格安SIMの通信速度を徹底調査
2021年最初の調査で一番速かったのは?(佐久平のみでの調査)

【2021年1月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2021年1月7日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、前回まで続いてきた全体的な増速傾向が一段落した様子が明らかになった。

格安SIM人気12回線の通信速度を比較。2021年1月の調査結果を見ていきましょう

格安SIM人気12回線の通信速度を比較。2021年1月の調査結果を見ていきましょう

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は1月7日(木)。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年1月7日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年1月7日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが6.87Mbps(先月は13.35Mbps)、上りが6.73Mbps(同9.66Mbps)で、下りは前回12月に対して半分程度遅い。回線別に見ると、下り通信速度はワイモバイルの55.38Mbpsが突出して速く、LINEモバイルの5.64Mbps、LinksMateの4.26Mbpsがこれに続く。上り通信速度はLINEモバイルの17.03Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.28Mbps(同4.80Mbps)だ。回線別ではやはりワイモバイルの13.30Mbpsが際立っており、ほかの回線ではmineo(Sプラン)の4.48Mbps、mineo(Dプラン)の4.26Mbps、LINEモバイルの3.99Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 mineo(Dプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年1月7日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年1月7日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが19.42Mbps(先月は24.04Mbps)、上りが6.79Mbps(同10.45Mbps)で、どちらも前回から4Mbpsほど減速している。回線別に見ると、下り通信速度はLINEモバイルの72.32Mbpsが最も速く、ワイモバイルの41.11Mbps、UQ mobileの30.27Mbps、mineo(Aプラン)の28.95Mbpsがこれに続く。上り通信速度はLINEモバイルの13.30Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.89Mbps(同7.84Mbps)で、前回とほぼ同じ。回線別ではLINEモバイルの17.86Mbps、ワイモバイルの15.96Mbps、mineo(Aプラン)の12.23Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年1月7日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年1月7日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.46Mbps(先月は16.10Mbps)、上りが6.02Mbps(同6.51Mbps)だ。回線別に見てみると下り通信速度はワイモバイルの31.93Mbps、LINEモバイルの29.78Mbps、mineo(Aプラン)の23.44Mbpsの順に速い。上り通信速度はmineo(Sプラン)の16.05Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が6.76Mbps(同6.42Mbps)だ。回線別ではLINEモバイルの12.25Mbps、ワイモバイルの12.21Mbps、mineo(Aプラン)の8.86Mbps、UQ mobileの8.39Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2020年12月)と前々回(2020年11月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの42.81Mbps(前回は85.94Mbps)だ。ただし、順位こそ1位ではあるものの、速度は前回の半分程度まで遅くなっている。2位はLINEモバイルの35.91Mbps(同23.72Mbps)で、暫定的に佐久平駅周辺のみでの速度調査に切り替えた2020年3月以降では初めて2位にランクインした。

3位はUQ mobileの18.43Mbps(同25.29Mbps)だ。UQ mobileは前回2020年12月に同年3月以降では初めて3位まで後退しており、今回も引き続き同じ順位だった。12回線全体の平均速度は13.25Mbps(同17.83Mbps)で、前回の4分の3程度という結果となった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの12.20Mbps(前回は23.05Mbps)、2位はLINEモバイルの11.32Mbps(同11.14Mbps)、3位はmineo(Sプラン)の10.38Mbps(同20.59Mbps)だ。順位は入れ替わっているものの、上位3回線の顔ぶれは前回と変わらない。12回線全体の平均は6.51Mbps(同8.87Mbps)で、2020年3月以降では最も遅かった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの13.82Mbps(前回は15.96Mbps)、2位はLINEモバイルの11.37Mbps(同9.66Mbps)だった。佐久平駅周辺のみで調査を行っている2020年3月以降1位と2位は長らくワイモバイルとUQ mobileが占めていたが、前回UQ mobileが5位に後退したことでその構図は崩れており、今回はソフトバンクとの関係が深いワイモバイルとLINEモバイルが1位・2位を占める形となった。

3位はmineo(Aプラン)の8.15Mbps(同9.34Mbps)だ。mineoのAプランはSプランとともにたびたび3位以内にランクインしており、今回も前々回の2020年11月以来となる。12回線全体の平均は5.97Mbps(同6.36Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

2021年最初の調査となった今回は、前回2020年12月まで続いた増速傾向が一段落している。BIGLOBEモバイルやLINEモバイルのように前回より速くなった回線もあるものの、RBB SPEED TESTの下り平均速度と上り平均速度、Playストアからのアプリダウンロード平均速度はすべて前回よりも遅くなっている。

もっとも、格安SIMの平均速度は例年夏頃から年末にかけて増速し、年明けに減速する傾向にある。2019年12月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示した以下のグラフを見てもわかるように、1年前の2020年1月も下り平均通信速度が遅くなっている。今後はユーザーの新規契約や他社への乗り換えが活発化する年度末の商戦期に向けて再び増速していくことが予想される。

12回線全体の平均速度推移(2019年12月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年12月以降、佐久平駅周辺のみ)

ただし、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響が色濃い。今回調査を行った2021年1月7日は東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県を対象とした緊急事態宣言が再度発出されたまさにその日であり、6日後の1月13日には新たに大阪・愛知などを含む11都府県に対象が拡大されている。長野県に住む筆者の地元・佐久市やその周辺でも影響が色濃く、高齢化が進んだ地域社会へのさらなる感染拡大が心配される。

次回の調査は2021年2月上旬を予定している。ニュースタイル初の年度末に向けて通信速度がどのように推移していくのか、引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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