格安SIMの通信速度を徹底調査
多くの回線で通信速度が回復傾向

【2019年7月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2019年7月の調査では、多くの回線で通信速度が回復しつつあることが確認できた。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年7月1日(月)、佐久平周辺では7月2日(火)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年7月1日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年7月1日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが2.70Mbps(先月は3.76Mbps)、上りが11.67Mbps(同7.49Mbps)だった。

回線別の下り通信速度では、UQ mobileの18.61Mbpsが一番速い。同じ「サブブランド」のワイモバイルは4.87Mbpsに留まった。上り通信速度はOCN モバイル ONEの21.02Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.34Mbps(同1.91Mbps)。回線別では、サブブランドであるUQ mobileの8.25Mbpsとワイモバイルの3.58Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 イオンモバイル

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年7月2日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが7.97Mbps(先月は6.78Mbps)、上りが8.09Mbps(同6.78Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの49.14MbpsとUQ mobileの40.47Mbpsが、ほかの10回線よりも大幅に速い。上り通信速度はワイモバイルの26.71Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.64Mbps(同2.46Mbps)。回線別ではワイモバイルの17.88MbpsとUQ mobileの10.73Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 DMM mobile

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年7月1日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年7月1日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが45.99Mbps(先月は10.76Mbps)、上りが12.12Mbps(同9.75Mbps)だった。

回線別の下り通信速度では、OCN モバイル ONEが116.38Mbps、BIGLOBEモバイルが91.00Mbpsと、100Mbps前後を記録。上り通信速度はOCN モバイル ONEの24.78Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が13.66Mbps(同5.55Mbps)。回線別ではOCN モバイル ONEの26.90Mbps、mineo(Dプラン)の26.85Mbps、DMM mobileの26.84Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 BIGLOBEモバイル
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 mineo(Dプラン)
3位 DMM mobile

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年7月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが15.11Mbps(先月は15.66Mbps)、上りが7.48Mbps(同7.34Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルの49.38Mbps、UQ mobileの49.05Mbps、mineo(Aプラン)の35.25Mbpsが速かった。上り通信速度はワイモバイルの25.54Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が7.07Mbps(同7.53Mbps)。回線別ではUQ mobileの17.88Mbpsとワイモバイルの15.34Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年7月1日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年7月1日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が3.84Mbps(先月は4.12Mbps)、上りが11.93Mbps(同4.81Mbps)だ。

回線別の下り通信速度はUQ mobileの17.53Mbpsが最も速く、OCN モバイル ONEの5.33Mbps、ワイモバイルの4.36Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Dプラン)の18.39Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.25Mbps(同3.12Mbps)。回線別ではUQ mobileの15.34Mbpsが抜きん出ており、ほかの回線は2Mbps未満だった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 OCN モバイル ONE
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 DMM mobile
3位 mineo(Dプラン)

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年7月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが7.92Mbps(先月は5.62Mbps)、上りが7.05Mbps(同6.85Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、UQ mobileの38.47Mbpsとワイモバイルの36.02Mbpsが速い。上り通信速度はワイモバイルの22.58Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.76Mbps(同2.14Mbps)。回線別ではUQ mobileの13.49Mbps、ワイモバイルの11.91Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 BIGLOBEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 IIJmio(みおふぉん)

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年6月)と先々月(2019年5月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月は、先月に続きUQ mobileが1位だった。速度は33.48Mbps(先月は25.77Mbps)で、春商戦頃のレベルに近づいている。

2位も先月に続きワイモバイルで、速度は24.80Mbps(同25.72Mbps)と先月からほとんど変わらない。3位は10か月ぶりのトップ3入りとなるOCN モバイル ONEで、速度は21.80Mbps(同2.58Mbps)と先月から大きくアップしている。

12回線全体の平均は13.92Mbps(同7.78Mbps)。7Mbps台で推移した5月と6月から大幅に速度を増している。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月の1位もワイモバイルで、速度は17.08Mbps(先月は18.44Mbps)。昨年12月からずっと1位をキープしている。

2位は下り通信速度で3位となったOCN モバイル ONEの12.02Mbps(同6.74Mbps)。3位は先月まで半年間2位をキープしていたmineo(Sプラン)の11.86Mbps(同14.74Mbps)だった。

12回線全体の平均は、9.72Mbps(同7.52Mbps)。年度末から先月まで減速傾向が続いていたが、今月の速度は年度末ごろのレベルに戻っている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は先月に続きUQ mobile。速度は13.93Mbps(先月は11.90Mbps)だった。UQ mobileは今年2月から半年連続で1位をキープしている。

2位はワイモバイルで、速度は8.59Mbps(同11.53Mbps)。ワイモバイルも半年間2位をキープしているが、速度は先々月から下がり続けている。

3位はmineo(Dプラン)の5.86Mbps(同1.75Mbps)。mineoはAプラン(au回線)やSプラン(ソフトバンク回線)がトップ3になることはあったが、Dプラン(NTTドコモ回線)がランクインするのは2017年12月の調査開始以来初めてとなる。

12回線全体の平均は、4.95Mbps(同3.78Mbps)。先月は春商戦の影響で遅くなったものの、今月は5月のレベルまで持ち直している。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

格安SIMのユーザーが増える4月前後の春商戦期が過ぎ去った先月は、大手キャリアの「サブブランド」と呼ばれるワイモバイルやUQ mobileも含めて全体的に速度が低下したものの、今月はUQ mobileやNTTドコモ回線を使う格安SIMにおいて、速度の回復が確認された。

なかでもmineo(Dプラン)やOCN モバイル ONEは、昨年度末頃のレベルまで速度を戻している。OCN モバイル ONEのRBB SPEED TEST下り通信速度にいたっては、調査開始以来の最速記録を更新しているほどだ。この2回線だけでなく、IIJmio(みおふぉん)やBIGLOBEモバイルなど、先月に比べて速度を大きく伸ばした回線がいくつかある。

昨年2018年は、6月よりも7月、8月のほうが全体的に遅くなる傾向だった。先月もその点を懸念していたが、今年の7月は6月よりも全体的に速くなっている。2019年後半の通信環境は、昨年よりも良好に推移する可能性が見えてきた。

次回の調査は2019年8月上旬を予定している。今月確認された回復傾向が来月も続くのか、それとも一時的な増速に終わるのか。来月の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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