レビュー
アンダーアーマー「UAホバー マキナ」の試走レビュー!

カーボン混プレート内蔵&スマホ連携の最先端シューズで走ってみた!

IoT(Internet of Things)のギアは、スポーツの世界でも徐々に広がりを見せている。

2020年2月、アンダーアーマーは、シューズ自体をスマートフォンと連携させるランニングシューズ「UAホバー マキナ」を発売。シューズに内蔵された加速度センサーにより、着地の際の接地時間や足の角度、ストライド、ケイデンス(足の接地回数)といった走行時のデータを収集し、それを連携スマホのアプリで表示する。

カーボンを混ぜ込んだプレートを搭載した“スマートランニングシューズ”「UAホバー マキナ」。公式サイト価格は、16,500円(税込)

本モデルの特徴は、スマホ連携だけに留まらない。ナイキの“厚底シューズ”の興隆とともに各メーカーが力を入れ始めた「カーボン」を混ぜたプレートを内蔵。一般的に初心者には扱いが難しいと言われている“カーボンモデル”ではあるが、アンダーアーマー独自の「コーチ機能」とクッショニング素材のおかげで、正しい走り方を安全にマスターできそうなのだ。

今回は、そんな「UAホバー マキナ」の試走レビューをお届けする。

正しい走り方へと導く「コーチング機能」を使ってみた!

アンダーアーマー独自のアプリ「Map My Run」には、走ったデータが閲覧できる機能のほか、ランナーに適したケイデンスやストライドを示すパーソナルコーチング機能が搭載されている。一般的なランニングアプリでは、アプリ自体あるいはスマートウオッチで計測した走行ペースやストライドなどが閲覧できるものの、その数値をどう使うかは示されていないことが多い。そのうえ、その数値を実際に生かすためには経験や知識が必要とされるので、初心者ランナーは単にデータを蓄積していくだけという状況に陥りやすい。

シューズとスマホ用アプリ「Map My Run」と接続することで、自分の走りが可視化できる

シューズとスマホ用アプリ「Map My Run」と接続することで、自分の走りが可視化できる

しかし本アプリは、ランニング終了後に独自のアルゴリズムによって数値を提示するうえに、「ストライドを長めに」「ケイデンスを速めて」などのアドバイスも提供してくれる。アドバイスの内容は「身体の真下に足を着くように」など、イメージしやすい言葉で“指導”してくれるので、まさに本物のパーソナルコーチがついてくれているような気にさせてくれるのだ。

また、本アプリはランニングのデータが蓄積されればされるほど、アドバイスの精度が向上する。よりパーソナル感が高まって、走るためのモチベーションが維持しやすくなるわけだ。

従来は、主にスポーツ向けスマートウオッチでランニングのデータを収集・分析するのが主流だったが、本モデルはソールにセンサーを内蔵したことで、より精度の高いランニングデータを収集できるようになった

アプリ上で閲覧できる計測データ

ケガの予防についてやさしく指導してくれたかと思いきや、「前回と変わらない」などの厳しめの指摘もあり。まさにアプリがコーチとして、ユーザーの走りを磨いてくれる

さらに本モデルは、イヤホンを一緒に使用すると、ランニング中に音声でペースやピッチを教えてくれる。「もう少しピッチを上げましょう」「ストライドを狭めましょう」など、その時の走行の状態から導き出されたアドバイスをしてくれるところはまさにコーチのようだった。

スマホと連携させたイヤホンを着けて走れば、走りを改善するアドバイスが音声で受けられる

スマホと連携させたイヤホンを着けて走れば、走りを改善するアドバイスが音声で受けられる

「UA HOVR」+「カーボン」でクッション性と反発性を両立していた!

カーボンを混ぜ込んだ高反発樹脂を、ソール内に内蔵

カーボンを混ぜ込んだ高反発樹脂を、ソール内に内蔵

「UAホバー マキナ」は、IoTシューズとしての一面だけではなく、ランニング界でトレンドの素材「カーボン」を使用したランニングシューズという一面も持つ。中足部から前足部にかけて高反発樹脂素材にカーボンをブレンドしたフォーク上のプレートを搭載しており、着地時の衝撃を推進力に変換。少ない力でもペースアップすることが可能だ。

着地時の衝撃をやわらげる、アンダーアーマー独自のクッション素材「UA HOVR(ホバー)」も効いている

着地時の衝撃をやわらげる、アンダーアーマー独自のクッション素材「UA HOVR(ホバー)」も効いている

ソールに使用されているクッション素材「UA ホバー」は、アンダーアーマーの従来のランニングシューズにも使用されている素材で、衝撃吸収性と反発性を両立させたすぐれたもの。本モデルはこの「UA ホバー」にカーボン入りプレートをプラスすることで、より滑らかな重心移動と力強い推進力を実現している。

アッパーは、通気性とフィット感が高いメッシュ素材を採用

アッパーは、通気性とフィット感が高いメッシュ素材を採用

実際に履いて走ってみた!

