格安SIMの通信速度を徹底調査

【2023年1月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査した。2023年1月16日・17日に実施した今回は、NTTドコモの回線を利用する格安SIMが前回から大きくスピードアップする結果となった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、12回線の格安SIMの通信速度を調査している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、2020年3月以降は筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査を続けていたが、2022年5月から東京駅周辺での調査を本格的に再開した。

今回の調査日は東京駅周辺が2023年1月16日(月)、佐久平駅周辺が1月17日(火)。測定にはモトローラの「moto g50 5G」を用いた。

調査方法は以下のように「スピードテストアプリ」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
スピードテストアプリ「Speedtest - インターネット速度」(Ookla)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移を「moto g50 5G」の動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象となる格安SIMは、以下の12種類だ。「moto g50 5G」は5Gネットワークに対応しているが、12回線とも4Gネットワークで調査を行っている。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
mineo(Aプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
BIGLOBEモバイル(タイプD)
OCNモバイルONE(新コース)
イオンモバイル(ドコモ回線)
・LinksMate
NifMo
日本通信SIM
y.u mobile
QTmobile(Dタイプ)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2023年1月16日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2023年1月16日実施。単位はMbps、以下同様)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが17.69Mbps(先月は8.96Mbps)、上りが11.49Mbps(同5.19Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はOCN モバイル ONEの46.73Mbpsが最も速く、LinksMateの45.88Mbps、y.u mobileの38.03Mbpsがこれに続く。上り通信速度はQTmobile(Dタイプ)の19.95Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.07Mbps(同5.19Mbps)だ。回線別ではQTmobile(Dタイプ)と日本通信SIMの19.55Mbpsが速く、UQ mobileの17.73Mbps、mineo(Aプラン)の15.89Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE:46.73Mbps
2位 LinksMate:45.88Mbps
3位 y.u mobile:38.03Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 QTmobile(Dタイプ):19.55Mbps
1位 日本通信SIM:19.55Mbps
3位 UQ mobile:17.73Mbps

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2023年1月17日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2023年1月17日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが12.90Mbps(先月は14.16Mbps)、上りが7.46Mbps(同6.97Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの55.80Mbpsが最も速く、UQ mobileの25.05Mbps、mineo(Aプラン)の23.58Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Aプラン)の30.45Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.52Mbps(同5.17Mbps)だ。回線別に見てみるとmineo(Aプラン)の24.15Mbpsが最も速く、UQ mobileの16.95Mbps、ワイモバイルの16.75Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:55.80Mbps
2位 UQ mobile:25.05Mbps
3位 mineo(Aプラン):23.58Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):24.15Mbps
2位 UQ mobile:16.95Mbps
3位 ワイモバイル:16.75Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2023年1月16日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2023年1月16日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが49.21Mbps(先月は39.20Mbps)、上りが11.38Mbps(同6.50Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はNifMoの76.03Mbpsが最も速く、LinksMateの61.60Mbps、OCN モバイル ONEの54.48Mbpsがこれに続く。上り通信速度はワイモバイルの15.60Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が30.16Mbps(同28.64Mbps)だ。回線別に見てみると、y.u mobileの54.64Mbpsが最も速く、日本通信SIMの45.73Mbps、イオンモバイルの44.48Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 NifMo:76.03Mbps
2位 LinksMate:61.60Mbps
3位 OCN モバイル ONE:54.48Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 y.u mobile:54.64Mbps
2位 日本通信SIM:45.73Mbps
3位 イオンモバイル:44.48Mbps

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2023年1月17日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2023年1月17日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが26.45Mbps(先月は28.48Mbps)、上りが7.35Mbps(同6.60Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの51.78Mbpsが一番速く、mineo(Aプラン)の51.43Mbps、UQ mobileの42.53Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Aプラン)の34.70Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が20.66Mbps(同17.77Mbps)だ。回線別に見てみるとmineo(Aプラン)とワイモバイルの40.82Mbpsが最も速く、UQ mobileの27.85Mbps、y.u mobileの22.63Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:51.78Mbps
2位 mineo(Aプラン):51.43Mbps
3位 UQ mobile:42.53Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):40.82Mbps
1位 ワイモバイル:40.82Mbps
3位 UQ mobile:27.85Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2023年1月16日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2023年1月16日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが50.65Mbps(先月は24.57Mbps)、上りが13.19Mbps(同6.01Mbps)だ。回線別に見てみると下り通信速度は日本通信SIMの73.03Mbpsが最も速く、UQ mobileの63.03Mbps、mineo(Aプラン)の58.63Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Aプラン)の34.85Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が23.81Mbps(同10.29Mbps)だ。回線別ではこちらも日本通信SIMが61.40Mbpsで最も速く、QTmobile(Dタイプ)の42.82Mbps、IIJmio(みおふぉん)の40.01Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 日本通信SIM:73.03Mbps
2位 UQ mobile:63.03Mbps
3位 mineo(Aプラン):58.63Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 日本通信SIM:61.40Mbps
2位 QTmobile(Dタイプ):42.82Mbps
3位 IIJmio(みおふぉん):40.01Mbps

