象の格安SIMを一部見直すことを考えている。iPhone 11シリーズ発売直後となる来月の結果にも注目だ。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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