格安SIMの通信速度を徹底調査
いくつかの回線で調査開始以来最速を記録

【2019年1月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2019年1月の調査では、年度末の商戦期を前にしたネットワークの増強が明らかになった。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素の1つと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年1月9日(水)、佐久平周辺では1月8日(火)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年1月9日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年1月9日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが5.93Mbps(先月は1.80Mbps)、上りが9.09Mbps(同8.94Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが26.81Mbps、mineo(Sプラン)が25.89Mbpsと速い。UQ mobileは7.85Mbpsに留まった。上り通信速度もワイモバイルの17.81Mbps、mineo(Sプラン)の17.18Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.94Mbps(同0.28Mbps)。回線別ではワイモバイルの12.56Mbpsが最速で、UQ mobileの5.63Mbpsがこれに続く。ほかの回線はいずれも1Mbpsに届かなかった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年1月8日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが8.15Mbps(先月は6.43Mbps)、上りが8.35Mbps(同8.65Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが44.69Mbps、UQ mobileが43.73Mbpsと、サブブランドの2回線が好調。上り通信速度もワイモバイルが23.69Mbpsと速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.94Mbps(同3.79Mbps)。回線別では、ワイモバイルが23.64Mbps、UQ mobileが17.97Mbpsと、やはりサブブランドが上位を占めていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 IIJmio(みおふぉん)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年1月9日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年1月9日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが52.49Mbps(先月は12.35Mbps)、上りが12.18Mbps(同9.25Mbps)と、下り通信速度が全般的に速い。

回線別の下り通信速度はドコモ系の回線が好調で、LINEモバイルの82.40Mbpsが最速。OCN モバイル ONEが82.12Mbps、IIJmio(みおふぉん)が72.29Mbpsと続く。上り通信速度はIIJmio(みおふぉん)の17.39Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が17.35Mbps(同5.62Mbps)。回線別ではmineo(Dプラン)の28.91Mbpsが最速だったが、イオンモバイルの28.70Mbps、IIJmio(みおふぉん)の28.17Mbpsも僅差となった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 OCN モバイル ONE
3位 IIJmio(みおふぉん)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 mineo(Dプラン)
2位 イオンモバイル
3位 IIJmio(みおふぉん)

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年1月8日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが11.78Mbps(先月は15.75Mbps)、上りが7.50Mbps(同9.03Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが56.79Mbpsで最も速く、mineo(Aプラン)の22.76Mbps、UQ mobileの22.50Mbpsが続く。上り通信速度もワイモバイルの24.67Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が7.27Mbps(同8.52Mbps)。回線別ではワイモバイルの22.55Mbps、UQ mobileの12.50Mbps、mineo(Aプラン)の10.17Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年1月9日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年1月9日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が15.76Mbps(先月は6.37Mbps)、上りは12.10Mbps(同10.53Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、BIGLOBEモバイルの97.66Mbpsが際立って速い。UQ mobileは37.69Mbps、ワイモバイルは10.19Mbpsとなった。上り通信速度はmineo(Dプラン)の23.56Mbpsが最速。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.85Mbps(同2.55Mbps)。回線別ではUQ mobileの15.55Mbpsが一番速く、IIJmio(みおふぉん)の7.47Mbps、ワイモバイルの6.73Mbpsが続く。BIGLOBEモバイルは1.34Mbpsに留まった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 UQ mobile
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 IIJmio(みおふぉん)
3位 イオンモバイル

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年1月8日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年1月8日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.07Mbps(先月は5.46Mbps)、上りが8.47Mbps(同7.83Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが60.87Mbpsで最速。mineo(Sプラン)の33.36Mbps、UQ mobileの19.90Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Sプラン)の22.94Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.33Mbps(同2.90Mbps)。回線別ではワイモバイルが19.30Mbps、UQ mobileが10.63Mbpsと、サブブランドが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

5. すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2018年12月)と先々月(2018年11月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月も1位はワイモバイルで、速度は34.99Mbps(先月は29.25Mbps)。前回2位のUQ mobileは28.03Mbps(同18.46Mbps)と速度を伸ばしたものの、順位は3位となった。

2位は、18時台の東京駅周辺が速かったBIGLOBEモバイル。速度は29.48Mbps(同2.21Mbps)だった。

12回線全体の平均は17.86Mbps(同8.03Mbps)。前回から大幅に速くなっており、12位の楽天モバイル以外はすべて10Mbpsを上回った。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月はワイモバイルが18.44Mbps(先月は17.55Mbps)で、前回に続き1位に。2位も前回と同じmineo(Sプラン)で、速度は16.24Mbps(同15.91Mbps)だ。

3位はmineo(Dプラン)の10.05Mbps(同7.75Mbps)、4位はmineo(Aプラン)の8.93Mbps(同8.01Mbps)となっており、mineoの上り通信速度が好調だった。

12回線全体の平均は9.61Mbps(同9.04Mbps)で、昨秋からの増速傾向が続いている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今月も前回に続き、ワイモバイルが14.86Mbps(先月は10.73Mbps)で1位に。2位も前回と同じUQ mobileで、12.28Mbps(同8.95Mbps)だ。3位は1年ぶりのランクインとなるIIJmio(みおふぉん)で、速度は7.65Mbps(同1.04Mbps)だった。

12回線全体の平均は、6.45Mbps(同3.94Mbps)。IIJmio(みおふぉん)のランクインに象徴されるように、ドコモ系格安SIMの速度が全般的に速くなっている。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、RBB SPEED TESTの下り通信速度とアプリのダウンロード速度がどちらも前回から大幅に速くなっており、いくつかの回線では2017年12月の調査開始以来最速となった。

新生活が始まる3月から4月にかけての時期は、例年新規ユーザーが大きく増えるタイミングにあたる。ユーザーの獲得にともなう通信需要の増加を見越し、MVNO各社がネットワークの増強を実施した結果が、今月の調査に現れたものと考えられる。

昨年のデータを振り返ってみると、2018年の春はRBB SPEED TESTの下りが3月(14.95Mbps)、アプリのダウンロード速度は2月(3.86Mbps)に、それぞれピークを迎えていた。

ところが、今回2019年1月の調査結果は、どちらも昨年春のピーク時における速度をすでに上回っているのが興味深い。ネットワーク増強のタイミングが早められただけかもしれないが、MVNOのユーザー数は右肩上がりで増え続けているだけに、今後さらなる増強が実施される可能性が高い。

次回の調査は、2019年2月上旬を予定している。春の商戦期目前の通信速度がどこまで伸びるのか、来月の結果にも注目したい。

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松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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