格安SIMの通信速度を徹底調査
前回よりスピードアップ(佐久平のみでの調査)

【2020年7月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年7月2日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、サブブランドを中心に一部の回線では前回から大きく速度がアップしたものの、実際の利用環境については全体的に減速傾向であることが明らかになった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみ7月2日(木)に調査を実施した。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年7月2日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年7月2日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが10.63Mbps(先月は8.31Mbps)、上りが7.71Mbps(同7.73Mbps)だ。

回線別に見てみると、下り通信速度はUQ mobileが47.94Mbps、ワイモバイルが43.89Mbpsで、大手キャリアのサブブランド2回線が速い。そのほかに10Mbpsを超えたのはOCN モバイル ONE(新コース)の16.20Mbps、LinksMateの11.67Mbpsだった。上り通信速度はmineo(Sプラン)の18.37Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.60Mbps(同3.57Mbps)。回線別ではワイモバイルの16.55Mbps、UQ mobileの13.14Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年7月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが26.45Mbps(先月は18.85Mbps)、上りが7.50Mbps(同7.64Mbps)と、下り平均速度が前回6月よりも4割ほど速くなっている。

回線別に見てみると、下り通信速度はLINEモバイルの62.48Mbpsが最も速く、mineo(Sプラン)の56.35Mbps、UQ mobileの47.82Mbps、ワイモバイルの43.27Mbps、mineo(Aプラン)の43.17Mbpsがこれに続く。上り通信速度もLINEモバイルが13.63Mbpsで一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が8.73Mbps(同10.11Mbps)となっており、RBB SPEED TESTの下り平均速度が速くなった反面こちらは遅くなっている。回線別ではLINEモバイルの16.55Mbps、UQ mobileの16.53Mbps、mineo(Aプラン)の12.53Mbps、ワイモバイルの11.61Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年7月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが14.36Mbps(先月は9.12Mbps)、上りが7.27Mbps(同7.07Mbps)で、前回と比べて下り平均速度が6割近く速くなっている。

回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの61.92Mbps、UQ mobileの45.88Mbpsが速く、mineo(Aプラン)の14.92Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の13.11Mbpsがこれに続く。上り通信速度はワイモバイルの15.20Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が4.23Mbps(同4.74Mbps)だ。回線別に見ると、UQ mobileの13.97Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の7.98Mbps、ワイモバイルの7.14Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 OCN モバイル ONE(新コース)
3位 ワイモバイル

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2020年6月)と前々回(2020年5月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの49.69Mbps(前回は21.82Mbps)、2位はUQ mobileの47.21Mbps(同27.97Mbps)だ。どちらも前回6月は前々回の5月と比べて半分ほど遅くなったものの、今回は5月と同程度まで増速。2020年3月以降、ワイモバイルとUQ mobileは6月を除いて毎回40Mbps台を記録しており、6月だけが一時的な減速という形になっている。

3位は14時台の速度が目立ったLINEモバイルの22.82Mbps(同8.48Mbps)で、前回6月と比べて3倍近くも速くなった。12回線全体の平均は17.15Mbps(同12.09Mbps)で、前回よりも速くなったが、前々回の5月と比べれば2Mbpsほど遅い。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はmineo(Sプラン)の14.13Mbps(前回は17.35Mbps)、2位はワイモバイルの12.73Mbps(同9.13Mbps)、3位はLINEモバイルの12.26Mbps(同9.13Mbps)だった。順位は入れ替わっているものの、佐久平駅周辺だけで調査を行っている2020年3月以降、1位から3位まではこの3回線が毎回占めている。12回線全体の平均は7.49Mbps(同7.48Mbps)で、前回とほとんど変わらなかった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの14.55Mbps(前回は13.13Mbps)で、佐久平駅周辺だけでの調査を行っている2020年3月以降で最も速くなった。2位はワイモバイルの11.76Mbps(同9.46Mbps)で、10Mbpsを割り込んだ前回よりも速くなっている。

3位はLINEモバイルの6.72Mbps(同6.45Mbps)だ。LINEモバイルはRBB SPEED TESTの下り通信速度が前回よりも大幅に速くなったが、アプリのダウンロード速度にはあまり変化が見られない。12回線全体の平均は5.52Mbps(同6.14Mbps)で、前回よりもやや遅くなった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

2020年5月と6月に調査対象の回線を入れ替えているため厳密な比較はできないが、前回6月はRBB SPEED TESTの下り通信速度が5月と比べて大きく落ち込んだものの、今回は今年に入って2番目に速い17.15Mbps(12回線の平均値)まで増速。特にソフトバンク回線のワイモバイルとLINEモバイルは前回よりも2倍以上、UQ mobileやIIJmio(みおふぉん)は1.5倍以上速くなった。

そのいっぽう、実際の利用環境の一例としているPlayストアからのアプリダウンロード速度は前回の9割となる5.52Mbps(12回線の平均値)まで減速。mineo(Sプラン)やNifMoのように、前回の半分ほどまで落ち込んだ回線も見受けられる。

次のグラフは2019年6月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。例年、アップルから新型iPhoneが登場する秋に向けて下り通信速度は増速する傾向にあるが、今年は新型コロナウイルス感染症の流行にともなう生活様式の変化により、例年通りには推移しないことも考えられる。

特に今回は県境を越える移動制限が解除されてから最初の、また緊急事態宣言が解除されてから1か月以上が経つタイミングでの調査となった。制限の緩和にともないモバイルデータ通信の需要が増えていることが、アプリのダウンロード速度の低下という形で現れた可能性がある。

12回線全体の平均速度推移(2019年6月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年6月以降、佐久平駅周辺のみ)

次回の調査は2020年8月上旬を予定している。次回も佐久平駅周辺のみでの測定となる可能性もあるが、来月の通信速度がどのように推移するか引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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