格安SIMの通信速度を徹底調査
スピードテストアプリの上り平均速度が増速(佐久平のみでの調査)

【2021年10月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2021年10月7日に実施した今回は今年に入って減速傾向がみられる上り通信速度が回復し、下り通信速度は前回から横ばいで推移している状況が明らかになった。

長野県佐久市の佐久平駅周辺で格安SIMの速度を調査

長野県佐久市の佐久平駅周辺で格安SIMの速度を調査

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は10月7日(木)。測定に用いた端末は従来通りファーウェイの「P10 lite」だ。

調査方法は以下のように「スピードテストアプリ」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。

【調査方法1】
スピードテストアプリ「Speedtest - インターネット速度」(Ookla)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象となる格安SIMは、以下の12種類だ。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
mineo(Aプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
BIGLOBEモバイル(タイプD)
OCNモバイルONE(新コース)
イオンモバイル(ドコモ回線)
・LinksMate
NifMo
日本通信SIM
y.u mobile
QTmobile(Dタイプ)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年10月7日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年10月7日実施。単位はMbps、以下同様)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが10.69Mbps(先月は12.20Mbps)、上りが5.39Mbps(同4.13Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの55.18Mbpsがほかの回線よりも大幅に速く、これにUQ mobileの18.16Mbps、mineo(Aプラン)の11.47Mbpsが続く。上り通信速度もワイモバイルの17.22Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.38Mbps(同4.39Mbps)だ。回線別に見てみると、mineo(Aプラン)の10.85Mbps、UQ mobileの10.39Mbps、ワイモバイルの6.50Mbpsが速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:55.18Mbps
2位 UQ mobile:18.16Mbps
3位 mineo(Aプラン):11.47Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):10.85Mbps
2位 UQ mobile:10.39Mbps
3位 ワイモバイル:6.50Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年10月7日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年10月7日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが10.61Mbps(先月は10.44Mbps)、上りが5.65Mbps(同4.45Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はUQ mobileの21.66Mbps、mineo(Aプラン)の21.40Mbps、ワイモバイルの20.06Mbpsが同程度の速さを記録。上り通信速度はワイモバイルの14.78Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が7.15Mbps(同6.35Mbps)だ。回線別に見てみると、mineo(Aプラン)の14.57Mbps、UQ mobileの11.41Mbps、ワイモバイルの10.47Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile:21.66Mbps
2位 mineo(Aプラン):21.40Mbps
3位 ワイモバイル:20.06Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン):14.57Mbps
2位 UQ mobile:11.41Mbps
3位 ワイモバイル:10.47Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年10月7日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年10月7日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが10.09Mbps(先月は8.78Mbps)、上りが5.87Mbps(同5.03Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの45.14Mbpsが一番速く、UQ mobileの13.90Mbps、mineo(Aプラン)の12.07Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの18.81Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が5.41Mbps(同5.08Mbps)だった。回線別に見てみるとワイモバイルの12.53Mbps、UQ mobileの8.97Mbps、mineo(Aプラン)の8.96Mbpsが速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:45.14Mbps
2位 UQ mobile:13.90Mbps
3位 mineo(Aプラン):12.07Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:12.53Mbps
2位 UQ mobile:8.97Mbps
3位 mineo(Aプラン):8.96Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。なお、参考として前回(2021年9月)および前々回(2021年8月)の調査結果も併記している。

まずはスピードテストアプリの下り通信速度からだ。

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの40.13Mbps(前回は35.26Mbps)、2位はUQ mobileの17.91Mbps(同18.85Mbps)、3位はmineo(Aプラン)の14.98Mbps(同22.04Mbps)だった。

上位3回線の顔ぶれは前回9月と変わらないが、ワイモバイルが今回は40Mbps台まで増速したいっぽうで、UQ mobileとmineo(Aプラン)は前回と比べて減速している。12回線全体の平均速度は前回とほぼ同じ10.46Mbps(同10.47Mbps)だった。

次は、スピードテストアプリの上り通信速度の結果だ。

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの16.94Mbps(同10.41Mbps)、2位はmineo(Aプラン)の9.49Mbps(同7.90Mbps)、3位はUQ mobileの8.07Mbps(前回は11.21Mbps)だった。

こちらも上位3回線の顔ぶれは前回と同じだ。12回線全体の平均速度は5.64Mbps(同4.54Mbps)で、直近1年間で最も遅かった前回からは2割以上増速している。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はmineo(Aプラン)の11.46Mbps(同10.96Mbps)、2位はUQ mobileの10.26Mbps(同10.00Mbps)、3位はワイモバイルの9.83Mbps(前回は11.81Mbps)だった。

mineo(Aプラン)とUQ mobileは前回とほぼ同水準だが、ワイモバイルは今回2割近く減速した。12回線全体の平均は5.31Mbps(同5.27Mbps)で、前々回の8月から3か月続けて5Mbps台前半を維持している。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2021年10月の調査では、今年に入ってから減速傾向がみられるスピードテストアプリの上り平均速度が増速し、2021年7月と同水準まで回復した。スピードテストアプリの下り平均速度、および実際の利用環境の一例として調査しているPlayストアからのアプリダウンロード平均速度は前回とほぼ同じだ。

回線別に見ると、スピードテストアプリの上り平均速度は8回線で増速。特に、ワイモバイル、イオンモバイル、y.u mobile、QTmobile(Dタイプ)は前回と比べて1.6〜2倍速い。いっぽう、スピードテストアプリの下り平均速度とアプリダウンロード速度は6回線が増速・6回線が減速と半々に分かれており、全体としては前回から横ばいで推移したと言える。

以下のグラフは2020年9月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。2021年4月以降、Playストアからのアプリダウンロード平均速度は5Mbps前後で推移しており、比較的安定していることがわかる。

12回線全体の平均速度推移(2020年9月以降、佐久平駅周辺のみ。2021年4月からスピードテストアプリを変更していることに留意)

12回線全体の平均速度推移(2020年9月以降、佐久平駅周辺のみ。2021年4月からスピードテストアプリを変更していることに留意)

また、12時台・14時台・18時台の平均速度どうしを比較してみると、14時台のアプリダウンロード速度は12時台に対して2倍程度速いものの、スピードテストアプリの上り・下り平均速度はどの時間帯でもほぼ同じだった。同様の傾向は2021年8月の調査時にも現れており、特定の時間帯に通信需要が集中しにくくなっていることをうかがわせる。

次回の調査は2021年11月上旬を予定している。新型コロナウイルス感染症は日々の新規陽性者発表数がこの2か月ほどの間に大幅に減ってきており、経済活動の回復が期待されるなかで人流も徐々に増えていくことが予想される。次回の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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