格安SIMの通信速度を徹底調査
ワイモバイルとUQ mobileが伸び悩む

【2020年1月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年1月8日・9日に実施した今回は、サブブランドの速度が伸び悩む状況が明らかになった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

通信速度の測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。東京駅周辺では2020年1月9日(木)、佐久平駅周辺では1月8日(水)に調査を実施した。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE
楽天モバイルドコモ回線
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2020年1月9日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2020年1月9日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが4.14Mbps(先月は2.91Mbps)、上りが7.90Mbps(同6.43Mbps)だった。回線別の下り通信速度を見ると、LinksMateの20.88Mbps、UQ mobileの12.90Mbpsが速い。上り通信速度はBIGLOBEモバイルの16.51Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.30Mbps(同0.98Mbps)。回線別ではUQ mobileの8.94Mbpsが最も速く、ほかの回線ではLinksMateの1.70Mbps、ワイモバイルの1.10Mbpsが1Mbpsを超えていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 LinksMate
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 ワイモバイル

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年1月8日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.58Mbps(先月は10.73Mbps)、上りが8.24Mbps(同8.52Mbps)だ。回線別の下り通信速度ではワイモバイルが68.78Mbpsと速く、UQ mobileの18.46Mbps、LinksMateの11.91Mbpsが続く。上り通信速度はLINEモバイルの16.34Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.87Mbps(同4.82Mbps)と、前回2019年12月に対して1/3程度まで遅くなっている。回線別に見るとワイモバイルの10.57Mbps、UQ mobileの6.09Mbpsが速い。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2020年1月9日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2020年1月9日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが32.26Mbps(先月は10.54Mbps)、上りが6.19Mbps(同9.50Mbps)と、下りが前回2019年12月の3倍程度まで速くなっている。

回線別の下り通信速度を見ると、BIGLOBEモバイルが77.32Mbps、mineo(Dプラン)が54.21Mbps、イオンモバイルが50.40Mbpsと、NTTドコモ回線の速さが目立つ。上り通信速度はワイモバイルの11.34Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が6.54Mbps(同7.18Mbps)。回線別に見ると、OCN モバイル ONEの12.99Mbps、mineo(Dプラン)の12.93Mbps、IIJmio(みおふぉん)の11.64Mbps、イオンモバイルの11.62Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 mineo(Dプラン)
3位 イオンモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 mineo(Dプラン)
3位 IIJmio(みおふぉん)

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年1月8日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが12.23Mbps(先月は28.18Mbps)、上りが8.13Mbps(同8.19Mbps)となっており、下りは東京駅周辺とは逆に前回の半分以下まで遅くなっている。

回線別の下り通信速度はワイモバイルが22.73Mbps、UQ mobileが21.93Mbps、mineo(Sプラン)が21.11Mbpsで、NTTドコモ回線以外の格安SIMが速い。上り通信速度はLINEモバイルの15.77Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が6.52Mbps(同13.48Mbps)で、やはり前回の半分程度。回線別に見ると、UQ mobileの11.61Mbps、ワイモバイルの9.97Mbps、LINEモバイルの8.30Mbpsが速いが、ほかの回線との差はそれほど大きくはなかった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LINEモバイル

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2020年1月9日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2020年1月9日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が12.60Mbps(先月は3.91Mbps)、上りが7.02Mbps(同7.74Mbps)。14時台と同様に、下りの平均速度は前回の3倍程度まで速くなっている。

回線別の下り通信速度を見ると、BIGLOBEモバイルが81.09Mbpsと14時台よりも速く、LinksMateの18.62Mbps、UQ mobileの16.69Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Dプラン)の11.24Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が1.98Mbps(同1.60Mbps)。回線別ではUQ mobileの9.67Mbps、LinksMateの3.47Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 LinksMate
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 ワイモバイル

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年1月8日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.10Mbps(先月は11.99Mbps)、上りが7.01Mbps(同8.10Mbps)だ。回線別の下り通信速度を見ると、UQ mobileの35.65Mbps、ワイモバイルの26.70Mbpsが速い。上り通信速度はLINEモバイルの10.39Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.16Mbps(同3.29Mbps)。回線別に見ると、ワイモバイルの12.88Mbps、UQ mobileの11.60Mbpsが速い。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年12月)と先々月(2019年11月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月の1位は2019年3月以来となるBIGLOBEモバイルで、速度は29.05Mbps。前回の4.80Mbpsから大幅に速度を増しているが、1年前となる2018年12月から2019年1月にかけても同様に増速しており、年度末に向けた増強の結果と思われる。

2位は前回に続きUQ mobileで、速度は22.80Mbps(同20.83Mbps)。3位は前回1位だったワイモバイルで、前回の半分以下となる21.69Mbpsだった(同45.50Mbps)。12回線全体の平均は13.32Mbpsで、3か月連続でゆるやかに増速している。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月の1位もワイモバイルで、速度は11.01Mbpsだった(前回は15.28Mbps)。2位も同じくLINEモバイルで、速度は10.65Mbps(同11.79Mbps)。3位も前回と同じmineo(Sプラン)で、速度は9.04Mbpsだった(同10.99Mbps)。

1位から3位までは2019年10月から4か月連続でソフトバンク回線が占めている。12回線全体の平均は7.42Mbpsで、前回(同8.08Mbps)から若干遅くなった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は3か月ぶりのUQ mobileだが、速度は10Mbpsを切る9.00Mbpsだった(前回は11.20Mbps)。2位は前回1位のワイモバイルで、速度は6.37Mbps(同15.69Mbps)と大幅に遅くなっている。

3位にはOCN モバイル ONEの3.82Mbps(同2.09Mbps)がランクインしており、NTTドコモ回線が増強された様子がうかがえる。ただし12回線全体の平均は3.56Mbps(同5.23Mbps)で、前回の7割弱まで遅くなった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

前回2019年12月の速度調査では、東京駅周辺におけるサブブランドの2回線(ワイモバイルとUQ mobile)の下り通信速度が前々回(2019年11月)よりもやや減速していた。前回は皇居の大嘗宮一般参観および乾通り一般公開と日程が重なったこともあり、混雑の影響による一時的な減速の可能性もあったが、今回の調査でもサブブランドの減速傾向は続いており、特にワイモバイルにおけるアプリダウンロード速度は2018年12月以降で最も遅くなった。

各回線の結果を見てみると、BIGLOBEモバイル、OCN モバイル ONE、mineo(Dプラン)、IIJmio(みおふぉん)、イオンモバイルにおけるRBB SPEED TESTの下り平均速度が前回の2倍から6倍程度まで速くなっており、2か月後に迫った春商戦に向けてネットワークが増強された結果が現れたものと考えられる。

ただし、実際の利用環境の例として調査しているアプリダウンロード速度は、これらの回線においても前回の2倍に届かない。ここにサブブランドの減速傾向が加わったことで、12回線全体のアプリダウンロード平均速度は直近1年間で最も遅い結果となった。

次回の調査は2020年2月上旬を予定している。ネットワーク増強の効果が限定的なまま年度末を迎えてしまうのか、それとも2月に向けて通信環境が好転していくのか。令和初の春商戦期直前となる来月の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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