格安SIMの通信速度を徹底調査
アプリのダウンロード平均速度はほぼ横ばい(佐久平のみでの調査)

【2021年4月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2021年4月6日に実施した今回からは調査方法や調査対象回線を一部変更しているが、サブブランドの安定した通信環境を改めて確認する結果となった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は4月6日(火)。測定に用いた端末は従来通りファーウェイの「P10 lite」だ。

調査方法は以下のように「スピードテストアプリ」と「Playストアからのアプリダウンロード」の2通りを実施した。なお、前回2021年3月の調査まではスピードテストアプリに「RBB SPEED TEST」(イード)を利用してきたが、本調査の環境では2021年に入った頃から一部の回線において測定時にエラーが頻発するようになってしまった。そのため、主要なスピードテストアプリを複数試した結果、今回からは比較的安定して調査が行えたOoklaのスピードテストアプリに切り替えている。

【調査方法1】
スピードテストアプリ「Speedtest - インターネット速度」(Ookla)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、前回まで対象だった「LINEモバイル(ソフトバンク回線)」「mineo(Dプラン)」「mineo(Sプラン)」に代わり、今回からは「日本通信SIM」「y.u mobile」「QTmobile(Dタイプ)」を新たに調査対象としている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
mineo(Aプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
BIGLOBEモバイル(タイプD)
OCNモバイルONE(新コース)
イオンモバイル(ドコモ回線)
LinksMate
NifMo
日本通信SIM
y.u mobile
QTmobile(Dタイプ)

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年4月6日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年4月6日実施。単位はMbps、以下同様)

スピードテストアプリの全体の平均は下りが7.21Mbps(先月は7.79Mbps)、上りが4.66Mbps(同8.71Mbps)だ。回線別に見ると、下り通信速度はワイモバイルの23.72Mbps、日本通信SIMの13.22Mbps、BIGLOBEモバイルの10.08Mbpsの順に速い。上り通信速度はワイモバイルの7.89Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.42Mbps(同4.43Mbps)だ。回線別に見るとワイモバイルの11.71Mbpsが一番速く、日本通信SIMの6.84Mbps、y.u mobileの5.47Mbpsがこれに続く。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:23.72Mbps
2位 日本通信SIM:13.22Mbps
3位 BIGLOBEモバイル:10.08Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:11.71Mbps
2位 日本通信SIM:6.84Mbps
3位 y.u mobile:5.47Mbps

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年4月6日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年4月6日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが10.90Mbps(先月は15.01Mbps)、上りが5.13Mbps(同7.78Mbps)だ。回線別に見ると、下り通信速度はワイモバイルの25.96Mbps、UQ mobileの20.60Mbps、mineo(Aプラン)の15.84Mbps、y.u mobileの12.76Mbpsが速かった。上り通信速度はUQ mobileの8.99Mbpsが最も速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が6.08Mbps(同7.65Mbps)だ。回線別に見ると、ワイモバイルの12.99Mbps、mineo(Aプラン)の9.66Mbps、UQ mobileの8.65Mbpsの順に速かった。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:25.96Mbps
2位 UQ mobile:20.60Mbps
3位 mineo(Aプラン):15.84Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:12.99Mbps
2位 mineo(Aプラン):9.66Mbps
3位 UQ mobile:8.65Mbps

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年4月6日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年4月6日実施)

スピードテストアプリの全体の平均は、下りが9.84Mbps(先月は11.57Mbps)、上りが5.01Mbps(同6.22Mbps)だ。回線別に見ると下り通信速度はワイモバイルの26.78Mbpsが一番速く、イオンモバイル、mineo(Aプラン)、LinksMate、UQ mobile、OCN モバイル ONEが11Mbps前後でこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの10.40Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が4.88Mbps(同6.31Mbpsだ。回線別ではワイモバイルの17.13Mbpsが速く、イオンモバイルの6.68Mbps、mineo(Aプラン)の6.36Mbps、UQ mobileの6.03Mbpsがこれに続いた。

●スピードテストアプリ下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:26.78Mbps
2位 イオンモバイル:11.93Mbps
3位 mineo(Aプラン):11.08Mbps

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル:17.13Mbps
2位 イオンモバイル:6.68Mbps
3位 mineo(Aプラン):6.36Mbps

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。なお、調査環境は異なるが、参考として前回(2021年3月)と前々回(2021年2月)の調査結果も併記している。

まずはスピードテストアプリの下り通信速度からだ。

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

スピードテストアプリの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの25.49Mbps(前回は45.36Mbps)、2位はUQ mobileの11.79Mbps(同15.22Mbps)だった。2020年夏頃から開き始めたワイモバイルとUQ mobileの速度差は、調査環境を変更した今回の調査にも現れている。

3位はmineo(Aプラン)の9.99Mbps(同9.11Mbps)だった。上位3回線をドコモ回線以外の格安SIMが占めた格好だが、今回から調査対象に加えたy.u mobileや日本通信SIM(いずれもドコモ回線)もmineoに匹敵する平均速度となっている。12回線全体の平均速度は9.32Mbps(同11.46Mbps)だった。

次は、スピードテストアプリの上り通信速度の結果だ。

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

スピードテストアプリの上り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの8.64Mbps(前回は14.23Mbps)、2位はUQ mobileの7.52Mbps(同7.89Mbps)、3位はmineo(Aプラン)の7.16Mbps(同8.88Mbps)で、上りの平均速度もソフトバンク回線とau回線が占めた形だ。12回線全体の平均は4.93Mbps(同7.57Mbps)だった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの13.94Mbps(前回は12.61Mbps)、2位はmineo(Aプラン)の6.81Mbps(同7.96Mbps)、3位はUQ mobileの6.21Mbps(同9.11Mbps)だった。

アプリダウンロード時の速度はこれまでと同じ方法で調査しているため、各回線における速度の推移を把握しやすい。ワイモバイルは前回からやや速度を増したものの、ほかの回線は減速が目立つ。12回線全体の平均は4.79Mbps(同6.13Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

調査方法のひとつであるスピードテストアプリを変更した都合上、今回の調査結果を前回2021年3月までの結果と比較するのは難しいが、大手キャリアのサブブランドであるワイモバイルとUQ mobileの通信速度が比較的安定していることが改めて確認できた。特にワイモバイルは異なる時間帯でも通信速度は大きく変わらず、同程度の速度をキープしている。また、今回から調査対象に加えた3回線のうち、日本通信SIMとy.u mobileはサブブランドに次ぐ水準の速度を記録した。

以下のグラフは2020年3月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。格安SIMの通信速度は例年春にひとつのピークを迎え、その後は夏に向けて徐々に減速する傾向にある。今年も来月以降減速傾向に入ることが予想されるが、オリンピック・パラリンピックの開催や新型コロナウイルス感染症の影響により、例年とは異なる推移を見せることも考えられる。

12回線全体の平均速度推移(2020年3月以降、佐久平駅周辺のみ。2021年4月からスピードテストアプリを変更していることに留意)

12回線全体の平均速度推移(2020年3月以降、佐久平駅周辺のみ。2021年4月からスピードテストアプリを変更していることに留意)

次回の調査は2021年5月上旬を予定している。春の商戦期を終えた格安SIMの通信環境がどのように変化していくのか、引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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