格安SIMの通信速度を徹底調査
ワイモバイルの減速が目立つ(佐久平のみでの調査)

【2020年10月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年10月5日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、ワイモバイルの減速が気になる結果となった。


1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は10月5日(月)。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年10月5日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年10月5日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが5.75Mbps(先月は7.43Mbps)、上りが7.08Mbps(同7.88Mbps)だ。

回線別に見てみると、下り通信速度はUQ mobileの19.17Mbps、LinksMateの15.97Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の15.28Mbpsの順に速かった。上り通信速度はLINEモバイルの17.09Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.93Mbps(同2.39Mbps)。回線別に見ると、UQ mobileの9.30Mbpsが一番速く、ワイモバイルの4.10Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の2.49Mbpsがこれに続く。サブブランドのワイモバイルとUQ mobileは10Mbpsを下回ったが、全体の半数にあたる6回線が1Mbpsを上回っていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile<
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年10月5日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年10月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが14.78Mbps(先月は17.10Mbps)、上りが7.50Mbps(同5.97Mbps)だ。

回線別に見てみると、下り通信速度はmineo(Sプラン)の33.21Mbpsが速く、LINEモバイルの20.88Mbps、mineo(Aプラン)の20.13Mbpsがこれに続く。前回9月の14時台が85.26Mbpsだったワイモバイルは、今回は17.47Mbpsだった。上り通信速度はLINEモバイルの14.21Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が8.00Mbps(同6.95Mbps)。回線別に見てみると、ワイモバイルの14.49Mbps、mineo(Sプラン)の12.24Mbps、UQ mobileの10.65Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 LINEモバイル
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年10月5日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年10月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.71Mbps(先月は8.50Mbps)、上りが6.11Mbps(同7.17Mbps)だ。

回線別に見てみると、下り通信速度はUQ mobileが27.18Mbps、ワイモバイルが27.01Mbpsとほぼ同じ水準で、これにmineo(Sプラン)の12.86Mbps、mineo(Dプラン)の11.58Mbpsが続く。上り通信速度はワイモバイルの12.04Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.29Mbps(同3.73Mbps)だ。回線別に見てみるとUQ mobileの8.28Mbps、ワイモバイルの5.85Mbps、mineo(Dプラン)の5.25Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Dプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2020年9月)と前々回(2020年8月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はUQ mobileの21.64Mbps(前回は19.39Mbps)、2位はワイモバイルの17.72Mbps(同54.56Mbps)だ。サブブランドの2回線が上位を占めるのは変わらないが、2020年6月以来UQ mobileが1位となった。いっぽうワイモバイルは、新型コロナウイルス感染症を考慮して佐久平駅周辺のみで調査を行っている2020年3月以降では初めて20Mbpsを下回っている。

3位はmineo(Sプラン)の15.53Mbps(同1.44Mbps)だった。前回および前々回は1Mbps前後で12回線中最も遅かったが、今回は前回に対して10倍以上速くなっている。12回線全体の平均速度は10.08Mbps(同11.01Mbps)で、前回よりも1Mbpsほど遅い。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はLINEモバイルの13.51Mbps(前回は10.85Mbps)、2位はワイモバイルの10.73Mbps(同17.71Mbps)、3位はmineo(Sプラン)の10.29Mbps(同8.76Mbps)だった。顔ぶれは前回と変わらないが、ここでもワイモバイルの減速が目立つ。

12回線全体の平均は6.89Mbps(同7.01Mbps)で、2020年3月以降では前々回に続いて2番目に遅かった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの9.41Mbps(前回は8.83Mbps)、2位はワイモバイルの8.14Mbps(同14.60Mbps)だった。前回2位だったUQ mobileはわずかに増速したが、ワイモバイルは前回と比べて4割以上遅くなっている。

3位はmineo(Sプラン)の5.00Mbps(同1.86Mbps)だった。RBB SPEED TESTの下り平均速度と同様に、12位だった前回から速度を増している。すべての回線が10Mbpsを下回ったものの、12回線全体の平均は4.40Mbps(同4.36Mbps)となっており、サブブランド以外の回線が持ち直しつつある様子がうかがえる。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2020年10月の速度調査は、12回線全体の平均を見る限りはRBB SPEED TESTの下り平均速度が全体的に減速したいっぽうで、Playストアからのアプリダウンロード平均速度は前回からほぼ横ばいで推移する結果となった。

結果を回線別にチェックしてみると、mineo(Sプラン)、LINEモバイル、NifMo、BIGLOBEモバイルはアプリダウンロード速度が前回と比べて1.5倍以上まで増速しているのに対し、ワイモバイルとmineo(Aプラン)は前回から2割以上減速した。12回線のうち前回から増速したのは7回線、減速したのは5回線となっており、明暗が分かれた形だ。

次のグラフは2019年9月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。今回のRBB SPEED TESTの下り平均速度は、1年前の2019年10月に次ぐ遅さだったことがわかる。

今回はGo Toトラベルの対象地域に東京が追加されてから最初の調査となった。行楽を目的とした人の移動は週末に集中するが、緊急事態宣言が発出されていた4月〜5月に比べれば、平日におけるモバイルデータ通信の需要も増しているはずだ。今回特に減速が目立ったワイモバイルはユーザー数も多いだけに、需要増の影響を大きく受けた可能性も考えられる。

12回線全体の平均速度推移(2019年9月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年9月以降、佐久平駅周辺のみ)

次回の調査は2020年11月上旬を予定している。今回調査を行った時点では未発表だったiPhoneの新機種登場後になると思われる次回の通信速度がどのように推移するのか、引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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