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2023年1月17日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2023年1月17日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが19.94Mbps(先月は18.64Mbps)、上りが7.33Mbps(同6.13Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの45.28Mbpsが最も速く、UQ mobileの43.80Mbps、mineo(Aプラン)の30.58Mbpsがこれに続く。上り通信速度はUQ mobileの26.10Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が9.68Mbps(同13.81Mbps)だ。回線別ではUQ mobileの25.61Mbpsが一番速く、mineo(Aプラン)の21.86Mbps、QTmobile(Dタイプ)の18.14Mbps、ワイモバイルの18.04Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:45.28Mbps
2位 UQ mobile:43.80Mbps
3位 mineo(Aプラン):30.58Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile:25.61Mbps
2位 mineo(Aプラン):21.86Mbps
3位 QTmobile(Dタイプ):18.14Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。参考とし
て、前回(2022年12月)および前々回(2022年11月)の調査結果も併記している。

まずはスピードテストアプリの下り通信速度からだ。

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの42.75Mbps(前回は38.24Mbps)、2位はUQ mobileの40.38Mbps(同39.02Mbps)、3位はOCN モバイル ONEの36.14Mbps(同29.54Mbps)だった。

下り通信速度は12回線のうち10回線が前回と比べてスピードアップしている。12回線全体の平均速度は29.48Mbps(同22.34Mbps)だった。

次は、スピードテストアプリの上り通信速度の結果だ。

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

今回の1位はmineo(Aプラン)の23.55Mbps(前回は14.71Mbps)、2位はワイモバイルの18.48Mbps(同17.42Mbps)、3位はUQ mobileの15.50Mbps(同13.99Mbps)だった。

順位は入れ替わっているが、上り通信速度のトップ3は前回と同じ3回線が占めている。12回線全体の平均速度は9.70Mbps(同6.23Mbps)で、月単位の変化が比較的小さな上り通信速度としては大幅なスピードアップだった。

最後はPlayストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は日本通信SIMの27.23Mbps(前回は14.07Mbps)、2位はmineo(Aプラン)の26.58Mbps(同23.45Mbps)、3位はUQ mobileの24.28Mbps(同25.04Mbps)だった。

本調査のアプリダウンロード時・下り通信速度ランキングでワイモバイルが4位以下になったのは2018年5月以来で、1位にドコモ回線を利用する格安SIMがランクインするのは2017年12月の調査開始以来初めてだ。12回線全体の平均は16.48Mbps(同13.48Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2023年1月は、スピードテストアプリの下り平均速度・上り平均速度とPlayストアからのアプリダウンロード速度がすべて、前回2022年12月と比べて速くなった。

スピードアップが顕著だったのはドコモ回線を利用する格安SIMで、日本通信SIMのように実際の利用環境の一例としているアプリダウンロード速度が前回から2倍近く速くなった回線もある。

そのいっぽうで、サブブランドのワイモバイルとUQ mobileはスピードテストアプリの下り通信速度は前回からほぼ横ばい、アプリダウンロード速度は前回からややスピードダウンする結果となった。特に、ワイモバイルはアプリダウンロード速度が前回から3割ほど遅くなっている。

以下のグラフは、2021年12月以降の12回線全体の平均速度推移を示したものだ。点線から左側は佐久平駅周辺のみでの速度となる。2022年2月と同年5月は直前の月と比べて数値が上がっているが、これは2月の端末更新と5月の東京駅周辺での調査再開による影響が大きい。

東京駅周辺での調査を再開した2022年5月以降のデータを見てみると、今回はスピードテストアプリの下り平均速度が2番目に速く、スピードテストアプリの上り平均速度とアプリダウンロード速度は最も速かったことがわかる。

12回線全体の平均速度推移(2021年12月〜2023年1月。2022年2月から調査に用いる端末を変更していることと、2022年4月までは佐久平駅周辺のみの結果であることに留意)

12回線全体の平均速度推移(2021年12月〜2023年1月。2022年2月から調査に用いる端末を変更していることと、2022年4月までは佐久平駅周辺のみの結果であることに留意)

次回の調査は2023年2月上旬〜中旬を予定している。春の商戦期に向けて格安SIMの速度がどのように変化するのか、引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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