南井正弘の「毎日走って、わかった!」
ベストセラーシリーズ新作「ウルトラブースト 19」の履き心地をチェック

【試走】アディダスの高価格帯シューズが待望のフルモデルチェンジ!

アディダスの「ウルトラブースト」といえば、高価格帯ランニングシューズのベストセラーであり、代名詞。

ランニングシーンとカジュアルシーンの両方をシームレスにつなぐ存在として、世界中で人気を博しているモデルだ。そんなハイプライスゾーンの絶対王者がフルモデルチェンジ。その名も「ウルトラブースト 19(ナインティーン)」として生まれ変わったのだ。

「ウルトラブースト 19(ナインティーン)」(品番:B37708)

「ウルトラブースト 19(ナインティーン)」(品番:B37708)

筆者は、「ウルトラブースト」の履き心地のよさとスタイリッシュなデザインに魅了され、初代モデルが登場した2015年以来、これまで10足ほどの同シリーズモデルを履いてきたが、その汎用性の高さや快適な履き心地は、ほかの追随を許さなかった。他ブランドは同様のシューズを開発しようとしていたが、結果的に同レベルのプロダクトをリリースすることはできなかったのである。

本モデルは、そんなシューズがモデルチェンジするとだけあって、ランナー、そしてスポーツシューズ業界から大きな注目を集めた。

そんななかアディダスが取った手法は、世界中の4000人のランナーの意見とアディダスの最先端技術を融合することであった。

走行性能を大きく向上させた4つの改良点

改良点は、大きく分けると4つ。

1点目はミッドソール。初代モデルと比較して、20%増量された「オプティマイズドBOOSTフォーム」を搭載したことだ。このマテリアルは、全体の重量を10%軽量化させ、これまでにないすぐれた反発力を提供する。

ミッドソールは、初代モデルと比較して20%増量された「オプティマイズドBOOSTフォーム」を搭載。この素材は、全体の重量を10%軽量化させ、これまでにないすぐれた反発力を提供してくれる

2点目は、従来の「ウルトラブースト」シリーズよりも長い「トルションスプリング」をミッドソール内部に配したこと。この新デザインの「トルション」は、自然な重心移動による推進力に貢献し、着地のたびにミッドソールと連動。次の1歩の蹴り出しに対して力を還元する。

色付けされたパーツが「トルションスプリング」。見えているのは一部で、実際はミッドソールの内部にも広がっている

3点目は、ソックスのように継ぎ目なく編まれたシームレスウーブンの「プライムニット360」アッパーが足を包み込み、快適で軽快なパフォーマンスを実現すること。これにより、かつてないフィット感を提供している。

足の一部のような履き心地で足を包み込む「プライムニット360」は、しなやかでありながら耐久性を持ち、ランナーが最も必要とするポイントをサポートする素材

最後の4点目は、足の動きに合わせてサポートするようにデザインされた「3D ヒールフレーム」。頑丈でありながら「プライムニット360」 に調和する素材を採用し、軽量化も実現。かかとをしっかりとホールドすると同時に、アキレス腱をサポートする。

中心部を省き、必要な部分だけを残した「3Dヒールフレーム」

中心部を省き、必要な部分だけを残した「3Dヒールフレーム」

以上、4つの機能の改良により、「ウルトラブースト19」の走行性能は、前作から大きく向上している。

実際に履いて走ってみた

着用シーンの例

着用シーンの例

足を入れてみて最初に気づくのは、フィット感のよさだ。「プライムニット360」を採用したアッパーによるフィットは想像以上で、月並みな表現だが、まさに靴と足が一体化した感覚。独自形状の「3D ヒールフレーム」も快適性を損なうことなく、かかとをやさしく包んでくれた。

走り始めると、従来の「ウルトラブースト」シリーズと比べて反発力が高く、前方への推進力が向上したことを感じる。従来の「ウルトラブースト」シリーズはもう少しフワフワしたクッション性を感じられたが、本モデルでは跳ねるような走り心地を体感できた。

「ウルトラブースト」シリーズはそのラグジュアリーな外観に似合わず、ランニングシューズとしてのポテンシャルは高いことで知られていたが、本モデルでも、6分/kmのスピードで走り始めて最後4分30秒/kmまでペースを上げたが、シューズが足の動きにしっかりとついてきたので、従来モデルよりも速めのペースに対応してくれたことになる。

アウトソールには、同社ランニングシューズでおなじみの「コンチネンタルラバー」を採用。アスファルトやコンクリートといったオンロードで最高のグリップ性を発揮するが、ある程度刻みの深いアウトソールパターンにより、公園の土の路面でも十分なトラクション性能を提供してくれた

そして、「やっぱり『ウルトラブースト』はいいなぁ」と思った点は、30kmロードレースを行った翌日の疲労が残る脚にもやさしく、日課の6kmランを脚部の痛みをほとんど感じずに終えることができたことである。このような保護性能の高さは、しっかりと前モデルから継承されているのだ。

洗練されたデザインも、「ウルトラブースト」シリーズで忘れてはいけない特徴だ。今回のモデルチェンジでは高級感を残しつつ、従来の面影を極力排除しているように思えるが、カジュアルシーンにもマッチするスタイリッシュさはしっかりとキープ。今回筆者がトライしたモデル「B37708」は明るめのカラーリングだが、今後のカラーバリエーションの追加も期待したいところ。普段履きとして使用していても、長時間快適な履き心地をキープしてくれる点もうれしい。

【まとめ】価格に見合った性能の高さを実感

今回のモデルチェンジを再検証すると、外観の変化以上に内面が大きくスペックアップしている点に注目したい。特に先述の4つの改良点による機能向上は、筆者の想像以上であり、そのパフォーマンス性能の高さを考慮すると23,760円(税込)というメーカー希望小売価格の設定は、決して高くないと思う。「ウルトラブースト19」は、1足のシューズをランからカジュアルまで使用したいというユーザーに、ピッタリなプロダクトと言える。

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
スポーツシューズのその他のカテゴリー
価格.comマガジン「動画」まとめページ
ページトップへ戻る