カラーは、写真の「Beta/Black」を含む、3色をラインアップ

カラーは、写真の「Beta/Black」を含む、3色をラインアップ

ここからは、音声による「コーチ機能」と、カーボンを混ぜたプレート入りのソールに注目しながら、使用感をリポートする。

筆者はランニングする際、ランニング用スマートウオッチを使用。したがって、走行中のペースを数値で確認するには、腕に目を落とす必要があったが、“当たり前”のことなので不便さは感じていなかった。

しかし「UAホバー マキナ」を使用してみると、音声でペースを知らせてくれる便利さにちょっと感動してしまった。筆者が走るコースは河川敷から市街地までとさまざまだが、歩行者もいればクルマも通る。そんな場所を走る際に、チラチラ時計を見ながら走るのは、実は意外とストレスだったのかもしれない。定期的に(音声の通知タイミングは自分で設定可能)ペースを知らせてくれるため、前方を常に見ながらランニングにとても集中できた。

自分に適したケイデンスを“指導”してくれる

そのほか、音声に関して印象的だったのは、自分に合ったケイデンス(足の回転数)とストライド(歩幅)も音声で教えてくれるコーチング機能だ。スマホを携帯しながら走ると「ケイデンスが低い(回転数が遅い)ので、もっと上げましょう」「ストライドを狭めましょう」などのアドバイスが受けられる。これは1kmごとに受けられるので、走りながら自分の走りを改善していける。

ランニングフォームの大切さは知っていても、コーチ役が近くにいない限りはなかなか改善することは難しい。このシューズはアプリがコーチ役になって逐一“指導”してくれるので、履き込んでいけば比較的早く、理想の走りを手に入れられるかもしれない。

カーボンの反発によりペースを上げるのがラク!

筆者は実は、アンダーアーマーのスマートランニングシューズ「UAホバー インフィニット2」も愛用しており、最新モデルと走り比べることができた。

「マキナ」と同じクッション素材「UAホバー」を採用した「インフィニット2」。「カーボン混プレート」は内蔵していないが、これもアプリと連動できるスマートランニングシューズだ

「UAホバー マキナ」(左)と「UAホバー インフィニット2」(右)を履いた際のランニングデータ。約10kmのランニングだったが、走行時間は2分ほど「UAホバー マキナ」を履いた時のほうが短かった

「UAホバー マキナ」と「UAホバー インフィニット2」を同じ距離と同じルートで履いて走り比べた結果、「平均ストライド」「平均設置時間」「平均フットストライク角度」に違いが見られた。

いつものジョギングペースで走っていたが、「UAホバー マキナ」はその反発性のためか自然とペースが上げる。その結果ストライドが伸びたのだと思う。またペースが上がったため、地面との設置時間も短くなった。

「フットストライク角度」というのは、地面に着いた際の足の角度のこと。つま先側で着地する(フォアフット着地)は小さな数値で表示され、かかと側で着地する(ヒールストライク)になると大きな数値で表示される。筆者の場合は2〜7°なので中間のミッドフット着地ということになる。

ちょっとマニアックな話になるが、カーボンプレート内蔵のシューズを使いこなすには、フォアフット気味で走ることが大切だと言われている。ペースが遅いランナーほど、かかと着地の傾向が強い。最近話題の「この手のシューズは初心者向けではない」と言われる理由のひとつがこれだ。ただし、「UAホバー マキナ」の場合、“コーチ”の音声によってフォアフット着地へと導いてくれたので、より「カーボン混プレート」の反発性の恩恵を得られたのだろう。

【まとめ】カーボンプレート内蔵シューズを試したい人にぴったり

カーボンプレート内蔵シューズがランニング界の話題をさらっているが、誰でも使いこなせるわけではないのが現実だ。それに対応した走り方をマスターしないと、宝の持ち腐れになるだけではなく、故障の原因にもなる、という話も聞く。「UAホバー マキナ」はアプリと一緒に使用することで、自分の走りも磨きながら、プレートの反発も使えるように導いてくれるシューズだと感じた。“コーチ”の指示に従えば、故障しにくいフォームも身につき、安全に走ることもできるだろう。

ちなみに、公式サイトでは本モデルを、「フルマラソン完走からサブ4(フルマラソン4時間切り)を目指す幅広いランナーにオススメ」とカテゴライズしている。

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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