格安SIMの通信速度を徹底調査
今月はワイモバイルが速い!!

【2019年11月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2019年11月5日・6日に実施した今回は、ワイモバイルの速度が際立つ結果となった。

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1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

通信速度の測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。東京駅周辺では2019年11月6日(水)、佐久平駅周辺では11月5日(火)に調査を実施した。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、前々回(2019年9月)まで対象としていたDMM mobileに代わり、前回(2019年10月)からLinksMate(リンクスメイト)」を対象に追加している。また、ソフトバンクと資本・業務提携を結んでいるLINEモバイルについても、前回からソフトバンク回線のSIMに切り替えて調査を実施している。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.LinksMate
10.LINEモバイル(回線:ソフトバンク)※Sプランを2019年10月に回線をドコモからソフトバンクに変更

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年11月6日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年11月6日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが5.36Mbps(先月は2.91Mbps)、上りが9.98Mbps(同7.40Mbps)だった。

回線別の下り通信速度を見ると、ワイモバイルが33.10Mbpsと突出して速く、UQ mobileの13.63Mbps、LinksMateの9.83Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルが18.40Mbpsと速かった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.73Mbps(同1.92Mbps)。回線別ではワイモバイルが10.66Mbpsと速い。ほかに1Mbpsを上回ったのは、UQ mobileの4.78Mbps、LinksMateの1.85Mbpsのみだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年11月5日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年11月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが8.02Mbps(先月は5.23Mbps)、上りが7.46Mbps(同7.81Mbps)だ。

回線別の下り通信速度を見ると、ワイモバイルが67.16Mbps、UQ mobileが19.46Mbps、LinksMateが1.92Mbpsと、東京駅周辺と同じ3回線が速い。上り通信速度もワイモバイルの21.85Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.93Mbps(同2.62Mbps)。回線別に見るとワイモバイルが33.73Mbps、UQ mobileが19.71Mbpsで、どちらも東京駅周辺より大幅に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年11月6日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年11月6日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが10.24Mbps(先月は8.56Mbps)、上りが7.71Mbps(同11.23Mbps)だった。

回線別の下り通信速度を見ると、ワイモバイルの29.42Mbps、LINEモバイルの15.09Mbps、BIGLOBEモバイルの10.80Mbps、UQ mobileの10.68Mbpsが10Mbpsを上回った。上り通信速度はワイモバイルの13.45Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が6.63Mbps(同5.12Mbps)。回線別に見ると、ワイモバイルの14.47Mbps、UQ mobileの10.65Mbps、LINEモバイルの10.38Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 BIGLOBEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LINEモバイル

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年11月5日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年11月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが24.67Mbps(先月は17.05Mbps)、上りが8.99Mbps(同6.15Mbps)だ。

回線別の下り通信速度を見ると、ワイモバイルが98.29Mbpsと速い。5回計測したうちの最速記録は102.94Mbpsだ。これにLINEモバイルの73.73Mbps、UQ mobileの43.38Mbpsが続く。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が11.50Mbps(同10.59Mbps)。回線別に見るとLINEモバイルの33.73Mbps、ワイモバイルの22.49Mbps、UQ mobileの18.38Mbpsが速く、ほかにもmineoのAプランとSプランが10Mbpsを上回った。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年11月6日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年11月6日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が3.00Mbps(先月は3.60Mbps)、上りが8.75Mbps(同7.48Mbps)だ。

回線別の下り通信速度を見ると、UQ mobileの8.21Mbps、LinksMateの4.91Mbps、ワイモバイルの4.90Mbpsが速いものの、いずれも12時台より遅くなっていた。上り通信速度は楽天モバイルの14.23Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.18Mbps(同1.49Mbps)。回線別に見ると、UQ mobileの8.56Mbps、ワイモバイルの7.11Mbps、LinksMateの4.05Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LinksMate

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年11月5日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年11月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが12.22Mbps(先月は7.49Mbps)、上りが7.13Mbps(同6.36Mbps)だ。

回線別の下り通信速度を見ると、ワイモバイルが82.68Mbpsと14時台並みの速度を記録した。UQ mobileの33.44Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの15.81Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.55Mbps(同3.27Mbps)。回線別に見ると、ワイモバイルが33.73Mbps、UQ mobileが11.25Mbpsとなっており、サブブランド2回線の速さが目立つ。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 BIGLOBEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年10月)と先々月(2019年9月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月の1位は、6か月ぶりとなるワイモバイルの52.59Mbpsだ(前回は16.69Mbps)。2位は前回まで5か月連続で1位だったUQ mobileで、速度は21.47Mbpsだった(同22.10Mbps)。UQ mobileは前回とほぼ同じ速度だったが、ワイモバイルが3倍以上速くなったため、半年ぶりに順位が入れ替わった。

3位はソフトバンク回線に切り替えてから2度目の調査となるLINEモバイルで、速度は前回とほぼ同じ15.59Mbps(同15.40Mbps)。12回線全体の平均は10.58Mbps(同7.47Mbps)で、前回と比べて大幅にスピードアップしたワイモバイルによって底上げされた形だ。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月の1位はワイモバイルで、速度は17.66Mbps(前回は14.73Mbps)。2位はソフトバンク回線になったLINEモバイルで、12.94Mbpsだった(同13.11Mbps)。3位は前回1位のmineo(Sプラン)で、速度は10.63Mbpsだ(同14.93Mbps)。

1位から3位までの顔ぶれは前回と同じで、ソフトバンク回線が占める結果に。12回線全体の平均は8.34Mbps(同7.74Mbps)で、前回から少し増速している。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は10か月ぶりのワイモバイルで、速度は20.36Mbpsだった(前回は9.23Mbps)。2位は前回1位のUQ mobileで、速度は12.22Mbpsだ(同10.12Mbps)。サブブランドの2回線が上位を占める状況が続いているが、ワイモバイルはおよそ2年前の調査開始以来最速となった。

3位はソフトバンク回線のLINEモバイルで、速度は7.67Mbpsだ(同7.03Mbps)。12回線全体の平均は5.25Mbps(同4.17Mbps)で、いったん落ち込んだ先月から速度を増している。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

「iPhone」の新モデルが登場する秋は、年度が改まる春に次いで新規ユーザーが増える時期にあたり、前回2019年10月は前々回の9月に比べて速度が遅くなった回線が多かった。

今回の速度調査では全体的に速度が若干回復するものと予想していたが、それを上回る増速ぶりを見せたのがワイモバイルだ。RBB SPEED TESTの下り平均速度は前回の約3倍、Playストアからのアプリダウンロード平均速度は前回の約2倍に増えており、どちらも2017年12月(ほぼ2年前)の調査開始以来最速となった。

ほかの回線でも事前の予想どおり、UQ mobile、BIGLOBEモバイル、イオンモバイル、LINEモバイルのように、前回から増速した回線も確認された。ワイモバイルほどの大幅な伸びではないものの、年度末の商戦期に向けて徐々に速度が回復していくはずだ。

次回の調査は2019年12月上旬を予定している。各回線の速度がどこまで伸びるか、特に今回大幅な伸びを見せたワイモバイルの速度がどう変化するのか、来月の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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