南井正弘の「毎日走って、わかった!」

ホカ オネオネ「ボンダイ X」実走レビュー! これほど楽に速く走れる靴はホカになし

ホカ オネオネの「ボンダイ」と言えば、同社のみならず、スポーツシューズ業界全体において最もボリューミーなミッドソールを配し、最高レベルのクッショニング性能を確保した1足だ。今まで第7弾モデル「ボンダイ 7」まで展開されてきたが、今秋リリースされた「ボンダイ X(エックス)」は、同シリーズが継承してきた“マキシマムクッショニング”と、カーボンプレートによる抜群の推進力と安定感を、高次元でミックスすることに成功している。

ホカ オネオネ「ボンダイ X(BONDI X)」(品番:1113512)。公式サイト価格は、30,800円(税込)

ホカ オネオネ「ボンダイ X(BONDI X)」(品番:1113512)。公式サイト価格は、30,800円(税込)

ホカ オネオネは、フワフワした独自のクッション性を「マシュマロクッショニング」と呼び、従来のスポーツシューズとは異なる独自の走行感で世界中のランナーを魅了してきた。なかでも「ボンダイ」シリーズは、同社のオンロードランニング向けシューズで最もボリューミーなソールユニットを有する1足で、スポーツシューズ業界全体を見渡しても、このモデルに匹敵する衝撃吸収性能を確保したプロダクトは数少ない。

そんな「ボンダイ」の特徴を継承しつつ、ミッドソール内部にカーボンファイバープレートを配したのが「ボンダイ X」。本モデルは、「LEVEL UP FOR ALL=すべてのランナーのレベルアップのために!」をコンセプトに、あらゆるレベルのランナーのさまざまな目標達成をサポートするために開発された。

アッパーには、「3Dホットメルト糸」を使用した通気性の高いメッシュを使用し、シュータンは通気性を高めるために随所に通気孔を配置。ソールユニットに目を移すと、「ボンダイ」シリーズの特徴であるボリューミーなミッドソールを継承しているが、ミッドソール後端を後方に伸ばした点が本モデルの外観の大きな特徴だ。これにより、着地時の安定性を確保しているという。

アッパーには、「3Dホットメルト糸」を使用した通気性の高いメッシュを採用。フィット感もよく、長時間の走行でも快適性を失わない

アッパーには、「3Dホットメルト糸」を使用した通気性の高いメッシュを採用。フィット感もよく、長時間の走行でも快適性を失わない

「ボンダイ」シリーズの代名詞である極厚ミッドソールを継承しつつ、カーボンファイバープレートも内蔵することで推進力を向上。ミッドソールを後方へと張り出させることで、着地時の安定感も高めている

「ボンダイ」シリーズの代名詞である極厚ミッドソールを継承しつつ、カーボンファイバープレートも内蔵することで推進力を向上。ミッドソールを後方へと張り出させることで、着地時の安定感も高めている

カーボンファイバープレートによる、着地安定性と推進力向上を実感!

実際に履いて走ってみた!

実際に履いて走ってみた!

足を入れてみると、「マシュマロクッショニング」と形容される同ブランド独自の比類なきクッション感は保持しているが、立っている状態では、今までの「ボンダイ」シリーズのようなフワフワとした感覚はない。これは、カーボンファイバープレートが内蔵されたことで、安定感が向上した結果だと推測される。

走り始めると、立っている時以上に着地時の安定性を感じられるのに加え、ホカ オネオネ独自の「メタロッカー構造」によるゆりかごのような転がる感覚を確保。着地から蹴り出しまでをしっかりとサポートしてくれた。

ペースを上げると、従来の「ボンダイ」シリーズよりも推進力が高く、「無理のないペースなら、いつまでも走っていられるなぁ……」と思えるほど。この日は、アスファルトやコンクリートといった舗装路以外に、公園の土の路面でも走ってみたが、「ボンダイ X」のアウトソールは、しっかりと路面をつかんでくれた。

アウトソールは軽量化のため、耐摩耗性が特に必要な部分にのみ、ソリッドラバーを配置

アウトソールは軽量化のため、耐摩耗性が特に必要な部分にのみ、ソリッドラバーを配置

従来の「ボンダイ」シリーズで走る時に、自分にとって最もピッタリだと思ったペースは6分20秒/kmほどだったが、「ボンダイ X」の場合、5分50秒/kmほどのペースが最も快適に感じられた。このあたりは、新たに採用されたカーボンファイバープレートが、着地安定性だけでなく、推進力向上にも貢献しているからだろう。

そして、「ボンダイ X」が従来の「ボンダイ」シリーズとの違いを特に感じさせたのが、ある程度のペースでカーブを曲がる時の安心感だ。従来の「ボンダイ」シリーズも、見た目とは対照的に高い安定性を保持しているが、その極厚ミッドソールの構造から、どうしてもスピードをゆるめてしまうのは否めなかった。いっぽう「ボンダイ X」は、それほど減速しなくても、コーナーに進入してカーブすることができた。

「ボンダイ X」は、ある程度重量を有するシューズなので、極端に速いペースでの走行には向いていないと思うが、「LSD(Long Slow Distance/ゆっくり長く走る)」などのゆっくりしたペースだけでなく、さまざまなランニングトレーニングでも活用できる1足だと思う。

【まとめ】今までのどんなシューズよりも楽に速く走れる!

以上のように、ホカ オネオネの「ボンダイ X」は、従来の「ボンダイ」シリーズの持つトップレベルのクッション性能に、カーボンファイバープレートによる推進力をプラス。ホカ オネオネ独自の「メタロッカー構造」もしっかりと継承しているので、自然と足が前方に出るような感覚は、同社のプロダクトの中でもトップレベルと言える。

同社のシューズ「カーボン X」や「カーボン X 2」も、「カーボンファイバープレート」を内蔵しており、すぐれた推進力を提供してくれるが、あくまで中級以上のランナー向け。そういった意味において、「ボンダイ X」は、「LEVEL UP FOR ALL」を標榜するだけあり、あらゆるレベルのランナーに対応してくれる1足だ。

唯一の欠点としてあげるとすれば、そのプライス。税込で30,800円は、購入できる人がかなり限られる価格だ。筆者が懇意にしている高給取りのランナーも、「『ボンダイ7』の23,100円くらいまでなら、何とかなるのだが……」とコメントしたほど。この点さえクリアできれば、「ボンダイ X」は今までのどんなシューズよりも楽に速く走ることができるだけに、満足度は高いはずだ。さらに、スタイリッシュかつボリューミーなデザインは、街履きとしても活躍してくれるので、1足でランニングシーンからカジュアルシーンまで対応。「ボンダイ X」は、そういった意味でも、30,800円という価格以上の価値があるプロダクトと言えるだろう。

南井正弘

南井正弘

ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長。「Running Style」などの他媒体にも寄稿する。「楽しく走る!」をモットーにほぼ毎日走るファンランナー。フルマラソンのベストタイムは3時間52分00秒。

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